あらすじ
人の不幸のみを予言する謎の占い書《フォーチュンブック》。偶然入手した七人の男女は、運命の黒い糸に絡めとられたかのように、それぞれの犯罪に手を染める。錯綜する物語は、やがて驚愕の最終話へ。連作ミステリーの到達点を示す傑作長篇。
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松本の書店でフォーチュンブックを買った7人の男女が事件に巻き込まれ、事件を起こし不幸になるが買った7人が不幸の中に全て繋がって7人が事件に関わって連鎖する。
カチリと枠にはまった時、また不幸を引き起こすような場面で終わる。
読み進めるとこの人とここで繋がるのか。どこで繋がるのか?どんどん止まらなくなる題名の共犯マジックそのもの。
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いやー面白かった。連作短編集のような長編のような。人の不幸のみを予言する「フォーチュンブック」をめぐる人たちの話。そこに帝銀事件、三億円事件、グリコ・森永事件が絡んでいく。人物相関図を描きたくなるほど入り組んでるけど、それなりについていけるし、やっぱ実在の事件と絡むのがとても面白い。今もって真相は分からないんだもんな。
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「フォーチュンブック」読んでみたい…でも怖い。
三億円事件とか、グリコ・森永事件とか、実際の事件をこうやってからませるミステリはすごい。購入者と店員が1つ1つの話にどうつながっているのか、最後に分かって面白かった。
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フォーチュンブックを中心にした、それにまつわる連作短編集。連作短編集好きとしては、その時点で結構ポイント高し。で、肝心の内容も期待を裏切らず、昭和史に残る大事件を絡めて、意外な真実に迫っていく。それぞれの人物にまつわる短編もひとつひとつが面白くて、通底するコンセプトを抜きにしても十分楽しませてもらえた。連作短編集を得意とした作家らしいから、他の作品にも楽しめるものがありそう。
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短編連作
フォーチュンブックという、人の不幸しか占わない本を中心に、それに関わった人たちの運命が微妙に絡み合い、犯罪に関係したり、暗い人生を歩んだり
実際に起きた事件と絡み合わせて書いてて、登場人物が多いんだけど、どれも意味があって面白かった
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本屋でPOPに惹かれて手に取った一冊。
いやはや予想外に面白かった!これだから本屋徘徊はやめられない(^_^)
災厄のみを予言するという「フォーチュンブック」が若者の間で爆発的にヒット、その影響で自殺者が多発したことからついには発売禁止にまで至り、社会現象となっていた。
そんな中ある書店でたまたま同じ日にフォーチュンブックを手に入れた7人の男女、運命の黒い糸に導かれるように彼らはそれぞれの犯罪に手を染めて行くのだった。
帝銀事件、グリコ森永事件、3億円事件など…昭和の事件史を勉強したいと思える内容でした。
この作家さんは初めてでしたが、連作短編を全部読むと長編ミステリーになるという作風のようで、最初の方に出てきた人間の名前を忘れて何度読み返したことか。。
あ、あの人とあの人がここで繋がってこうなったのね!みたいな種明かしの最終章はもうちょいじっくり読みたかったです。乙黒の犯行動機もあんまりしっくり来なかったし。
もう一度読んだら面白いかも。
とにかくびっくりするくらいみんな不幸!苦笑
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不幸な結果しか出ないフォーチュンブック。そのフォーチュンブックを手にした人達が事件に巻き込まれていく。昭和の未解決事件を織り交ぜながら、話は進んでいく。最後の章は、あっ!!と声を出してしまった(笑)。
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人の不幸のみを予言する謎の占い書「フォーチュンブック」。偶然入手した七人の男女は、運命の黒い糸に絡めとられたかのように、それぞれの犯罪に手を染める。錯綜する物語は、やがて驚愕の最終話へ。連作ミステリーの到達点を示す傑作長篇。
一冊の占いの本にまつわる短編集。
でも、すべてが繋がっており、面白い。ただ、名前が途中で偽名になったり呼び名が変わったりして頭を整理しながら読まないと本当の面白さがわからないと思った。
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最初に読んだ時はよくわからなかったが、再読してみてそのよさがわかった。
昭和史に刻まれた迷宮入り事件の数々が『フォーチュンブック』という謎の書物によって絡み合う展開は、都合のいいように映るので、事件の真相を知りたいと言う方には向かないが、これとこれが繋がっているのか、とページを後戻りしながら読んでいると、パズルを組み合わせているような快感に浸れ、最後にはすべてがバチッと嵌まる。とても味のある本だというのが後からわかった。
でも登場する事件のことを知らない人が読んでも面白くないと思うので、ある程度の予備知識は必要。
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占い本「フォーチュン・ブック」。不幸に関することしか載っておらず、しかも的中率は凄い。あまりにも世間を惑わせ、多くの自殺者を出したこの本は出版業界が自主規制していたのだが長野県のとある書店に数冊残っていた。同じ日、同じ書店で7冊のフォーチュン・ブックがそれぞれ違う人の元に渡った。その7人の「その後」に起こった不幸とは―。
フォーチュン・ブックにまつわる7つの話が順に紹介され、7つの話の繋がりが徐々に徐々に見えてくる。1つ1つが昭和という時代に実際に起きた何らかの事件と関わっている設定だが全てのつながりが見えるとはっとする。この人の文章は途中でトリックにまつわるヒントと答えがわかりやすく明示されがちなため、途中で先が読めてしまう箇所も幾つかあったがそれでも最終的にはどうなるのだろう、と全貌を知りたくて一気に読んでしまった。
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お友達のレビューにやられて読んだ本。かなり大きい本屋さんでも在庫切れで、注文しました。七部構成になっていて、それぞれ別々の話のようだけど、最終話で、つながります。途中は、やきもきしましたよー。え?これで終わり?っていう、物足りなさがあったり。でもそれがちゃんと最後に上手い具合に解決されるのですよー。登場人物が多くて、名前がごちゃまぜになっちゃいました。内容は面白くて、早く先が読みたくなるような話ですが、文章との相性が悪いみたいで読み終わるのに、なぜか二週間もかかった・・・。272ページの薄い本なのにー。それに、いざ読もうと思って数ページ読むと、決まって睡魔に襲われるのでした(笑)
※左の画像は新書ですが、文庫(¥533)もありますよー。
(2005/3/15)
Posted by ブクログ
不幸を占うという本を手にした登場人物たちが、昭和の重大事件に関わる連作短編。学生運動から帝銀やグリコ森永など不穏な雰囲気の中、作者らしく一部絵画も登場する。作者の本領を見られる佳作。
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昭和史に残る大事件を、不幸を予言する「フォーチュン・ブック」なるもので数珠つなぎにした荒唐無稽な連作で、「…いや、それはないだろう」と突っ込みを入れながらも各話の関連性をそれなりに楽しめた。
世間って狭いよね、では済まない悪夢の因果率を引き起こすのが「フォーチュン・ブック」らしい。
松本市で売った本がこの出来事の元凶というなら、全国各地、いや世界中に散らばったコレが一体どのくらいの悪意や不幸をまき散らしたのか…フィクションながら想像するに恐ろしい話である^^;
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2度読んで、初めてちゃんと理解できる本。
人間関係が複雑で、読み返さないとちょっと理解しにくい。
でも続いていく意外な繋がりに、一気に読んでしまう。
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人の不幸を占うという「フォーチュンブック」を松本の書店で手にした7人。
それぞれに不幸が訪れる。
森永・グリコ事件、三億円事件なども出てくる。
登場人物が多くて、理解するのが大変だった。
はじめのフォーチュンブックを買った7人をしっかり覚えておくと、サクサク読み進められる
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「フォーチューンブック」という1冊の本を中心に、実際に起きた事柄を織り交ぜながら虚実ないまぜにしながら物語は進んでいく。
連作と内容紹介には書かれているが、読んでいて普通の長編を読んでいるような感覚だった。
自主規制を版元がしたために都会では入手しにくくなっていた本。
地方都市松本で偶然に「フォーチューンブック」を手に入れた人たちのその後が描かれている。
知らず知らずのうちに絡み合っていた運命・・・運命と呼んでいいものかわからないけれど・・・は、それぞれの人生を大きく狂わせていく。
最後の1行が終わっても、まだ物語は終わらない。
残された人たちは、さらに「フォーチューンブック」によって人生を翻弄され、狂わされていくのだろう。
何ともいえないうやむやさのまま作品は終わってしまった。
第一話でモコが口にした友人の言葉は「二十歳の原点」のものだった。
あとがきに登場した先駆的な作品は「虚無への供物」だった。
どちらもすでに読んだことがあった。
なるほど。北森さんは「虚無への供物」に大きな影響を受けたのか・・・と、好きな作品だったのでちょっとだけ嬉しくなった。
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それぞれのどこが繋がるのかとワクワクしながら読めたし、それぞれの仕掛けも綺麗に統合されている。すごい。しかし、登場人物は多いし、それぞれの話で出てくる当時の事件も多いし、時系列順でもないので、名前が出てくる度に誰だったっけと前に戻ることも多く、多少面倒だった。
帯のコピーがいまいち。
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共犯マジックは,フォーチュンブックというこの世に起こりうる全ての不幸と災いを予言するための本の存在がミッシングリングとなっている連作短編集である。
長野県松本市内の書店で売られていたフォーチュンブックを購入した6人の人間と,フォーチュンブックを手に入れたその書店の店員。これら7人の人間が複雑に絡み合う作品となっている。
6つの短編は,それぞれで事件が発生し,解決が存在している。それでいて,これらの短編には,主人公となる人物だけでなく脇役として,フォーチュンブックにまつわる人物が登場している。そして,これらの短編を時系列で並び替えると,一つの犯罪をめぐる物語が浮かび上がってくるのである。
フォーチュンブックを手に入れたことで,東京に出た書店の店員である蜷川鉄治。蜷川鉄治は,フォーチュンブックを手に入れることができなかった大学生風の男木津修平,フォーチュンブックを購入した中年男である乙黒嘉吉と三億円事件を起こす。この三億円事件の存在が,隠されたもう一つのミッシングリングとなっている。
フォーチュンブックと三億円事件の二つで,それぞれの短編は一つの作品として繋がり,あたかも一つの長編の一部でもあるかのように読むことができるのだ。
この部分が評価されているのか,共犯マジックは,玄人の評価が非常に高く,短編の名手である北森鴻の最高傑作とも言われている。
しかし,個人的には共犯マジックはそこまで好きな作品ではない。個々の短編の出来がイマイチだと感じる点と,北森鴻にしてはプロットがすっきりしていて,どこか物足りないのだ。北森鴻らしく,もっとサービス精神を発揮し,もうひとひねりしてほしかったのである。そういうわけで,★4に近いのだけど,★3としたい。
Posted by ブクログ
フォーチュンブックという占い書にまつわる連作短編。
だが、全部読んで初めて全ての全貌が明らかになるため、一つの長編と言っても良い作品。
全ての話に少しずつ謎を残しながら、最後にその謎を解いていく展開は面白かった。
しかし、最後に全ての答え合わせがなされるシーンがあまりにあっさりしていて、もう少し余韻が感じられるラストがよかったな~と思い、星3つ。
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読みながらぞわぞわゾクゾク。
フォーチュンブック、実際に手にできたら…自分の運勢くらいは占っちゃいそう。
今の時代ならきっと、ネットで爆発的に広まってえらいこっちゃだろうなぁ。
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「フューチュン・ブック」という不幸な運命しか占わない本を所有しってしまった人々と、昭和の事件/事故をからめて、展開する話。実際の事件とフィクションが上手くリンクしてるけど...。登場人物のほとんどが不幸になるのが、ちょっと...。
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元はアメリカのヒッピーたちの間で爆発的に流行ったという占い書「フォーチュンブック」。しかしながらこの本は明るい未来というものが全く存在せず、代わりにこの世に起こりえるであろう全ての不幸と災いを予言するという。その占いの結果に悩み自殺する者が相次いだため、販売自粛の動きが広がり、今やほぼ全ての書店から姿を消した。しかしながらとある書店にはまだ平積みにされており、それらは男女7人にそれぞれ買われていった。
全7話の短編集になっている。本を買ったそれぞれの人達の物語で、最初は1人1人全く別の話に思えるのだが、最後は全ての人間がフォーチュンブックの縁で繋がれていく・・・それぞれ犯罪をおかして。が、一気に読まずにちょこちょこ読んだせいか、つながりが理解しきれずちょっと消化不良。もう1回読み直した方がいいかも。