【感想・ネタバレ】屋上物語のレビュー

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さくら婆ァに怒られながらうどんが食べたい。デパートの屋上で起きる様々な事件を静かに見つめるモノ達の視点、哀愁。

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2009年10月04日

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デパートの屋上が舞台の連作短篇集。
主人公は屋上名物のうどんを作る店主さくら婆ア。
けれど語りは、屋上にある物たちである。
稲荷社のお狐様や観覧車や地蔵尊だったりする。
屋上の風景を見てはいるけれど、何もできない。
中心にいるのが、酷いダミ声のさくら婆アで、探偵役。
その後、興行師の杜田と高校生のタクが
ある意味、助手的な役割でメインキャラになってくる。
が、どうにも苦しいのですよ。
いたるところに悪意がにじみ出ていて
そういうのを読むのは、本当に苦痛なのですよ。
こういう作品もあったのですねぇ・・・

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2019年12月17日

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北森作品コンプのラスト1冊!ということで力んで臨んだところ「んむむ?読んだことあるぞこれ?」と焦るw
きっと最初の1篇だけ、なにかのアンソロジーに収録されてたのね~。ふぅ、冷や汗モンだわよww

さて、本書はとあるデパートの屋上が舞台。
探偵役はさくら婆ァw うどんスタンドの主である。
助手は常連客で興行師の杜田と高校生のタク。
それにしても、人が死ぬ事件多すぎw
このデパートに人が寄り付かなくなりそうだよ、と余計な心配をしたくなるww

まぁ、それはおいといて・・・そうやって次々と発生する事件を,屋上に鎮座まします稲荷社の使い狐,観覧車,ベンチなどのモノたちが1話ごとに語り手となり、それぞれの視点をまじえての連作短篇集。

ラスト1篇は番外編。
盛岡のデパートの屋上で事件に遭遇したタクが主人公に。

どれもなんだかやるせないお話。
でも美味しいうどんを食べに、池袋に行ってみよう!w

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2016年07月03日

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★あらすじ★長編連鎖ミステリ。デパートの屋上で起きる数々の事件を解決するのは、「屋上の主」とまで呼ばれる、うどん屋の店主・さくら婆ぁだった。自称興行師の杜田、不良高校生のタクなど個性的な常連達の協力を得て事件を解決するさくら婆ぁにも、誰も知らない悲しい過去があった…
★感想★「連鎖ミステリ」という表記に興味を持って読んでみました。一つの事件が別の事件の引き金になる…という「メイン・ディッシュ」などと似た構成です。この作品では、語り手が稲荷神社の狐だったりベンチや観覧車などだったりしますが。謎解きそのものよりも、デパートの屋上というある種、特殊な空間に集まった人達の人間ドラマといった感じです。明かされる真実は残酷なものばかりですが、さくら婆ぁの奥に秘めた優しさに救われます。

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2010年02月26日

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連作とかオムニバスとか言うよりも、「長編連鎖ミステリ」という表現がぴったり。個々の話が綺麗に繋がって連鎖して、最後にぴったりと合う。一つ一つの話は地味なんだけど、通し読みすると良さ三倍増。
観覧車とかベンチとか、無機物が語る形式っていうのも面白いし。宮部みゆきの「長い長い殺人」の形式と同じだな。

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2009年12月30日

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「香菜里屋」シリーズの著者ね。デパートの屋上で起こる事件を屋上のうどん店の主、通称さくら婆ァが解決する、と書くと、ユーモアミステリーみたいですが、必ずしもそうではない。さくら婆ァが訳ありで暗い過去を背負ってるから。章ごとに語り手が変わるのですが、それが人ではなく、屋上の観覧車だったりベンチだったりして、その辺の書き方はさすがに上手いです。ただ、個人的には、さくら婆ァの書き込みが物足りない。すごく魅力的なキャラなのに惜しい。それは恐らく著者が男性だからではないかと思ったり。

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2009年10月04日

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ネタバレ

デパートの屋上が舞台のミステリ連作短篇集。

この屋上でいくつかの不可解な事件が起こる。
屋上には、このデパート地階にある讃岐うどん専門店が出すアンテナ・ショップがある。良心的な200円台という安さで、正真正銘の手打ちうどんを提供する。だから、昼休みになると、近所のサラリーマンやOLでごった返す。

そんな人気うどんスタンドをひとりで切り盛りするおばちゃんが、この物語の名探偵役。通称「さくら婆ァ」。男前な女傑。屋上を仕切っている。

北森作品は読み始めて間もないが、読後感がやさしく、温かい。犯罪が描かれているにもかかわらず、だ。どうしてだろう、と考えてみた。
著者・北森鴻さんは、しばしば料理の達人を登場させる。<ビア・バー香菜里屋・シリーズ>のマスター・工藤も、『メイン・ディッシュ』のミケさんもそうだった。そして、このうどん屋の「さくら婆ァ」もそうだ。多くの客を唸らせている。彼らの作る料理の美味しそうなことといったら、食べてみなければ、いや読んでみなければわからない。 
このスペシャルな料理に、まずはやられる。おいしい料理に心和まない人はいないだろう。

腹は鳴くが……もうひとつ、北森作品に共通しているのは、いずれの料理人たちの心にもとげが刺さっているところだ。どこか翳がある。彼らは人に言えない悲しみを秘めているのだ。事件にかかわる人々の悲しみを、彼らも実感として知っている。そんな悲しみを抱えているからこそ、彼らは人に対してやさしくできるのだと思う。思いやりあふれる彼らの言動は、事件当事者たちの凝り固まった心を解きほぐす。名探偵とは、事件の謎を解くだけの存在ではない。被害者の心情をも理解する。ときには加害者にも。そんな彼らが悲しみや苦しみから立ち上がろうとする凛とした姿は、読み手の心に清々しさをもたらしてくれるのではないだろうか。凛とした姿と書いたが、実際の探偵役たちは、場末の小さなバーのマスターであり、女に拾われた居候のフリーターであり、デパート屋上のうどんスタンドのおばちゃんなのである。彼らの外貌と、明晰な頭脳やさりげないやさしさとのギャップが、これまた微笑ましく、やはり読み手の心をつかむ要因になっているのだろう。
また、わかったような感想。不細工。かっこ悪い。反省。べるさん、ご紹介ありがとうございました。

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2011年11月02日

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この小説凄いです。
屋上にある、遊具やベンチ、ありとあらゆるものが(人には聞こえない声で)喋る、喋る、喋る!!!
物語も短編連作なので、小休止を置けますね。

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2009年10月04日

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そのデパートの屋上では、いつも不思議な事件が起こる。飛降り自殺、殺人、失踪。ここに、何があっても動じない傑物がいた。人呼んでさくら婆ァ、うどん店の主である。今日もPHSの忘れ物が一つ。奇妙なことにそれが毎日、同時刻に呼出音だけ鳴るのだ。彼女の手が空いた時間帯に、まるで何かを伝えたいかのように…。屋上の名探偵さくら婆アの奮闘ミステリー。

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2010年05月24日

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北森さんの作品の中では軽めですが、キャラと背景がよいです。時代に取り残されたような屋上と、他の人だったら描かないようなうどんスタンドにいる過去にわけありの頭のきれるおばさんが主人公。杜田とタク、その他の登場人物も世の中の主流から外れた感じで全体的にたそがれた感じがよかったです。

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2016年07月20日

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短編連作
デパートの屋上のスタンドで働く名物オバサンと、そこに集まる人たちの事件の話
あんまり後味良く終わらない

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2016年02月13日

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ネタバレ

デパートの屋上で発生する数々の事件を,稲荷社の使い狐,観覧車,ベンチなど無生物の視点から描いた連作短篇集。救いのない話ぞろいで,後味の悪さは一流。なかなか忘れられないインパクトがある。ある短篇の脇役が次の短篇で重要な役割を果たすという構成は見事なのだが,全体の構成がイマイチ。個々の短篇のできもそれなりに面白いのだが,香菜里屋シリーズには及ばない。裏京都シリーズよりは上という印象。短篇の名手,北森鴻作品としては及第点ギリギリか。★3で。

○ 始まりの物語
稲荷社の使い狐が語り手。デパートの女性店長の自殺,店長の子どもの万引き,いじめといったネガティブ要素が満載な作品。いじめられていた西尾隆一という少年の飼っていた子猫の命が助かることだけが救いだが…この少年の存在は,あとの話の伏線になっている。

○ 波紋のあとさき
観覧車が語り手。「始まりの物語」で黒幕だった警備員の中岡という男が殺害される。中岡と仲がよかったペットショップのるみちゃんという少女が宗教にはまってしまうなど,この話もブラック要素満載。事件の真相は,中岡が自身の悪巧みを原因とする事故で死んでしまったというもの。

○ SOS・SOS・PHS
波紋のあとさきで宗教にはまってしまったるみちゃんからPHSを使ったSOSがあったが,宗教団体に殺害されてしまう。るみちゃんの活躍で,集団自殺を防ぐことはできたのだが…。るみちゃんの死が,この話のやるせなさを引き立てる。

○ 挑戦者の憂鬱
SOS・SOS・PHSで,るみちゃんの行方を探すために働いた佐古下という男が犯人である事件。語り手はピンボール。ピンボールにハマるタクという少年が,命を狙われる。ロクさんという男も登場する。ピンボールのハイスコアを出した佐古下が,ハイスコアがある事実を隠すためにピンボール台を破壊しようとするが,動機がばれないように,タクを狙ったと見せかけたというのが真相

○ 帰れない場所
バグパイプという楽器が語り手。挑戦者の憂鬱で怪我をしたロクさんという男が失踪したという事件。真相は,ロクさんは過去に人を殺害してしまったことがあり,バグパイプを演奏している姿をみて,そのことを思い出し,失踪してしまったというもの

○ その一日
帰れない場所で語り手だったバグパイプをめぐる話。語り手は地蔵。バグパイプを演奏していた男が楽器を忘れてしまう。バグパイプを演奏したのは地蔵に聴かせるためであったが,バグパイプの持ち主は,妻に殺害されており,妻は愛人と愛人の子をはめて,アリバイを作ろうとしたという話。こちらもかなりダークな話。楽器をロッカーに入れなかったのは,バーゲンの日だったというもの

○ 楽園の終わり
さくら婆さんのうどんの売店のスタンドが閉鎖されるという話。はじまりの物語でいじめられていた西尾隆一という少年が体を鍛え強くなったが,少女を殺害してしまったという話。これも相当やるせない話である。最後に杜田がかつて,さくら婆さんの子どもが事故で死んだ原因を作ったことを伝える。

○ タクのいる風景
さくら婆さんも登場しない。盛岡のデパートの屋上に出かけたタクの話。デパートの売却のために工作をするタカさんという人が出てくる。タカさんの娘の大野昌子がひき逃げされてしまったことから,タクはタカさんが犯人と推理するが真相は,大野昌子の自殺騒ぎは,爆弾の被害者を出さないための狂言であり,ひき逃げは全くの偶然だったというオチ。これもやるせなーい話である。

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2015年12月11日

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再読5回目。
面白いなー。この人の作品には、なぜだかいつも美味しそうな物が出てくる。本筋には関係ないのだけど、それがあることで物語の統一感が出てくるというか。食べてみたい、さくらスペシャル。

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2021年01月16日

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北森さん好きの人から評価が高い作品、というイメージがあったので購入してみた。だってわたしも北森ファンだもん。でも北森さんの個人認定割こう傑作はやっぱり「孔雀狂想曲」か「狐闇」だなあ。

たしかに屋上に置かれた物たちが語り手となったり、さくら婆ァの過去や興行師杜田、やんちゃな高校生タクなどの人間味あふれるユーモラスな描写や、容赦がない言葉達、もの悲しい過去などは北森鴻らしい。それをうまくまとめるのなんて、まさに北森鴻なのだ。
でも、なんか物足りない。もっともっと踏み込んで欲しかった。それはきっと物を語り手にしてしまったせいなのかもしれないが、もっと…!と求めるそれ以上の物をいくつも書いている作家さんだから。
ただ、解説はもの凄くいい!ああ、池袋ね。今度行こう、と思ってちょっと得した気分になったものだ。

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2012年03月26日

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デパートの屋上のモノ達目線で語られていく、短編連作。
さくら婆ァ、杜田のキャラは強烈のようでいて、思ったほどでもない。
後半に行くにつれ、マイルドになっていく。
全体に暗め。
文体が、ではなくて、ミステリーの内容が。

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2011年11月10日

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舞台はデパートの屋上のみ(最終章以外)。
語り手は屋上にある稲荷の狐だったり、ベンチだったり、
観覧車だったり、ピンボールゲームだったり、屋上自体だったり。
(最近、モノ主観の小説ばっかり読んでる気がするな…)

うどん屋の名物店員「さくら婆ァ」が
屋上で起こる様々な事件に触れる連作短編ミステリー。

やくざの杜田をうどん1杯で使いっ走りに使う
「さくら婆ァ」の豪快さがもの凄い。

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2010年09月07日

Posted by ブクログ

良くも悪くも、あまりにも、北森作品らしい。 つまり、キャラの魅力はふんだんにあるが、謎解きに関しては、推理というには根拠が弱く、推測の域を出ない印象しか持てないということ。
などと、手厳しいことを言いつつ、実は私は北森氏の大ファンなんですが。 だって、ミステリと言えども『小説』ですもの、こんなに人物が描ける作家を、嫌いなワケないじゃないですか(笑)
胸が痛くなるようなストーリーが多かったけれど、痛快さを感じさせる3人のキャラ設定で、救われましたから。

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2011年02月22日

Posted by ブクログ

北森さんは、やっぱり好きだよ。
少し後味が悪いのが良いね♪
好みからすれば、桜闇のシリーズのほうが好きだけど、ストーリー展開としてはこちらが上かなぁ。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

後味の良くない、やりきれない事件が多かった気がします。
さくら婆ァのうどんは食べてみたいと思った。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

そのデパートの屋上では、いつも不思議な事件が起こる。飛降り自殺、殺人、失踪。ここに、何があっても動じない傑物がいた。人呼んでさくら婆ァ、うどん店の主である。今日もPHSの忘れ物が一つ。奇妙なことにそれが毎日、同時刻に呼出音だけ鳴るのだ。彼女の手が空いた時間帯に、まるで何かを伝えたいかのように…。屋上の名探偵さくら婆アの奮闘ミステリー。

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2009年10月07日

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