関口英子のレビュー一覧

  • 天使の蝶

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    ユーモアセンスに溢れたプリーモ・レーヴィ幻想短篇集なんですが、彼のアウシュヴィッツでの体験記や、そこからの帰還を綴った自叙伝を先に読んでしまうと、素直に楽しめないのも事実。『ケンタウロス論』に代表される、レーヴィの幻想文学ではお馴染みの動物系シリーズもどこか悲しげ。それに反して、「シンプソン」シリーズは楽しんで読めます。

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    2011年02月17日
  • 天使の蝶

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    彼の人生を知っている分、読んでいて深読みして本当に読んでるのがつらくなったりもしたんですが、基本的にユーモラスなお話でした。かなりブラックユーモアだけど。純粋にお話としてとても楽しめて、考えさせられる部分もやっぱり本当に本当にあって、うーん…ケンタウロスみたいにレーヴィが引き裂かれてたとしたら、読んでる側も引き裂かれるんだなあ。お話を楽しんでる気持ちと色んなことを考えてしまって胸がつまるのと、両方あって、どっちにも振り切れないです。でも間違いなく良い本だと思う。心から、レーヴィの小説がもっともっと翻訳されてほしいと思います。

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    2009年10月07日
  • 月を見つけたチャウラ~ピランデッロ短篇集~

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    悲哀。ブラックで悲観的なお話が詰まっていました。
    序盤の動物系のお話でつらい気持ちになり読み進められるか不安になったけれど、4話目の「ひと吹き」から引き付けられて読めました。
    ・自身が強力な疫病と化してしまったのに気付く「ひと吹き」
    ・死んだ後に煩わせるのはなぁと思って自分からお墓に入りに行く「自力で」
    ・「自分の事書いてください!」と登場人物たちにまくし立てられる「登場人物の悲劇」
    これらが特に好きでした。人間模様〜

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    2026年03月12日
  • 神を見た犬

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     信仰心の希薄な住民たちの村に現れた奇妙な犬をめぐる表題作をはじめ、幻想、寓意、不条理、ブラックユーモア、痛烈なアイロニー、そしてひと匙のペーソスの詰まった22編。

     ブッツァーティ作品では「七階」と「待っていたのは」(未収録)しか読んだことがなかったため、作風も概ねそういうイメージを抱いていたが左に非ず。確かに「コロンブレ」「七階」「呪われた背広」「病院というところ」「戦艦《死》」などの幻想的で不条理な中に皮肉や風刺、時に黒い笑いすら利いており、冷戦下という当時の国際情勢を皮肉った「アインシュタインとの約束」「一九八〇年の教訓」「秘密兵器」は星新一などのSSを思い起こさせ、「グランドホテル

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    2026年02月17日
  • 戻ってきた娘

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    こういったイタリア文学を読む度、イタリアの貧困と格差の問題を目の当たりにする。旅行やメディアのイメージだけではわからない、リアルなイタリア問題を知る。

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    2026年01月05日
  • 「幸せの列車」に乗せられた少年

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    イタリアの戦後にこんな歴史があったとは、知らなかった。書かなければ埋もれてしまう物語を、小説にすることで広めることができる。物語の力を感じた。

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    2025年12月18日
  • オリーヴァ・デナーロ

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    抑圧に従う不幸と、抗う不幸どちらも存在するということ。
    なぜ声を上げなければいけないのか、声を上げる女性に対して、社会は考えたことはあるのか。
    時代も国も違うけれど、現代にも同様に無理解と差別に傷つけられ苦しむ女性はたくさんいるのだと思う。

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    2025年10月08日
  • ふたつの海のあいだで

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    物語のリズムに入るまでに時間が少しかかったけれど、合ってきてからは一気読み。南イタリアとドイツにルーツを持つ孫のフロリアンから語られる、土地に根差した祖父ジョルジョ・ベッルーシ。
    語りのエネルギーの強さを感じられた。
    南イタリアの貧困と出稼ぎ、様々な国との混じり合う物語で、なかなか日本にはない歴史・文化背景だなと思った。

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    2025年09月23日
  • すごい物理学入門

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    イタリアの日曜版の内容をまとめた、一般人向けの物理学説明書。

    物理学の難しい概念を、可能な限り専門知識のない人でも常識で理解できる内容で説明しており、著者は学者であるが、専門バ〇ではなく、非常に頭がよいと感じた。

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    2025年08月30日
  • 猫とともに去りぬ

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    うーんシュール。解説を読むと、意図して社会の常識や陳腐化したルール、それらを押し付ける横暴を笑いのめす事を意図して居るのかと思わせられる。その意味で、星新一氏の作風に近いなと思える。

    表題作の他、ピアノ・ビルと消えたかかし、箱入りの世界、がお気に入り。

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    2025年07月21日
  • オリーヴァ・デナーロ

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    「ノー」ということがどれだけ大変なことだったのか思い知らされました。
    決して自分に非はないのに、自分に非があったかのように扱われるオリーヴァ。
    今の私より幼いのに理不尽という言葉で言い表せられない場面が続いて、胸が痛みました。
    それでもなお、闘おうとするオリーヴァの強さに驚きました。彼女は謂れ無い誹謗中傷を受けても、それでも自分の信念を曲げずに闘う道を選んだ。それは正解かは誰にもわからない。
    納得のいかない結果に終わったとしても、1人の女性が「ノー」と言った記録は残る。後に続く女性がきっといる。オリーヴァのしたことは、他の女性にとっても希望になったのではないでしょうか。
    日本でもいまだに性被害

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    2025年04月20日
  • オリーヴァ・デナーロ

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    読み始めてすぐに、本当に1960年代のイタリアが舞台なのか、第一部のタイトルを見直した。先進国の中では日本やイタリアは女性の社会的地位が低いと言われている。一人一人の声は小さいかもしれないけど、社会が良い方向に変わっていけば良いなと思う。男性にとっても女性にとっても。

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    2025年03月31日
  • 母、アンナ ロシアの真実を暴いたジャーナリストの情熱と人生

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    このジャーナリストの事は知らなかったです。
    ので 凄い人だったと思いながら読みました。
    が 本当に残念です。
    こう言う事が起こる国が あるのは 驚きですが もしかしたら 日本でも 起こっていて 上手く事故のように見せかけられているのかも と 思ってしまいました。
    一般の人は 真実を知りたいと思っても 自分の力で 情報を得ることができないので ジャーナリストなどの 言葉を信じるしかないので この方のように 命懸けで真実を伝えてくれる人が 沢山いれば その国も 変わって行くのでは? と 思いました。

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    2025年02月14日
  • ふたつの海のあいだで

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    『海と山のオムレツ』←最高!の著者の初期小説。陽光あふれるカラブリアで、先祖伝来のホテルを再建しようと意思と行動力をふるう祖父の生きざまを、孫息子の目を通して生き生きと語る。なんと強烈な人々よ。道に迷ったら目を閉じて走ってみるとか、いろいろ教えられるわ…なんでこれ映画になってないんだ。

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    2025年01月01日
  • 薔薇とハナムグリ~シュルレアリスム・風刺短篇集~

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    著者の作品は昔からけっこう好きで、ほとんど読んできたつもりだったけど、こんなフザけた短編をたくさん書いていたとは知らなんだ。
    それでも官能は随所に感じられる。
    そこはモラヴィア。

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    2024年10月21日
  • 命をつないだ路面電車

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    ナチスによるユダヤ人迫害を生き延びた少年の実話をもとにした児童文学。イタリアにおけるナチスのユダヤ人迫害のことがよくわかる。

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    2024年09月25日
  • 猫とともに去りぬ

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    ネタバレ

     猫好きの友人に勧められたのと、タイトルがとても良かったので、読んでみようと思いました。
    私は、光文社の古典新訳文庫で読んだのですが、本書は16作品収録されている短編集です。

     不思議で奇想天外なファンタジー集だなという読後感です。
    表題の「猫とともに去りぬ」は大好きになりましたし、「ガリバルディ橋の釣り人」が私はお気に入りです。

     著者のロダーリは、イタリア人の児童文学作家・詩人・ジャーナリストで、教育者でもあります。
    第二次世界大戦の終戦を25歳で経験されているのですが、人類愛や反差別、自由を表現した作品を書いた人で、
    同じ1920年生まれに、アイザック・アシモフ、ボリス・ヴィアン、レ

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    2024年08月18日
  • 羊飼いの指輪 ファンタジーの練習帳

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    用意された結末とちょっと違うのが思いつくと、少し嬉しい。その時の気分で道徳的にしたくなることもあればシニカルにしたくなることも。
    本編もそうだが、解説が面白い。本読みの強制、今になっても自分の子供がやらされている。課題図書も然り。愚の骨頂。

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    2024年07月24日
  • 神を見た犬

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    表題作が100頁足らずの中篇。三篇が30〜50頁の短篇。残り十八篇が10頁位の掌篇。

    アイロニーに満ちたファンタジー、といった感じか。やはりこの手の短篇集は表題作が代表作で面白い。オチはそれほど意外性はないが、それだけに、その前の村びとたちのドタバタぶりのコントラストが大きい。

    「アインシュタインとの約束」は、悪魔がアインシュタインに原爆の開発(の元となる研究)を急がせる話。
    アインシュタイン本人が読んだら何と言っただろうか。

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    2024年06月29日
  • 古代ローマ人の愛と性 官能の帝都を生きる民衆たち

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     ローマ人の日常での性がどのようなものだったのかを、物語のように解説した本。現代とは少し違った感覚で、愛と性を精一杯楽しもうとしていたというローマ時代の姿が描かれていた。

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    2024年06月10日