関口英子のレビュー一覧
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4K版「暗殺の森」が公開された。残念ながら劇場へは足を運べないが、原作を読み返したうえで改めてDVDを鑑賞することにした
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マルチェッロは少年の頃から自分のなかに潜む異常性に恐れ慄いていた。そして13歳の時に決定的な出来事が起きる。彼に性的な興味を抱き誘いをかけてきた男を銃で撃ち殺したのだ。以降、周りと同化することで普通になれると固く信じ、そうなるよう努めながら大人へと成長したマルチェッロにとって、当時のイタリアを席巻していたファシスト党の政治要員として働くのはある意味必然だった。そんな彼に向けて、党の上層部よりひとつの指令が下される
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方程式を理解すれば、物理学の美しい世界とやらが見られるのね。そうですかそうですか、という話ではない。物理学はちょっと…と苦手意識たっぷりでも突き放されることなくわかりやすく面白いエピソードにどんどんページをめくってしまう。その面白いと思う好奇心についても、物理学として最終章で語られている。宇宙の話は言わずがな面白い、時間と熱の関係など日常で考えたことなどなかったけれど、これからは頭の片隅で意識してしまうであろう。最初に触れる物理学の入口がこうだったら、もっと早くに違う世界が見えていたんだろうな。これを期に少しず物理学に触れていこうと思う。
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幼少期に殺人を犯してしまい「普通」であることに取り憑かれた男の話。
サイコパスな人になり暗殺任務をこなす話みたいな頭で読んだのですが、そうではなかった。
見知らぬ男から性的な悪戯を受けそうになり殺してしまったことをきっかけに人生の全てを「普通」になろうと意識をして全てを決めるようになったマルチェッロ
「真の愛を求めている」のに、婚約者からの愛には応えずただ冷静に分析し続ける。婚約者の愛を肯定したり打ち消したり波があるまま暗殺対象の調査任務も新婚旅行の裏で進めていく。
やっと救いを見つけたかと思いきや、旅行中の暗殺対象の妻への恋…彼女に一目惚れだった人物を重ねて嫌悪されながらも「愛して欲しい -
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ネタバレ友達に「ルシア・ベルリンにちょっと似ている」と教えてもらった作家で読んでみたんだけど、確かに後半の狂気と死、悲惨な運命をからからしたユーモアで書いていくあたりはちょっと似ているかも。面白かった。好きなのは「使徒書簡朗誦係」「フローラ夫人とその娘婿のポンツァ氏」あたり。何が狂っているのか、おかしいのは何なのか、分からない。でも、悲惨を滑稽にすり替え、何が正しいのかとか、正しくあることに意味なんてないだろう?と言わんばかりの堂々とした書きぶりは好感を持ってしまう。
最後の解説によると作者自身の人生も恵まれた生まれながら相当残酷な目にあっており、そこからこの作品群の凄みが生まれてくるのだなあと思った -
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第二次世界大戦から間もない頃、イタリアでは共産系の人々・組織の手によって、貧しい南部の子どもたちを比較的裕福な北部の家庭が受け入れるということがあった。その子どもたちが北へ移動する際に乗った列車が「幸せの列車」などと呼ばれた。
そんな話は聞いたことがあるような気もするし、初耳でもさもありなんという取り組みだ。それにしてもこういう南北の格差ってわりと古今東西あるもので、なぜか南のほうが貧しいパターンが多いのはなぜだろう。
この本の主人公アメリーゴも「幸せの列車」に乗って北部の家庭でしばらく暮らす。そして片親の母親のもとに戻ってくるのだが、母親とのすれ違いがあったりして、家出同然に世話になった北部 -
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奇妙な物語、奇妙な人たちがたくさん。
先日読んだ『作者を探す六人の登場人物』の作者・ピランデッロ(ピランデルロ)の短編小説を集めた本。
戯曲のモチーフになったであろう短編も色々あり、面白い。
出てくる人たちが結構、妙な追い詰められ方をした妙な人たちが多くて、変人列伝みたいな趣がある。
お気に入りは
どちらかが狂人である、という二人が、町の人々に「あの人が狂人です」と主張し合う
『フローラ夫人とその娘婿のポンツァ氏』
急に女性に向かって「バカヤロー!」と怒鳴りつけた男が決闘をする羽目になる、その繊細な動機を描いた優しい短篇
『使徒書簡朗誦係』
どっちも設定が攻めてる。 -
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「この本は、子どもの本なのでしょうか?若者むけの本?それとも、大人むけの本?」
ー作者による解説より
「マルコヴァルドさんの四季」というタイトルと表紙を見て、どんな内容のお話だと思いましたか?
私はマルコヴァルドさんという男性が四季おりおりの情景の中で何か素敵なものを見つけ、小さな幸福とふれあう物語を想像しました。
…これが遠からずも当たらず。
この本はマルコヴァルドさんとその一家が過ごす四季×5年分の20話を収めた短編集。
マルコヴァルドさんは、イタリアのどこか知らないけど都会の街で8人家族を養う大黒柱。
そしてどんな仕事をしているのかさっぱり分からないけど、低賃金労働者で家計は苦しい。 -
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Posted by ブクログ
ネタバレ『梨の子ペリーナ』の再話者となっていたイタリア民話編纂の巨匠イタロ・カルヴィーノ氏の手掛けた児童書。
ズバーブ商会の倉庫の人夫として働くマルコヴァルドさん。
思いついた妙案を熟慮せずに行動に移してしまい、いつも期待していたのとはちょっと違う結末(どちらかというと失敗)にたどり着いてしまう。
妻とたくさんの子どもらを抱え、かつかつな暮らしを送りながらも自然を愛でる心に溢れ、人並みな欲はあるけれど後先見ずに突き進んで窮状を脱せない様は返って善良さが滲み出ていてにくめない。
そんなマルコヴァルドさんの春夏秋冬季節にひとつのエピソードを5周繰り返す形での連作短編集。
比較的あっさりとはしているが -
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Posted by ブクログ
新聞のコラムとして投稿した記事をまとめたもの。平易な文章で宇宙や量子力学の最前線を紹介してくれている。前著のすごい物理学講義を読んだ後だからか、大まかな内容だなと感じたけど初手としてはその魅力に触れる意味で最適かなと。
最終講義が秀逸。著者の学問の意味、自然科学と人文学の垣根を超えたシンクロなんかを諭してくれて、人間の好奇心、探求心は果てしないし心が躍る。そう、未知のことへの挑戦は人間の性なのだ。人間も自然のほんの一部、自由意志なんてものはないのではという不安を、自然の一部である脳ニューロンの決定という自然の法則に従っている限り自由なのだと。読んでいると浮遊感がすごい。スピノザの一元論(汎神 -
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Posted by ブクログ
期待以上におもしろかった!
おもしろさの方向性で言えば、「サザエさん」のようなおもしろさだ。
登場人物たちの思考や行動が容易に予想できて、その結果も予想できてしまう。
「あ~あ、またあんなことして、もう、サザエは。」みたいな。
この本では、マルコヴァルドさんの春夏秋冬に関する短いお話がたくさん収録されていて、四季が何周もする。
四季が何周もするのに、マルコヴァルドさんは懲りない。まったく懲りない。
毎回、「マルコヴァルドさんか家族がなにかを見つける・思いつく→大喜びでそれにくいつく→うまくいかずにがっかりする」という展開だ。
個人的にとくに愉快だったのは、
スーパーの話(家族でスーパーに -
Posted by ブクログ
カルロ・ロヴェッリといえば、ベストセラー「時間は存在しない」の天才物理学者
個人的には「科学とは何か」に次いで2冊目
こちらは「世界一わかりやすく美しい『七つの講義』」が売り文句
対象者は一応(ワタクシのような)初心者向け
ついつい備忘録を書きたくなるが、本書はそんなことより圧倒的な何か大切要素が詰まっており、
未だかつて体感したことのない不思議な感覚の理系書籍である
何が凄くてベストセラーとなったか…について、私なりの分析を踏まえご紹介したい
まず一番驚くのがものすごく凝縮されているのにも関わらずしっかり伝わる凄さ…だ
そう、ギュッと凝縮しているのにバンバン伝わる
素晴らしくコン