関口英子のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
第二次世界大戦から間もない頃、イタリアでは共産系の人々・組織の手によって、貧しい南部の子どもたちを比較的裕福な北部の家庭が受け入れるということがあった。その子どもたちが北へ移動する際に乗った列車が「幸せの列車」などと呼ばれた。
そんな話は聞いたことがあるような気もするし、初耳でもさもありなんという取り組みだ。それにしてもこういう南北の格差ってわりと古今東西あるもので、なぜか南のほうが貧しいパターンが多いのはなぜだろう。
この本の主人公アメリーゴも「幸せの列車」に乗って北部の家庭でしばらく暮らす。そして片親の母親のもとに戻ってくるのだが、母親とのすれ違いがあったりして、家出同然に世話になった北部 -
Posted by ブクログ
奇妙な物語、奇妙な人たちがたくさん。
先日読んだ『作者を探す六人の登場人物』の作者・ピランデッロ(ピランデルロ)の短編小説を集めた本。
戯曲のモチーフになったであろう短編も色々あり、面白い。
出てくる人たちが結構、妙な追い詰められ方をした妙な人たちが多くて、変人列伝みたいな趣がある。
お気に入りは
どちらかが狂人である、という二人が、町の人々に「あの人が狂人です」と主張し合う
『フローラ夫人とその娘婿のポンツァ氏』
急に女性に向かって「バカヤロー!」と怒鳴りつけた男が決闘をする羽目になる、その繊細な動機を描いた優しい短篇
『使徒書簡朗誦係』
どっちも設定が攻めてる。 -
-
-
-
Posted by ブクログ
新聞のコラムとして投稿した記事をまとめたもの。平易な文章で宇宙や量子力学の最前線を紹介してくれている。前著のすごい物理学講義を読んだ後だからか、大まかな内容だなと感じたけど初手としてはその魅力に触れる意味で最適かなと。
最終講義が秀逸。著者の学問の意味、自然科学と人文学の垣根を超えたシンクロなんかを諭してくれて、人間の好奇心、探求心は果てしないし心が躍る。そう、未知のことへの挑戦は人間の性なのだ。人間も自然のほんの一部、自由意志なんてものはないのではという不安を、自然の一部である脳ニューロンの決定という自然の法則に従っている限り自由なのだと。読んでいると浮遊感がすごい。スピノザの一元論(汎神 -
-
Posted by ブクログ
カルロ・ロヴェッリといえば、ベストセラー「時間は存在しない」の天才物理学者
個人的には「科学とは何か」に次いで2冊目
こちらは「世界一わかりやすく美しい『七つの講義』」が売り文句
対象者は一応(ワタクシのような)初心者向け
ついつい備忘録を書きたくなるが、本書はそんなことより圧倒的な何か大切要素が詰まっており、
未だかつて体感したことのない不思議な感覚の理系書籍である
何が凄くてベストセラーとなったか…について、私なりの分析を踏まえご紹介したい
まず一番驚くのがものすごく凝縮されているのにも関わらずしっかり伝わる凄さ…だ
そう、ギュッと凝縮しているのにバンバン伝わる
素晴らしくコン -
-
- カート
-
試し読み
-