関口英子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
こういう風刺がバッチリ効いたちょっぴり
刺激の強い作品は大好きです。
まさに大人のための童話。
本当に予想もつかないことがよく起こります。
表題作はまあありえないけれども
ある種の自由への渇望が
彼らを「猫」へと変化させてしまうのでしょうね。
だけれども幸いにも主人公の男には
「自由」を渇望することはしたけれども
頼ってくる人がありました。
そして…人のせいにする人を
徹底的にあざけっている作品もあります。
そして嫉妬心の浅ましさも同時にその作品は
伝えているのです。
つまり原因が分からないのなら
それなりに努力をしろ、ということかと。
こんな面白い作家がいたことに
驚きでした。 -
Posted by ブクログ
これは面白い!
古代ローマの生活はどのようなものだったか? それをこの本では早朝から夜更けまで、ローマ市内を散策するという体裁で、疑似体験できる構造になっている。作者のアルベルト・アンジェラはテレビの教育番組に関わっていたらしく、だからこそ、このような奇抜でありながら好奇心を満足させてくれる本を書くことができたのだろう。
ローマで行われていたほぼ全てのこと、衣食住、エンターテイメント、政治、経済、建設、セックスに至るあらゆるものが題材として取り上げられている。この本を読めば、古代ローマの人々がどのような世界に生き、サービスを教授し、悩み苦しんでいたのかが良く分かる。参考資料としても一級であれば、純粋に読み物としても面白い。古代ローマについての素朴な疑問、トイレはどんなだったか、1セステルティウスは何ユーロに相当するのか、どのような料理が食べられていたのか……などなど、目配せも利いている。
一方で、時代がトラヤヌス帝のときなので、ローマ帝国の最盛期であることには注意が必要かもしれない。ローマは長い時間をかけて形作られたものであるから、この本で描かれていることが別の時代では通用しない部分もあると思う。でも、この本を読めばローマ帝国という漠然としたイメージがもっと深く理解できるはず。およそ2000年前の優れた人類文明に想いをはせることができるし、当時と今との共通点や違いを探るのも面白い。 -
Posted by ブクログ
文句なく星5つです!!!
西暦115年のローマの街を24時間、超優秀な歴史ガイドとタイムスリップして探索できる。
こんな贅沢な旅体験が出来ます。
久しぶりに夢中になって読み進めてしましました。
古代ローマ人の風俗、風習などがリアルに分かるのもとても楽しいのですが、なんといっても細緻にわたる建築の描写がGOOD!!
特に第42章のトラヤヌス浴場の描写が最高です。
単純素直に「古代ローマ人ってなんて贅沢なんだ、羨ましい!」と思わず唸ってしまいました。
1900年も前の世界を「今、ここ」の感覚で読めるこの本は、著者の古代ローマ世界への「愛」そのものなんだろうな。
歴史、建築好きのすべての人におすすめしたい本です。 -
Posted by ブクログ
人間臭い、気軽な神が登場し、日常から非日常へと知らぬ間に誘われ、ときには残酷なオチをつける。
日本の読者なら、少し長い星新一を読んでいる気分になるのでは。
非常な日常観察力(グランドホテルの廊下、小さな暴君)、純粋な想像力の飛翔(呪われた背広)、人生の危うさ(マジシャン)という本を読む楽しさを思い出させてくれる本。すごくいい。
描写も非常に綺麗(神を見た犬、戦艦《死》)。
解説も気がきいている。
「映像的な幻想と現実とが交錯し、両者が入り交じった特有な世界における、はかなさや哀しさにみちた美。そこでは、現身の人間と死せる者とが別れの挨拶を交わし、実在の戦艦が幻の戦艦に攻撃をかけるのだ。」
これだけしびれる。 -
Posted by ブクログ
鶏が検閲をしたり、天使を作ろうとして鳥の化物ができてしまったり、創世記でヒトを作ろうとしているときの会議の様子やケンタウロスや車の性についての話、営業マン・シンプソン氏によって勧められる不思議な機械。。化学者でもあり、アウシュビッツを生き延びた著者によるものであるからなのか、科学的で自由な発想で書かれているのだが、どことなく皮肉めいている。あまり読んだことはないんだけど、星新一や渋澤龍彦のような感じもした(個人的に)。
4,5話くらいあるシンプソン氏の機械の話は、本全体を読みすすめていくと楽しみになってくる。今度はどんな機械が出てくるのだろう・・・と。シンプソン氏が出てくるものでは「完全雇用」が好きだなぁ。機械というより、ハチなどの昆虫と会話をして色々協定を結んだりするものなんだけど。でも、最後の「退職扱い」は読んでいて薄ら寒くなった。ハチとも会話をしたシンプソン氏があんなことになってしまうなんて。
○「退職扱い」より
哀れなシンプソン! 彼の人生はもはや終わったも同然だ。NATCA社のために何十年と真面目に働きつづけたというのに、同社の最後の機械によって排除されてしまったのだ。(中略)死を意識しながらも、シンプソンはけっして怖れていなかった。すでに六回、それも六回とも違うパターンで体験ずみだったのだから。それは、黒ラベルのテープのうち、六本に刻まれていた。
あとから考えてみると、その機械によって廃人同然になってしまったこと、死についてのテープがあったこと、そしてそのタイトル(考えすぎかもしれないけれど;)・・・背筋がぞぞっとしてくる。科学技術も使い方を誤ると怖いものだ。。
プリーモ・レーヴィの他の著作も読んでみたいなぁ。