関口英子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
こんなにコンパクトにまとまった一冊に物理学の概要が学べる。しかも、読んでいて理解した気分になれるほどにわかりやすい。訳者後書き含めても150ページに、広大な宇宙全体の法則を謎とく旅に連れて行ってくれる素晴らしい本。
一般相対性理論、量子論、宇宙の構造、素粒子、量子重力理論、ブラックホールをめぐる確率と熱について、これら6つの講義と最終講義で自然界における人間とは何者か?について学べる。
繰り返し読んで、暗記したい。そして、何かの折に、この本の一節を交えた会話をしてみたい(気が早いか・・・)。
イタリアの経済紙『イル・ソーレ・24オーレ』の日曜特別紙面「ドメニカ」で連載した記事に手を加えたものと -
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13歳の時、育ての親から生みの親の元へ返された主人公わたしは、恵まれた一人娘の暮しから子だくさんの貧困家庭へ。なぜ戻されたのか理由も分からない。
これはつらい話だ…と覚悟して読み始めた。
けれど語られる文体は淡々と静かだ。
新たな暮らしに順応していく日々を描きながら、時々押さえられない感情が溢れだす。
「生みの親と育ての親、二人の生きた母親を持ちながら、わたしは孤児だった」と感じる孤独は身を切るようだろう。語りが静かだからこそ、心が揺さぶられる。
妹のアドリアーナの存在が大きい。装画がわたしとアドリアーナの二人が画かれているところからも分かる。貧困の中で逞しく育った妹の強さも要領の良さも、 -
Posted by ブクログ
3時間ぐらいで読める。しかも、流し読みでなくてちゃんと体に染み込んでくる感じ。物理学というと何やら難しい表現や数式が出てきて、読んでもなんだかわからないことが正直多かった。
しかし、本書は正真正銘、物理学を全く習わなかった読者も高資金を引き出す魅力を持っている。今でも学校の物理(高校ぐらいまで?)は古典物理学ぐらいまでで終わっていると思うが、ここでロヴェッリがいざなってくれる世界の見方は大きく異なり、刺激に満ちている。
訳者あとがきに「高校、大学と物理を勉強してもわからなかったことが、3時間で理解できた」「高校の物理の先生がろヴェっ理だったら、僕には別の人生が開けていただろう」といった感想が紹 -
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ネタバレブッツァーティは初めて読むが、非常に良かった。
幻想的、と帯には書いてあったが、どちらかと言えば、昔話の様な雰囲気があり、不思議な気持ちになる。
だが、様々な強迫観念や死への恐怖と生への執着(とまではいかないかも知れない)、そして理不尽さが描かれている。
表題作について。
神を信じない村に現れた、不思議な犬。
彼と狡猾なパン屋の男、隠修士を中心にして、人々の間に疑心暗鬼が広がっていく…
その互いを探りながらの駆け引きの様子がとても良かった。
結局、神を信じず、口からは罵倒の言葉が出るような人々でも、知らぬ内に深層では信じている、みたいな話が面白かった。
どれも面白い話ではあったが、特に7 -
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アルバニアに住む7歳の少年ヴィキは、母と5歳の妹ブルニルダとともに、1年半前にイタリアに出稼ぎに行った父の元へと向かう。長距離バスに乗り、密航業者のゴムボートで命がけで海を渡り、列車に乗って、やっとの思いでミラノの父に会えた。ところが、父に案内された家は沼地に立つバラックで、電気も水道もなく、トイレは下水の流れ込む運河の縁だった。不法滞在者の彼らは、警察に見つけられたら1度目は財産没収、2度めにはそれに加えて強制送還になる。ヴィキたち家族の、逃亡者のような生活が始まった。
実際の体験談をもとに、過酷な環境下にありながらも、学校生活に救いを見出し、家族と力を合わせて困難を乗り越える移民少年の姿 -
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「天地創造」神と天使が生物をつくりあげる際、人間は不恰好で厄介ごとを生み出すと却下となるが...
生み出しちゃったね。
「アインシュタインとの約束」アインシュタインがある路地で死の天使に会う。今は重要な発明の最中だと1ヶ月、死を延ばしてほしいと願う。三回延ばし、ある発明を完成させた。その発明に死の天使=悪魔は喜ぶ。
あの発明ですね。
「神を見た犬」修道士についてきた犬は、修道士が死んだ後、不信心な人々が住む村に降りてくる。そして村中を歩き回り、人々の行動を見つめるのだった。
お天道様はいつも見ている。
最初は面白かったものそれぞれ、書き記そうと思ったのですが、読み終わったら次を読みたくな -
Posted by ブクログ
御伽噺・イタリア風味。シュールリアリズム系の短編集かと思ったら、予想よりずっと優しい世界だった。根っからの悪人はほとんどいないし、多少意地悪な人間も死ぬことはなく災難に逢う程度。そして善人は必ずささやかな幸福を掴むことができる。ロダーリは確かに児童文学作家ではあったが、それ故に彼の作品はただの子供騙しでは終わらない。彼は戦前からファシズムを批判し、戦時中もレジスタンスとしての地下活動を続けてきた。自国が過ちを犯していると理解する、社会への優れた先見性を持つ作家だったのだ。そんな彼が書く、やさしくユーモアに溢れた文章の中に込められた現代社会への痛烈なアイロニーは、確かに現代を生きる私たちの胸にも