関口英子のレビュー一覧

  • 戻ってきた娘

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    貧富の差なのか文化の違いなのかしらんが、貧しい地域の子供たちは早くに働かせられたり、子供のうちから大人たちと社会的で現実的な話し合いをしいられたりする。そんな子沢山な家庭から養子として裕福な家庭に引き取られて育てられていた少女が突然実家という他人の家に戻される。3歳下の妹の方がしっかりして、世慣れている。娘は新しい環境に慣れるわけがない。でもやっぱり「子供時代」を昇華させられなかった人間というのは、現代でいうところのネグレクトなんだろうし、こういう物語はなー。人の立場考え方によって結構開きがあると思う

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    2022年06月24日
  • 13枚のピンぼけ写真

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    第一次世界大戦時にオーストリア=ハン
    ガリー帝国とイタリアとの戦闘の舞台と
    なった北イタリアフリウリ地方。イオラ
    ンダとマファルダの姉妹は、戦争の進行
    に翻弄されながら、力強く生きていく。

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    2022年05月28日
  • 13枚のピンぼけ写真

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    第一次大戦下のイタリアが舞台。タイトルになっているとおり、作中に13枚のピンぼけ写真のイラストが登場。キャプションはついているものの、その情景はピンぼけなのでなにがなにやら。想像力を働かせながらこれがこうか、と考える。

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    2022年05月18日
  • 13枚のピンぼけ写真

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    現代の作家が第一次世界大戦中の庶民を描いたYAというと、モーパーゴを真っ先にイメージするが、これはイタリアの女性作家が少女を主人公に書いた作品。
    父と兄が出征し、母が捕らえられてしまった主人公と妹は、母がかつて世話になった女性を訪ねて、母の人生を初めて知ることになる。
    第一次世界大戦中の様子はイメージできるようきちんと描かれており、友軍の誤爆で弾薬庫が爆発し多数の死傷者が出たにもかかわらず公式の発表も報道も一切されなかったり、川に多数の死体がたまって流れなくなったので爆破したりなど、多分当時の人々が残した手記などをを当たったのだろうなと思わせるシーンもある。
    物語は時系列なので読みやすく、母と

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    2022年05月04日
  • 13枚のピンぼけ写真

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    第一次世界大戦時のイタリア、13歳のイオランダの父と兄は戦争へ、母はスパイの疑いをかけられ収容所へ入れられてしまいます。妹と二人で母に言われたアデーレおばさんを頼って旅へ出ます。戦火が迫る中、転々とするイオランダたちを負います。
    章ごとに挟まれるピンボケの写真の説明(写真自体は何も分からない)が、イオランダたちの状況を言い表している。

    ウクライナでの戦争が激化する今、この本を読むのは辛かった。

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    2022年04月24日
  • 猫とともに去りぬ

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    ファンタジー系小説が好きな人には楽しめる作品なのだと思う。ちょっぴり風刺も効いていていやらしくない感じが好感を持って読むことができる作品。
    個人的にあまり風刺小説やファンタジー小説は好きではないので星3つだけれど、これは好みの問題。光文社古典新訳文庫で同じ訳者の関口さんが訳されている作品もあるので、もう一冊読んでみようと思う。

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    2022年01月08日
  • 戻ってきた娘

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    大人の都合に翻弄される「わたし」が、彼女を取りまく特殊な環境の中で、出会った人、出来事、産みの親・育ての親との関係を通じて成長していく話。しかし自分でもびっくりするくらい、読後に残るものがなかった。

    思うにそれは作品のせいではなく、このところ本を読む、自分の中に言葉を取り入れるということをさぼっていた自分のせい。本の読み方、受け止め方、言葉の拾い方を忘れてしまったんだろう。ああ、もったいない。やっぱり読書は筋トレと一緒だ。読み続けないと、あっという間に読む力をなくしてしまう。

    ところで、我が家の長女は12歳。主人公の「わたし」と同世代。自分と同じくらいの年頃で、だけど自分と全然違う世界を生

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    2021年11月12日
  • マルコヴァルドさんの四季

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    マルコヴァルドさんの四季のタイトル通りマルコヴァルドさんが四季を過ごす話。身近なものから季節の変化を感じとる感性が素敵。

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    2021年09月27日
  • マルコヴァルドさんの四季

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    ネタバレ

    ちょっぴりズレてるマルコヴァルドさんの素敵な日々。

    都会の中であくせく働き、四季の移り変わりに心を寄せる。マルコヴァルドさんを紹介するとそういう人なのだが、それはこの物語の魅力とはちょっと違う。

    マルコヴァルドさんは、都会の中の小さな自然を見つけては喜び、しかし物語はちょっとビターな方向に転がっていく。公園のベンチを別荘と洒落込んでも光や音や臭いのせいで眠れない。キノコを見つけたら食あたり。スーパーマーケットやネオンサインに振り回される。

    でもマルコヴァルドさんは挫けない。子沢山で家計は苦しく、いつも思ったようにはいかないけど、マルコヴァルドさんはブツブツ言いながらも楽しそうだ。

    生き

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    2021年08月19日
  • 戻ってきた娘

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    ネタバレ

    すごく好きな本だった。遠い国なのに情景が浮かぶ心境で,そういう本が好きなのだと思う。ニュー・シネマ・パラダイスを見た田中裕子の感想というか。続きも読みたくなる。
    他の人も書いてたけど,方言の翻訳って難しいなと思った。

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    2021年08月18日
  • 戻ってきた娘

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    いかにも映画になりそうな物語。
    小さい映画館で、上映されそうな。
    イタリアの訛りを
    関西弁風に翻訳してあるのが、わかりやすかった

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    2021年08月16日
  • 神を見た犬

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    イタリア文学を読んだのってはじめてかもしれない。「コロンブレ」「アインシュタインとの約束」「聖人たち」「驕らぬ心」あたりが結構すき。「アインシュタインとの約束」は冒頭のプリンストンというところでわかる人はわかるんだろうなと思った。自分は検索したけど。「聖人たち」はちょっとかわいそうだけどほのぼのとした。これからも仲良くいてほしい

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    2021年06月20日
  • 戻ってきた娘

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    ネタバレ

    いいことも悪いことも含めて回想される子ども時代という点で、『ニュー・シネマ・パラダイス』のような味わいがちょっとあるのだが。大人になってから過去を回想しているようなのに、大人になった姿はほとんど描かれないので、なんとなく消化不良。と思ったら続編があるのだね。なるほど。

    方言の扱いが気になった。強い方言を表そうという苦心は充分理解出来るのだけれど、でもこの○○弁?これでいいの?と、そこはいただけなかった。

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    2021年04月23日
  • 羊飼いの指輪 ファンタジーの練習帳

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    物語が20個あり、それぞれ結末が三種類用意してある。いわゆる子供のファンタジー力を鍛えるためのテキスト集のような。構成は良いと思うが余りにコンパクトすぎて。もっと膨らませてくれようー。と思ったが、それは各自でやることになっている。なんだか、ツリーは用意したので、飾りはそれぞれ各自で作るんだよ、と言われたようでね、それをタノシイーと思うか、メンドクッセと思うか。ワシャー昔から七夕の飾り付けとか嫌いじゃった、そういや。や、普通に面白いよ。火星の幽霊の話とか好きだ。けど。

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    2020年12月26日
  • 猫とともに去りぬ

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    イタリアのファンタジー作家ロダーリの短編集。表題作「猫とともに去りぬ」はかつて人間だった猫たちの話。巻末の解説によると、もしおじいさんが猫になったら、という仮定を子供たちに提示して子供たちにやりとりさせて生まれた話だという。ラストも子供たちの意向を反映させている。子供向けの童話のような優しさと大人向けの風刺小説のような味わいを併せ持つ。とはいえ裏面に書かれているような社会への痛烈なアイロニーは全く感じられない。

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    2020年12月08日
  • 神を見た犬

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    頭木弘樹さん「絶望読書」で、「絶望するときに読んではいけない本」として紹介されていた「七階」が収録されている短編集。

    シニカルともブラックユーモアともいえない、切なくてぞっとする幻想的なお話がたくさん。
    お目当ての「七階」は結末を知っていたけれど、それでもぞっとした。
    表題作「神を見た犬」はどシニカルな感じでよかった。「グランドホテルの廊下」「病院というところ」あたりがすき。

    テーマが幅広い。古代から現代、神と宗教、ありふれた日常。政治と戦争。

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    2020年11月03日
  • 月を見つけたチャウラ~ピランデッロ短篇集~

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    イタリアのノーベル賞作家。最近またじわじわとイタリア文学ブームが自分の中でキテる。皮肉がきいた短編集。「ひと吹き」が好きだった。

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    2018年12月18日
  • 神を見た犬

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    ネタバレ

    イタリアの作家ブッツァーティの短編集。「タタール人の砂漠」が非常に良かったので読んだ。「タタール人の砂漠」ほどは揺さぶられなかった。

    幻想的な雰囲気が漂う作品が多い。時代設定が少し昔だったり、物語の舞台が田舎がだったりすることで、今自分がいる世界とは地続きのようだが実際に見たことはない世界のストーリーとして感じられるからだと思う。
    特に「護送大隊襲撃」は、ヘミングウェイの「敗れざる者」を彷彿とさせる佳作だと感じた。


    護送大隊襲撃
    捕らえられた山賊の首領プラネッタが(微罪のみしか問われなかったことから)3年後に釈放される。しかし刑期に衰えた彼を昔の仲間が迎えることはなかった。一人過ごしてい

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    2018年11月29日
  • 猫とともに去りぬ

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    話がある程度進んでから「じつは◯◯だったのだ」と明かされて「おいおい」。
    けれど「おいおい込みで受け入れてしまえばいいのだ」のわかったら、やたらおかしくなってきた。

    そっかそっか。
    そのままケタケタしたり、皮肉だか風刺だかにも気づけばそれはそれでニヤリとしたり。
    基本子ども、時々おとな。自然、そんな読み方となり、私にはそれがよかった。

    イタリアのユーモアあふれる一冊。
    絵本のページをめくるのに似た感覚も。

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    2018年09月23日
  • 羊飼いの指輪 ファンタジーの練習帳

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    ゆっくりと丁寧に語りかける感じ。児童文学のテイスト。寓話的。それでいて結末が幾つかある。そうすると描かれていたことの意味合いに違いが生まれるなどを体感できる。自分なりにあれこれ考えられる余白と選択肢のある作品。

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    2017年12月18日