関口英子のレビュー一覧

  • 戻ってきた娘

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    いかにも映画になりそうな物語。
    小さい映画館で、上映されそうな。
    イタリアの訛りを
    関西弁風に翻訳してあるのが、わかりやすかった

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    2021年08月16日
  • 神を見た犬

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    イタリア文学を読んだのってはじめてかもしれない。「コロンブレ」「アインシュタインとの約束」「聖人たち」「驕らぬ心」あたりが結構すき。「アインシュタインとの約束」は冒頭のプリンストンというところでわかる人はわかるんだろうなと思った。自分は検索したけど。「聖人たち」はちょっとかわいそうだけどほのぼのとした。これからも仲良くいてほしい

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    2021年06月20日
  • 戻ってきた娘

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    ネタバレ

    いいことも悪いことも含めて回想される子ども時代という点で、『ニュー・シネマ・パラダイス』のような味わいがちょっとあるのだが。大人になってから過去を回想しているようなのに、大人になった姿はほとんど描かれないので、なんとなく消化不良。と思ったら続編があるのだね。なるほど。

    方言の扱いが気になった。強い方言を表そうという苦心は充分理解出来るのだけれど、でもこの○○弁?これでいいの?と、そこはいただけなかった。

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    2021年04月23日
  • 羊飼いの指輪 ファンタジーの練習帳

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    物語が20個あり、それぞれ結末が三種類用意してある。いわゆる子供のファンタジー力を鍛えるためのテキスト集のような。構成は良いと思うが余りにコンパクトすぎて。もっと膨らませてくれようー。と思ったが、それは各自でやることになっている。なんだか、ツリーは用意したので、飾りはそれぞれ各自で作るんだよ、と言われたようでね、それをタノシイーと思うか、メンドクッセと思うか。ワシャー昔から七夕の飾り付けとか嫌いじゃった、そういや。や、普通に面白いよ。火星の幽霊の話とか好きだ。けど。

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    2020年12月26日
  • 猫とともに去りぬ

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    イタリアのファンタジー作家ロダーリの短編集。表題作「猫とともに去りぬ」はかつて人間だった猫たちの話。巻末の解説によると、もしおじいさんが猫になったら、という仮定を子供たちに提示して子供たちにやりとりさせて生まれた話だという。ラストも子供たちの意向を反映させている。子供向けの童話のような優しさと大人向けの風刺小説のような味わいを併せ持つ。とはいえ裏面に書かれているような社会への痛烈なアイロニーは全く感じられない。

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    2020年12月08日
  • 神を見た犬

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    頭木弘樹さん「絶望読書」で、「絶望するときに読んではいけない本」として紹介されていた「七階」が収録されている短編集。

    シニカルともブラックユーモアともいえない、切なくてぞっとする幻想的なお話がたくさん。
    お目当ての「七階」は結末を知っていたけれど、それでもぞっとした。
    表題作「神を見た犬」はどシニカルな感じでよかった。「グランドホテルの廊下」「病院というところ」あたりがすき。

    テーマが幅広い。古代から現代、神と宗教、ありふれた日常。政治と戦争。

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    2020年11月03日
  • 月を見つけたチャウラ~ピランデッロ短篇集~

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    イタリアのノーベル賞作家。最近またじわじわとイタリア文学ブームが自分の中でキテる。皮肉がきいた短編集。「ひと吹き」が好きだった。

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    2018年12月18日
  • 神を見た犬

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    ネタバレ

    イタリアの作家ブッツァーティの短編集。「タタール人の砂漠」が非常に良かったので読んだ。「タタール人の砂漠」ほどは揺さぶられなかった。

    幻想的な雰囲気が漂う作品が多い。時代設定が少し昔だったり、物語の舞台が田舎がだったりすることで、今自分がいる世界とは地続きのようだが実際に見たことはない世界のストーリーとして感じられるからだと思う。
    特に「護送大隊襲撃」は、ヘミングウェイの「敗れざる者」を彷彿とさせる佳作だと感じた。


    護送大隊襲撃
    捕らえられた山賊の首領プラネッタが(微罪のみしか問われなかったことから)3年後に釈放される。しかし刑期に衰えた彼を昔の仲間が迎えることはなかった。一人過ごしてい

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    2018年11月29日
  • 猫とともに去りぬ

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    話がある程度進んでから「じつは◯◯だったのだ」と明かされて「おいおい」。
    けれど「おいおい込みで受け入れてしまえばいいのだ」のわかったら、やたらおかしくなってきた。

    そっかそっか。
    そのままケタケタしたり、皮肉だか風刺だかにも気づけばそれはそれでニヤリとしたり。
    基本子ども、時々おとな。自然、そんな読み方となり、私にはそれがよかった。

    イタリアのユーモアあふれる一冊。
    絵本のページをめくるのに似た感覚も。

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    2018年09月23日
  • 羊飼いの指輪 ファンタジーの練習帳

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    ゆっくりと丁寧に語りかける感じ。児童文学のテイスト。寓話的。それでいて結末が幾つかある。そうすると描かれていたことの意味合いに違いが生まれるなどを体感できる。自分なりにあれこれ考えられる余白と選択肢のある作品。

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    2017年12月18日
  • 古代ローマ人の24時間 よみがえる帝都ローマの民衆生活

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    紀元115年、トラヤヌス帝治下のとある火曜日、150万都市ローマの暮らしを日の出前から午前0時過ぎまで、時間と場所を細かく見ていく。特権階級の戸建て、集合住宅の借家事情、家電代わりの奴隷たち。商店や街並み、道路の喧騒、路上の学校。コロッセウムでの公開処刑、剣闘士。浴場、饗宴。

    遺跡としてではなく、リアルタイムな暮らしがあり、そしてその暮らしそのものが興味深かったです。

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    2017年11月25日
  • ふたつの海のあいだで

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    昔デュマが立ち寄り手稿を置いて行ったイタリア南部の旅館、いちじくの館。消失してしまった館の再建を試みるジョルジュ・ベッルーシは、いがみあう一族に復讐し逮捕されてします。年を取り釈放されたジョルジュ・ベッルーシは再び館の再建に乗り出す。
    イオニア海とティレニア海から吹きあがる風のように熱烈な人生を、孫のフロリアンの眼を通して描いていく。

    北の民族と南の民族。そんな違いが実感できない日本人にとって、こだわりが不思議な気持ちさえする。
    後半の老いた男たちの友情がカッコいい!!

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    2017年05月07日
  • 猫とともに去りぬ

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    途中やや飽きるも面白く読んだ。
    イタリア人と働いてる時に読んでたら
    ロダーリについて話せたかな〜
    簡単に猫や魚になれるイタリア人、
    うらやましす‼︎

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    2016年10月14日
  • 神を見た犬

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    はじめの2作は軽快で、ピウミーニの『キスの運び屋』みたいだな、と思った。聖人が天から人の世界を見下ろして…という設定は、私はピウミーニで初めて読んだのだが、勿論ブッツァーティの方が古いので、ピウミーニが真似したのかもしれない。しかし、そもそもイタリア人は、こうしたことをしょっちゅう考えているのでは、とも思った。幼い頃から、「聖人さまがご覧になっていますよ」と戒められて育つ、とか。
    告解のシーンも多く、カトリックの国の作家だなぁ、とも思う。
    ロダーリやピウミーニほど明るくないし、カルヴィーノほど寓話的でもナンセンスでもないが、やはりイタリアの作家らしく、解説にあるカフカなんかとは全く違う。
    「病

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    2015年08月22日
  • 薔薇とハナムグリ~シュルレアリスム・風刺短篇集~

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    おそろしい比喩と暗喩に満ちた短編たち。
    国家の敵でボタンを作ったり、薔薇を好むはずがキャベツを好んで嫌悪されたり…
    解決しようもない問題に満ちたこの世界に生きていることを突きつけられる気がする。
    蛸のように夢でも希望を信じて生きているかしら。

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    2015年08月12日
  • 薔薇とハナムグリ~シュルレアリスム・風刺短篇集~

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    皮肉めいたものの見方はしているけれども、刺々しさは控え目にしている気がする。結婚出来ない空想家の日常「怠け者の夢」、欲に目が眩むと大事なタイミングを見逃す「パパーロ」、取り敢えず逃げて下さい「清麗閣」、『夢幻諸島から』を思い出した「夢に生きる島」、評論家の懺悔「いまわのきわ」、『きつねとぶどう』な「ショーウィンドウのなかの幸せ」、大爆笑した蛸の死生観「蛸の言い分」、さて、今年の春の流行は?「春物ラインナップ」などイタリア文学はまだまだ金脈が沢山ありそう…とここまで来て最後に強烈な「記念碑」で掉尾を飾る。ある男の記念碑が立てられるまでの経緯に鳥肌が立った。解説にある退廃した中産階級を書いたものよ

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    2015年07月21日
  • 天使の蝶

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    ロダーリ、ブッツァーティを翻訳した関口英子さんによる現代イタリア作家3人の作品を全部読んだけど、どれも良かった。この短編集は、強制収容所から帰還した、科学者としてのレーヴィの体験が大いに生かされた作品。程よくウィットが効いている。好きだったのは「転換剤」。怖いけど、こういうものあってもおかしくないんだよね。一部作品は連作のようになっているのも面白い。2012/434

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    2015年04月21日
  • 猫とともに去りぬ

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    ようこそ、陽気で不思議なロダーリ・ワールドへ。

    ロダーリのファンタジーは懐かしい。小さい頃にきいたお話のようなイメージ。それでいて、痛烈な皮肉が効いている。何かがずれている登場人物と、何かがずれているような事件。それが楽しい。度々出てくるマンブレッティ社長が、典型的やな奴で、こういう人がいるのもファンタジーの醍醐味。

    「猫とともに去りぬ」家族に相手にされないから猫になる老人。そんな元人間の猫が起こす運動。猫になる、というのは人類共通の夢かもしれない。

    「ピサの斜塔をめぐるおかしな出来事」宇宙人が勝手に地球の名所をくじの商品にしているとか、まるで星新一にありそうな。機転のきく行商のおじさん

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    2015年03月17日
  • 羊飼いの指輪 ファンタジーの練習帳

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    さて、この話のオチ、あなたならどうする?

    短編集。でも、ちょっと面白いのは、それぞれ結末が3つ付いていること。読者が好きなのを選べる。もちろん、著者の選んだ結末も最後に書いてある。解説によれば、このそれぞれの物語の元になっているのは、ラジオ番組らしい。ロダーリと子どもたちがスタジオで、みんなで話し合いながら物語の結末を考える番組で、子どもたちの創造力を引き出す。物語自体は、童話や民話で聞いたことがあるような、もしくは星新一のショートショートみたいな感じ。教訓めいていたり、ナンセンスだったり。こういうのもありなんだ、と思える作品。

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    2014年09月23日
  • ネコの目からのぞいたら

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    イタリアの小学生ダンテ君は、ディスクレジアの障害を持つ。香港に出張中の両親に代わりおばあさんと住んでいる。小学校の卒業試験(!)のために、家庭教師の家に通うようになるが、そこで生まれたばかりの子猫を譲ってもらう約束をする。風変わりな家庭教師は、精神を集中すればネコと一緒になりネコの見ているものが見られると教えてくれる。それ以来、ダンテは、ネコと一緒にネコの見ているものを体験するようになる。
    先生のおかげで無事卒業試験は合格したものの、先生悪性のインフルエンザがもとで亡くなってしまい、子猫もどこかへ行っていまう。ダンテは、ネコの見ているものからネコのいるところを捜そうとする。すると、ネコは新しい

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    2013年10月18日