関口英子のレビュー一覧
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アルバニアに住む7歳の少年ヴィキは、母と5歳の妹ブルニルダとともに、1年半前にイタリアに出稼ぎに行った父の元へと向かう。長距離バスに乗り、密航業者のゴムボートで命がけで海を渡り、列車に乗って、やっとの思いでミラノの父に会えた。ところが、父に案内された家は沼地に立つバラックで、電気も水道もなく、トイレは下水の流れ込む運河の縁だった。不法滞在者の彼らは、警察に見つけられたら1度目は財産没収、2度めにはそれに加えて強制送還になる。ヴィキたち家族の、逃亡者のような生活が始まった。
実際の体験談をもとに、過酷な環境下にありながらも、学校生活に救いを見出し、家族と力を合わせて困難を乗り越える移民少年の姿 -
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「天地創造」神と天使が生物をつくりあげる際、人間は不恰好で厄介ごとを生み出すと却下となるが...
生み出しちゃったね。
「アインシュタインとの約束」アインシュタインがある路地で死の天使に会う。今は重要な発明の最中だと1ヶ月、死を延ばしてほしいと願う。三回延ばし、ある発明を完成させた。その発明に死の天使=悪魔は喜ぶ。
あの発明ですね。
「神を見た犬」修道士についてきた犬は、修道士が死んだ後、不信心な人々が住む村に降りてくる。そして村中を歩き回り、人々の行動を見つめるのだった。
お天道様はいつも見ている。
最初は面白かったものそれぞれ、書き記そうと思ったのですが、読み終わったら次を読みたくな -
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御伽噺・イタリア風味。シュールリアリズム系の短編集かと思ったら、予想よりずっと優しい世界だった。根っからの悪人はほとんどいないし、多少意地悪な人間も死ぬことはなく災難に逢う程度。そして善人は必ずささやかな幸福を掴むことができる。ロダーリは確かに児童文学作家ではあったが、それ故に彼の作品はただの子供騙しでは終わらない。彼は戦前からファシズムを批判し、戦時中もレジスタンスとしての地下活動を続けてきた。自国が過ちを犯していると理解する、社会への優れた先見性を持つ作家だったのだ。そんな彼が書く、やさしくユーモアに溢れた文章の中に込められた現代社会への痛烈なアイロニーは、確かに現代を生きる私たちの胸にも
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短編集で不条理を描いたもの。星新一に系統は似てるけどそれをもっと文学的にしたような。人の持つ社会的心理から返って個人が苦しんでしまう様な様を描いたものが多い。
1. 天地創造。キリスト教ネタがいくつかあって分かりにくいものもあったけど、これはシンプルで、地球にある一切は神によってデザインされたとされるが、こんな裏話があったのではないかという話。作者がいかに人間を醜いと思ってるかが一作品目で分かる構成なのが良い。
2. コロンブレ。親や世間の謂れを真に受けて信じ込んでしまった為に人生を棒に振る寓話。
3. アインシュタインとの約束。偉人に勝手に性格をあてて描くのは何だか気持ち悪かった。
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上手くいかないから不幸なのではない、貧しいから不幸なのではない、それだから不幸なのだと思ってしまう考え方が不幸なのだ。ブッツァーティの小説は読者に主人公の人生の最後に立ち会わせそれを問いかける物語だ。一元的な物の見方を否定し物事に違う観点を与える。10代の頃彼の長編「タタール人の砂漠」で頭をガツンとやられた。それと同じ感覚がこの短編集にも詰まっている。謎の怪物コロンブレに殺されまいと逃げ続けた男の話、護送大隊をたった一人で襲撃しようとする年老いた山賊の話。ラストですべての不幸が幸福に代わり、幸福が不幸に入れ替わる。この世界のことはすべて脳内で起きている。他人の視点は何の意味もない。自分の人生が
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感想は、「たのしい!おもしろい!変!」
そんな短編集です。
ユーモアがあって、ついにやにやしながら読んじゃう。
一気にだいすきな本になりました。
また数年後に読み返したい。
とにかく突拍子もない本なんです。
設定も、展開も、キャラクターが考えることも、台詞も。
予想もつかないことが起きる。
作者のロダーリは、とっても想像力豊かで、発想が自由で、人と違う視点から物事を見られる才能を持っていたんだなあと感じます。
何事も、決まった形に収まらない。
そんなところが夢があって、
わくわくして、
各所に散りばめられたユーモアに笑っちゃって、
でもぴりりと風刺も効いた本です。
とっても素敵。世界を -
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