関口英子のレビュー一覧
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ネタバレ小説というよりは、寓話集。というか昔話集、と言いたい趣きすらある。
というのもマックス・リューティの所謂「昔話3回」の方程式があるからだ。
またカフカに比されるのは作者としても不本意だろうが、しかたない、と「変身」および短編数作しか読んでいない者でも感じざるをえないくらい、カフカチック。
というか同じグラデーションに安部公房も星新一も筒井康隆もいて、その源流を仮に想定するならカフカと言わざる得ないくらい、カフカのすそ野が広いせい、なのだろう。
寓話的な短篇の中にあって、やはり個人的な好みは、比較的長めの小説的な数作だ。
「コロンブレ」「神を見た犬」はまだ寓意強めだが、「七階」「護送大隊襲撃」「 -
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・食事のさい、料理のくずは皿のなかではんく床にすてる
・平均的な家庭で大体10人くらいの奴隷がいた
・家の内装 壁や床の装飾は豪華。反対に家具や調度品は隠していた
・夫婦は別々に寝ることが優雅とされる
・毎朝 神棚にお供えものをしてお香をたいて神に祈る
・ファッション
トゥニカ:実用的。大きいTシャツみたいなもの
トゥーガ:正装。スーツみたいな。裕福な人は外出するときはこれ。ローマ市民のみ許可。
・靴下はない。外用の靴は帰宅すると脱ぐことが作法。うち履きのサンダルに履き替える。
・公衆浴場にいくのは昼過ぎくらい。
・朝食を一番食べる。昼は質素。
・食後は歯磨き。歯磨き粉は重曹か尿
・現代の国会 -
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タイム・スリップしたのは西暦115年。場所はトラヤヌス帝の治世の古代
ローマ帝国である。周辺の蛮族との闘いに次々と勝利し、繁栄真っ只中
のローマ帝国で、庶民はどんな生活を送っていたのかを記したのが本書。
言ってみれば架空の紀行文なのだが、発掘された遺跡や古文書、美術
品から綿密に当時の衣食住を描いている。
日の出前から日没後、ローマの街が眠りにつくまで。ローマのあちこち
を覗きながら話が進む。
面白いです。男性、女性、それぞれの身支度の様子。人で溢れかえる
ローマの街角の描写。奴隷を現代の電化製品に置き換えてみたら…
なんて、妙に納得。
富裕階級と貧困階級の住宅事情の相違なんて、ほとん -
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「詰め物をしたナス、辛味のペペロナータ(パプリカの炒め煮)、土鍋で煮込んだインゲン豆にソラ豆にヒヨコ豆、ラザーニャか、ヤギや仔ヒツジのミートソースで味付けした手打ちパスタ、シーラ山地特産のアニスで風味をつけたリコッタチーズ入りラヴィオリ。そして、お祖母ちゃんの自慢料理もあった。ポテトとズッキーニを添えたムール貝、カボチャの花のフライ、そしてカブの芽のオレッキエッテ(耳たぶの形をした小さなパスタ)」
イタリアを描いた小説らしく、料理の名前がこれでもか、というくらい次々出てくるので参った。こういうのをフード・テロというのか。特に大好きなトリッパ(牛の胃)まで登場すると俄然食べたくなって困った。い -
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カルヴィーノの作品は邦訳あるものは殆ど全部読んでたつもりだった。もしかしてカルヴィーノのファンと言っていいかもしれない。幾つかのものは再読すらしているから。「くもの巣の小道」は自分の楽しみのために、「冬の夜一人の旅人が」は若い友人に勧めるために。
しかしこれは未読だった。半世紀以上も馬齢を重ねていれば大概の小説とインド映画の筋は忘れてしまうのだが、児童向小説は比較的記憶から抜け落ちることがない。そしてこの「マルコヴァウドさんの四季」は児童向小説なのである。
子供のために書かれたからと言って、決して楽しい小説ではない。主人公のマルコヴァルドさんはトリーノを思わす工業都市に暮らす労働者だが、かれと -
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地に足の着いたファンタジー小品集。優しいローファンタジーではなく皮肉入りの!妙な!変な!世界にも人にも優しくない!(ブラック)ユーモア満載の!話ばかりですごく私得。魔法のバックミラーやシンデレラ宇宙ver.とだけ聞いたらガチファンタジーっぽいのに実際はそうでないんだから面白い。何となく短編モーパッサン+ハルムス(シュルレアリスム感)的に感じた。
初読時は「ヴェネチアの水位上昇を懸念して魚になった家族の話」が印象的だったのだけれど、今回は「バイクと結婚したくて家出する男の話」と「釣りの下手な男が何とかして魚を釣ろうと奮闘する話」が気に入った。後者は特に、喜劇→悲劇の転換がすばらしく巧い。前者 -
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ローマ帝国がその繁栄の絶頂期にあったトラヤヌス帝治世下の首都ローマの人々の一日の生活を24時間著者がレポートするといった非常に興味深い趣向の本。
当時のローマ人の生活が衣食住から始まり、裁判、教育、娯楽、果ては公衆トイレや性生活に至るまで事細かく描写されている。
それらの描写は、最新の考古学的研究の成果に基づく知識に裏打ちされており、古代ローマを題材とした小説を読むのでは得られない種類のリアリティーを感じさせる。
史料でしか知ることのできない古代ローマ人たちに血肉を与え、当時の生活の匂いまで感じられそうな程に彼らの生活を活写して見せる著者の学識とイマジネーションには驚くばかりである。