関口英子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ『梨の子ペリーナ』の再話者となっていたイタリア民話編纂の巨匠イタロ・カルヴィーノ氏の手掛けた児童書。
ズバーブ商会の倉庫の人夫として働くマルコヴァルドさん。
思いついた妙案を熟慮せずに行動に移してしまい、いつも期待していたのとはちょっと違う結末(どちらかというと失敗)にたどり着いてしまう。
妻とたくさんの子どもらを抱え、かつかつな暮らしを送りながらも自然を愛でる心に溢れ、人並みな欲はあるけれど後先見ずに突き進んで窮状を脱せない様は返って善良さが滲み出ていてにくめない。
そんなマルコヴァルドさんの春夏秋冬季節にひとつのエピソードを5周繰り返す形での連作短編集。
比較的あっさりとはしているが、へんてこエピソード達の間に、「おいおい。。。」といった呆れや忍び笑いあり、人間の心の浅ましさを垣間見るものあり、ときには一抹の切なさを感じるものありと玉手箱的作品。
挿絵がいい感じ。 -
Posted by ブクログ
新聞のコラムとして投稿した記事をまとめたもの。平易な文章で宇宙や量子力学の最前線を紹介してくれている。前著のすごい物理学講義を読んだ後だからか、大まかな内容だなと感じたけど初手としてはその魅力に触れる意味で最適かなと。
最終講義が秀逸。著者の学問の意味、自然科学と人文学の垣根を超えたシンクロなんかを諭してくれて、人間の好奇心、探求心は果てしないし心が躍る。そう、未知のことへの挑戦は人間の性なのだ。人間も自然のほんの一部、自由意志なんてものはないのではという不安を、自然の一部である脳ニューロンの決定という自然の法則に従っている限り自由なのだと。読んでいると浮遊感がすごい。スピノザの一元論(汎神論)にも言及しており、ここにも人文学と自然科学の融合が垣間見れる。
「統合情報理論」にも食指を伸ばすしかなくなるな。知識欲がリンクして、これこそが学ぶ楽しみですね。
P130
いいえ、そうではありません。私たちを形づくっているものの何ひとつとして、自然の法則に従わないものはありません。・・・私たちが自由であるいうとき、・・・それはつまり、私たちの内部にある、脳のなかで起こっていることによって私たちの行動が決定づけられており、外部から強要されたののではないということです。「自由である」とは、なにもなにも私たちの行動が自然の法則に左右されないということではなく、私たちの脳の中で作用する自然法則に従っているということなのです。
とはいえ、ループ量子重力理論なんてものを自分で語れるくらいに理解できるのは、もっと専門的な書籍に挑戦するしかないのでしょう。
”P146「世界に対する新しい視野」を身につけること”は一朝一夕ではか叶わないが、在野の人間として愚直に真摯に歩んでいきたいと勇気づけられました。 -
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期待以上におもしろかった!
おもしろさの方向性で言えば、「サザエさん」のようなおもしろさだ。
登場人物たちの思考や行動が容易に予想できて、その結果も予想できてしまう。
「あ~あ、またあんなことして、もう、サザエは。」みたいな。
この本では、マルコヴァルドさんの春夏秋冬に関する短いお話がたくさん収録されていて、四季が何周もする。
四季が何周もするのに、マルコヴァルドさんは懲りない。まったく懲りない。
毎回、「マルコヴァルドさんか家族がなにかを見つける・思いつく→大喜びでそれにくいつく→うまくいかずにがっかりする」という展開だ。
個人的にとくに愉快だったのは、
スーパーの話(家族でスーパーに行ったけどお金がなくて何も買えないから、カートを押して買わない商品を入れることを楽しむ・・・)
洗剤サンプルの話(こども達が洗剤サンプルを大量にあつめて売ろうとしたが・・・)
バスを乗り過ごす話(マルコヴァルドさんが知らない停留所で降りてしまい、目的のルートに戻るために四苦八苦・・・) -
Posted by ブクログ
カルロ・ロヴェッリといえば、ベストセラー「時間は存在しない」の天才物理学者
個人的には「科学とは何か」に次いで2冊目
こちらは「世界一わかりやすく美しい『七つの講義』」が売り文句
対象者は一応(ワタクシのような)初心者向け
ついつい備忘録を書きたくなるが、本書はそんなことより圧倒的な何か大切要素が詰まっており、
未だかつて体感したことのない不思議な感覚の理系書籍である
何が凄くてベストセラーとなったか…について、私なりの分析を踏まえご紹介したい
まず一番驚くのがものすごく凝縮されているのにも関わらずしっかり伝わる凄さ…だ
そう、ギュッと凝縮しているのにバンバン伝わる
素晴らしくコンパクトにまとまっている(文庫本としても全く厚くない)
そして「量子力学」や「一般相対性理論」などの複雑難解な物事をこれほど柔らかくほどいて説明できるというセンスはお見事
なんだかまるでエッセイでも読んでいるような緩めの心構えで大丈夫なのだ(理解できているかは別だがイメージと概要は掴める)
一つ例を挙げてみる
アインシュタインの理論が理解できなくても、以下の内容は理解できる
〜アインシュタインによって、宇宙は爆発とともに誕生し、空間は出口のない穴に沈みこみ、時間は惑星に近づくほどゆっくり流れ、果てしなくひろがる星間空間は海面のように波立っているという、驚きに満ちた世界のようすが記述された〜
神秘的で美しく、イメージが湧くはずだ
そして理系の本なのに、著者が誰であるか全く見えないようなお堅い教科書的な書ではなく、彼の個性がきちんと見える
だからといって、昨今にありがちな「いかに理系の苦手な方にも受け入れてもらえるか」に力を注いたような涙ぐましい努力が見え隠れする書とは全く違う(笑)
いくつかの詩を挿入させたり、(先日読んだ某書では清少納言を絡めておられた…ような)文系要素を押し込んできたり、
はたまた小説家を気取った著者のプライベートが語られたり(ありがたい反面、ちょっと無理があるなぁと感じることも…でも別にクレームではございません)
しかしながらカルロ・ロヴェッリの場合、哲学的でセンスの良さが光り、揺れのある感情さえも物理学の中で大切にする…
恐らくユーモアと愛情に溢れた人物なのではないだろうか
そしてこれは私の偏見なのだが、イタリア人らしさをしっかり感じることができる
(読みながら「ベーネベーネ」と何度も偉そうに頷いておりました)
このような心に響く科学の本があるとはちょっと驚き
世の中の仕組みを知る
自然を知る、世界を知る、宇宙を知る…
すなわち己を知ることに繋がる
そうすることで何か人間としての生き方さえも学べ、この地球で生きるための義務や姿勢さえも感じることができる
広く深く
押し付けがましくなく
自然なのに圧倒的な…(ちょっと盛り上げすぎだけど)
そんな魅力的な内容であった
ただ、「一般相対性理論」とは何ぞや…というピンポイント知識の為だけの書籍としては物足りないのでそういう期待をして読む本ではないかな
そこを求める人にはちょっと満足できないかも
とりあえず次の「すごい物理学講義」も読んでみたい
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Posted by ブクログ
『時間は存在しない』のカルロ•ロヴェッリ。
解説では、リベラルアーツ的な知の在り方を考えさせられたというようなことが書かれていたが、読んでいると最近読んだ哲学書との重なりが見えてきて、面白い。
自由意思とは何か。
まさか物理学の本でもこの問いに触れるとは思わなかったのだけど、ある本では「偶然性」と述べていたように、この本の言葉を使うとすれば「確率」の一つなのかもしれない。
一般相対性理論と量子力学の世界の見え方?の違いも、面白い。なのに、両方それぞれもっともらしく、またその考え方があったから、進んだものがある。
「世界の圧倒的な傑作といえるものは、いずれもその真の素晴らしさを理解しようと思ったら、一定期間の修業を積むことが求められます。努力をすれば、純粋な美という褒美を手にできるだけでなく、世界に対する新しい視野もひらけるのです」