山本周五郎のレビュー一覧

  • 夜明けの辻

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    短編集。冒頭の『嫁取り二代記』が好き。この人のヒューマンコメディは素朴で最高。クスクスと笑ってしまう。 

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    2013年09月14日
  • 町奉行日記

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    山本さんのBESTとは言いませんが、なかなか良い本です。
    特に10の短編が発表順に並んでいるのが興味深い。戦前の如何にも青少年向けの作品から、円熟期にかかる昭和30年過ぎまで、周五郎さんの成長ぶりがよく分かります。
    本当に山本さんは成長し続けた作家さんで、短編の出だしを少し読むと何時頃の作品か判ります。例えば勧善懲悪を描く場合、初期は言葉で直接に声高な善を主張し、少しするとストーリの中で明快な勧善懲悪を描きます。そして最後には、時に悪が跋扈し善が虐げられるままで物語は終わり、余韻の中で「それでも善が・・」と語っているようる作品集です。また「滑稽もの」が多いのも特徴的です。
    新潮文庫の周五郎さん

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    2016年06月19日
  • ながい坂(下)

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    ネタバレ

    下巻の初めは刺客から身を隠すために
    新畠や長屋での生活を余儀なくされるものの、
    後半はとにかく物事が良好に進む進む。

    ただ、表立った危機を感じさせないのは
    主人公である主水正の慎重かつ
    機会を計る上手さ故であるともいえるだろう。

    それ故、後半は切り合いのような物理的な戦いはなく、
    政治的な駆け引きが続くばかりとなり、
    スカッとする爽快感はなかった。

    様々な苦労や経験をして成長していく主人公が、
    親兄弟や子供に対する
    シビアかつドライな考え方や
    昔の恩師の死に目に素直に会いに行こうとしない
    潔癖さを最後まで変えないのが
    不完全さを出していて却って良い。
    どうせ自分に報いが返ってくるだろうか

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    2013年08月25日
  • 栄花物語

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    歴史上は悪評のある田沼意次が、評価の高い人物として描かれていて、しかも無理がなくしっくりくる物語となっている。自分の好きなことをしないと良い人生とは言えないとする一方、人との関わりの中で、また日常の環境の中で生きている、ということをモチーフとしている。13.8.13

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    2014年03月11日
  • 日本残酷物語 1

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    気が滅入って読むのが辛い本でしたが、決して遠くない日本の現実物語でした。忘れてはいけないと思います。

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    2013年08月06日
  • 雨の山吹

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    「彩虹」「恋の伝七郎」「山茶花帖」「雨の山吹」「いしが奢る」が良かった。
    江戸を背景とした物語の雰囲気が好き。味があって温かみもある綺麗な恋愛話。

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    2013年07月31日
  • 樅ノ木は残った(上)

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    【100冊目】私の大好きな山本周五郎の作品。伊達騒動に新解釈を加えた山本周五郎の代表作品。

    悲劇的な結末が待っているからこそ、周五郎の「生」への賛歌が際立つ。
    死ぬことより生きることの方が何倍もつらいはずだ、という周五郎の哲学に胸を打たれます。

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    2013年12月12日
  • 風流太平記

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    花田三兄弟のそれぞれの個性がおもしろい。特に三男の万三郎の明るさと人を信頼する面が清々しい。13.7.27

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    2013年07月27日
  • ながい坂(上)

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    ネタバレ

    徒士組頭の父を持つ小三郎(後の三浦主水正)は、
    自分たち親子の普段使う橋が取毀された様子、
    そしてそれに対する父の対応を目の当たりにし、
    その時から年相応の子供ではいられなくなった。

    所謂成り上がりものの話だけれども、
    主人公の成り上がりのための動機が
    なんとも直感的で衝撃的。

    大人になってからは
    妻との確執や藩内の権力者達の陰謀、
    過去の事件の謎が複雑に絡み合い、
    更には得体の知れぬ刺客との戦いもあって
    様々なエンターテイメント性を持っている。

    仲間も増えていくのだが、
    一方で裏切り者の存在も発覚する。
    そんな中で主人公の三浦主水正は
    果たして人格者であり続けることができるのか。

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    2013年07月21日
  • 正雪記(上)

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    由井正雪。通説で言われる人物像を切り崩す。圧倒的な筆致力と深みのある内容。前半は島原の乱までの浪士との触れ合いを描く。周五郎の時代歴史小説はやはり群を抜くな〜。

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    2013年07月20日
  • ならぬ堪忍

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    山本周五郎の戦前の作品を集めた短編集。
    意外と読みやすく一日で読めます。
    世間の風聞などは信を置くに足らぬとする山本周五郎の考えがよくわかる。「樅の木は残った」の源流を見出す作品もあり、また人間の言動というのは、実は深いし、一面を見るだけではわかるものではないと思わされます。
    山本周五郎の作品は深くて本当にいいです。
    鴉片のパイプは、山本周五郎はこんな作品も書くのかと驚きましたが、いや表現が素晴らしい。肉薄し、息のむ感じでした。

    浪人走馬灯の
    「命のない一塊の道具が、人間の運命を狂わせる、それがむやみに腹立たしかったのです。」

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    2013年06月26日
  • 樅ノ木は残った(上)

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    伊達藩に対する幕府の陰謀にただ一人立ち向かった原田甲斐の話。
    描き方が人情深く、ただそのことだけでなく、いろんな角度から「人間」というものを浮かび上がらせる感じがします。すごく静かな感じで書かれていて、原田甲斐も多くは語らないのですが、小説自体の書き方も静かな、でも重厚、それでも寄せ付けないような感じではなく、惹きつけるような感じ。

    山本周五郎とのことで、重く難しいイメージはありました。確かに最初は人名が違う名前で書かれたりして、覚えるのが大変でしたが慣れてくるとすいすい読めます。

    中も楽しみです。

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    2013年06月27日
  • 柳橋物語・むかしも今も

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    ひたすら不幸なおせんちゃんが主人公の柳橋物語。
    最後にキリっと強い女になって良かったヽ(;▽;)ノ

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    2013年06月22日
  • ひとごろし

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    周五郎さんの新潮文庫のコンプリートを目指し、折に触れては買い足しています。この本を買ったので、残り一冊になりました。
    ここのところ買い足していた本は初期の作品が多く、久しぶりに読む周五郎さん晩年の短編集です。修身的な匂いはすっかり影を潜め、どこか沈んだ雰囲気の中でも、人間肯定の暖かさがあり、読み応えがあります。
    収録作品は「壺」「暴風雨の中」「雪と泥」「鵜」「女は同じ物語」「しゅるしゅる」「裏の木戸はあいている」「地蔵」「改訂御定法」「ひとごろし」。
    やはり印象に残るのは「裏の木戸はあいている」。徹底して人を信じるという事が見事に描かれます。「女は同じ物語」「しゅるしゅる」「ひとごろし」などの

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    2016年06月19日
  • 栄花物語

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    耐え忍ぶがテーマの根底にあるか。
    通説の中にある悪評高き歴史上の人物に光を当て直し、人間的魅力を強く引き出す事を旨とした周五郎。本作品田沼意次の人間と生活に焦点をあてた筆者渾身の力作。武家生活が困窮を極める中経済政策を推し進めるため旧態依然の反田沼体制に追い詰められていく様を描く。時代を先取りした改革開放路線への強き信念。シビレル生き様♪~(´ε` )

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    2013年06月15日
  • ながい坂(下)

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    周五郎。長編は久しぶり。
    平日はなかなか時間なくて長編に手を伸ばしにくかったのだけど、
    ゴールデンウィークを利用して読みました。

    ストーリーの主軸はお家騒動。
    武家物としてはよくある題材なんだけど、
    さすがに周五郎を代表する長編の一つ。濃厚。

    人生にどう向き合うのか、
    何を考え、どう生きるのか

    というようなことが周五郎小説の大きなテーマだと思うんだけど、
    三浦主水正の半生、「ながい坂」を丁寧に描いているこの作品は本当に傑作。


    就職直前には「天地静大」を読んだ。
    社会に出て、挑戦していく若者たちの群像劇。
    いま就職して4年目。このタイミングでこの本を手にとって良かった。

    このながい坂

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    2013年06月09日
  • 花も刀も

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    表題作。巡り合わせの悪さは自分だけではない。救いは人間関係だ。「古い樫木」も良かった。13.5.28

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    2013年05月28日
  • やぶからし

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    戦中、戦後の短編集。昭和10年代のものに比べて、20年代の作品が読み易くストーリーの組み立ても素晴らしい。13.5.25

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    2013年08月22日
  • つゆのひぬま

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    戦後から、昭和30年をすぎた頃の作品。この頃の作品はおもしろく、良くできている。「武家草鞋」「凍てのあと」「つゆのひぬま」が良かった。13.5.9

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    2013年05月10日
  • ちいさこべえ 1

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    円軌道の外さんよりきっかけいただきました。
    ありがとうございます♪

    原作の内容はなんとなく知ってるんだけど、
    それを現代版に置きかえて、原作の世界観も保ちつつ、
    進んでる感じ。
    次巻へ続く。

    個人的に絵のタッチが好きな作品。

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    2014年12月21日