あらすじ
藩中きっての臆病者と評判をたてられた若侍が、それを逆用し奇想天外な方法で誰も引受け手のなかった上意討ちを果すまでを描いた「ひとごろし」、“無償の奉仕”という晩年最大の命題をテーマに著者の人間肯定がみごとに定着した「裏の木戸はあいている」をはじめ、戦前の作品から最晩年の表題作まで、“武家もの”“岡場所もの”“こっけいもの”等々の代表的短編10編を収める。
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はじめての山本周五郎作品。
胸にジワっとくるものや、クスッと笑ってしまうもの、シリアスに胸に迫るものまでバラエティに富んでいて楽しめた。
特に【裏の木戸はあいている】が好みだった。
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昔、NHKのラジオで日曜名作座という番組があり森繁久弥と加藤道子がひとごろしの朗読を聴いたのが初めでした。山本周五郎の作品は読後感がとてもよく、以後短編を中心に読んでました。味わい深いと思います。
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裁判ものチックな「改訂御定法」が秀逸である.なぜ一介の侍に180両も貸し付けるのか,主人公が明らかにしようとしているのは何なのか?
表題作の「ひとごろし」は,いかにも山本周五郎的なこっけいもの.
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「ひとごろし」
上意討ちという武家物にはよくあるテーマなんだけど、ひと味違う良い出来。
「裏の木戸はあいている」
テーマは”無償の奉仕” 周五郎がたまに、というか後期に良くテーマにあげてるものなのかな。この命題は現代社会とか、自分の日々の生活に置き換えて考える価値があると思う。
その他は、「女はおなじ物語」「改訂御定法」が良かった。
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周五郎さんの新潮文庫のコンプリートを目指し、折に触れては買い足しています。この本を買ったので、残り一冊になりました。
ここのところ買い足していた本は初期の作品が多く、久しぶりに読む周五郎さん晩年の短編集です。修身的な匂いはすっかり影を潜め、どこか沈んだ雰囲気の中でも、人間肯定の暖かさがあり、読み応えがあります。
収録作品は「壺」「暴風雨の中」「雪と泥」「鵜」「女は同じ物語」「しゅるしゅる」「裏の木戸はあいている」「地蔵」「改訂御定法」「ひとごろし」。
やはり印象に残るのは「裏の木戸はあいている」。徹底して人を信じるという事が見事に描かれます。「女は同じ物語」「しゅるしゅる」「ひとごろし」などのこっけい物も味があります。
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"女は同じ物語"、"しゅるしゅる"、"改訂御定法"、"ひとごろし"が好き。"ひとごろし"は松田優作主演で映画化されているが、・・・ラストを変えるなよ〜。お話が台無し!
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昭和の初期の作品から30年代までの作品を集めた短編集 。筆者晩年の追求テーマは "無償の奉仕"。 短い物語の中に人々がもつ悲しさと意思のある行動をしっくりはめる。流石です。最初の作品壺は特にオススメ。生きる "極意"を学ぶ事ができます。
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「雪と泥」女性のしたたかさと男性の愚かさがキツイ感じで表現されてた。
「鵜」半三郎はただこが死んだなんて思いもせずに、
だまされたか幻だったと思われるんだろうと思った。
「女は同じ物語」「しゅるしゅる」どちらも昔男勝りだった
幼馴染が実は…って話。
幼馴染という萌えワードは今も昔も変わりませんな。
「裏の木戸はあいている」「改訂御定法」どちらも胸のすくような話。
著者の作品の中で好きなタイプの話。
「ひとごろし」相手を打ち負かすために強くなり続けることが
全てではないことを具体例で示してくれてる作品。
上手くまとまりすぎているけどそれがいい。