山本周五郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
おごそかな渇きを読みたくて手に取った
山本周五郎の未完の絶筆
戦後の日本の貧しさ
欲が渦巻き 他を排除しようとする人々
東京で妻に逃げられた中学教師と14歳の娘は東京を離れ田舎で野菜や特殊な
炭を焼いて生活している
学があり無宗教の父親は地域の住民に
うちとけていけないし
地域の住民もなかなか受け入れられない
そんな中 行倒れの若い男性を助け
医者を呼び食事を与え
体力を回復させる
戦後で誰もが生きること食べることに
精一杯だった時代
貧しさにも負けず困っている人を助け
希望をもって進もうとする人々
14歳の娘の生活力のたくましさ
今の時代の人が失ったものが
みずみずしく表現されていて
心 -
Posted by ブクログ
人生は長い坂が終わりなく続く。気づかないようなかすかな登坂もある。山本周五郎の晩年の作品である。この本を上下巻買ったのは会社を辞めて自営を始めた時である。日本テレビ記者の橋本五郎さんが人生に影響を得た学生時代読んだ本だとして紹介されていた。それから十数年近く本棚に積読状態だった。読み始めてからも完読するまで1年ちょっとかかった。上巻は相当かかったが下巻はそれでも数カ月かかった。
この本は下級武士から立身出世を志して家老にまで上りつめる三浦主水正を主人公にして書いている。山本周五郎が学歴もなく辛苦をなめながら、文学者として大作家に上り詰めた人生を謙虚に見つめ、文章がなんと味わい深いものか。家 -
購入済み
頭を飾るふさわしい
すげえ良い話です。
わかりやすく一言でコメントしました。
ところで15、16が何故抜けてるのでしょう。
あと、2だけが数字の向きが九十度傾いてる。
なんかこだわりがあるのかな。
お好みで。
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Posted by ブクログ
『樅ノ木は残った』で有名な著者(本名清水三十六)は、ペンネームを尋常西前小学校卒業後に徒弟として住み込んだ木挽町の山本周五郎商店から拝借した。『日本婦道記』が戦中昭和18年上期直木賞に推挙されたが固辞したが、今では自身の名の文学賞があるのは皮肉なものである。ちなみに同賞主催は新潮社、芥川賞直木賞の文藝春秋社のライバル。
さぶと栄二は表具と経師とで有名な芳古堂に住み込む同い年の職人、ひょんなことから出入りのお店から盗人扱いされ親方から暇を出される。得心がいかない栄二は店に酔った勢いで怒鳴り込み捕縛され人足場送りになる。恨みを晴らそうと自棄っぱちになるが、親友のさぶや結婚を誓ったおすえ、さぶが想い -
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樅ノ木について考えてみた
もみの木である
モミモミの木ではない
むしろ硬くてもめない
そして仙台藩のお話なので、日本北部に自生する固有種「ウラジロモミ」と思われる
もみは揉めるに通ずるため、家庭内に揉め事を起こさないよう庭に植えるなと言われている
もちろん揉めまくりだ
わざわざ庭に植えたからだバカ
しかも二度も枯らしてるからな
そして樅ノ木と言えば、樹形が非常に美しい木で、きれーな円錐形になるんよね
いわゆるツリーよ
そして抗菌性と調湿性があるので、食品に触れるものや棺おけなんかにも使われている
そんな樅ノ木に山本周五郎はどんな想いを託したのだろうね
多くの人が持つ樅ノ木のイメ -
Posted by ブクログ
あーもう!
明日も仕事なのにあーもう!
もう、オロオロしちゃいます
大丈夫なん?
甲斐大丈夫なん?
どんどん孤立していくけど大丈夫なん?
すんごい魅力的な人たちがげしげし離れていくけどほんと大丈夫なん?
甲斐ちゃん大丈夫なん?っていうね
だけど、わいは分かってるからなー
甲斐ちゃんが藩のためにひとり闘ってるの分かってるからなー。゚(゚´Д`゚)゚。(そりゃそやろ)
そして、わいちょっと気付いちゃいました
今村翔吾さんの『じんかん』ってもしかしてこの『樅ノ木は残った』リスペクトなんじゃね?
世紀の極悪人を独自解釈でもっすごい善人に仕立て上げるみたいなん一緒やもん
ベクトル一緒やもん
さす -
Posted by ブクログ
さぶがタイトルなのに
栄二が主役かと思える書き出しだった
読み進むうちに
二人とも厳しい子ども時代を過ごし
丁稚奉公する身
さぶはのろまで仕事の覚えも悪く
皆から蔑まれている
栄二は顔立も良く仕事もできる
二人はいつか一緒に店を持ち
仕事をしようと約束するが
栄二は無実の罪をかけられ
それを晴らそうと世話になった店に
乗り込み暴れたことで
石川島の人足置場に送られること三年
ここでいろんな経験をし
人の様を見 考えことで変わっていく
この間にさぶは 懸命に尋ね歩き
栄二の居場所を突き止め
休みの日には生活用品の差し入れに
来る
時は過ぎ栄二は結婚し
さぶと店を持ちいろんなことがあるが
な