山本周五郎のレビュー一覧

  • 柳橋物語・むかしも今も

    Posted by ブクログ

    中編二編。どちらもよかった。貧困や天災やなにか抗いがたい運命によって厳しい道を歩まされる人間の物語。山本周五郎の真骨頂のような二つの物語だった。耐え忍ぶ美とそれでも朽ち果ててしまう美。スポットライトがあたる花が美しいのではなく、その周りに咲く誰にも見向きもされない花にこそ真の価値があると、やはりテーマはそういったところだった。しかし、こういうものを書くときもお涙頂戴にせず、この世の無常と厳しさをきっちりと書き上げ、時代劇ではなく現代にも耐えうるものに仕上げてるあたりが、ただものじゃないなと思う。

    0
    2012年05月21日
  • ながい坂(下)

    Posted by ブクログ

    主人公の心の成長が身に染みてきます
    。自分に置き換えてみて、つい考えさせられます。奥さんのつると主人公との関係が不器用で、結構好感が持てます。

    0
    2012年04月11日
  • ながい坂(上)

    Posted by ブクログ

    下級武士に生まれた主人公が、少年の時に人間として目覚めて、成長していく。読売新聞ゴローさん紹介の本。ドンドンと引き込まれます。サラリーマン必読書。

    0
    2012年04月06日
  • 松風の門

    Posted by ブクログ

    「鼓くらべ」と表題の「松風の門」の2編は、泣けてしょうがない。特に「鼓くらべ」は、最後のシーンが脳裏に鮮やかに映像となって現れ、背筋が伸びる。高校生の時から、何度読んでも同じ感動を味わっている。

    0
    2012年03月02日
  • 樅ノ木は残った(上)

    Posted by ブクログ

    上、中、下、3巻読み終え感慨に浸っております。良かったー。山本周五郎賞というのがあることは知っていながら、彼の作品を読んだことがなかったので読んでみたが、最初にトンデモナイ作品に触れてしまったようだ。こんな武士の、男の生き様があるのか。いゃ〜深い。こんな広い心を持った男になりたい。オレには到底ここまで出来ない。

    0
    2012年02月28日
  • 樅ノ木は残った(上)

    Posted by ブクログ

    最初は文の運びかたに慣れなかったけれど、ひとたび入り込んでしまったらあっという間に読んでしまった。原田甲斐が思慮深く格好良い。彼がどう動くのか次の巻が楽しみ。

    0
    2012年01月31日
  • 小説 日本婦道記

    Posted by ブクログ

    形や言葉じゃなく、信条と本物の愛で亭主と家督を支える、武家の妻・日本の女の姿。
    自分を振り返ってみるには時代が違いすぎるけれど、この国の女と生まれたからには、心根として持っていたい。
    せめて知っていたい、そんな潔さ。
    シュッて背筋が伸びちゃうような、そんな短編集。
    大好きな一冊。

    0
    2012年01月19日
  • 樅ノ木は残った(上)

    Posted by ブクログ

    高校1、2年の時、初めて読んだ歴史小説。大人の責任、武士とは、と思いめぐらせた記憶がある。そして、残ったもみの木がいつまでも心に残っている。

    0
    2012年01月16日
  • 樅ノ木は残った(中)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    『樅の木は残った(中)』/★★★★★/甲斐の意外な一面や新八のある意味での成熟が描かれたり、作中の時間の流れが感じられる。下関に対してどう戦っていくのか、下巻は渦中に入っていく展開になりそうですね。

    0
    2012年01月12日
  • 樅ノ木は残った(上)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    『樅の木は残った(上)』/山本周五郎/★★★★★/伊達騒動を題材にした歴史小説。兵部に対して甲斐さんはどうやって闘っていくんだろ?中巻も早く読みたい!上中下まであって一巻でもかなり長いけど、いろんな人間のドラマが並走していく展開に飽きないですね。

    0
    2012年01月09日
  • おごそかな渇き

    Posted by ブクログ

    「日日平安」、「さぶ」、「赤ひげ診療譚」、「樅ノ木は残った」と読み進めた、山本周五郎作品の固め読み。まだまだ作品はたくさんあるのだけれど、ひとまず、この「おごそかな渇き」でいったん区切りをつける。どの作品も巧みな構成と人物描写、人の繋がりや心の機微をとらえ、魅力的な作品ばかりだった。これまでに読んだどの小説群よりも魅力的な作品たちだったと思う「古典」。他の作品とは明らかに視点の異なる絶筆となった「おごそかな渇き」。これの完成した作品を読んでみたかった。山本周五郎固め読みの閉めとして、周五郎の言葉集「泣き言はいわない」。これを読んで終了としよう。

    0
    2011年12月17日
  • 柳橋物語・むかしも今も

    Posted by ブクログ

    読んでいて、情景が浮かんできて、文章に引き込まれてしまいました。

    柳橋物語は、苦しく辛くなってきたけれど、最後におせんが味わった待ってた人が他の人と結婚して苦しい思いをした時に気付いた幸太の想い。
    新たな気持ちで前に進むおせんに人の強さを感じた。

    今もむかしも 直吉の素直で真面目一辺倒だけれども、芯の強さを感じた。
    男性として、顔ではなく心が素敵な人で、まきも目に見えるものより見えない所に本当に大切なものがあるのだとわかった。

    えてして、人はおおいに、目に見えるものに惑わされる事がある。

    本当に素敵な作品でした。

    0
    2011年12月13日
  • 柳橋物語・むかしも今も

    Posted by ブクログ

    昭和39年に初版が出ているので、字が小さい上、印刷が薄く、ぱっと開いて読むのが嫌になるほどだったが、読み出せば、グイグイと引き込まれた。
    まっすぐに生きるっていいなとしみじみ思えた1冊。

    0
    2011年11月29日
  • 町奉行日記

    Posted by ブクログ

    「きかせられないラジオ」村山アナ推薦の「わたくしです物語」目当てに購入。この話も面白かったけど、他の短篇も楽しい。「土佐の国柱」表題作「町奉行日記」がお気に入り。これが昭和27年の作品とは!

    0
    2011年11月04日
  • あとのない仮名

    Posted by ブクログ

    再読

    ・討九郎馳走
    ・義経の女
    ・主計は忙しい
    ・桑の木物語
    ・竹柏記
    ・妻の中の女
    ・いづやしづ
    ・あとのない仮名

    0
    2011年11月04日
  • 小説 日本婦道記

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    『日本婦道記』/山本周五郎/★★★★★/武家で生きる女性の生き方を描いた短編集。強く、清らかに、つましく生きる女性の姿に心動かされる。「不断草」「糸車」「二十三年」で泣きそうになりました^^

    0
    2011年10月18日
  • ながい坂(上)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    会社の上司に勧められて20代の頃読んだが、周五郎作品は若い世代には少し難しい(3回読み返した)
    主人公、主水正に自分を重ねて読むうち引き込まれていった。
    上を目指すサラリーマンにはバイブルとなる山本周五郎、最後の長編作品

    0
    2011年09月14日
  • 青べか物語

    Posted by ブクログ

    会話の中で、相手のセリフが省略されていて、筆者のセリフから、何を聞かれたのか、推測するという趣向が特徴的。

    0
    2011年09月03日
  • 生きている源八

    Posted by ブクログ

    非常によかった。

    長編小説が好きで あまり短編集は読まないのですが、これは読んでよかったです。短編という短いかたちだからこそ、ことばのひとつひとつが光ってる。そしてストーリー展開の見事さを感じました。これに入ってるどの短編作品もよかった。心にゆっくり染み込んでくと思ったら、読後の清々しさと言うのか、清廉な衝撃にハッとさせられる。特に好きだったのは「籐次郎の恋」。

    武家モノ苦手な人にも 最初はガマンしてもらいつつ、騙されたと思って読んで欲しい(・ω・)

    0
    2011年08月22日
  • ちいさこべ

    Posted by ブクログ

    中編の傑作4編からなる。表題作の『ちいさこべ』は江戸の大火ですべてを失いながらも、焼け出されたみなしご達の面倒まで引き受け、再建へと奮闘していく大工の棟梁とそれを取り巻く人々らのつながり、絆に感動を覚える。
     未曾有の震災から1ヶ月余り、いまだ傷跡の生々しい中にありながらも、復興・再建へと立ち向かっていく被災地の一人一人の姿と棟梁の姿が重なる、絆の中に明日へ希望を失わずに共に歩んで行きたい。微力ながら俺に出来る事の最善を尽くしたい。

    0
    2011年06月03日