山本周五郎のレビュー一覧
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別物です。
椿三十郎と日日平安は別物くらいに考えた方が良いです。
そもそも、黒澤監督は、日日平安をもとに、コミカルな人情モノとして書いた脚本を、東宝の意向により、三十郎の続編に変えざるをえなかったそうです。
若い頃、それを知らずに読んで騙された気になったと同時に、あっと言う間に山本周五郎のファンになりました。
それくらい素晴らしい短編がつまった一冊です。
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購入済み
構成が良い。
年代を追って、作者山本周五郎の成長の軌跡が概観できる。
『宗太兄弟の悲劇』から『渡の求婚』までは年代順に時代劇、その後『出来ていた青』『酒・盃・徳利』という初期の異色作が置いてある。型にはまった人間描写しか出来ていなかった初期から、徐々にストーリーにユーモアが加わってきて、『渡の求婚』に到って円熟を得る、という具合である。初期の二作は、読むに値するかどうか疑問なくらいの出来だが、「名人にしてこの時代あり」という興味で読める。
この人の場合は、人間としての成長と、小説の円熟とが、ピタリと一致している気がする。差別意識や原理主義が減退するに従い、小説が面白くなる。芸術家の模範と言うべき人だろう。