山本周五郎のレビュー一覧

  • ちいさこべえ 2

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    『ちいさいこべや』だと思ってたら、『ちいさこべえ』ってタイトルだったんですね…。
    二巻もとても面白かったです。三巻買いに行かなきゃ!

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    2015年01月27日
  • ちいさこべえ 1

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    とても魅力的な絵柄の本を見つけたので衝動買いしてしまいました。特徴的な太い線としっかり描き込まれた細部に見惚れてしまいます。

    主人公の茂治さん、ずっと内気な性格かと思いきや、喋りっぷりがワイルドで若干ジョンレノンを意識してて面白いです。

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    2015年01月27日
  • 雨あがる

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    20数年ぶりに読んだ。20代の若い頃に周五郎に感銘を受け、久々に読んでみたがやはり心が洗われる思いだ。

    普通、小説を先に読んだ後、映画を観ると物足りなさを感じるけどこの作品はどちらも秀逸だと思う。本には本の良さ、映画には映像の良いところがあり捨てがたい。

    印象に残っているシーンは、
    「何をしたかではなく、なんの為にしたか?・・あなた方のような、でくの坊にはお分かりになるまい・・・」
    この場面の凛とした台詞は胸に残った。

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    2015年01月05日
  • 小説 日本婦道記

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    武家の時代に生きた女性を描いた短編集。文庫本の裏表紙には連作集とあるが、すべて独立しており個々の話の繋がりはない。

    内容的にはいつもの周五郎節で、弱者にむけた温かい眼差しが心地良い。個人的には「墨丸」が一押しだが、11編全てに味わいがあるので老若男女関係なく楽しめるだろう。

    いつの時代も女性は強い。凛とした美しさ、とはこういうことを指すのだなあとしみじみ思った。

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    2015年01月01日
  • 日日平安

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    しみじみとした味わいに溢れた時代小説短篇集。

    時代、立場、有名・無名の差はあれど、
    それぞれが生を受けた時代で懸命に生きる姿が
    読んでいて、深く心に染みる。

    どれも高水準の短編ばかりで、
    読む人によって、好みはあると思うけど
    個人的には「嘘ァつかねえ」「橋の下」は
    胸にグッとくるものがあった。

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    2014年12月17日
  • 樅ノ木は残った(下)

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    名作と言われている小説だろうか。
    これはおもしろかった。
    上中下3巻一気に読んでしまった。

    主人公の原田甲斐は、Wikipediaなんかを見るとだいぶイメージが違うけど、小説としては、原田甲斐の深謀遠慮が上手に仕上がっていると思う。

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    2014年11月30日
  • 町奉行日記

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    ネタバレ

    10編の短編が収められているが,いつものように胸をすくようなどんでん返しで一杯である.山本周五郎の小説に惹かれるのは,人間の業の深さを描きながら,必ず希望も見せてくれるからではなかろうか.有名な「さぶ」もそうだったが,主人公が傲慢で,他人をねたみ,自分の不幸を全て世間のせいにしているのが,成長する,というのもお決まりのパターンですね.
    実は「どら平太」の原作となった「町奉行日記」は個人的には今ひとつで,少し山本周五郎らしくないように思う.

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    2014年10月21日
  • 赤ひげ診療譚

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    まどろっこしくて、高校時代に『樅ノ木は残った』を挫折して以来、何故かしら山本周五郎とは全然縁がなく、現在に至っていた。
    しかし、齢五十を越えて読む山本周五郎は実に心地佳い。
    そうか。山本周五郎は、若造の高校生なんぞが読んではいけない、それなりの人生経験を持つ大人のための小説だったのだ。

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    2014年10月04日
  • おごそかな渇き

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    嗚呼、山本周五郎。あなたの様々な魅力が散りばめられた短編集、また時折、棚から取り出して読みなおそうと思う。珠玉の作品たちだ。

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    2014年09月13日
  • 青べか物語

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    日本という国が、まだまだ青年だった頃の姿がある。なんだかまぶしいくらいだ。「芦の中の一夜」はお芝居を見ているようで切なくてほろっときました。「今日はいいおひなみですね」って。老船長の悲恋物語です。映画もよかったけどなかなか見られないと思います(/ー ̄;)

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    2014年09月08日
  • 季節のない街

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    年をとってくると、「山周」はぐっっと心にしみてきてクセになる。
    「親おもい」「僕のワイフ」普通に考えたら絶対非のない人もワリをくうし、それぞれの事情やら感情がある。人生そんなもんだよね。1+1=2ばかりではない。

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    2014年09月08日
  • さぶ

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    秋風に香るモクセイの匂いがわかるか???

    この物語はすべてここに集約されてると思います。今の私たちが、今一番考えなければならないことなのかな。秋風に良い香りがすることに気づいて感謝して生きて行く。

    物語的にもとても面白くて、どのキャラクターも魅力的で、話自体も満足なのですが、そのなかで伝わるこうした教訓のようなものが心に残るからこそ、多くの人が一生大切にしたいと思う名作たりえてるのだろうと思います。

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    2014年08月11日
  • 柳橋物語・むかしも今も

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    中編2本、どちらも素晴らしい。
    そしてどちらにも共通するテーマは、天災と究極の愛。
    特に柳橋物語。まだ幼いおせんが結んだ結婚の約束。
    火事、水害、どんな災難もその約束を支えに乗り越えて来た、おせんがようやく再会した契りの相手の言葉。
    そして彼女が知った愛の苦しみと本当の意味。
    これこそまさに、究極の愛。
    二つ目の「むかしも今も」も心温まるお話で、どちらも読み終わった後目に涙を浮かべてしまった。
    心が浄化された。

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    2014年07月18日
  • 花匂う

    購入済み

    構成が良い。

    年代を追って、作者山本周五郎の成長の軌跡が概観できる。
    『宗太兄弟の悲劇』から『渡の求婚』までは年代順に時代劇、その後『出来ていた青』『酒・盃・徳利』という初期の異色作が置いてある。型にはまった人間描写しか出来ていなかった初期から、徐々にストーリーにユーモアが加わってきて、『渡の求婚』に到って円熟を得る、という具合である。初期の二作は、読むに値するかどうか疑問なくらいの出来だが、「名人にしてこの時代あり」という興味で読める。
    この人の場合は、人間としての成長と、小説の円熟とが、ピタリと一致している気がする。差別意識や原理主義が減退するに従い、小説が面白くなる。芸術家の模範と言うべき人だろう。

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    2014年06月16日
  • 春いくたび

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    少年少女向け短編集の第一段ですが、大人が読んでも遜色ない作品ばかりです。全集にも未収録との事なので、是非おすすめしたい…。「おもかげ」「花宵」「春いくたび」が心に残りました。

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    2014年06月11日
  • 小説 日本婦道記

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    山本周五郎の書に「小説 日本婦道記」があります。
    その中に「風鈴」という作品があります。
    物語はこうです。

    主人公・弥生は夫、三右衛門と一人の男の子の三人で
    つつましやかに暮らしております。
    わずか十五石の下級武士である。
    一片の塩魚を買うにも、財布と相談しなければならない。

    そんなある日、良家に嫁いだ二人の妹が
    実家である姉・弥生の家を訪れる。
    相変わらず質素な生活を送っている姉に、
    「お姉さまこんなにして一生を終っていいのでしょうか、
    いつまでもはてしのない縫い張りお炊事や、煩わしい家事に追われとおして、
    これで生き甲斐があるのでしょうか」
    二人の妹は母が早死にしたため、彼女の手一つで

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    2014年06月07日
  • ちいさこべえ 3

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    いい話すぎる。茂次や、彼を取り巻く人みんなが、不器用ながらも精一杯生きている。心が優しくなる話です。

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    2014年04月15日
  • さぶ

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    22年間の短い人生の中では一番涙を流した本。

    栄二やさぶより少し長いくらいの人生しか生きてないので、彼らが幼いとかよくわからなくて、誰も救えないところまで塞ぎこんだ栄二の心がゆっくりゆっくり開いていく過程にただ涙。

    江戸っ子言葉が気持ちいい!

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    2014年04月15日
  • ちいさこべえ 3

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     江戸時代が舞台の原作を、上手に現代的要素を取りこみながら翻案している。
     工務店経営や信用金庫への融資申し込みについては詳しくないが、現代でも通るのかなぁと思った。
     キャラクターが魅力的。教養がほとばしり、世界旅行中には冒険もし、現在は従業員や子供達のために経営や施工に奮闘する若棟梁の生き方に好感が持てる。
     あまり感情の起伏が表に出ないように見える「大(マサル)」は、若棟梁の大事なパートナーで理解者だと思う。
     子供達の個性も面白い。
     マイペースかつユニークな福田父。原作ではここまで個性的ではなかったが、だから周りの人は彼の言動をあのように受け取ったのだろうか。
     個人的には、若棟梁と

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    2014年03月29日
  • 雨あがる

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    ネタバレ

    アウトサイダー達を描いた「深川安楽亭」,宮本武蔵への仇討ち(の誤解)を描いた「よじょう」,女中の機転に助けられる「義理なさけ」.気の優しい無敵の剣豪を描いた「雨あがる」と「雪の上の霜」.クロサワの「赤ひげ」にいたく感銘を受けたので山本周五郎を読んでみたのだが,心を揺さぶられる自分と,自分も年を取ったな,と客観的に自分を眺めるもう一人の自分がいる感じである.いや,全く腐すつもりはない.むしろ自分も伊兵衛のようにありたい,と思う.

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    2014年03月20日