山本周五郎のレビュー一覧
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山本周五郎の短篇小説集『日日平安―青春時代小説』を読みました。
山本周五郎の作品は、8月に読んだ『つゆのひぬま』以来ですね。
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お家騒動に遭遇したのを幸いに、知恵を絞り尽くして食と職にありつこうとする主人公の悲哀を軽妙に描き、映画「椿三十郎」の原作にもなった「日日平安」をはじめ、男勝りの江戸のキャリアウーマンが登場する「しゅるしゅる」、若いふたりの不器用な恋が美しい「鶴は帰りぬ」など、若者たちを主人公に据えた時代小説全六篇を収録。
山本周五郎ならではの品のいいユーモアに溢れ、誇り高い日本人の姿が浮かびあがるオリジナル名作短篇集。
(編/解説・竹添敦子)
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山本周五郎の時代小説から、青春小説を集めたオリジナルの短篇集で、1944年(昭和19年)から1960年(昭和35年)に発表された作品6篇が収録されています。
■日日平安
■しゅるしゅる
■鶴は帰りぬ
■糸車
■「こいそ」と「竹四郎」
■あすなろう
■編者解説 竹添敦子
『糸車』と『あすなろう』の2篇は再読、残りの4篇は初めて読みましたが、好みの作風の作品が揃っていて愉しめましたね、、、
黒澤明監督の名作(森田芳光監督がリメイク)した痛快時代劇『椿三十郎』の原作で、主人公・菅田平野が何とか食と職にありつこうと無い知恵を絞る姿と、ことをなし得たときに感じる「恥ずかしさ」の描き方のバランスが良い『日日平安』、
男勝りの女性・尾上と、のらりくらりと女性陣の攻撃をかわす万之助が維持を張り合いつつも最後は結ばれ、タイトルが印象的な『しゅるしゅる』、
若い二人の不器用な恋が美しく、心をときめかせながら読み進めた『鶴は帰りぬ』、
裕福な生家ではなく、養女として育った貧しい家を選ぶ… 人の道を優先する、お高の凛とした姿勢が心を打つ『糸車』、
身分を恥じず、堂々と仕事を果たし、恋をも成就させる主人公・竹四郎、そして当初は反対したものの、自分の責任で夫を選らぶこいその二人に快哉を叫びたくなる『「こいそ」と「竹四郎」』、
悪に染まってしまった男二人を対比しながら、悪人の善意を描き出す『あすなろう』、
どの作品も良かったー 『あすなろう』は、以前読んだときよりも、再読の方が良く感じましたね… 次も山本周五郎の作品を読んでみようと思います。 -
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山本周五郎の長篇時代小説『ながい坂〈上〉〈下〉』を読みました。
『寝ぼけ署長』、『五瓣の椿』、『赤ひげ診療譚』、『おさん』に続き、山本周五郎の作品です。
-----story-------------
〈上〉
人生は、長い坂。
重い荷を背負って、一歩一歩、しっかりと確かめながら上るのだ。
徒士組の子に生まれた阿部小三郎は、幼少期に身分の差ゆえに受けた屈辱に深い憤りを覚え、人間として目覚める。その口惜しさをバネに文武に励み成長した小三郎は、名を三浦主水正と改め、藩中でも異例の抜擢を受ける。
藩主・飛騨守昌治が計画した大堰堤工事の責任者として、主水正は様々な妨害にも屈せず完成を目指し邁進する。
〈下〉
人間は善悪を同時に持っている。
一人の男の孤独で厳しい半生を描く周五郎文学の到達点。
突然の堰堤工事の中止。
城代家老の交代。
三浦主水正の命を狙う刺客。
その背後には藩主継承をめぐる陰謀が蠢いていた。
だが主水正は艱難に耐え藩政改革を進める。
身分で人が差別される不条理を二度と起こさぬために――。
重い荷を背負い長い坂を上り続ける、それが人生。
一人の男の孤独で厳しい半生を描く周五郎文学の到達点。
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新潮社から発行されている週刊誌『週刊新潮』に1964年(昭和39年)6月から1966年(昭和41年)1月に連載された作品… 山本周五郎の作品の中で『樅ノ木は残った』に次いで2番目に長い作品です。
憎む者は憎め、俺は俺の道を歩いてやる… 徒士組という下級武士の子に生まれた阿部小三郎は、8歳の時に偶然経験した屈辱的な事件に深く憤り、人間として目ざめる、、、
学問と武芸にはげむことでその屈辱をはねかえそうとした小三郎は、成長して名を三浦主水正(もんどのしょう)と改め、藩中でも異例の抜擢をうける… 若き主君、飛騨守昌治が計画した大堰堤工事の責任者として、主水正は、さまざまな妨害にもめげず、工事の完成をめざす。
身分の違いがなんだ、俺もお前も、同じ人間だ… 異例の出世をした主水正に対する藩内の風当たりは強く、心血をそそいだ堰堤工事は中止されてしまうが、それが実は、藩主継承をめぐる争いに根ざしたものであることを知る、、、
“人生"というながい坂を人間らしさを求めて、苦しみながらも一歩一歩踏みしめていく一人の男の孤独で厳しい半生を描いた山本周五郎の最後の長編小説。
下級武士の子に生まれた小三郎が、学問や武道等の実力や努力、そして強靭な克己心により困難を乗り越えて立身出世する展開… 上下巻で1,100ページ余りのボリュームですが、意外とサクサク読めました、、、
自ら求め選んだ道が現在の自分の立場を招く… 善意と悪意、潔癖と汚濁、勇気と臆病、貞節と不貞、その他もろもろ相反するものの総合が人間の実体、世の中はそういう人間の離合相剋によって動いてゆくもので、眼の前の状態だけで善悪の判断はできない… 江戸自体が舞台の物語ですが、現代の自分たちの生き方にも示唆を与えてくれる物語でした。
生き方や働き方について考えさせられましたね… 山本周五郎の人生観・哲学などが感じられる作品でした。 -
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山本周五郎の長篇時代小説『ながい坂〈上〉〈下〉』を読みました。
『寝ぼけ署長』、『五瓣の椿』、『赤ひげ診療譚』、『おさん』に続き、山本周五郎の作品です。
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〈上〉
人生は、長い坂。
重い荷を背負って、一歩一歩、しっかりと確かめながら上るのだ。
徒士組の子に生まれた阿部小三郎は、幼少期に身分の差ゆえに受けた屈辱に深い憤りを覚え、人間として目覚める。その口惜しさをバネに文武に励み成長した小三郎は、名を三浦主水正と改め、藩中でも異例の抜擢を受ける。
藩主・飛騨守昌治が計画した大堰堤工事の責任者として、主水正は様々な妨害にも屈せず完成を目指し邁進する。
〈下〉
人間は善悪を同時に持っている。
一人の男の孤独で厳しい半生を描く周五郎文学の到達点。
突然の堰堤工事の中止。
城代家老の交代。
三浦主水正の命を狙う刺客。
その背後には藩主継承をめぐる陰謀が蠢いていた。
だが主水正は艱難に耐え藩政改革を進める。
身分で人が差別される不条理を二度と起こさぬために――。
重い荷を背負い長い坂を上り続ける、それが人生。
一人の男の孤独で厳しい半生を描く周五郎文学の到達点。
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新潮社から発行されている週刊誌『週刊新潮』に1964年(昭和39年)6月から1966年(昭和41年)1月に連載された作品… 山本周五郎の作品の中で『樅ノ木は残った』に次いで2番目に長い作品です。
憎む者は憎め、俺は俺の道を歩いてやる… 徒士組という下級武士の子に生まれた阿部小三郎は、8歳の時に偶然経験した屈辱的な事件に深く憤り、人間として目ざめる、、、
学問と武芸にはげむことでその屈辱をはねかえそうとした小三郎は、成長して名を三浦主水正(もんどのしょう)と改め、藩中でも異例の抜擢をうける… 若き主君、飛騨守昌治が計画した大堰堤工事の責任者として、主水正は、さまざまな妨害にもめげず、工事の完成をめざす。
身分の違いがなんだ、俺もお前も、同じ人間だ… 異例の出世をした主水正に対する藩内の風当たりは強く、心血をそそいだ堰堤工事は中止されてしまうが、それが実は、藩主継承をめぐる争いに根ざしたものであることを知る、、、
“人生"というながい坂を人間らしさを求めて、苦しみながらも一歩一歩踏みしめていく一人の男の孤独で厳しい半生を描いた山本周五郎の最後の長編小説。
下級武士の子に生まれた小三郎が、学問や武道等の実力や努力、そして強靭な克己心により困難を乗り越えて立身出世する展開… 上下巻で1,100ページ余りのボリュームですが、意外とサクサク読めました、、、
自ら求め選んだ道が現在の自分の立場を招く… 善意と悪意、潔癖と汚濁、勇気と臆病、貞節と不貞、その他もろもろ相反するものの総合が人間の実体、世の中はそういう人間の離合相剋によって動いてゆくもので、眼の前の状態だけで善悪の判断はできない… 江戸自体が舞台の物語ですが、現代の自分たちの生き方にも示唆を与えてくれる物語でした。
生き方や働き方について考えさせられましたね… 山本周五郎の人生観・哲学などが感じられる作品でした。 -
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山本周五郎の連作時代小説『赤ひげ診療譚』を読みました。
『寝ぼけ署長』、『五瓣の椿』に続き、山本周五郎の作品です。
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給与は最低。
昼夜のべつなくこき使われる。
けれど“赤ひげ”先生こそ本物の医者だ!
幕府の御番医という栄達の道を歩むべく長崎遊学から戻った保本登は、小石川養生所の“赤ひげ”とよばれる医長・新出去定の元、医員の見習勤務を命ぜられる。
不本意な登は赤ひげに反抗するが、その一見乱暴な言動の底に脈打つ強靱な精神に次第に惹かれてゆく。
傷ついた若き医生と師との魂のふれあいを描く医療小説の最高傑作。
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文藝春秋が発行する月刊娯楽小説誌『オール讀物』に1958年(昭和33年)3月号から12月号に連載された作品… 江戸時代中期の小石川養生所を舞台に、長崎で修行した医師・保本登と、実在した江戸の町医者・小川笙船(おがわ しょうせん)をモデルとする「赤ひげ」こと新出去定(にいできょじょう)を主人公として、患者との葛藤を描いたヒューマンストーリー8篇が収録されています。
■狂女の話
■駈込み訴え
■むじな長屋
■三度目の正直
■徒労に賭ける
■鶯ばか
■おくめ殺し
■氷の下の芽
■解説 中田耕治
小石川養生所の“赤ひげ"と呼ばれる医師と、見習い医師との魂のふれ合いを中心に、貧しさと病苦の中でも逞しい江戸庶民の姿を描く、、、
幕府の御番医という栄達の道を歩むべく長崎遊学から戻った保本登は、小石川養生所の“赤ひげ”とよばれる医長新出去定に呼び出され、医員見習い勤務を命ぜられる… 貧しく蒙昧な最下層の男女の中に埋もれる現実への幻滅から、登は尽く赤ひげに反抗するが、その一見乱暴な言動の底に脈打つ強靱な精神に次第に惹かれてゆく。
傷ついた若き医生と師との魂のふれあいを描く快作……。
若き医生・保本が医師として、人間として成長する姿を描いた物語なのですが、師である赤ひげも完ぺきな意思ではなく、自分の力の及ばないことに悩みながら怒りながら奮闘するんですよね… そのあたりのバランスが良くて愉しめましたね、、、
そんな中でイチバン印象に残ったのは、オープニングを飾る『狂女の話』ですね… 保本が絶体絶命の危機に陥りますが、危ういところを赤ひげに助けられるミステリ仕立ての展開、オープニングに相応しい内容でしたね。
泣きそうになったのは『鶯ばか』ですね… 貧困の辛さ、悲哀、生きていることの意味等々、考えさせられるエピソードでした、、、
一家心中で助けられた母親が語る言葉、
「子供たちは死んでくれました、うちの人とあたしの二人なら、邪魔されずにいつでもどこでも死ねますからね、子供たちが死んでくれて、しんからほっとしました――こんなことを云っては悪いかもしれませんが、どうしてみんなは放っておいてくれなかったんでしょう、放っておいてくれれば親子いっしょに死ねたのに、どうして助けようなんてしたんでしょう、なぜでしょう先生」
「生きて苦労をするのは見ていられても、死ぬことは放っておけないんでしょうか――もしあたしたちが助かったとして、そのあとはどうなるんでしょう、これまでのような苦労が、いくらかでも軽くなるんでしょうか、そういう望みが少しでもあったんでしょうか」
胸がつまされて、何て答えて良いかわからないですよね… 示唆に富んだ作品でした。
以下、主な登場人物です。
新出去定(にいで きょじょう)
主人公。通称「赤ひげ」。
小石川養生所の責任者である壮年の医師。
保本登(やすもと のぼる)
もう一人の主人公。
長崎で医学を学び江戸へ戻ってきたばかりの青年医師。
森半太夫
小石川養生所の見習い医師。
生真面目で、新出を尊敬している。
お雪
小石川養生所の賄所で働く。森を慕う。
津川玄三
小石川養生所の医師。登と入れ替わりで養生所を出る。
保本良庵
町医者。登の父。
保本八重
登の母。
天野源伯
公儀の表御番医。ちぐさ、まさをの父。
天野ちぐさ
登の元許嫁。
天野まさを
ちぐさの妹。
おゆみ
狂女。小石川養生所にて隔離されている。
お杉
女中。おゆみの世話役。
竹造
小石川養生所の小者。 -
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山本周五郎の長篇時代小説『五瓣の椿』を読みました。
『寝ぼけ署長』に続き、山本周五郎の作品です。
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父思いの娘が復讐の殺人鬼と化す異色の周五郎時代長編。
倒叙ミステリーとしても傑作。
婿養子の父親は懸命に働き、店の身代を大きくした。
淫蕩な母親は陰で不貞を繰り返した。
労咳に侵された父親の最期の日々、娘の懸命の願いも聞かず母親は若い役者と遊び惚けた。
父親が死んだ夜、母親は娘に出生の秘密を明かす。
そして、娘は羅刹と化した……。
倒叙型のミステリー仕立てで描く法と人倫の境界をとらえた傑作。
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講談社の雑誌『講談倶楽部』に1959年(昭和34年)1月号から9月号に連載された作品… 時代小説ですが、内容はサスペンスでしたね。
家のために働きづめ、その挙句倒れて死んでしまった大切な父… その時母は浮気相手と不義密通を働いていた、、、
おしのが母をなじると、返ってきたのはおどろくべき言葉だった… 「おしのちゃん、あなたの本当の父親はほかにいるのよ。」
母の不義を憎み、次々と母や、男たちに復讐を果たしながらも、不浄な血が流れている自身の存在に悩むおしの… 最後の復讐相手、自分の本当の父親と直面したおしのがとった驚くべき行動とは――。
犯した罪をどうやって償うべきか… サスペンス仕立てで語られる、罪と罰の物語。
父を失い、おしのは殺人に手を染めることに… 自分が不義の子と知り、淫蕩な母と相手の男たちを次々と殺害、、、
息絶えた5人の男たちのそばには赤い椿の花びらが…… という連続殺人を描いた物語なんですが、殺人に至った辛く哀しい顛末やおしののひたむきさに気持ちがシンクロしてしまって、その罪を赦してやってほしい、捕まらないでほしいと願いながら読み進めました。
法では罰せない罪に対し、自分ならどう向き合っていくか… 考えさせられましたね、、、
そして、終盤の血を分けた父親との決着の付け方、その後の身の置き方に、おしのの潔さが感じれました… 憎んでいた母親の血が流れている自分、復讐とはいえ殺人を犯した自分を赦せなかったんでしょうね。 -
匿名
ネタバレ 購入済み初めて山本周五郎作品を読みました。
あだこ 晩秋 おたふく 3作品
どれも読んでいて嫉妬だったり苦悩だったり
でも喜びがあったりで面白かったです。