山本周五郎のレビュー一覧

  • おごそかな渇き

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    しみじみ人情を感じる短編集だけど、実はそれぞれ違いがあり、バラエティーに富む。武家もの、心意気、相手を気遣う気持ち、ほんとうの人間らしさが感じられる。
    「将監さまの細みち」なんて、背景を変えたら現代の小説になりそう。”あのひとは知っていた”と気づくあたりはドラマのようで「蕭々十三年」「紅梅月毛」と全く違う世界を描けるってすごい。

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    2022年02月22日
  • 将監(しょうげん)さまの細みち 山本周五郎名品館IV

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    泣ける。ドラマがある。人の心にジーンとくる。思想でも、主義主張でもなく、沁みてくる。黒澤明やテレビのドラマで使われる題材が山ほど、そこにはある。

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    2022年02月22日
  • 赤ひげ診療譚

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    山本周五郎全集11
    長崎遊学から戻り、御目見医になると思っていた保本登が連れてこられたのは汚らしい貧民に医療を施す小石川養生所。
    戸惑いながらも医員見習いとして赤ひげと呼ばれる新出去定に仕えるうちに世の中の底辺に生きる貧民の生きる姿や本当の善と悪を知り、医は仁術ということを学んでゆく秀逸な物語。

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    2022年02月20日
  • 裏の木戸はあいている 山本周五郎名品館II

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    いいです。勧善懲悪、予定調和ながら泣かせる。日本人のベースは、こういった物語で作られていったのだろう。テレビドラマでもよく見られるわけだ。

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    2022年02月08日
  • 赤ひげ診療譚 合本版

    購入済み

    面白かった

    昔の医師がどんなに大変だったか
    病気に関して無知な人々が多かったんだと感じました。
    ぶっきらぼうで堅物の赤ひげ先生ですが
    患者の事を1番に考えてる姿勢が大好きです。
    好きな小説の1つになりました。

    #アツい #感動する

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    2022年02月02日
  • 白石城死守

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    歳をとり涙腺が弱くなっている身としてはたまらない。どの物語にもウルウルポイントがあり周五郎はやっぱり良いなと改めて思います。

    生きづらいかもしれないが人として一本芯の通った人間を描かせると、周五郎はほんとに上手いと思う。

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    2022年01月23日
  • おたふく 山本周五郎名品館I

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    価値観の旧いところと今に通じるところといろいろあるものの、名もない人たちの日々の努力は泣ける。文豪は、夏目や谷崎だけではありません。

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    2022年01月23日
  • さぶ

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    ネタバレ

    そういえば……「山本周五郎賞」は良く聞くけど、山本周五郎さんの作品をちゃんと読んだことはなかったなー、と手に取る。
    「赤ひげ~」の作者くらいにしか印象がありませんでした。
    これもブグログでどなたかがお勧めされていた本。
    紹介してくれた方々に感謝。

    江戸時代。
    一人前の職人になるために共に奉公をする英二とさぶ。
    英二は男前で賢くて腕も度胸もあるが、対照的にさぶは見栄えも悪く愚鈍で小心で腕もパッとしない。
    ある日、英二は得意先で盗人の濡れ衣を着せられ、怒りのあまりに暴れてしまい、人足寄場送りとなってしまう。そして……。

    小難しく、説教臭い話なのかなと思いましたがそんなことはなく、とても読みやす

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    2022年01月23日
  • さぶ

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    1963年に書かれた本とは思えないぐらい現代につながるとこがあり、人の営みは変わらないとはいえ驚く。
    身に覚えのない盗みから、人足寄場におくられた英二。この盗みの事件を誰が何のためにやったのかというミステリー要素としても続きが気になるし、"さぶ"や"のぶ"達の登場人物が魅力的。
    不公平や理不尽なことがある世の中でも周囲の支えてくれてる人を大切にしたいと思う本

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    2022年01月02日
  • 季節のない街

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    山本周五郎先生の短編集。

    昭和30~40年位でしょうか、その頃の貧民街で起こるあれこれ。

    好みとしては、江戸時代ものがよい。

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    2021年12月14日
  • さぶ

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    まるで人生訓の様な小説だなあ。
    終始説教されている様な感じを受けたのは自分の生き方に後ろめたさがあるからなのか。
    何故タイトルが「さぶ」なのだろう?
    ほぼ「栄ニ」の目を通した人間模様が描かれているのに。

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    2021年12月10日
  • 裏の木戸はあいている 山本周五郎名品館II

    購入済み

    武士と職人の江戸情歌

    沢木耕太郎の選んだ周五郎作品集(I)「おたふく」が良かったのでこの(II)を購入しました。直木賞を辞退した周五郎のような、意地っ張りの武士、職人の男伊達が巧みに描かれております。「情」たっぷりで、演歌のような情感を感じました。でてくる男性よりも女性の方が魅力的だとの見方もあるようですが、読み方次第ですね。「おたふく」も是非お読みください。(完)

    #胸キュン #ほのぼの #切ない

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    2021年12月04日
  • 日本残酷物語 1

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    ネタバレ


    道ばたに倒れ伏すものは数かぎりなく、はじめのうちこそ死体を埋めていたが、まもなくだれ一人としてかえりみるものはなくなった。いたるところに犬やカラスがむらがって、死体を食いちらす光景がながめられた。

    この飢饉のときといえども人間が家畜に近かったのではなく、家畜が人間に近かったのである。

    飢えの記録 より


     明治十二年九月十三日埼玉県北足立郡中尾村の農民はコレラ流行防衛のために、県が避病院に患者を隔離しようとしたのに対し、村民は患者の生肝をとるのだと誤解しこれを妨害した。

    新潟県西蒲原郡では消毒薬をまくのを毒薬を撒布すると誤解して暴動を起こしている。

    そこには、無知の暗黒と、じぶんた

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    2021年08月28日
  • 樅ノ木は残った(中)

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    仙台藩の分割を目論む一ノ関側と、それを阻止しようという原田甲斐側との息詰まる頭脳戦が続く。
    原田甲斐は一ノ関の懐に入り、内側からその計画を破却しようというのが当初の計画だったはずが、盟友と袂を分かち、妻とも離縁し、たとえ結果がうまく行くにしても、失うものが大き過ぎるような気もして来た。
    陰気な描写が続く中、伊達家の家臣でもなく、でも彼らの間を飄々と行き来する伊東七十郎の一本気で明るい性格が、物語に涼やかな風を入れている。彼が主人公でも良かったような。
    原田甲斐が何を考えているのか、全容が明らかになることを期待して、最終巻へ。

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    2021年07月06日
  • 赤ひげ診療譚

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    「話を聞いてこい」という去定。身体ばかりではなく心の病もある。
    「いま富栄えている者よりも、貧困と無知のために苦しんでいる者たちのほうにこそ、おれは却って人間のもっともらしさを感じ、本来の希望が持てるように思えるのだ」@去定。「もしあたしたちが助かったとして、そのあとはどうなるんでしょうか、これまでのような苦労が、いくらかでも軽くなるんでしょうか」@おふみ。
    江戸時代の設定ですが、程度は違えど今の時代でも変わらないような気がします。

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    2021年07月04日
  • 柳橋物語

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    柳橋物語としじみ河岸
    柳橋物語はもう、悲惨。泣きっ面に蜂という感じ
    火事で祖父を失い、ショックで記憶喪失、洪水でお世話になったひとを失い、
    結婚を約束した庄吉に勘違いされ、裏切られる。
    しかし、最後には避けていた幸太の愛に気づく。
    強い女性

    しじみ河岸はもっと悲惨。救いがない。
    家族を養うのに疲れて、犯してない人殺しの罪を被る。
    律之助の操作により、罪を犯していないことがわかり、また元の生活に戻っていくり
    救いがない。。

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    2021年06月07日
  • 楽天旅日記

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    軽快な文章で物語に入りやすく、間抜けな馬鹿殿様の珍道中で、大御所の作品にしてはこんな「アホ」な作品で良いのかと思ったら、最後の対面シーンで一気に胸が熱くなった。

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    2021年05月22日
  • 町奉行日記

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    表題作はいかにも映像化されそうな感じ。
    人物・背景設定の面白さ・痛快さもそうだけれども、この作家が持つ読み手に対するイメージ喚起力は相当なもの。
    実際にクロサワという映画史に残る巨匠への影響力を考えれば分かるというもの。

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    2021年05月03日
  • 樅ノ木は残った(上)

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    (上中下巻あわせての感想です)

    山本周五郎作品は何といっても庶民や名もなき流れ者に対する温かい視点が魅力(上から目線の司馬遼太郎作品とは対照的)なのですが、本作では伊達藩の家臣というそれなりの立ち位置の人物を主人公に据えているのと、大きな陰謀に対峙するという物語のスケールの大きさに引きずられているせいか、主人公の原田甲斐以外の人物の掘り下げ方が他の作品と比べて弱いような気がしました。なので本作が著者のベストかというとそうでもないかなというのが個人的な見方なのですが、それでも伊達騒動(寛文事件)について、これだけの枚数をかけて斬新な解釈を提示したことは十分評価に値すると思いました。

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    2021年04月18日
  • 風流太平記

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    しっかり者の長兄、口うるさい次兄、そして剣術は強いのに戦いは好まない末っ子の主人公、みんな魅力的だ。

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    2021年04月09日