山本周五郎のレビュー一覧
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読み終わった時のお腹にずっしりとくる、揺るぎない満足感。コレだ!と思わせられる人物像。
人間味あふれる人柄。主人公は例えばクラスに居たら全く主役では無いタイプではないか?
誰の上にも立たず、自分を過剰評価せず、人を喜ばせ、人に譲る。
そんなタイプがいたとしてそれに気づくのは難しいのではないか?
そんな人間になりたいと思うけれど、なりたいと思ってなれるものでは無い。コレはもう生まれつきの性分なのでは無いだろうか?
実直、直向きさ、辛抱強さ、潔さ。
なりたいと思ってなれるものではない。そういう人物を描くから山本周五郎は魅力なのかもしれないなぁとぼんやり思ってしまった。
「雨あがる」とても良かった。 -
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山本周五郎の短篇小説集『町奉行日記名』を読みました。
ここのところ、山本周五郎の作品が続いています。
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着任から解任まで一度も奉行所に出仕せずに、奇抜な方法で藩の汚職政治を摘発してゆく町奉行の活躍ぶりを描いた痛快作『町奉行日記』。
藩中での失敗事をなんでも〈わたくし〉のせいにして、自己の人間的成長をはかる『わたくしです物語』。
娘婿の過誤をわが身に負ってあの世に逝く父親の愛情を捉えた短篇小説の絶品『寒橋』。
ほかに『金五十両』『落ち梅記』『法師川八景』など全10篇を収録。
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1940年(昭和15年) -
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山本周五郎の短篇小説集『日日平安―青春時代小説』を読みました。
山本周五郎の作品は、8月に読んだ『つゆのひぬま』以来ですね。
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お家騒動に遭遇したのを幸いに、知恵を絞り尽くして食と職にありつこうとする主人公の悲哀を軽妙に描き、映画「椿三十郎」の原作にもなった「日日平安」をはじめ、男勝りの江戸のキャリアウーマンが登場する「しゅるしゅる」、若いふたりの不器用な恋が美しい「鶴は帰りぬ」など、若者たちを主人公に据えた時代小説全六篇を収録。
山本周五郎ならではの品のいいユーモアに溢れ、誇り高い日本人の姿が浮かびあがるオリジナル名作短篇集。
(編/解説・竹添 -
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巻末で語る沢木氏の世界も一片の作品の様で「情」の世界が持つ彼なりの想いを自分の父の話を軸に切々と語っているのが哀切を伝える。
とは言え、山本氏の作品に「情」が流れていないものが有るかな・・ユーモア小説の類でも情が有る。
でも沢木氏が語るように、膨大な作品群の中でも秀逸揃いを納めてある~「人情裏長屋」「なんの花か香る」「かあちゃん」「あすなろう」「釣忍」は題名だけで内容が湧き上がってくる。今回、しっかり刻み込んだ「寒橋」の情感・・切なさと底冷えのするような空気感がもたらす夜の河岸の情景が心を震わせる。
おたみの産む子の父はひょっとして・・と邪念も働くけど。 -
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山本周五郎の長篇時代小説『ながい坂〈上〉〈下〉』を読みました。
『寝ぼけ署長』、『五瓣の椿』、『赤ひげ診療譚』、『おさん』に続き、山本周五郎の作品です。
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〈上〉
人生は、長い坂。
重い荷を背負って、一歩一歩、しっかりと確かめながら上るのだ。
徒士組の子に生まれた阿部小三郎は、幼少期に身分の差ゆえに受けた屈辱に深い憤りを覚え、人間として目覚める。その口惜しさをバネに文武に励み成長した小三郎は、名を三浦主水正と改め、藩中でも異例の抜擢を受ける。
藩主・飛騨守昌治が計画した大堰堤工事の責任者として、主水正は様々な妨害にも屈せず完成を目指し邁進する。 -
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山本周五郎の長篇時代小説『ながい坂〈上〉〈下〉』を読みました。
『寝ぼけ署長』、『五瓣の椿』、『赤ひげ診療譚』、『おさん』に続き、山本周五郎の作品です。
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〈上〉
人生は、長い坂。
重い荷を背負って、一歩一歩、しっかりと確かめながら上るのだ。
徒士組の子に生まれた阿部小三郎は、幼少期に身分の差ゆえに受けた屈辱に深い憤りを覚え、人間として目覚める。その口惜しさをバネに文武に励み成長した小三郎は、名を三浦主水正と改め、藩中でも異例の抜擢を受ける。
藩主・飛騨守昌治が計画した大堰堤工事の責任者として、主水正は様々な妨害にも屈せず完成を目指し邁進する。 -
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山本周五郎の連作時代小説『赤ひげ診療譚』を読みました。
『寝ぼけ署長』、『五瓣の椿』に続き、山本周五郎の作品です。
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給与は最低。
昼夜のべつなくこき使われる。
けれど“赤ひげ”先生こそ本物の医者だ!
幕府の御番医という栄達の道を歩むべく長崎遊学から戻った保本登は、小石川養生所の“赤ひげ”とよばれる医長・新出去定の元、医員の見習勤務を命ぜられる。
不本意な登は赤ひげに反抗するが、その一見乱暴な言動の底に脈打つ強靱な精神に次第に惹かれてゆく。
傷ついた若き医生と師との魂のふれあいを描く医療小説の最高傑作。
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山本周五郎の長篇時代小説『五瓣の椿』を読みました。
『寝ぼけ署長』に続き、山本周五郎の作品です。
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父思いの娘が復讐の殺人鬼と化す異色の周五郎時代長編。
倒叙ミステリーとしても傑作。
婿養子の父親は懸命に働き、店の身代を大きくした。
淫蕩な母親は陰で不貞を繰り返した。
労咳に侵された父親の最期の日々、娘の懸命の願いも聞かず母親は若い役者と遊び惚けた。
父親が死んだ夜、母親は娘に出生の秘密を明かす。
そして、娘は羅刹と化した……。
倒叙型のミステリー仕立てで描く法と人倫の境界をとらえた傑作。
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講談 -
Posted by ブクログ
読み終えて一言。
『えええええぇぇぇーーーーー‼︎』
しばらく驚いた後、
驚きを通り越して、思わず笑ってしまった。
これだから小説は面白い‼︎
そしてこの最後の場面はどうして、こんな風に終わるんだろうと考えると…
やっぱり最後の場面があるからこそ、主人公が過去の出来事を本当に乗り越え、怒り怨み復讐の気持ちを昇華できた事が、より伝わってくる気がする。
ブク友さんの感想を読むのがとっても好きだ♪
読んでいると"いいね"を5個ぐらいつけたくなる感想に出会う事がある。
『さぶ』はそんな素敵な感想がきっかけで手に取った作品。
その感想を書いたのはブク友の"おびのり&q -
Posted by ブクログ
山本周五郎の胸つまる時代小説。
女子高生時代からの久々の再読。(いつの話よ)
江戸下町の表具屋で、少年時代からの職人仲間の、栄ニとさぶ。栄ニは、利口で器用、さぶは、愚鈍だが誠実。お互いを支え合い生きていた。
栄二は盗みの濡れ衣をかけられて、仕事を失い自暴自棄となり、人足寄場での生活となってしまう。
栄二の頑なな態度と心を、取り巻く人々の人情が和らげていく。
「一人では生きていけない」悟った彼は、過去の遺恨をたち、さぶと新妻との生活を始めるー
で、本当のラストは、読んで泣いてほしい。
ストーリーの主人公は「さぶ」ではない。だが、自身の能力・生い立ち全てを受け入れて誠実に愚直に生きるさぶ -
匿名
ネタバレ 購入済み初めて山本周五郎作品を読みました。
あだこ 晩秋 おたふく 3作品
どれも読んでいて嫉妬だったり苦悩だったり
でも喜びがあったりで面白かったです。