山本周五郎のレビュー一覧

  • 寒橋(さむさばし) 山本周五郎名品館III

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    沢木耕太郎セレクション「山本周五郎名品館3」.

    人情裏長屋が傑作.映画化する場合の主人公を演じるのは,沢木耕太郎のお勧めは大友柳太朗だが,35歳ぐらいの仲代達矢がいいかなあ.

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    2020年03月01日
  • ちいさこべえ 4

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    ネタバレ

    泣いた。

    このもじゃもじゃ髭と髪、いつすっきりさせるんだよ、それはどんな展開だよと思ってたら表紙のこれ。

    墓前のセリフに泣きました。

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    2020年01月02日
  • 樅ノ木は残った(下)

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    伊達騒動を描いたもの。

    この小説の主人公原田甲斐が逆臣であったという通説とは異なり、伊達家を守るために真意を隠し、友や家臣、自身の命、そして家までも賭して伊達家を守ったというプロット。

    最後の200ページのクライマックスに向かう節は、息を飲む展開で一気に読んだが、結末は、現代的感性からすると「行き過ぎ」の感を持ったのが正直なところ。

    しかし、「史実」の裏側にこのような「真実」があったとすれば、タイトルともなった樅の木に重ね合わせられたロマンを十分に感じられる。

    武士社会の主役の男たちの周りに描かれる女たちが、その儚さに彩りを添えている。

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    2019年12月24日
  • おたふく 山本周五郎名品館I

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    沢木耕太郎セレクションの山本周五郎短編集.帯に「周五郎短編はこれを読め」とあるが,まさにその文句にふさわしい,女性に焦点をあてた9編が収めてある.半数近くは他の短編集(新潮文庫)で既に読んだことのある話だったが,この短編集は山本周五郎入門として最適だろう.

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    2019年12月22日
  • 赤ひげ診療譚

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    2018年の春くらいから、気分的には1年半くらい続いていた仕事上の繁忙期が終わりました。
    虚脱。そして、けっこう嬉しいです。
    読んだ本のメモも長らく途絶えていました。そもそも本を読むこともかなり減っていました。



    「赤ひげ診療譚」山本周五郎 1958年 新潮文庫。
    2018年の12月頃に仕事の都合で再読。
    大昔から思っていたのですが、山本周五郎というと人情べたべたな小説家だと思われているかもしれませんが、
    きちんと読んでみると時折実に胃液が逆流するほど残酷で素晴らしかったりします。
    でも、いまどきそもそも山本周五郎を知らない人も増えていることと思いますが。ちょっともったいない。
    ただ、好

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    2019年11月28日
  • 日本残酷物語 2

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    「忘れられた土地」という副題のとおり、離島、山間部、北海道開拓地の人々の明治から終戦直後の苦労を聞き取ってまとめた話。書かれたのは昭和35年。
    北海道のクマ、蚊、霜、冷害の話は壮絶。

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    2019年11月23日
  • 寝ぼけ署長

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    初・山本周五郎本でした。短編だからか、無駄な形容なくすっきりした文章で、でも味わい深く、そんな文章がこの署長の人物像とぴったり合った。
    こんな人いい、こんな風に生きられたらよかったな。本の中だけでもこんな人と会える、これが本の醍醐味。面白かった。

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    2019年10月08日
  • 赤ひげ診療譚

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    長崎での遊学を終えて江戸に戻った主人公の保本登は、小石川養生所で医員として勤務させられる。「赤ひげ」と呼ばれる新出去定のもとで、貧しい人たちへの医療活動を通じて人間として成長していく。

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    2019年06月28日
  • 寝ぼけ署長

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    居眠りしているかのように衆生の心、事の本質をつぶさに見抜く署長五道三省の姿は、まさに仏の半眼の如しといったところ。読み進めるに従って署長に惚れ込んでいってしまう。

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    2019年06月16日
  • 五瓣の椿

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    時代小説と言うよりもサスペンス小説かな。
    主人公が悲しい。女だから母を恨み、女だから自分を許せなかったのか?
    読後の爽快感は全くなく、なんとなく苦いものを口の中に残した気持ち。
    それでも主人公に同情してしまう山本周五郎の凄さかな。

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    2019年05月04日
  • 樅ノ木は残った(上)

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    ネタバレ

    <上中下3巻を通してのレビュー>

    仙台藩主・伊達綱宗、幕府から不作法の儀により逼塞を申し付けられる。
    明くる夜、藩士四名が「上位討ち」を口にする者たちによって惨殺される。いわゆる「伊達騒動」の始まりである。
    その背後に存在する幕府老中・酒井雅楽頭と仙台藩主一族・伊達兵部とのあいだの六十二万石分与の密約。この密約にこめられた幕府の意図を見抜いた宿老・原田甲斐は、ただひとり、いかに闘い抜いたのか。


    山本周五郎氏の作品は初めてなのです。

    「伊達騒動」をあまりよく知らないのですが、原田甲斐をこの観点から描く作品の新鮮さが感じられました。
    幕府の大藩潰しを背景に様々な密約が立ち込めて諸大名が苦し

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    2019年09月29日
  • 将監(しょうげん)さまの細みち 山本周五郎名品館IV

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    「山本周五郎名品館Ⅳ 将監さまの細みち」山本周五郎 (編:沢木耕太郎)

    山本周五郎の短編集。相変わらずのクオリティ。
    この1冊で好きなのは「ひとごろし」。臆病で弱虫な侍が、剣の達人に向かってどう立ち向かうか、という一編ですが、なんとこれはユーモア小説です。クスッと笑える、エバーグリーンなユーモア小説なんだけど、その奥にちょっとぞっとするような人間観というか世界観があって、さすが。
    実はこれ、臆病者=松田優作、剣の達人=丹波哲郎という魅力的なキャスティングで映画にもなっていて、これが実はまだ未見なので先々の楽しみ。

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    2019年03月23日
  • 裏の木戸はあいている 山本周五郎名品館II

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    「山本周五郎名品館Ⅱ 裏の木戸はあいている」山本周五郎 (編:沢木耕太郎)

    山本周五郎の短編集。
    相変わらずのクオリティ。
    「ちいさこべ」。火事に焼かれて家屋敷と両親を失った大工の若棟梁。同じ火事で行き場を失った孤児たち、その面倒を見る娘さん。
    三つ巴それぞれの事情が描かれるだけなんですけれど、こういうお話しが染みてくるのは、世界には理不尽な都合で孤独になったり死んでしまったり不遇になったり、自力でどうにもならないことが多くある、まあつまり人生は運不運次第の受け身なゲームである、ということが感じてくる年齢以降なんだろうか、改めて思いました。
    「ちいさこべ」は何度もドラマにもなっているらしく、

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    2019年03月23日
  • 周五郎少年文庫 木乃伊屋敷の秘密―怪奇小説集―(新潮文庫)

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    シャーロック・ホームズが来日して国際的事件を解決するストーリーは面白い。パロディと言おうか背景設定にニヤリとしてしまう仕掛けも楽しい。
    全巻シャーロックかと思ったら、伝奇・怪奇もののオンパレード。少年文庫シリーズとして刊行されるそうなので楽しみだ。

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    2019年02月03日
  • 青べか物語

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    読み始めてすぐに、浦粕が浦安、徳行が行徳だとピンときた。
    そう思うと、よりいっそう面白かった。
    田舎の庶民てこんなだったんだろうなあと身近に感じて楽しい。

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    2018年12月25日
  • 赤ひげ診療譚

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    山本周五郎、円熟の娯楽作。ミステリー仕立ての各編も読ませるが、通して読むと保本登の成長譚としても楽しめる。赤ひげが随所に見せる医術観は、異常とも言える領域に到達しつつある現代医学に警鐘を鳴らしているようだ。

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    2018年12月21日
  • おたふく 山本周五郎名品館I

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    山本周五郎の名作短編9篇が、沢木耕太郎によって選ばれている。江戸期の武家や商人達とその妻や女性が温かい人情を示す。短編の中にその情を浮き立たせてくれる。昔の人はこんなに情が深かったのか、と半分疑いながらも楽しく読める。でも、人情は貧しいところに集まるのか?衣食足りて礼節を知る、という言葉もあるが、人情とは、礼節と次元の異なるものなのだろう。

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    2018年12月09日
  • 朝顔草紙

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    著者が選じた自身全集に選ばれなかった戦前の作品から
    解説者が選んだ選集
    おおかたは時代劇で
    昭和23(1948)年に同時代を描いた
    現代劇の一編『うぐいす』も
    舞台背景が異なるだけの
    今となっては同じく昔の時代劇であることがよくわかる
    時代劇としてもちろん出来不出来あるものの
    さすがに選集だけあっていずれも趣き異なる好短編
    一方『青べかを買う』『お繁』『秋風の記』の3編は
    太宰治作品を思わせるような前期昭和な「時代小説」で
    同時代の同じ手になる「時代劇」と「時代小説」の
    在り様違いが興味深い

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    2018年11月13日
  • 樅ノ木は残った(下)

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    山本周五郎の代表作なる大作。
    お家を守るためとはいえ、本当に大変な忍従をしいられ、現代人には理解できないものがあった。
    クライマックスは手に汗握る緊迫感があり、一気に読み終わった。
    結果はあのようになったが甲斐はいったい耐え忍んで何を目指していたのか?耐える現状維持は自分が死んだ時点で終わりを迎えるのに、次々と周りの人間が死ぬ状況で積極的な行動を起こさなかったことに疑問と不満が残った。

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    2018年11月11日
  • 樅ノ木は残った(上)

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    骨太な構成と緻密な心情描写で、とても面白く読めました。
    主人公として描かれている原田甲斐の武士道的たたずまいを見ていると、人の上に立つものとしての責任と態度を訴えているようにも思われます。
    実際に書かれた時代と現代を単純に重ねることはできませんが、ふと、現在の世の中のリーダーの姿勢を顧みてしまいます。

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    2018年10月13日