山本周五郎のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
火事により実家の工務店が焼け
両親を亡くした若棟梁の茂次は、
父の言葉
「どんなに時代が変わっても人に大切なものは、人情と意地だぜ」を胸に再建を誓い、
会社を継ぐことに。
そんな時
お手伝いのりつや
行き場のない子供たちまでが
転がり込んできて…。
山本周五郎の原作を
ロックする漫画家・望月ミネタロウが斬新にリメイクした
鬼才2年半ぶりの待望の最新作。
いやぁ〜
相変わらずやってくれるわ(笑)
大好きな漫画家望月ミネタロウが描く今度の主人公は
まるでホームレスか
70年代ヒッピーのような
長髪に髭もじゃの
怪しい26歳の若棟梁。
本が好きで世界中を旅してきた自由人なんやけど
頑固 -
Posted by ブクログ
地球温暖化の影響かどうかわからないが、今年2012年の秋は11月になってモクセイの香りをかいだ。モクセイの香る季節になると、この本を思い出す。
「お前はどうだ?」ふた呼吸ほどして岡安は静かにきいた「風の肌触りに秋を感じたり、送られてる花のにおいを楽しんだりしたことがあるか…」…。栄二を慰めるように話をした後、岡安はこう締めくくった。「お前は気がつかなくとも、このさわやかな風にはモクセイの香が匂って居る、心を沈めて息を吸ってみると、お前にもその花の香りが匂うだろう、心を沈めて自分の運不運をよく考えるんだな。…さぶやおすえという娘のいることを忘れるんじゃないぞ。」
この本を手にしてから30年以上の -
Posted by ブクログ
宮本常一の民俗史作品を読んでから、庶民の文化史に関する本を読んでみようと思って探してたら行き当たったのがこのシリーズ。あとがきが大月隆寛、昔、ナンシー関と「クレア」で対談の連載をしていた民俗学者だ。
本作は、シリーズのまとめ的な作品集。だから、いろんな時代、階層、職種にまたがった包括的な「圧制と生活苦にあえぐ庶民」の姿を描いている。
日本の民衆の、なんと貧しいこと・・・貧しいのは普通のことだったのだが、その貧しさもいろいろなのだが、食うためにはそのとき、その場で必要なことはなんでもやる、生き延びるために耐え忍んだという表現がふさわしい。ときには強奪、子殺し、堕胎、捨て子、口減らしのための売り子 -
Posted by ブクログ
正直、最後まで読み切るのに辛くって息苦しい作品でした。それがこの作品の完成度の高さを物語っています。 「人間の価値はなにを為したかではなく、何を為そうとしたかだ」 この作品のテーマそして内容を凝縮した言葉であります。 浄瑠璃の世界を語っていますがが、現代の私たちにも当てはまる普遍的な内容だと思います。 司馬遼太郎の作品に出てくる実在し何かを成し遂げた立志伝中の人物ではなく、何かを成し遂げようと必死にもがきながら生きた人物を描いた本作は“人生なにもかも上手く行くものじゃない”と言うことを知っている大半の読者の心をつかむのは容易であるはずである。人生信念を持って生きても上手くいくとは限りません。
-
Posted by ブクログ
今回、再読して逆に感じたのは、おせんが決して不幸な境遇だったとは思えなかったのです。 逆にこちらは少数意見かもしれませんね、とりわけ女性読者からはお怒りを買うかもしれません。 私は却って針仲間のおもんの身を持ち崩して行く姿がおせんよりも不幸なように感じました。 というのは、庄吉はこの物語の中ではどちらかと言えば悪役めいた役割を演じてますが、物語の初めの告白から江戸に戻ってくるまで、少なくともおせんに対する愛情は尋常なものではなかったはずだと私は確信しています。
そして男は結構疑い深いというか、本作にあるシチュエーションからして誤解が生じて当然だと思います。 まあそのあたり、作者の力量の確