山本周五郎のレビュー一覧

  • ちいさこべえ 1

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    火事により実家の工務店が焼け
    両親を亡くした若棟梁の茂次は、
    父の言葉
    「どんなに時代が変わっても人に大切なものは、人情と意地だぜ」を胸に再建を誓い、
    会社を継ぐことに。

    そんな時
    お手伝いのりつや
    行き場のない子供たちまでが
    転がり込んできて…。

    山本周五郎の原作を
    ロックする漫画家・望月ミネタロウが斬新にリメイクした
    鬼才2年半ぶりの待望の最新作。



    いやぁ〜
    相変わらずやってくれるわ(笑)

    大好きな漫画家望月ミネタロウが描く今度の主人公は
    まるでホームレスか
    70年代ヒッピーのような
    長髪に髭もじゃの
    怪しい26歳の若棟梁。

    本が好きで世界中を旅してきた自由人なんやけど
    頑固

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    2013年04月21日
  • 虚空遍歴(下)

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    ネタバレ

    主人公中藤冲也は、結局新しい浄瑠璃を仕上げる、という大望を果たせず、気力を使い切り、世を去る。

    冲也は失敗したのか、その人生は無意味だったのか、
    果たして、世に名を残すことが人生の意味なのか。
    そうではない。冲也は生きることを全うした。
    そして、その価値は誰にも分からない。自分にしか分からない。
    作中では、それをおけいというもう一人の自分の目線から語っている。
    人生とはそういうもの。

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    2013年04月15日
  • 虚空遍歴(上)

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    これもデミアン、海辺のカフカのようだ。

    主人公の沖也、運命で結びつけられ、男女の仲というよりも
    一体の片割れという存在であるおけい。
    その共鳴を通じて、自分を探す旅を歩く。

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    2013年04月15日
  • ながい坂(下)

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    今まで山本周五郎は読んだことがなかったが、本書を読んで、長く読まれてきた理由がわかった気がする。読ませるストーリーなのはもちろんのこと、物語を通して「人生」を書いている。少し物足りなかった点としては、主水正と両親、特に父との関係についてだ。最後の「自分は父親違う」と思いつつ父親と同じ行動をとってしまっているシーンをもう少し掘り下げて書いて欲しかった。
    ただ物足りない点があるとはいっても、それは些細なことにすぎない。折にふれて読み返すことになるであろう、数少ない書の1つになった。

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    2013年03月23日
  • 小説 日本婦道記

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    女性は一読すべきと思います。
    現代では難しいかもしれないけど、日本女性として産まれたなら忘れちゃいけないし、こうありたいと感じさせられる本。

    古臭い、と敬遠する方もいるかもしれませんが私はこの世界観が好きです。

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    2013年01月21日
  • 樅ノ木は残った(上)

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    歴史小説の中でベストです。幕末物や戦国物のような派手さはないですが、ずっしりと武士道の真髄を示してくれます。

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    2013年01月15日
  • おさん

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    「青竹」が唯一、戦中物として含まれていたが、のびのびと周五郎の油の乗り切った短編集だった。結末が予想できず、また余韻を残して終える技法は秀逸。13.1.2

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    2013年01月02日
  • 月の松山

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    私の現代小説の端緒となった作品。
    この時から男の生き描いた作品が好きだったのです。私の読書の原点とも言うべき作品。

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    2012年12月27日
  • 五瓣の椿

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    何が正しいのか、何が正しくないのかを考えさせられる作品。
    面白くて切ない、優しいけれど辛い、そんのお話でした。

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    2012年12月09日
  • さぶ

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    地球温暖化の影響かどうかわからないが、今年2012年の秋は11月になってモクセイの香りをかいだ。モクセイの香る季節になると、この本を思い出す。
    「お前はどうだ?」ふた呼吸ほどして岡安は静かにきいた「風の肌触りに秋を感じたり、送られてる花のにおいを楽しんだりしたことがあるか…」…。栄二を慰めるように話をした後、岡安はこう締めくくった。「お前は気がつかなくとも、このさわやかな風にはモクセイの香が匂って居る、心を沈めて息を吸ってみると、お前にもその花の香りが匂うだろう、心を沈めて自分の運不運をよく考えるんだな。…さぶやおすえという娘のいることを忘れるんじゃないぞ。」
    この本を手にしてから30年以上の

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    2012年11月08日
  • 日本残酷物語 1

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    宮本常一の民俗史作品を読んでから、庶民の文化史に関する本を読んでみようと思って探してたら行き当たったのがこのシリーズ。あとがきが大月隆寛、昔、ナンシー関と「クレア」で対談の連載をしていた民俗学者だ。
    本作は、シリーズのまとめ的な作品集。だから、いろんな時代、階層、職種にまたがった包括的な「圧制と生活苦にあえぐ庶民」の姿を描いている。
    日本の民衆の、なんと貧しいこと・・・貧しいのは普通のことだったのだが、その貧しさもいろいろなのだが、食うためにはそのとき、その場で必要なことはなんでもやる、生き延びるために耐え忍んだという表現がふさわしい。ときには強奪、子殺し、堕胎、捨て子、口減らしのための売り子

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    2012年11月08日
  • 日日平安

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    短編集。
    どの作品も面白いが、タイトルにもなっている「日日平安(にちにちへいあん)」という作品が非常に好きで、何度も読んでいる。
    読み終えると、さわやかで清々しい気分になる。

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    2012年10月18日
  • 栄花物語

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    賄賂政治で悪名高い田沼意次を、幕府の経済基盤の再構築を目指す政治家ととして描いています。旧態然とした武家社会にこだわる松平定信と新しい時代に即した理想を掲げる意次の対立は、現代の政治に似たところがあって興味深いです。

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    2012年10月04日
  • 虚空遍歴(下)

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    正直、最後まで読み切るのに辛くって息苦しい作品でした。それがこの作品の完成度の高さを物語っています。 「人間の価値はなにを為したかではなく、何を為そうとしたかだ」 この作品のテーマそして内容を凝縮した言葉であります。 浄瑠璃の世界を語っていますがが、現代の私たちにも当てはまる普遍的な内容だと思います。 司馬遼太郎の作品に出てくる実在し何かを成し遂げた立志伝中の人物ではなく、何かを成し遂げようと必死にもがきながら生きた人物を描いた本作は“人生なにもかも上手く行くものじゃない”と言うことを知っている大半の読者の心をつかむのは容易であるはずである。人生信念を持って生きても上手くいくとは限りません。

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    2012年10月01日
  • 柳橋物語・むかしも今も

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    今回、再読して逆に感じたのは、おせんが決して不幸な境遇だったとは思えなかったのです。 逆にこちらは少数意見かもしれませんね、とりわけ女性読者からはお怒りを買うかもしれません。 私は却って針仲間のおもんの身を持ち崩して行く姿がおせんよりも不幸なように感じました。 というのは、庄吉はこの物語の中ではどちらかと言えば悪役めいた役割を演じてますが、物語の初めの告白から江戸に戻ってくるまで、少なくともおせんに対する愛情は尋常なものではなかったはずだと私は確信しています。

    そして男は結構疑い深いというか、本作にあるシチュエーションからして誤解が生じて当然だと思います。 まあそのあたり、作者の力量の確

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    2012年09月10日
  • ながい坂(下)

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    結局別れてしまう彼女がかわいそうなのと、奥さんの開眼がちょっとエロイ。
    でもラストの締まり方は素晴らしい。

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    2012年08月29日
  • 小説 日本婦道記

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    年齢を経て読むほどに味わい深い。生き方を教えられるところ多し。でも反発する人も多そうだ。しかしこの生き方を自分で選び、そこに満ちて生きていければ、それこそが誇り高い生き方だと思うよ

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    2012年08月29日
  • 一人ならじ

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    この本が、山本周五郎さん作品との出会い。
    描かれている物語は、普段の私に教訓として教えてくれるような事ばかり。考え方に、かなりの影響を受けた本です。
    山本周五郎さんの作品で1番好きです☆彡
    もう、私の手元にある本は、表紙がボロッボロ(^^;)

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    2012年08月28日
  • さぶ

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    書き出しが印象的。心情の変化やそれぞれの登場人物の人間性、言葉のひとつひとつが心に染みる作品。ラストを読んだあと、もう一度始めから読み直してみたくなった。

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    2012年12月14日
  • 髪かざり

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    直木賞を辞退した作品をベースに短編17編が収録されている。筆者が込めたテーマは「 本当の女性の美しさは男は気付かないものである 」本作品の特長は全編を通じて古来戦場の男たちを陰で支えてきた凛とした女性と労働の尊さを柱に据えている点。しかも実在する人物像をベースに執筆されている点。強さと美しさが同居??と感じながら読み進めていくと表題作の文中に一つのヒントが「長い苦労に耐えていくには‥」なるほど!全作品傑作。

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    2012年07月29日