山本周五郎のレビュー一覧

  • おごそかな渇き

    Posted by ブクログ

    おごそかな渇きを読みたくて手に取った
    山本周五郎の未完の絶筆

    戦後の日本の貧しさ
    欲が渦巻き 他を排除しようとする人々
    東京で妻に逃げられた中学教師と14歳の娘は東京を離れ田舎で野菜や特殊な
    炭を焼いて生活している
    学があり無宗教の父親は地域の住民に
    うちとけていけないし
    地域の住民もなかなか受け入れられない
    そんな中 行倒れの若い男性を助け
    医者を呼び食事を与え
    体力を回復させる

    戦後で誰もが生きること食べることに
    精一杯だった時代
    貧しさにも負けず困っている人を助け
    希望をもって進もうとする人々
    14歳の娘の生活力のたくましさ
    今の時代の人が失ったものが
    みずみずしく表現されていて

    0
    2025年12月05日
  • さぶ

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    山本周五郎は初読。刺さった。

    なんでタイトルが栄二ではないのか、解説を読んで少し納得。鈍臭いさぶではなく、日の当たるところにいた栄二が受難を克服し、人として成長していく物語であるからこそ読み応えがあった。
    善良すぎるさぶにもいいことありますように。

    0
    2025年10月07日
  • さぶ

    Posted by ブクログ

    読みたかった本。最初、字ちっちゃい!って思い不安になったけど、すらすらと引き込まれていった。栄二の人間性の変化が様々な辛いことを経た事で起こり、大事なものに気づいていく。自分はなんでもこなせて自信に溢れていたが周りのものの支えがあったからこそ今の自分があることを気付かされ感謝できる人間になっていく。人間は成長によって本当に幸せを感じられる。成長していきたい,

    0
    2025年09月21日
  • ながい坂(下)

    Posted by ブクログ

     人生は長い坂が終わりなく続く。気づかないようなかすかな登坂もある。山本周五郎の晩年の作品である。この本を上下巻買ったのは会社を辞めて自営を始めた時である。日本テレビ記者の橋本五郎さんが人生に影響を得た学生時代読んだ本だとして紹介されていた。それから十数年近く本棚に積読状態だった。読み始めてからも完読するまで1年ちょっとかかった。上巻は相当かかったが下巻はそれでも数カ月かかった。
     この本は下級武士から立身出世を志して家老にまで上りつめる三浦主水正を主人公にして書いている。山本周五郎が学歴もなく辛苦をなめながら、文学者として大作家に上り詰めた人生を謙虚に見つめ、文章がなんと味わい深いものか。家

    0
    2025年07月05日
  • 日日平安

    Posted by ブクログ

    山本周五郎の短編はどれをとっても、読後感が充実した気持ちになるものばかり。
    もっと多くの人に読まれていいと思います。

    0
    2025年06月27日
  • 雨あがる 映画化作品集

    Posted by ブクログ

    どのような境涯になろうとも変わらない夫婦愛に、うっとりしてしまう。
    おそらく現代社会にあっては、この様な夫婦の姿を見るのは稀では、ないだろうか?

    0
    2025年05月07日
  • さぶ

    000

    購入済み

    頭を飾るふさわしい

    すげえ良い話です。
    わかりやすく一言でコメントしました。
    ところで15、16が何故抜けてるのでしょう。
    あと、2だけが数字の向きが九十度傾いてる。
    なんかこだわりがあるのかな。
    お好みで。

    0
    2025年04月30日
  • さぶ

    Posted by ブクログ

    『樅ノ木は残った』で有名な著者(本名清水三十六)は、ペンネームを尋常西前小学校卒業後に徒弟として住み込んだ木挽町の山本周五郎商店から拝借した。『日本婦道記』が戦中昭和18年上期直木賞に推挙されたが固辞したが、今では自身の名の文学賞があるのは皮肉なものである。ちなみに同賞主催は新潮社、芥川賞直木賞の文藝春秋社のライバル。
    さぶと栄二は表具と経師とで有名な芳古堂に住み込む同い年の職人、ひょんなことから出入りのお店から盗人扱いされ親方から暇を出される。得心がいかない栄二は店に酔った勢いで怒鳴り込み捕縛され人足場送りになる。恨みを晴らそうと自棄っぱちになるが、親友のさぶや結婚を誓ったおすえ、さぶが想い

    0
    2025年04月23日
  • 樅ノ木は残った(下)

    Posted by ブクログ

    樅ノ木について考えてみた

    もみの木である
    モミモミの木ではない
    むしろ硬くてもめない

    そして仙台藩のお話なので、日本北部に自生する固有種「ウラジロモミ」と思われる

    もみは揉めるに通ずるため、家庭内に揉め事を起こさないよう庭に植えるなと言われている

    もちろん揉めまくりだ
    わざわざ庭に植えたからだバカ
    しかも二度も枯らしてるからな

    そして樅ノ木と言えば、樹形が非常に美しい木で、きれーな円錐形になるんよね
    いわゆるツリーよ

    そして抗菌性と調湿性があるので、食品に触れるものや棺おけなんかにも使われている

    そんな樅ノ木に山本周五郎はどんな想いを託したのだろうね

    多くの人が持つ樅ノ木のイメ

    0
    2025年04月09日
  • 樅ノ木は残った(中)

    Posted by ブクログ

    あーもう!
    明日も仕事なのにあーもう!

    もう、オロオロしちゃいます
    大丈夫なん?
    甲斐大丈夫なん?
    どんどん孤立していくけど大丈夫なん?
    すんごい魅力的な人たちがげしげし離れていくけどほんと大丈夫なん?
    甲斐ちゃん大丈夫なん?っていうね

    だけど、わいは分かってるからなー
    甲斐ちゃんが藩のためにひとり闘ってるの分かってるからなー。゚(゚´Д`゚)゚。(そりゃそやろ)

    そして、わいちょっと気付いちゃいました
    今村翔吾さんの『じんかん』ってもしかしてこの『樅ノ木は残った』リスペクトなんじゃね?
    世紀の極悪人を独自解釈でもっすごい善人に仕立て上げるみたいなん一緒やもん
    ベクトル一緒やもん

    さす

    0
    2025年04月08日
  • 樅ノ木は残った(上)

    Posted by ブクログ

    ヤバい!
    なんか凄い読みやすいんですけど
    もうスルスル入ってくる
    周五郎がスルスル入ってくる

    ってことはもしかして、わい山本周五郎の血を引いてるのかもしれん

    山本周五郎
    ひまわりめろん

    やまもとしゅうごろう
    ひまわりめろん

    やまもとしゅうごろう
    ひまわりめろん


    …あるな(ないわ!)


    はい、上巻はまさに主人公の甲斐を好きにさせるための巻ですな
    見え見えです
    中尾ミエです

    しっかーし!
    その手は桑名の焼きおにぎり(味噌)です
    そんな、まんま周五郎の手のひらで踊るわいではありませんよ

    好きじゃなくて大好きです(踊らされとるやないかーい)

    0
    2025年04月07日
  • さぶ

    Posted by ブクログ

    人を許すこと、無償で誰かのために何かすることについて考えさせられる。ここ数年、ニュースを聞いては勧善懲悪でない社会にがっかりすることが多かったが、この本を読んで「この世はそんなもんかも」と、いい意味で諦めて少し気楽になれた。
    栄ニもかっこいいが、それを支えるさぶ、与平の「譲れる生き方」もすごい。日の当たっている人には必ずその陰の力となっている人の存在があるということ…人の先頭に立つ人は、それを分かっている人だったらいいな。

    でもなあ…最後、栄ニ、それも許せちゃうの⁈
    と思う私は、残りの人生、その境地に辿り着くまで間に合うだろうか。

    0
    2025年01月04日
  • ちいさこべ

    Posted by ブクログ

    頑固者だがまっすぐで一本筋を通す若い棟梁と
    凛として気の強い女子
    大火で焼け出された孤児と共同生活を始める

    0
    2024年12月12日
  • さぶ

    Posted by ブクログ

    さぶがタイトルなのに
    栄二が主役かと思える書き出しだった
    読み進むうちに
    二人とも厳しい子ども時代を過ごし
    丁稚奉公する身
    さぶはのろまで仕事の覚えも悪く
    皆から蔑まれている
    栄二は顔立も良く仕事もできる
    二人はいつか一緒に店を持ち
    仕事をしようと約束するが

    栄二は無実の罪をかけられ
    それを晴らそうと世話になった店に
    乗り込み暴れたことで
    石川島の人足置場に送られること三年
    ここでいろんな経験をし
    人の様を見 考えことで変わっていく

    この間にさぶは 懸命に尋ね歩き
    栄二の居場所を突き止め
    休みの日には生活用品の差し入れに
    来る

    時は過ぎ栄二は結婚し
    さぶと店を持ちいろんなことがあるが

    0
    2024年09月08日
  • さぶ

    Posted by ブクログ

    同僚から、時代小説を初めて読むならということで、「さぶ」を紹介され読むことにした。時代小説は読んだことがなく、独特な表現等の意味を調べながらではあったので読み終えるまでに少し時間がかかったが、本当に読んで良かったと思うし、読んだことで心が豊かになるというか、他人に優しくなれるというか、独りじゃなくて必ず誰かがあなたを見ていてくれているということを伝えていたのかなと思う。栄二とさぶを中心とした物語のなかで、人生の浮き沈みを克明に表現しており、その物語を自分の人生に照らすと自分の心に何かささる感じがした。名作って素晴らしい。

    0
    2024年08月27日
  • おたふく 山本周五郎名品館I

    Posted by ブクログ

    山本周五郎の描く女性は、解説の沢木さーと同様感銘する
    沢木選「名品館」は全部で四巻
    残すところ三巻
    楽しみだ

    0
    2024年06月04日
  • 五辯の椿

    Posted by ブクログ

    薬種屋の娘おしのは父の死後、父の無念を晴らすように淫蕩な母の相手だった男たちへ復讐を始める。与力青木千之介が鋭い観察眼で追い詰めていくストーリーがミステリー仕立てであっという間に読んだ。「満ち足りたように見えていても、裏へまわると不幸で、貧しくて、泣くにも泣けないような思いをしている。世間とは、本当はそういうものなのかもしれない。」というおしのの呟きが沁みる。

    0
    2024年03月23日
  • 町奉行日記

    Posted by ブクログ

    生きているとたくさんの辛いこと、悲しいことがあるけれど、そこに勇気を持って乗り越えた時、あたたかな愛に包まれるのだと感じた。
    人の奥底に眠る善意を信じたいと思う。

    0
    2024年02月03日
  • 人情裏長屋

    Posted by ブクログ

    短編で読みやすいので、時代ものに慣れていなくても楽しめました。人と人との心の通い合いに、心安らぐ一方で、笑えるものもありました。

    0
    2024年01月03日
  • 松風の門

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    中学生の時「鼓くらべ」を読んでから、ずっと山本周五郎氏の小説が好き。芸術とは比べたり競うものではない、というところが共感できた。
    何度読んでも、娘が老人の言葉を思い出して鼓をやめてしまうあたりから胸が熱くなる。
    私の人生観を変えてしまった。

    他の短編もどれも良い。

    0
    2023年11月05日