山本周五郎のレビュー一覧

  • ながい坂(上)

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    ネタバレ

    評価は5。

    内容(BOOKデーターベース)
    徒士組という下級武士の子に生まれた小三郎は、八歳の時に偶然経験した屈辱的な事件に深く憤り、人間として目ざめる。学問と武芸にはげむことでその屈辱をはねかえそうとした小三郎は、成長して名を三浦主水正と改め、藩中でも異例の抜擢をうける。若き主君、飛騨守昌治が計画した大堰堤工事の責任者として、主水正は、さまざまな妨害にもめげず、工事の完成をめざす。

    常に謙虚で常に自分を見つめ直しゆっくりだが確実に人生を歩んでいく主人公。辛いことがあると人を責めるよりもまずは自分の中で消化し、そして自分への反省とする。
    そんな主人公の考え方は昔の作家で昔の話だから・・・と

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    2017年01月20日
  • 赤ひげ診療譚

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    幕府の御番医という栄達の道を歩むべく長崎遊学から戻った保本登は小石川養生所の“赤ひげ”とよばれる医長新出去定に呼び出され医員見習い勤務を命ぜられる。
    貧しく蒙昧な最下層の男女の中に埋もれる現実への幻滅から、登は尽く赤ひげに反抗するが、その一見乱暴な言動の底に脈打つ強靱な精神に次第に惹かれてゆく。
    傷ついた若き医生と師との魂のふれあいを描く。

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    2016年12月19日
  • 赤ひげ診療譚

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    ネタバレ

    1964年発売
    時代物だからではなく
    少しも古くささを感じない。
    それどころか
    出てくる人々の人也が
    今現在でも通じる
    常識と情を持ち合わせており
    少しの違和感も無い。

    ページ的には少しも多くない本なのに
    一人の若い医師がしっかりと
    成長していく様が生き生きと書かれており、
    鬼籍に入ってもなお
    名の残る作家の表現力は
    素晴らしいと改めて感動した。

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    2016年07月22日
  • 樅ノ木は残った(下)

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    山本周五郎作品は初読であったが、最後まで一気に読んでしまった。物語の内容はさることながら、文章の表現の独特さ、豊かさに魅了された。
    自らの藩を第一に考え、自分の人生を擲つ姿には、司馬遼太郎作品で長岡藩を舞台にした「峠」に通じるものがあると感じた。

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    2016年06月25日
  • 松風の門

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    名もなき江戸庶民の物語は波乱万丈。喧々諤々な展開にハラハラさせられたかと思うと、最後あっと驚く結末。それがハートウォームゆえにどの作品もはまる。釣忍は最後の一文でホロっときた。

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    2016年03月21日
  • 赤ひげ診療譚

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    江戸時代に実際に存在し、病気の治療だけでなく貧困民の生活保護までカバーしようという志の下建てられた「小石川養生所」。そこで無骨ながらも、病気だけでなく社会悪や人の心の弱さにまで目を向けようと奮闘する赤ひげ先生の姿は、現代にも通じるところが多々あると思いました。

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    2016年02月14日
  • 小説 日本婦道記

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    時代小説好きの友人がお勧めしてくれた作家、山本周五郎。司馬遼太郎、藤沢周平は好きだけれどどちらかといえば「坂の上の雲」のような近代を舞台にしたものが好みなのでなんとなく読む機会が無かった。けれど、これほど読んでよかったと思った本は最近ないかもしれない。短編集だが、どの作品にも自分を見失わず凛と生きる美しい女性が描かれている。「女性はこうあるべき」という押し付けがましい本なのかとタイトルから早合点していた自分がちょっと恥ずかしい。日本語を母国語としてこの小説を堪能できる幸せに感謝。

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    2016年02月12日
  • 大炊介始末

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    アンデルセンの童話は一作毎に色んな切口の話が盛り込まれているが、この本はまさにそんな感じ
    どれも意外な話の流れで、ほほぉ〜と感心してしまいます
    山本周五郎、あまり読んだことがなかったけれど、他の本も読んでみようと思います

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    2015年11月29日
  • 赤ひげ診療譚

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    男と女の愛憎の話し、人間の悲哀が書かれ、診療のはなしが主体と思ったが大違い。人間の業の深さを感じさせる。非常に感銘深い良書。

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    2015年11月30日
  • ながい坂(下)

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    時代がかわっても人間関係の難しさは変わらず、
    人生を苦しみながら生きていく姿は、共感する。

    今年イチオシの推薦本!

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    2015年10月22日
  • ながい坂(上)

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    時代がかわっても人間関係の難しさは変わらず、
    人生を苦しみながら生きていく姿は、共感する。

    今年イチオシの推薦本!

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    2015年10月22日
  • 大炊介始末

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    樅の木は残ったしか読んだ作品はありませんでした。珠玉の短編集と思います。
    以下、木村久邇則氏の解説から
    満州事変から第二次大戦後、物資統制のため雑誌の統廃合まで行われた時代に作品は発表されたのだそうです。アンドレジット『大芸術家とは、束縛に鼓舞され、障害が踏切台となる。ミケランジェロのモオゼの窮屈な姿を考えたのは大理石の不足による。アイスキュロスのコオカサスに鎖ぐ沈黙。芸術は束縛より生まれ、闘争に生き、自由に死ぬ。』

    下町もの ー「おたふく」◎「こんち午の日」「ちゃん」「落葉の隣り」
    岡場所ものー「何の花か香る」
    滑稽ものー「ひやめし物語」◎
    平安朝もの一「牛」
    武家もの一「山椿」◎「大炊

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    2015年10月02日
  • さぶ

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    名作。
    人間は簡単に人を疑ったり、思い上がったり、何かあると、すぐに不運、幸運と決めつけたり。でも、「お前は気がつかなくとも、この爽やかな風にはもくせいの香が匂っている」に全ての答えがある。
    能力があり、どこにいても一目置かれ、優遇される栄ニ。何をしても不器用でとろく、馬鹿にされるさぶ。この本が問うのは、その事実だけからはわからない本質の部分。
    結末には、ちょっと言葉がでない。
    最後のエッセイと解説もよかった。

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    2015年10月07日
  • ちいさこべえ 1

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    ひさびさにツボる。かわええええ。山本周五郎原作の現代版リメイクという。いちいちおしゃれです。ドラマでありそう。

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    2015年06月03日
  • 日日平安

    別物です。

    椿三十郎と日日平安は別物くらいに考えた方が良いです。
    そもそも、黒澤監督は、日日平安をもとに、コミカルな人情モノとして書いた脚本を、東宝の意向により、三十郎の続編に変えざるをえなかったそうです。
    若い頃、それを知らずに読んで騙された気になったと同時に、あっと言う間に山本周五郎のファンになりました。
    それくらい素晴らしい短編がつまった一冊です。

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    2015年04月28日
  • ちいさこべえ 4

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    清々しいフィナーレ。望月ミネタロウのあっさりとしたセンスのあるコマ割り、間の取り方でメロドラマもくどくならず、爽やかに感情移入できる。原作とは別物に感じるほど読後感が違った。

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    2015年04月10日
  • 日日平安

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    ご存じ「椿三十郎」の原作である「日日平安(にちにち,って読むのね.知らなかった)」が収録された短編集.このお話を原作に「用心棒」の続編を作ろうと考えるなんて,どうかしているが,できた映画は傑作である.「若き日の摂津守」も痛快ですね.

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    2015年04月05日
  • 雨あがる

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    文句無しの5つ星。義理、人情、夫婦愛、親子の情、武士の矜持、優しさ、謙譲の美など。5編の小説が収まっているが、本のタイトルにある「雨あがる」とその続編である「行きの上の霜」は、大切にしたい生き方が描かれていて、特に良かった。格差や対立など不幸なことが多い社会であるが、この本の主人公のように考え行動したいものだ。

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    2015年02月07日
  • 日日平安

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    下町の庶民感、義理と人情、武士の泪、腹ぺこ侍……山本周五郎のいろんな世界が覗ける傑作短編集。むちゃくちゃいい小説です。でも僕はちょくちょくうまく読めない話があって悔しい。また読みたい。

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    2015年01月31日
  • ちいさこべえ 3

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    望月ミネタロウ先生の虜になってしまいました。親を失った子供達のことを一心に庇う茂次の姿がとてもカッコよかったです。あと、りつの髪型がとても好きです。

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    2015年01月29日