山本周五郎のレビュー一覧

  • 裏の木戸はあいている 山本周五郎名品館II

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    国民的作家山本周五郎の珠玉の短編集。選者はあの沢木耕太郎。これが面白くないはずがない。様々なテーマ、舞台。山周の守備範囲の広さには驚かされる。

    直木賞ほか文学賞を全て辞退したという山本周五郎。没後50年が過ぎても今でも多くの作品を簡単に入手することごできる。作品数から言えば司馬遼太郎と並ぶ国民的な作家であろう。

    「ちいさこべ」「法師川八景」「よじょう」「榎物語」「裏の木戸はあいている」「こんち午の日」「橋の下」「ひとでなし」「若き日の摂津守」

    本書は、沢木耕太郎が4巻に9作品ずつ合計で36編の短編小説を選んだもの。さすがにいずれもレベルが高い。映像化するなら「ちいさこべ」が良くまとめられ

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    2022年01月31日
  • おたふく 山本周五郎名品館I

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    名人は名人を知る。紀行文、ノンフィクション作家が選ぶ文豪山本周五郎の珠玉の短編小説。

    本シリーズはあの沢木耕太郎の選んだ山本周五郎の短編小説。
    沢木は全集で全38巻、300編の小説から名作と呼ぶにふさわしい36編を選び4巻の名品館にまとめている。

    本書はその第1巻。あだこ、晩秋、おたふく、菊千代抄、その木戸を通って、ちゃん、松の花、おさん、雨上がる。の9編。

    半分ぐらいは一度は読んだことのあるものだったが、映画になった雨上がるを除き詳し筋は忘れてしまっていた。今回あらためて読み、新たな発見と感動が多数。

    山本周五郎の描く女性。そして貧しくとも懸命に生きる市井の人々。人それぞれの哀しみを

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    2022年01月26日
  • 菊月夜

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    流石の山本周五郎。期待通りの背筋が伸びる小説に加え、現代風エッセイのような短編、ちょっと笑えない皮肉に満ちたものなど、意外性というかバラエティに富んだ作品を楽しめる。幅の広さに驚くが、やっぱり時代物がいいなあ。

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    2022年01月07日
  • 小説 日本婦道記

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    奇遇にも愛媛県旅行中にこの一冊を読む。
    二十三年、は伊予松山でのお話。

    哀しくも美しい武家に生まれた女の話。
    平等叫ぶ現代では受け入れられ難いものも多いものの、自ら律するため、或いは過去の日本を知る縁として、良い一冊だと思った。

    初めて祖先の墓へまいるのに遊山を兼ねるのは不作法だと思う、
    糸車 p121

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    2021年10月14日
  • 柳橋物語・むかしも今も

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    ネタバレ

     江戸時代中期、17歳のおせんは幼なじみの大工の庄吉から「上方へ修行に行くが、戻ってきたら一緒になってほしい」と告げられ、思わず「待っているわ」と答える。庄吉には恋敵がおり、同じくおせんと幼なじみの幸太も彼女を嫁にほしいと思っていた。
     翌年、江戸の町を大火が襲い、逃げ遅れそうになったおせんを助けに来てくれたのは幸太だった。燃えさかる火の中を逃げまどい、とうとう隅田川の川岸に入るが、幸太は「おまえだけは何としても守ってみせる」と言い残して精根尽き果て溺れ死んでしまう。無事に生き延びたおせんは大きなショックを受けて記憶を失い、炎の中で置き去りにされていた赤ん坊ともども親切な夫婦に引き取られる。

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    2021年09月29日
  • さぶ

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    江戸の表具店に弟子入りしたさぶと栄二を見舞う不幸と、それに抗ううちに成長する栄二。周五郎最高傑作、集大成と煽られ読む。なるほど味わい深き一遍です。
    冒頭のシーンから引き込まれる。表題から主人公はさぶだと思いきや、栄二であることが髄分読み進めて見て気づく。最初こそ逃げ出す素振りを見せたさぶだが、終始ぶれない姿勢、自分を、呼び戻してくれたことに対する栄二への恩義を貫き通すし、主人公の栄二はプライドの高さから自分を貶めてくすぶり続ける。石川島でのエピソードも計算され尽くした構成で読み手を引き込む。栄二世間への批判から殻に閉じこもる内情の変化が徐々に現れるところが秀逸。
    綺麗事だけではない、おすえの終

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    2021年09月19日
  • 樅ノ木は残った(上)

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    あらすじ
    伊達家62万石の危機を察知した仙台藩の重臣・原田甲斐(里見浩太朗)が、たった一人で謀略から守る姿を描いた娯楽時代劇。 仙台藩の重臣・原田甲斐は3代藩主・伊達綱宗の放蕩に端を発した混乱の中、綱宗の叔父・伊達兵部の藩乗っ取りの陰謀を察知する。 兵部は幕府老中首座酒井雅楽頭と姻戚関係を結ぶなどして藩内での勢力を徐々に拡大。
    感想
    昔、仕事で涌谷担当をしてたので何か親近感を感じました。惜しい人を亡くした。

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    2021年08月27日
  • 小説 日本婦道記

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    (再読)この四半世紀で価値観がだいぶ変容したように思う。この作品が発表された時代においても賛否両論あったのだが、現代においては更に受け入れがたい諸氏が大半なのではないだろうか...。ただ、私はつつましやかにけなげに生きていきたいと共感してしまうのです。

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    2021年08月23日
  • 雨あがる

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    「深川安楽亭」は今ひとつ好きになれない。周五郎らしい登場人物であるようなないような。陰のある凄みがダメなのかもしれない。正太郎が書いていたら「雲霧仁左衛門」みたいで好きになれたかも。
    その他は文句なし。梅雨が明け「雨あがる」を無性に読みたくなって読み始めた。続編があることを初めて知った。その続編も切なく、気持ちいい。

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    2021年08月07日
  • 日本残酷物語 1

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    難破船を糧としている海辺の人びとがいたことは、現在ではほとんど語られなくなっている。
     福山のそばで日本住血吸虫による被害があったことは現在では場所が特定されないように書かれている。
     からゆくさん、についても書かれているが、これは他書のほうがより詳しい。
     1959年版は、活字が細くて薄く、厚いのが欠点である。

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    2021年08月01日
  • 樅ノ木は残った(下)

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    お家騒動の発端以後、ひたすらに耐え忍ぶことを貫き通した原田甲斐。
    私利私欲のためでもなく、名誉のためでもなく、ただただ伊達藩とそこに属する人々を守るために、彼は進んで悪名を被り、そうすることで黒幕の懐深くへ入り込む。
    分かり合えた友人、同士、家臣たちから白眼視されたり、次々に死に別れる事態に見舞われても、哀しみを押し殺し、黙々と命の襷を拾うに止める。
    全ては黒幕を追い詰めるためだった。
    堪忍・辛坊が、時にもどかしく感じたけれど、凄絶な最期の瞬間にまでそれを貫徹されると、感動だけが心に残ることに。
    「いつの世でも、しんじつ国家を支え護立てているのは、こういう堪忍や辛坊、──人の眼につかず名もあら

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    2021年07月09日
  • 山本周五郎中短篇秀作選集 5 発つ

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    まだまだ続いてほしい

    正直もう少し続いてほしかったか、まぁ贅沢というものか。このシリーズ、ぜひとも他の作家でも企画して欲しい。

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    2021年07月02日
  • 山本周五郎中短篇秀作選集 4 結ぶ

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    この風情たるや

    ときに説教臭いが読後の清涼感たるや、流石の一言である。良質の時間とは山本の作品を読むことだと思っている。

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    2021年07月02日
  • 山本周五郎中短篇秀作選集 2 惑う

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    待望の電書

    何度も読み返した作品集。電書で読めるのは嬉しすぎる。味わいでは紙媒体に負けるが、どこでも作品を堪能できるのは魅力的である

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    2021年07月02日
  • 山本周五郎中短篇秀作選集 1 待つ

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    これよ

    好きな作家はたくさんいるが何度も読みかえす作家は少ない。山本周五郎・池波正太郎・藤沢周平はまさにそんな作家である。

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    2021年07月02日
  • ちいさこべえ 1

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    最高です

    山本周五郎の世界を現代に置き換えて、人情と意地を見せてくれる快作。五人の子供たちも周りの人もリアルで魅力的です。

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    2021年06月24日
  • 大炊介始末

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    周五郎新潮文庫版短編集、木村久邇典氏解説には周五郎の短編ジャンルが大まかにわかるものを選んでいるとのこと。そうですね「×××もの」と分類できます。
    再読ですが、ひさしぶりに周五郎ワールドにとっぷりと漬かりましたので、一編ごとの印象を。

    「ひやめし物語」
    武家の次男三男は跡継ぎになれない、養子に行くか部屋住みで終わるか、肩身が狭いのは現代のパラサイトも同じだけれど、甲斐性があれば何とかなるのであるという話。その甲斐性が古本集めというからおもしろい。
    「山椿」
    二組の男女のもつれあいというと、どろどろしているみたいだけれど、ここにはかしこい知恵とユーモアがあるのです。
    「おたふく」
    女性を信じる

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    2021年05月03日
  • 樅ノ木は残った(下)

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    歴史上有名なお家騒動である伊達騒動を伊達家の国老原田甲斐の眼を通して描かれている。江戸幕府のお家取り潰しの陰謀に晒される伊達藩、それを防ぐ為に原田甲斐の打つ手が奥深い。昭和29年に執筆されたとは思えない程の謀略に富んだエンタテイメントの一級品

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    2021年03月26日
  • 青べか物語

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     山本周五郎 著「靑べか物語」、1964.8発行。著者は大15春、浦安にスケッチでぶらり訪れ、風景が気に入って3年過ごしたそうです。数えの23から26迄。この作品は浦粕(浦安)という根戸川(江戸川)下流の漁師町を舞台にした物語です。著者若き日の体験を小説風にアレンジされてます。青べかってなんだべと思いつつ、浦粕に住むたくましい男たち、女たちの暮らしぶりにぐいぐい引き込まれていきました。さしずめ昭和の初めのディズニーランドのようですw。体も心も素っ裸な女性が印象的です。短編連作、ある意味、異色作品だと思います。

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    2021年03月07日
  • 小説 日本婦道記

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     「人の道」を説く山本周五郎の名作「小説 日本婦道記」、1958.10発行、11話が収録されています。妻たる道(覚悟)を描いた「松の花」「不断草」、母たる道を示した「箭竹(やだけ)」、姑たる道を示唆した「梅咲きぬ」、娘の道を貫いた「糸車」・・・、感動しました。「糸車」「松の花」「不断草」、秀逸です。

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    2021年02月28日