あらすじ
幕府老中・酒井雅楽頭と伊達兵部とのあいだの六十二万石分与の密約。それが、伊達藩に内紛をひきおこし、藩内の乱れを理由に大藩を取り潰そうという幕府の罠であることを見抜いた原田甲斐は、藩内の悪評をも恐れず、兵部の懐に入りこむ。そして、江戸と国許につぎつぎひき起こされる陰謀奸策、幼君毒殺の計略をも未然に防ぎ、風前の灯となった伊達家安泰のため、ひたすら忍従を装う。
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Posted by ブクログ
あーもう!
明日も仕事なのにあーもう!
もう、オロオロしちゃいます
大丈夫なん?
甲斐大丈夫なん?
どんどん孤立していくけど大丈夫なん?
すんごい魅力的な人たちがげしげし離れていくけどほんと大丈夫なん?
甲斐ちゃん大丈夫なん?っていうね
だけど、わいは分かってるからなー
甲斐ちゃんが藩のためにひとり闘ってるの分かってるからなー。゚(゚´Д`゚)゚。(そりゃそやろ)
そして、わいちょっと気付いちゃいました
今村翔吾さんの『じんかん』ってもしかしてこの『樅ノ木は残った』リスペクトなんじゃね?
世紀の極悪人を独自解釈でもっすごい善人に仕立て上げるみたいなん一緒やもん
ベクトル一緒やもん
さすがひまちゃんやな( ̄ー ̄)ニヤリ
Posted by ブクログ
下まで読んでしまったのですが、この主人公原田甲斐の生き方に深い感動を覚えずにはいられないです。最後の感想は下に書くとして、感動を受けた文を書いて終わり。
主人公原田甲斐に仕える丹三郎が、
「『自分の死は御役に立つであろう』と云った。主人のために身命を惜しまないのは、侍の本分ではあるが、だれにでもそう容易に実践できることではない。甲斐は丹三郎を知っているし、彼の性質としてそういうことを口に出して云う以上、そのときが来れば死を怖れないだろう、ということもわかっていた。
―ーだがおれは好まない。
国のために、藩のため主人のため、また愛する者のために、自らすすんで死ぬ、ということは、侍の道徳としてだけつくられたものではなく、人間感情のもっとも純粋な燃焼の一つとして存在して来たし、今後も存在することだろう。――だがおれは好まない、甲斐はそっと頭を振った。
たとえそれに意味があったとしても、できることなら「死」は避けるほうがいい。そういう死には犠牲の壮烈t美しさがあるかもしれないが、それでもなお、生きぬいてゆくことには、はるかに及ばないだろう。」
鬼役(毒見役)に向かうときかない丹三郎に対して、甲斐は言う。
「『人間はかなしく、弱いものだ、景林寺の僧がもし大悟徹底していたら、火中であんなことは云わず黙って静かに死んだことだろう、おそらく従容として、黙って死んだのが事実だと思う、火中にあって、心頭滅却すれば火もまた涼し、などというのは泣き言にすぎない、けれども、その泣き言を云うところに、いかにも人間らしい迷いや、みれんや、弱さがあらわれていて、好ましい、私には好ましく思われる』(中略)『人は壮烈であろうとするよりも、弱さを恥じないときのほうが強いものだ』」
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『樅の木は残った(中)』/★★★★★/甲斐の意外な一面や新八のある意味での成熟が描かれたり、作中の時間の流れが感じられる。下関に対してどう戦っていくのか、下巻は渦中に入っていく展開になりそうですね。
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この作品ほど,私の中でいつまでも余韻に浸れるものはなかった。原田甲斐。この名前に何度胸を痛めただろう。読み進めれば読み進めるほど辛くなる。中では,甲斐の人間らしい部分に触れることが出来る。大鹿「くびじろ」との一戦にこそ,原田甲斐の本音が見える。
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仙台藩の分割を目論む一ノ関側と、それを阻止しようという原田甲斐側との息詰まる頭脳戦が続く。
原田甲斐は一ノ関の懐に入り、内側からその計画を破却しようというのが当初の計画だったはずが、盟友と袂を分かち、妻とも離縁し、たとえ結果がうまく行くにしても、失うものが大き過ぎるような気もして来た。
陰気な描写が続く中、伊達家の家臣でもなく、でも彼らの間を飄々と行き来する伊東七十郎の一本気で明るい性格が、物語に涼やかな風を入れている。彼が主人公でも良かったような。
原田甲斐が何を考えているのか、全容が明らかになることを期待して、最終巻へ。
Posted by ブクログ
中盤は、本筋と絡みながら、登場する婦女それぞれの業を俯瞰した描写も印象深い。この辺りも山本周五郎のひとつの真骨頂か。 “人は壮烈であろうとするよりも、弱さを恥じないときのほうが強いものだ” “いちど思いきめて、少しも迷わずに、それをやりとげることのできる人間は、仕合せだ。” 留めて置きたい語録を胸に、下巻へいざ。
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中巻では主人公の原田甲斐のキャラクターがより明らかになってくる。
くびじろ(大鹿)との対峙の場面では、孤独に身を置きながら(それゆえ)、強い信念を持ち続ける甲斐の心情をよく表しているともいえる。
最終巻(下巻)に向けてサスペンス的に物語は進行していく。
以下引用~
・「人間は壮烈であろうとするよりも、弱さを恥じないときの方が強いものだ」
Posted by ブクログ
読んだきっかけ:古本屋で安かった(3冊280円)。
かかった時間:2/25-2/27(3日くらい)
内容:中巻は、宿老茂庭周防の辞任から、若殿の袴着の祝いまで。
またしてもあらすじを、wikiより転載しましょう。
(wiki「伊達騒動」よりあらすじ抜粋・ネタバレあり)
(ここから中巻)
宗勝は家老の原田甲斐宗輔らと藩権力の集権化を行い、地方知行制を維持しようとする伊達氏一門と対立する。一門の伊達安芸宗重と宗勝の甥にあたる伊達式部宗倫の所領紛争が起こると→
(ここから下巻)
→伊達安芸は幕府に一件を上訴する。
1671年(寛文11年)3月27日、騒動の裁判を行うため大老の酒井忠清邸に原田甲斐や伊達安芸ら関係者が召喚される。
原田甲斐はその場で伊達安芸に斬りかかって殺害する。
だが、原田甲斐も安芸派の柴田外記朝意と斬りあいになった。
原田甲斐は柴田外記によって斬られ、柴田外記もその日のうちに原田甲斐からの傷が元で死亡した。関係者が死亡した事件の事後処理では原田家や兵部派が処罰されるが、伊達家は守られる事となった。
ということで、中巻はあらすじ的には、物語はすすんでおりません。
しかし、不信・疑惑といったドロドロした人間関係は相変わらず地味に大きく動きます。
よく大河ドラマとしてもったなぁ…。
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いや、しかしロシア文学のように同じ人が違う名前で読まれたり、同姓/同名も多いから気を抜けない。そして陰謀が数年スパンで行われ、半年~数年は何もないまま過ぎていく。長大です、素晴らしいです。
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中巻は冒頭が熱く濃厚なマタギ小説になっていたり、甲斐と宇乃の心の交流が若干オカルト気味に感じられたので多少面食らったりもしましたが、伊達騒動を軸としたそれぞれの人物の野望、野心、宿願などがコントラスト鮮やかに描かれているので、夢中になって読み進めることができました。物語の中心から少し離れた位置にいる、言うならば脇役にも多くのページが割かれていて、その部分のドラマも良いです。本筋と脇が絶妙に絡み合い、長篇作品の醍醐味を存分に味合わせてくれます。
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男たちの戦いを見ながらも、黙って仕えるしかない女たちがいます。母であり妻であり娘でありながら、であるからこそ、主君に仕える男たちの犠牲にならなければならない女たち。武家の女の悲しみが淡々と描かれます。
Posted by ブクログ
あっという間に読み終えた感のある中巻。登場人物たちが生命を吹き込まれたというか、知り合いになったという感じでしょうか。未だに、主人公原田甲斐が何をどう見通して行動し、言葉を発しているのかまではわかりません。でも、その目的は理解しているつもり。 今回つくづく思うのは、作家というは普通の頭脳ではないということ。物語と情景描写だけでなく、その場の雰囲気、香り、臭い、人の動きまでを読み手の頭の中に映像化させてしまう、そんな文章を書く人って普通じゃありません。私が江戸時代の風景をこの眼で見ているわけはないので、大河ドラマやその他の時代劇で見た映像が助けになっていることは大いにあるのだけれど、それにしてもすごいものです。想像力を書き立てる文章を書く人はすごい。たくさんの人の思い、人格、駆け引きを一人の人間が創造するというのは、すごいことだと思うのです。これは、今まで小説を読んできて初めて感じたことでした。今までこういうことに気がつかなかった私が鈍なのかもしれませんね。
Posted by ブクログ
時代劇、、、いろんな人がいろんなところで複雑に絡まって、嘘か本当か、敵か味方か、好きか嫌いか、、、本心が分かりにくいなかで、なかなか面白いけど、長いね。。。
Posted by ブクログ
仙台藩62万石の寸断を画策する
敵の中にあえて取り入り
なんとか忍従の原田甲斐
録を頂き配下の民が
幸せに暮らせるように
人から疑いの眼を向けても
平静を装い何がおきるか
じっと観ている忍従のストーリー
山に入り大鹿シロクビとの戦い
誰も側に置かず
自然の中で呼吸する
人間本来の生きる力
もう現代人が持てないものを
求め 再び闘争の中に生きていく
Posted by ブクログ
あらすじ
伊達家62万石の危機を察知した仙台藩の重臣・原田甲斐(里見浩太朗)が、たった一人で謀略から守る姿を描いた娯楽時代劇。 仙台藩の重臣・原田甲斐は3代藩主・伊達綱宗の放蕩に端を発した混乱の中、綱宗の叔父・伊達兵部の藩乗っ取りの陰謀を察知する。 兵部は幕府老中首座酒井雅楽頭と姻戚関係を結ぶなどして藩内での勢力を徐々に拡大。
感想
昔、仕事で涌谷担当をしてたので何か親近感を感じました。惜しい人を亡くした。