あらすじ
あと百日の生命と宣告された武士が、己れを醜く装うことで師の家の安泰と愛人の幸福をはかろうとする苦渋にみちた心情を描く『月の松山』。口論の果てに同僚を斬ってしまった男の子供を身ごもっていた女の、数奇な運命とそれを見まもる周囲の暖かな眼を情感ゆたかに謳った『初蕾』。ほかに『お美津簪』『追いついた夢』『おたは嫌いだ』など、話術の巧みさを存分に発揮した10編を収める。
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Posted by ブクログ
「初蕾」が一番好きです。
時代ものの小説って全然読んだことがなかったけれど胸を打たれる部分がすごく沢山あって、私もこんな心を忘れずにいたい、こんなふうに、強く、潔く、懸命に生きたい、と思います。
Posted by ブクログ
あんまりピンと来なかったです、正直申し上げまして。
一番気になったのは「荒法師」。意識高く時代を生き抜くってことはこれだけの作家をもってしても至難だと痛切に感じます。解説でそうではないと主張していた旨の記載がありますが、無理筋ですもん、素直に考えると。それだけに凡民は慎重に過ぎることはなんだろうと思います。