山本周五郎のレビュー一覧

  • 季節のない街

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    とっつきにくかったけど、インパクトのある作品。
    短編集だけど、同じ舞台で起こっている話。
    戦後の貧民街の話で、くさいものに蓋をせず、ただ在るものを「在るもの」として書かれていた。
    「意見」を描くのではなく、「本質」が描かれていて、作者の考えよりも、読み手がどう考えるかを促す小説だと思う。

    一般に下に見られるような人たちでも、生きてるし生活してる、そんな当たり前に、インパクトがあった。

    良い話でも悪い話でもない。在るものの話。

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    2011年09月02日
  • 日本残酷物語 1

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    日本は昭和の高度成長期が訪れるまでは、ほとんどのときが貧しかったのだ。それゆえ、数々の悲劇が産まれていた。天災や飢饉や流行病があれば、多くの人々は自殺か狂うか仏に縋るしかなかったのだろう。そんななかでも、強く悲しく生きた女性たちがいた。どんなに虐げられても、騙されても生き延びた。そのような話が「はたらく女たち」「遊女」「天草女」の段に鮮明に記されている。現代社会は経済的にはある程度豊かになったが、その反面、人や社会の絆がどんどん弱くなっている。これからどのような社会が待ち受けているのだろうか。

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    2011年08月17日
  • おたふく物語

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    「おさん」がいちばん有名かもしれないが、表題作がいい。会話が落語のように活き活きとして、暖かないい心持ちになる。特に、冒頭からの一段!ここだけで、おしずが大好きになってしまう。その会話の頓珍漢ぶり、お人好しっぷりは、母親を思い出させる。。

    山本周五郎には尽くすタイプがしょっちゅう、呑気なタイプが時々、出てくる。尽くす系は胸に迫るが、正直重たい。呑気物の方が好きだが、運も要領も悪い我が身を思うと嫉妬に似た気持ちになる事も。おたふく姉妹は、そのどちらでもない。

    おしずは忍耐の人だが、自己犠牲の陶酔とは無縁だ。のんきそうに暮らしながら幸せを掴むが、決して苦労なしに手に入れたわけではない。共感でき

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    2011年07月29日
  • 栄花物語

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    よく悪い政治家の代名詞として挙げられる田沼意次の話。現世の評価とは完全に違って、幕府財政の改革者として描かれている。案外こちらのほうが真実味があるかもしれない。
    歴史というのは権力者によって語り継がれていて、ある意味恣意的なものだと思うし、世に言う名君が築き上げた現代がこうして行き詰まっている。実際には今と違う未来を描こうとした人のほうが実際には名君と言われるべき人かもしれない。
    また、いわゆる市民は政治には無関心で、何も変わらないと諦めているのはどこの世界でも不変だ。
    国という単位を個人が実感することはまずないし、政治家もどこまで国のことを考えているか疑問だ。
    そういった意味でも本作はリアル

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    2011年07月25日
  • 柳橋物語・むかしも今も

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    柳橋物語は読んで、むかしも今もが積読←
    学校の宿題で読んだのですが、描かれてる人間の生活がとてもリアルで、日本語も綺麗で面白かったです\(^o^)/

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    2011年07月19日
  • おごそかな渇き

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    相変わらずの庶民の生活を描く山本周五郎。短編集であるが、各お話は最初の数ページはほぼ頭に入ってこない。これは文体が少し古いのと、登場人物が分かりにくいのともろもろの理由があるが。しかし、中盤から終盤にかけてどんどん話が盛り上がってくると内容が俄然頭に入ってきて最後は感動してしまう、というのが自分の周五郎さんの読み方である。基本的に長屋人情物を描く周五郎さんの短編はさほど代わり映えがしないが、この書はバラエティに富んでいた。ちょっと、ホラーっぽいのもあったし。最後の未完成で絶筆した表題の「おごそかな渇き」は長年対峙してきた宗教を扱ったものであるとのこと。さながら現代の聖書を志した著作であったがか

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    2011年06月30日
  • 四日のあやめ

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    再読

    ・ゆだん大敵
    ・契りきぬ
    ・はたし状
    ・貧窮問答
    ・初夜
    ・四日のあやめ
    ・古今集之五
    ・燕
    ・榎物語

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    2011年10月04日
  • 季節のない街

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    極貧の街で生きる人々のそれぞれの喜怒哀楽。色んな意味で生々しく力強く生きている姿に凄みがあります。「親おもい」「とうちゃん」の二つが好きです。

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    2011年05月29日
  • ながい坂(上)

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    読むのに随分と時間がかかってしまった。
    幼いときから達観した主人公が今後どうなっていくか気になる。
    つるがいいキャラクターだと思った。鼻持ちならない部分も多いけれど今後変わっていく気がする。
    強い信念で下の身分から這い上がる主人公とサラブレッドで英才教育を受けたにも拘わらず落ちぶれていく兵部の対比が面白い。

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    2011年05月17日
  • 小説 日本婦道記

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    侍が武士道なら、その妻である女性は婦道を生きる。その生き方が物凄くかっこいい。何度読んでも感度します。

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    2011年04月02日
  • 小説 日本婦道記

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    この本はへたすれば「日本の女は、こうあるべき」などととらわれかねないが、私はそうではなく、うまく言えないが日本人の根源というか、ルーツみたいなものを垣間見させてくれた、「ああ、私は日本人なんだ」と気付かされたと思う。
    読後感はとても清々しいものでした。

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    2011年03月21日
  • 小説 日本婦道記

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    男性にとって極める道が「武道」なら、
    女性は「婦道」なんだなと思えた作品。

    わたしにはまだ遠い道に思える。

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    2011年03月06日
  • 町奉行日記

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    この短編集、やたらと「汚れ役を自ら買って出る」
    登場人物がでてくる話が多い。

    追い腹のための手段、藩の政治を良くする為、
    息子夫婦の仲の為…。
    理由は様々だけれども、汚れ役を自覚しつつも
    その姿勢を突き通す人々には感動せざるを得ない。

    「わたくしです物語」…他人の責任を負うのは果たして
    相手のためになるのかといわれたら微妙。
    解説見て初めて登場人物の名前のもじりに気付く。

    「修業綺譚」…女の人って怖いね。新しい形のSM(笑)

    「町奉行日記」…主人公は町奉行という役職に就きながらも
    治安の悪い城下町の郊外へと遊びに向かい、
    奉行所に一度も通うことなく結果的に家臣の悪習を正す。
    これぞ大衆

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    2011年02月16日
  • 天地静大(上)

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    東北の小藩の侍である杉浦透を通して、江戸幕府最後の動乱時代に生きる若者たちの迷いや不安など、彼らの等身大の姿を描く。
    政治思想を実現に向けて熱く燃えた人達から一歩離れた人々を描いており、物語に大きな盛り上がりはないにも関わらず、時流に翻弄されながらも必死に生きようとする姿は感動させられる。
    世の中を動かすものは一部の人間の信念などではない・・・
    作者の思いを丹念に練って作られた一作なのではないでしょうか。

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    2011年01月15日
  • ながい坂(上)

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    ネタバレ

    もんどのしょうの努力の連続とその知性と能力を見出した国主の藩の改革物語。史実ではないが、多くの脇役がそれぞれ良い味が出ていて飽きない。利己を捨て自己犠牲を厭わない勇気と純粋な使命感が無ければ大きな改革を成し遂げる事はできないだろう。ものどのしょうの苦悩がまた非常に良く描かれている。思春期と若手が読むべき人生の1冊。

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    2011年10月04日
  • 樅ノ木は残った(上)

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    伊達騒動の内に潜む大名取り潰しの陰謀を、たった一人で対峙した国老「原田甲斐」を通じて描いた山本周五郎の大作。
    新八というどうしようもない人物が登場するが、彼が苦悩しつつも自分の生き方を見つけていく姿が描かれる。
    原田甲斐以外の人物の生きざまが描かれることで、原田の苦悩がより際立っているようだった。
    幕府が描く陰謀の深さを推理小説のように、原田やその周辺の人々の生きざまを人間小説として、非常に楽しく読ませていただいた。
    大衆文学に生きた周五郎の快作。
    ありがとうございます。

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    2014年10月28日
  • 日日平安

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    中学校の恩師から頂いた本です。
    ファンタジー好きだった当時は5ページも読んだら飽きてしまって、今の今まで放っておいてしまいました。

    大学生になった今しっかり読んでみて、とても良い本でした。頂いてよかったなぁと、改めて思いました。

    江戸時代(幕末)が舞台の短編集です。偉人の話とかそういう歴史物ではありません。(日本史の知識が中学生レベルなのではっきりとは言えませんが…)

    それぞれの話で好き嫌いなど差がありましたが、じーんとくるような感動がたくさんありました。

    侍などが登場するような時代ものは初めて読みましたがとても良いものでした。
    もっといろいろ読んでみたいと思います。

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    2010年12月18日
  • 寝ぼけ署長

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    人情味溢れるキレものの、ぼけた署長。私は、やはりこんな人と人との物語がすきだ。周五郎ならでわの、柔らかく情緒ある本だ。

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    2010年12月05日
  • おたふく物語

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    江戸の町の人情物。美しい姉妹愛が作品のすみずみまで感じられます。今でいう問題児の兄をもつ姉妹。年老いた父母の面倒をみながら、兄のために二人はお嫁にもいけずひっそりと暮らしていました。お互いに好きな人がいるのですが、家庭の事情もあり結婚はできないとあきらめていました。しかし…。
    お互いを思う姉妹愛に、やはり最後はハッピーエンドです。

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    2017年11月09日
  • 日日平安

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    「末っ子」での主人公に対する周りの評判の挿入が、
    ちょっとしたトリックになっていて良かった。

    確かに家族の皆が
    「あいつ(主人公)は誰誰に甘やかされて育った」
    って言い合ってたら、
    実際は誰も主人公を甘やかしてないことになるわな。

    他は「若き日の摂津守」や「しじみ河岸」
    なんかが好きでした。

    前者の「若いころからよだれを垂らす訓練をしてきた」
    設定を著者の他作品で見たような気がする。デジャブか。

    後者は「寝ぼけ署長」の雛形っぽい。
    どっちが昔の作品かは知らんが。

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    2010年09月06日