山本周五郎のレビュー一覧

  • 人情裏長屋

    Posted by ブクログ

    11の短編の中のひとつ「風流化け物屋敷」は山本周五郎さんという作者はこういうものも書くんだなあと嬉しくなりました。
    化け物にまるで動じない世間知らずの侍と、恐いもの大好きな娘の交流が何とも微笑ましくゆったりとして良い。
    読み始めた時はなにか落語の「化け物つかい」のネタになった話かななどと思っていましたが、じつは化け物は・・という話。

    0
    2016年02月05日
  • さぶ

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    題名はさぶだけど、主役はさぶじゃない?
    素直だけど、要領があまりよくないさぶと、手際はいいが、自分でも少し持て余すぐらいのプライドとちょっぴりのやんちゃ度を持つ栄二は同じ店で働く親友同士。
    どちらかと言うと、栄二を主役に物語は織られていく。

    栄二は或る時、無実の罪を着せられて、店を放免となってしまう。心の底から心配するさぶを横目に、プライドが邪魔をして世間をうまく渡りきれない栄二。意地を張りとおして、最終的に、人足寄せ場で働くこととなる。

    最初は長年働いた自分の話を聞く事も無く自分を駆逐した店の関係者を恨んだり、目付を恨んだりするが、同じく社会からのはみ出し者が集められた寄せ場での経験を踏

    0
    2023年03月02日
  • ながい坂(下)

    Posted by ブクログ

    一人の男の半生を丁寧に描いた作品。娯楽の時間をとしては良かったですが、少し主人公との距離ができてしまい、深く主人公の思考に耽るようなことはなかった。

    0
    2015年12月06日
  • 扇野

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    全て男女の愛を書いた短編集.
    「滝口」は台詞がストレートでは無く,かなりじっくり読み込まないと分かりにくいのだが,それもそのはず,周五郎大先生のかなり晩年の作である.言葉の持つ重みが違う.

    0
    2015年11月16日
  • 日本残酷物語 2

    Posted by ブクログ

    忘れられた土地。
    島に生きる人々と、山にうずもれた世界と、北辺の土地。

    島にしても、山にしても、北辺の土地にしても、よくもまあそのような場所で生きてきたのだと驚くような描写が続きます。
    山に関しては、私の先祖の話も出てきて、興味深く拝読。
    知ってはいたけれど、やはり先祖は里に暮らす人々からすれば得体の知れぬ、疎ましい存在だったようです。

    昭和も終わり、平成も27年。
    本書に書かれていることは、外国のことであるかのように、描写されていることを頭に描くことが難しい。

    0
    2015年11月01日
  • 松風の門

    Posted by ブクログ

    短編集。
    山本周五郎は老後まで取っておくつもりだったが、中年にして読み出してしまった。
    まぁ、最近記憶力減衰しているので、四半世紀後には忘れていることでしょう。

    0
    2015年10月27日
  • おごそかな渇き

    Posted by ブクログ

    表題作の「おごそかな渇き」は山本周五郎の絶筆で,朝日新聞に連載中に亡くなってしまった.宗教を取り扱っているのだが,途中で終わってしまっていて続きが読めないのがとても残念だ.
    他の作品は,生きる気力を無くした武士の前に住み込みの田舎娘が現れる「あだこ」,家康主催の馬くらべにあばら馬で出場する「紅馬月毛」がよかったかな.

    0
    2015年10月07日
  • ならぬ堪忍

    Posted by ブクログ

    数年前、先輩に勧められていた山本周五郎の作品を初めて読んだ。戦前の13の短編集だが、どれも凛とした生き様を描いた作品ばかりで、読後感はスッキリ。なかでも、「新三郎母子」が良かった。これからも、好きな作家として多数の作品を読んでいきたい。

    0
    2015年09月27日
  • 日本残酷物語 1

    Posted by ブクログ

    以前から気になりつつ、ようやく読めました。

    日本、というものが、分かるようで分からない。
    この本を読めば、一端でも掴めるかと思ったけれど、余計に混乱してしまったかもしれない。
    読み終わったばかりで、頭の中で処理されるのに時間がかかりそうです。

    ただ、読む価値はある。と、自信を持って言える一冊でもありました。

    0
    2015年09月15日
  • 樅ノ木は残った(上)

    Posted by ブクログ

    読み終わった第一声の感想は、静かな男性はかっこいい。
    主役の原田甲斐は、悪人として有名らしいが、私はそういった演目を知らずに読んだ。
    この本では、悪人どころか、どこまでも自分を耐え忍び伊達家に尽くす忠臣。

    伊達家の内部崩壊を狙う、幕府から延びる魔の手。
    盟友2人と約束をし、原田は敵の懐に入って、切り崩す役を演じ尽くす。
    そのあまりの飄々ぶりに、盟友からも疑念を抱かれることもあり、また仲良かった面々にも背かれ、その仲間が犠牲となって死ぬのを黙って見過ごしたり、盟友に先立たれたりとすごく辛い役柄である。

    感情はあまり表情に出ず、冷静でありすぎるため、彼に恋愛感情を持つと辛い男性だと思った。

    0
    2015年08月25日
  • ちいさこべえ 4

    Posted by ブクログ

    嫌いではないよ。

    むしろ大好物。

    独特な「間」をコマ割りで表現し、独特なカット割りが味を深める!

    しかし、独特だからこそどんな人に勧めればいいのか非常に悩む...

    0
    2015年08月17日
  • 月の松山

    Posted by ブクログ

    疲れたときは山周。「人間を信じよう」って気になるよ。初期の作品で、類型的な感じはあるけどやっぱり泣ける。

    0
    2015年08月09日
  • ちいさこべえ 1

    Posted by ブクログ

    でてくる小物や服装やなんやかやが、やたらめったらオサレで望月ミネタロウかわゆー♡と思ってしまったのでした。

    0
    2015年06月14日
  • 小説 日本婦道記

    Posted by ブクログ

     先日、山本 周五郎 氏による「小説日本婦道記」を読み終えました。
     会社の同僚の方のお勧めでお借りして読んでみました。こういう形で手に取る本は、通常の私の視野の外になるものなので、楽しみも増しますね。
     1958年出版の本ですが、タイトルの「婦道」という言葉は新鮮です。
     実を言えば、山本周五郎氏の作品を読むのはこれが初めてでした。もちろん、有名な時代物の作家であることは知っていましたが、この作品は確かに面白いですね。
     今更ながらではありますが、いろいろな意味でとても新鮮なインパクトがありました。

    0
    2015年05月23日
  • 赤ひげ診療譚

    Posted by ブクログ

    現代でも響く内容だった

    映画が気になった。

    畳は湿気を塵埃の溜まり場、畳替えや掃除をしないとかえって不潔、板敷きはその点が大丈夫。痛いが。

    0
    2018年11月25日
  • 深川安楽亭

    Posted by ブクログ

    『あすなろう、だなんてね』

    私は好きだった。意地悪じゃない時代小説は大好きだ。如法闇夜のとこの世は。

    0
    2015年05月04日
  • 松風の門

    Posted by ブクログ

    山本周五郎を立て続けに読んでるのだが,僕の好きなのは下町物より武家物だな.ただし本書の中での一番のお気に入りは「鼓くらべ」である.鼓くらべで相手を打ち負かすことしか頭になかった娘が本当の芸術の意味に気がつくおはなし.「醜聞」は武家物なのだが,話の骨幹は実は「鼓くらべ」と同じである.

    0
    2015年04月05日
  • 彦左衛門外記

    Posted by ブクログ

    数ある山本周五郎作品の中でもとびきりの異色作

    裏表紙のあらすじを読むと、「抱腹絶倒の異色作」なんて書いてあったので滑稽ものなのだろうなと思って読み始めました。有名な長編作では人の生きる姿勢を問いかけるような真面目な作品が多い山本周五郎ですが、短中編の中には風刺の効いた作品や笑えるような作品もかなり多いです。ただ、そんな中でもとびきりの異色作でした。

    解説にも指摘がありました。

    たぶん『彦左衛門外記』に接した多くの山本周五郎ファンは、おやっとはじめ思われたに違いない。これは自分が愛読し、なれ親しんで来た、いつもの山本周五郎とは違うと。

    まさにその通り。周五郎作品を読んでる人ほど感じる違和

    0
    2015年03月15日
  • 人情裏長屋

    Posted by ブクログ

    人情物って言うのでしょうか、江戸時代、長屋が舞台の短編集

    亡き妻の面影をおって生きている孫次郎さんのお話「おもかげ抄」が良かったかなぁ

    変な幽霊と同居するお話や、捨て子を育てるお話など、色々あって楽しめました

    0
    2015年01月29日
  • 人情武士道

    Posted by ブクログ

    山本周五郎入門。
    しぐれ傘収録。いつの時代にも義理人情がある。
    武士のように毎日を真剣に生きているだろうか。

    0
    2015年01月08日