山本周五郎のレビュー一覧

  • ちいさこべ

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    ちいさこべ目当てで買った、が、ちいさこべ以外の3作品がそれぞれ新鮮に楽しめた。初めは文体が読みにくいと思ったが慣れると苦にならない。あとの三作品は現代とほぼ変わらぬ文体、読みやすい。時代小説にはハッピーエンドがつきものと思っていたが、こういうのもあるんだ。

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    2014年09月02日
  • 青べか物語

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    浦粕町の、決して上品ではないが懸命に生きる人々の姿がよかった。
    特に好きなのは「家鴨(あひる)」の章である。増さんが自らの行いを悟ったところが、すごくよかった。

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    2014年08月19日
  • 日本残酷物語 1

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    「昔の日本は牧歌的で良い時代だった」「最近の世の中はイヤな事件が増えている」という考えの対極にある事実・歴史を口承で記述している。

    初版は1959年に刊行された。宮本常一、山本周五郎などの複数の執筆者が、日本全国の市井の辛苦に満ちた人生をヒアリングした記述。

    各地方の方言で語られる、窮民、殺戮、略奪、乞食、堕胎、鉱山で働く女性、遊女、女衒、飢饉などに関するストーリーは迫力がある。

    とりわけ、盲目の馬喰の一代記「土佐檮原の乞食」、山梨の上野原の「おせいばあさんの話」、明治時代のシンガポールを本拠地に活動していた「女衒 村岡伊平治伝」は面白い。

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    2014年08月07日
  • 酔いどれ次郎八

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    ラストの現代(戦前)ものは入れなくてよいというか不要。興趣も削がれるし出来も良くなく、読後感が落ちる。それ以外は流石という感じの江戸ものの短編集。ちょっと読みやす過ぎる感もあるけど、これもまた一味ですな。

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    2014年08月03日
  • 小説 日本婦道記

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    現代にはない夫婦や生活のあり方なのに、スラスラと読め心打たれました。松の花、梅咲きぬ、糸車、風鈴、墨丸が好きです。最後の二十三年は終わり方が…でもこれも一味違ってていいです。特に風鈴は、良い言葉があり、声に出して読みじっくり味わいました。

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    2014年06月06日
  • 生きている源八

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    秀作多し。

    新女峡祝言
    立春なみだ橋
    豪傑ばやり
    いきている源八
    虎を怖るる武士

    特に後半はどれも良かった。

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    2014年06月04日
  • 日日平安

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    一介の浪人が藩の騒動を飄々と片づける標題作。他の短編は人の根底にある真実の悲しみや、ささやかな喜びを描いていて、型にはまった武士道とかより惹きつけられる。

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    2014年04月28日
  • 山彦乙女

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    江戸三代将軍の頃に役人の家に生まれた安倍半之助は、幼い頃に叔父から甲府の武田にまつわる不思議な話しを聞いた。その叔父は甲府で行方を失った。武田家の再興をもくろむみどう家の長女、天真爛漫な妹、再興の為の財宝、江戸役人生活を嫌って甲府に逃げる半之助。それらがひとつのロマンをつくる。文中に語る半之助の言葉は、山本周五郎の人生観か。

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    2014年04月12日
  • ちいさこべ

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    表題作は望月ミネタロウの漫画「ちいさこべえ」の原作。大火で両親を失った大工の若棟梁の了見・心意気がすがすがしい。この短編集ではいずれも厳しい試練に見舞われた個人が主人公であり、自我と理想への目覚めが救いとなっている。

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    2014年04月07日
  • ひとごろし

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    「ひとごろし」
    上意討ちという武家物にはよくあるテーマなんだけど、ひと味違う良い出来。

    「裏の木戸はあいている」
    テーマは”無償の奉仕” 周五郎がたまに、というか後期に良くテーマにあげてるものなのかな。この命題は現代社会とか、自分の日々の生活に置き換えて考える価値があると思う。

    その他は、「女はおなじ物語」「改訂御定法」が良かった。

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    2014年03月26日
  • おごそかな渇き

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    「将監さまの細みち」
    「かあちゃん」
    など下町ものが良い感じ。

    「あだこ」も「雨あがる」も良かったし、
    武家物も読み味強いのが多くて良かった。

    全体的に佳作が多くて良いんですが、
    絶筆作品「おごそかな渇き」の印象が強い。重い。
    この先どうやって展開するつもりだったのか分かりませんが、
    良い作品になってただろうなぁ。

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    2014年03月26日
  • やぶからし

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    「入婿十万両」
    「蕗問答」
    「避けぬ三左」
    「「こいそ」と「竹四郎」」
    が良い。

    周五郎的な抑圧と葛藤が描かれているのは、
    「やぶからし」「菊屋敷」

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    2014年03月26日
  • 小説 日本婦道記

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    この人生観、今の女性には案外受けるのかも。

    私の周りにはいないけど女性として、こうあって欲しいという人間が描かれている。また、男も、しんが一本通っていて、こういう男がいたから、明治維新も成功したのだし、近代日本の発展もあったのだなと痛感した。

    人の気持ちを思いやる大切さを作者は強調したいのでは。

    いずれにしても読後感は満ち足りていて、また周五郎の世界に浸りたいと思った。

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    2014年03月15日
  • 柳橋物語

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    ネタバレ

    コミュニティの中での、ウワサと思い込みで、大きく人生を左右されてしまう。 情報ツールが発達していなかった、江戸の下町の話だが、情報ツールが発達している、今でも、ウワサと思い込みに悩まされているのは変わらない。 と思わさる。

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    2014年03月10日
  • 扇野

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    夫婦って素敵だなぁと思いました。表題作よりも「夫婦の朝」と「めおと蝶」が好きです。カッコイイ旦那さんと可愛らしく貞淑な妻という感じが良いです。
    最初は男が書くにしては男性キャラが格好良すぎると思ったのですが、男が書くからこそかもしれません。寡黙で普段は愛想の欠片もないけど決めるところでは決める、というような男女問わず誰から見ても良い男だなぁって思うキャラが多い。女性作家が書いたらこんなキャラクターは描けないかもしれません。
    逆に作中の女性は素直で従順過ぎるかなと思うこともしばしば。細かいところでは読む性別によって思うことが違うかもしれません。でも、夫婦って、結婚するって良いなぁと思わせてくれる

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    2014年03月01日
  • 樅ノ木は残った(上)

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    史実の「伊達騒動」を題材にした創作。
    代表作とも言われる本作の魅力は「史実と異なる人物像を中心に据えながらも、題材を破綻させずに活かした事。そして、主人公(原田甲斐)を通して人間の本質を描いた事」だと思います。
    本作は、上・中・下巻という長編なので、登場人物の様々な側面が描かれており、武士という生き方に翻弄されていく人々をリアルに感じる事が出来ます。そして、そこから浮かび上がる、当時の武士が持つ死生観と主人公が持つ死生観の違いにも面白みがあります。
    また、主人公に多くを語らせず仕草や目の動きだけの描写をする事で、読者なりの解釈を入れる余地を残しているのが非常に嬉しい。
    緻密な創作の世界で、読者

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    2014年02月25日
  • ちいさこべえ 2

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    ネタバレ

    意地っ張りで口下手な棟梁茂次が、大留再建のため今巻もがんばる。しかし引き渡し前の家が燃えてしまい・・・という2巻。

    「どんなに時代が変わっても、人に大切なものは人情と意地だぜ」を地でいく話。

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    2014年02月08日
  • おさん

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    山本周五郎の短篇集。
    いいっす。
    どのお話も、つい引き込まれて読んでしまいます。
    この魅力、どこにあるのでしょうか。
    語り口のうまさ、ストーリー展開の巧みさ、いろいろあるでしょうが、何より書いている人の「人間というもの」に対する確かな見識があるからでありましょう。
    いいっす。

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    2014年01月27日
  • ちいさこべえ 1

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    原作のテンポと望月さんのテンポがちょうどいいのだろうか?あの話をきっちり現代版にアレンジしていて斬新。

    原作でもおりつはかわいい奴ですが、こっちもいいですね!

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    2014年01月20日
  • ちいさこべ

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    ちいさこべ、いい話だ!強情だけど、人情味溢れる茂次が素敵。最初は茂次のわからずやっぷりにやきもきするが、一本筋が通った人はやはり格好よく見えるものだと感じた。

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    2014年01月20日