山本周五郎のレビュー一覧
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「落ち梅記」
武士の審議と友情。
「寒橋」
時三とお孝。
父の世話をする奉公人おたみは、父が亡くなり、体調を崩し実家へ帰ると子供を産む。
世間も妻も時三が間違いを起こしたと疑わず、本人の時三もそれを認めるが、実は…。
「人情裏長屋」
抜群の件の腕前を持ちながら裏長屋に住み四六時中飲んだくれる浪人松村信兵衛。
その長屋に移り住む子連れの浪人が、ある日子供を預かってほしいという。しかたなく信兵衛が育てることにするが、また子供を返してほしいと戻ってくる。
「なんの花か薫る」(再読)
喧嘩して娼家に逃げ込んできた武士、江口房之助をかくまったお新、房之助に一緒になりたいと言われたことを本気にし、最 -
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「山本周五郎」の連作時代小説『小説日本婦道記』を読みました。
ここのところ「山本周五郎」の作品が続いています。
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千石どりの武家としての体面を保つために自分は極端につましい生活を送っていた「やす女」。
彼女の死によって初めて明らかになるその生活を描いた『松の花』をはじめ『梅咲きぬ』『尾花川』など11編を収める連作短編集。
厳しい武家の定めの中で、夫のため、子のために生き抜いた日本の妻や母の、清々しいまでの強靱さと、凜然たる美しさ、哀しさがあふれる感動的な作品である。
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1942年(昭和17年)6月か -
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「山本周五郎」の短篇時代小説集『山本周五郎名品館Ⅲ 寒橋(さむさばし)』を読みました。
『山本周五郎名品館Ⅰ おたふく』に続き、「山本周五郎」の作品です。
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生涯、膨大な数の短編を遺した「山本周五郎」。
短編選集決定版の第三巻(全四巻)
武士の、同輩への友情と、許婚への断ち切れない愛情との葛藤を描く『落ち梅記』。
浪人の、赤ん坊に対する人情が愛情に変わっていくプロセスを描く『人情裏長屋』。
長屋住まいの一家の、究極の人情ともいうべきものを描く『かあちゃん』。
亭主への、また父の娘に対する「情」の交錯がドラマに複雑さを与える『寒橋』。
ほか、『 -
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「山本周五郎」の短篇時代小説集『山本周五郎名品館Ⅰ おたふく』を読みました。
久し振りに時代小説を読みたくなったんですよね。
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生涯、膨大な数の短編を遺した「山本周五郎」。
没後五十年を経た今なお、読み継がれる作品群の中から、選びに選ばれた名品。
短編傑作選の決定版!(全四巻)
第一巻に収録するのは、「周五郎」が日本女性の最も美しく貴い姿を集約させたともいえる『松の花』、その対極にある自らの性に翻弄される女『おさん』、酔っ払いだが腕のいい職人の父親を描く人情ものの傑作『ちゃん』、ほか『あだこ』、『晩秋』、『おたふく』、『菊千代抄』、『その木戸を -
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(山本周五郎ファンではなく、少年小説好きの感想です)
表題作「少年間諜X13号」に感じる寒々しさ、一種の凶気は果たして意図的な皮肉なのだろうか。
それとも「"時代の熱狂"」に流されたものなのだろうか。
「少年間諜~」では少年兵たちが自らの命を捨てて戦う。
主人公率いるのは死を厭わない少年兵だけの部隊だ。
「一人残らず死ぬんだ」は主人公が仲間を鼓舞する言葉である。
また後年「特攻」と呼ばれる、捨て身決死の戦術も描かれる。
狂気と熱気。愛国ありきの理不尽と無茶。始終それが続く。
「でも戦前ならそんな感じなのでは…?」と思われるかもしれないが、本作とほぼ同年(昭和9年)に書か -
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頭がよく経師屋としてもうでのたつ栄二と不器用て愚直なさぶの青春の描いた作品。
無実の罪をかぶった栄二のひねくれ加減が半端なく、意固地なまでに復讐心に囚われてしまうが寄場での人の親切に触れ次第に大人になっていく様は現代の若者の頑固さと幼さ、人との関わりを通して成長していく道筋と何ら変わりはないなと思いながら読んだ。
栄二を好いているおのぶが「亭主が仕事にあぶれたとき、女房が稼いでどうして悪いの、男だった女だっておなじ人間じゃないの、この世で男だけがえらいわけじゃないのよ」と仕事がなく女房のおすえに内職をさせていることをぼやいた時にいった言葉も女性である私には印象的な言葉だった。 -
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山本周五郎の短篇小説集『あんちゃん』を読みました。
『編傑作選4 しづやしづ』、『花杖記』に続き、山本周五郎の作品です。
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妹に対して道ならぬ行為をはたらき、それを悔いてグレていった兄の心の軌跡と、思いがけぬ結末を描く『あんちゃん』。
世継ぎのいない武家の習いとして、女であるにもかかわらず男だと偽って育てられた者の悲劇を追った『菊千代抄』。
ほかに『思い違い物語』『七日七夜』『ひとでなし』など、人間をつき動かす最も奥深い心理と生理に分け入り、人間関係の不思議さを凝視した秀作八編を収録。
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昭和10年