山本周五郎のレビュー一覧

  • 松風の門

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    山本周五郎の短篇小説集『松風の門』を読みました。
    『日日平安―青春時代小説』に続き、山本周五郎の作品です。

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    幼い頃、剣術の仕合で誤って幼君の右眼を失明させてしまった俊英な家臣がたどる、峻烈な生き様を見事に描いた“武道もの”の典型「松風の門」、しがない行商暮しではあるけれども、心底から愛する女房のために、富裕な実家への帰参を拒絶する男の心意気をしみじみと描く“下町もの”の傑作「釣忍」、ほかに「鼓くらべ」「ぼろと釵」「砦山の十七日」「醜聞」など全13編を収録する。
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    1940年(昭和15年)から196

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    2022年11月03日
  • 四日のあやめ

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    足かけ16年の発表年代順に並べた中編集。ふだん時代小説は読まないが楽しめた

    読みかけで20年くらい放りだしてあったのだが、冒頭の『ゆだん大敵』はよく覚えていた。日頃は昼行灯でいざとなるとすごい剣士だとか、おじさんのファンタジーだけれど

    気に入ったのは『貧窮問答』。主人公にはこれでいいのかと突っ込みたくなるが、それでもなお爽快である。あとは『燕』。よい技巧だと思う

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    2022年11月03日
  • 赤ひげ診療譚

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    大長編「樅ノ木は残った」しか読んでなかったので、有名な「赤ひげ」を読んでみた。
    赤ひげ先生と見習い医保本登の関係がよい。

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    2022年10月01日
  • おさん

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    そういう身体、そういうこと、ってどういう体のどういうことだ?
    と思いつつ読み進めたところ、うーん
    記憶も心もどこかへ吹っ飛んで、完全なるあへあへ状態になり、わからない男の名を呼んでしまうとか言う女の「からだの癖」だと。
    いやこれ普通に考えれば演技だし、本当とすればある意味脳の欠陥だし。
    これを小説にしてしまって、世の男たちは「こんな女がどこかにいるのだ」と憧れちゃうわけで、まあねー周五郎もしてやったりのニタニタかもしれんけども。
    別にそんな体でなくたって、忘れられず人生を狂わしてしまう異性は存在すると思うのよ。むしろそこに限定する設定にすれば書く場合には簡単かもね、なんて穿ったことも思いました

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    2022年09月15日
  • 虚空遍歴(下)

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    最後まで読むことに苦痛を感じるほど。
    でも、読後感は悪くない。
    芸術を生み出す人間でなくて良かったという思いです。

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    2022年09月12日
  • 四日のあやめ

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    江戸時代の人々の生き様を書いたフィクション。
    この著者の作品は初めて読んだような気がするが面白い。武士であれ庶民であれ、悲哀の中でも真っ直ぐに生きていこうとする姿が印象的。第二次世界大戦の戦火をくぐり抜けた著者が戦後に書いた作品であることを解説で言及されているが、なるほど、その体験が作風に出ているのかもしれない。

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    2022年08月28日
  • おさん

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    山本周五郎の短篇時代小説集『おさん』を読みました。
    『寝ぼけ署長』、『五瓣の椿』、『赤ひげ診療譚』に続き、山本周五郎の作品です。

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    純真な心を持ちながらも、女の“性”ゆえに男から男へわたらずにはいられないおさん――世にも可愛い女が、その可愛さのために不幸にひきずりこまれてゆく宿命の哀しさを描いた『おさん』。
    芸妓に溺れ込んでいった男が、親友の助力で見事に立ち直ってゆくまでを描いた『葦は見ていた』。
    “不思議小説”の傑作『その木戸を通って』。
    ほかに『青竹』『みずぐるま』『夜の辛夷(こぶし)』など全10編を収める。
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    2022年08月11日
  • 寝ぼけ署長

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    山本周五郎の連作ミステリ短篇集『寝ぼけ署長』を読みました。
    山本周五郎の作品は今年2月に読んだ『柳橋物語・むかしも今も』以来ですね。

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    “寝ぼけ署長”こと五道三省が人情味溢れる方法で難事件を解決。
    周五郎唯一の警察小説。

    五年の在任中、署でも官舎でもぐうぐう寝てばかり。
    転任が決るや、別れを悲しんで留任を求める市民が押し寄せ大騒ぎ。
    罪を憎んで人を憎まず、“寝ぼけ署長”こと五道三省が「中央銀行三十万円紛失事件」や「海南氏恐喝事件」など十件の難事件を、鋭い推理と奇抜な発想の人情味あふれる方法で次々解決。
    山本周五郎唯一の警察小説。
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    2022年07月31日
  • 樅ノ木は残った(下)

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    山本周五郎作品を初めて読んだ。

    伊達騒動の真実は置いといて、歴史小説として面白かったけど、共感することが難しい壮絶な価値観でもあった。

    大藩の改易ともなれば、数万人の武士が失業するわけで、その事態を十数人の犠牲で防いだ、という意味では利他的な美談であることは間違いない。

    しかしながら、『御家の為』と言われると、現代の価値観からすると、そこまでして守らないといけないほど伊達家はエライのか?とどうしても感じてしまう。

    また、原田甲斐が汚名を被って死ぬことで、本当に仙台藩が安泰となる確証があったかというと、かなり分が悪い賭けだったのではないだろうか。ラストの修羅場具合からすると、仙台藩に自治

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    2022年07月01日
  • つゆのひぬま

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    ネタバレ

    亡父の蔵書より。
    初山本周五郎。氏の名は作家としてよりもネスカフェのCMでまず耳にした。

    かつてはなにがあろうともこの種の作品を手に取るような読み手ではなかったが、機会があれば読むくらいの活字廃にはなったようである。
    近頃強いて読むようにしてみた文学作品も、題材そのものには興味がなくとも、文章の美しさやおもしろさで惹かれることもあると知った。本書も、そのように読めた。

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    2022年06月25日
  • 樅ノ木は残った(中)

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    原田甲斐が伊達宗勝の陰謀阻止の真意を隠してひたすら雌伏の時を続ける巻。さて、最終巻ではどんなドラマが待つのか。

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    2022年06月25日
  • 樅ノ木は残った(上)

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    ジョージ•オーウェルの『動物農場』の、開高健による解説の中で、日本では珍しく成功したといえる政治小説、としてこの作品が言及されていたので、気になって読み始めた。まだ、中と下が残っていて、とても長い。

    人名が長くて、かつ館の所在地も含めて、呼び方が3〜4種類くらいあるので、ぼーっとしてるとスジが分からなくなる。(例、主人公の原田甲斐宗輔は船岡に館があって、原田、甲斐、船岡、と場面によって呼び名がちがう。)ロシア小説よりはまだましか。

    肝心のお話としては、家藩を守るために、『敵を欺くにはまず味方から』の精神で、理解されない辛さに耐えつつ、布石を打ち続けるところまで。

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    2022年06月18日
  • ながい坂(上)

    ネタバレ

    若い頃は大好きな作品だった
    しかし最近読み返してみたら、主人公の余りの人間味のなさにちょっと辟易してしまった
    両親や兄弟、同僚、恩師、愛人、妻
    それぞれの切り捨て方が酷い
    お人好しでは務まらぬ厳しい道を歩んでいたのは理解出来るが、だからといって人としてどうなのかというレベル
    主水正は長い間立派に留守宅を守っていた妻のつるの意思などおかまいなしに、未練がでるからと子供を作らない事に決めている
    愛人との間には二人も子供を作っていたのに可哀想すぎるだろ
    主君以外には自分の生き方を絶対人に左右させないのを若い頃はかっこいいと思っていたのだが、やはり年を取るとそんな人間と関わってしまった周

    #深い #怖い

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    2022年09月30日
  • 雨の山吹

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    ネタバレ

    青空文庫で「四年間」のみ読んだ。
    戦時中後の時代を背景としたとある男女の話で、死を宣告された男の鬱屈とした感情の描写が良かった。

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    2022年04月08日
  • 山本周五郎 作品集 三

    匿名

    ネタバレ 購入済み

    松の花  奥方が亡くなってから知る
    苦労や優しさが心に沁みました。

    おさん  私には途中で読む気が失せてしまって
    やめてしまいました。

    雨あがる 武士にとっての士官がいかに難しく
    大変なのか、あまりに出来すぎると疎ましく思われたり
    でも最後に奥方が理解してくれてる事が分かり
    良かったです。

    #深い #切ない

    0
    2022年03月02日
  • 樅ノ木は残った(下)

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    あらすじ
    伊達家62万石の危機を察知した仙台藩の重臣・原田甲斐(里見浩太朗)が、たった一人で謀略から守る姿を描いた娯楽時代劇。 仙台藩の重臣・原田甲斐は3代藩主・伊達綱宗の放蕩に端を発した混乱の中、綱宗の叔父・伊達兵部の藩乗っ取りの陰謀を察知する。 兵部は幕府老中首座酒井雅楽頭と姻戚関係を結ぶなどして藩内での勢力を徐々に拡大。
    感想
    昔、仕事で涌谷担当をしてたので何か親近感を感じました。惜しい人を亡くした。

    0
    2021年12月09日
  • 樅ノ木は残った(中)

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    あらすじ
    伊達家62万石の危機を察知した仙台藩の重臣・原田甲斐(里見浩太朗)が、たった一人で謀略から守る姿を描いた娯楽時代劇。 仙台藩の重臣・原田甲斐は3代藩主・伊達綱宗の放蕩に端を発した混乱の中、綱宗の叔父・伊達兵部の藩乗っ取りの陰謀を察知する。 兵部は幕府老中首座酒井雅楽頭と姻戚関係を結ぶなどして藩内での勢力を徐々に拡大。
    感想
    昔、仕事で涌谷担当をしてたので何か親近感を感じました。惜しい人を亡くした。

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    2021年12月09日
  • 柳橋物語

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    柳橋物語
    宝塚"川霧の橋"の原作ということで読んでみたけど、おせんちゃんに次々と災難がふりかかってくるし、そこに折れないところと最後の決断が本当に強いな…と。

    しじみ河岸
    事件の結末に何が幸せなのか…となるような苦しさ。「生きることに疲れきって、ただもう疲れることから逃げたしたいという気持ちで、ーああ、おれにはそれがよくわかった、おれはそのことだけでまいったよ」
    この言葉に全てがつまってる

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    2021年11月23日
  • 柳橋物語

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    元禄の大火と地震、日本は災害の国だ。江戸時代は燃えたり流されたりしたら住み替えも日常茶飯事でそのまま行方不明になってしまうことも多かったのだろう。おせんは火事でたまたま救った赤ん坊に縛られて庄吉の愛を失うが、その子があるゆえに亡くなった孝太の愛を得る。あまりに悲惨なおせんの境遇がしんどく、読み続けられるか不安だったが、最後の淡い光のような明るさに心底ホッとした。おせんの一歩一歩はとてもゆっくりとした歩みだけれども、なにか絶対に揺るがない心の強さがあって、こうして粘り強く生きていくことが価値なのだと思えてくる。

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    2021年11月06日
  • 柳橋物語・むかしも今も

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    初めての山本周五郎。「柳橋物語」「むかしも今も」の2篇。
    「柳橋物語」が宝塚の「川霧の橋」という演目の原作ということで手に取りました。丁度月組新トップコンビお披露目が博多座で公演してるところ。
    「柳橋物語」
    庄吉が上方へ発つ前におせんに言った「待っていてくれるか」という言葉は呪いのようにおせんを縛り付けて、本当におせんを愛してくれていた幸太を遠ざけてしまった。それでもつらい思いをしながらもおせんが生きてこられたのは、庄吉を想う気持ちあってのことで、庄吉も決して悪人というわけではなく、人生ってタイミングとめぐりあわせだなぁ…っとしみじみしてしまった。最後はおせんが幸太の真の愛情に気付いてくれてよ

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    2021年10月31日