山本周五郎のレビュー一覧
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山本周五郎の短篇時代小説集『おさん』を読みました。
『寝ぼけ署長』、『五瓣の椿』、『赤ひげ診療譚』に続き、山本周五郎の作品です。
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純真な心を持ちながらも、女の“性”ゆえに男から男へわたらずにはいられないおさん――世にも可愛い女が、その可愛さのために不幸にひきずりこまれてゆく宿命の哀しさを描いた『おさん』。
芸妓に溺れ込んでいった男が、親友の助力で見事に立ち直ってゆくまでを描いた『葦は見ていた』。
“不思議小説”の傑作『その木戸を通って』。
ほかに『青竹』『みずぐるま』『夜の辛夷(こぶし)』など全10編を収める。
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山本周五郎の連作ミステリ短篇集『寝ぼけ署長』を読みました。
山本周五郎の作品は今年2月に読んだ『柳橋物語・むかしも今も』以来ですね。
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“寝ぼけ署長”こと五道三省が人情味溢れる方法で難事件を解決。
周五郎唯一の警察小説。
五年の在任中、署でも官舎でもぐうぐう寝てばかり。
転任が決るや、別れを悲しんで留任を求める市民が押し寄せ大騒ぎ。
罪を憎んで人を憎まず、“寝ぼけ署長”こと五道三省が「中央銀行三十万円紛失事件」や「海南氏恐喝事件」など十件の難事件を、鋭い推理と奇抜な発想の人情味あふれる方法で次々解決。
山本周五郎唯一の警察小説。
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山本周五郎作品を初めて読んだ。
伊達騒動の真実は置いといて、歴史小説として面白かったけど、共感することが難しい壮絶な価値観でもあった。
大藩の改易ともなれば、数万人の武士が失業するわけで、その事態を十数人の犠牲で防いだ、という意味では利他的な美談であることは間違いない。
しかしながら、『御家の為』と言われると、現代の価値観からすると、そこまでして守らないといけないほど伊達家はエライのか?とどうしても感じてしまう。
また、原田甲斐が汚名を被って死ぬことで、本当に仙台藩が安泰となる確証があったかというと、かなり分が悪い賭けだったのではないだろうか。ラストの修羅場具合からすると、仙台藩に自治 -
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ジョージ•オーウェルの『動物農場』の、開高健による解説の中で、日本では珍しく成功したといえる政治小説、としてこの作品が言及されていたので、気になって読み始めた。まだ、中と下が残っていて、とても長い。
人名が長くて、かつ館の所在地も含めて、呼び方が3〜4種類くらいあるので、ぼーっとしてるとスジが分からなくなる。(例、主人公の原田甲斐宗輔は船岡に館があって、原田、甲斐、船岡、と場面によって呼び名がちがう。)ロシア小説よりはまだましか。
肝心のお話としては、家藩を守るために、『敵を欺くにはまず味方から』の精神で、理解されない辛さに耐えつつ、布石を打ち続けるところまで。
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ネタバレ
若い頃は大好きな作品だった
しかし最近読み返してみたら、主人公の余りの人間味のなさにちょっと辟易してしまった
両親や兄弟、同僚、恩師、愛人、妻
それぞれの切り捨て方が酷い
お人好しでは務まらぬ厳しい道を歩んでいたのは理解出来るが、だからといって人としてどうなのかというレベル
主水正は長い間立派に留守宅を守っていた妻のつるの意思などおかまいなしに、未練がでるからと子供を作らない事に決めている
愛人との間には二人も子供を作っていたのに可哀想すぎるだろ
主君以外には自分の生き方を絶対人に左右させないのを若い頃はかっこいいと思っていたのだが、やはり年を取るとそんな人間と関わってしまった周 -
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初めての山本周五郎。「柳橋物語」「むかしも今も」の2篇。
「柳橋物語」が宝塚の「川霧の橋」という演目の原作ということで手に取りました。丁度月組新トップコンビお披露目が博多座で公演してるところ。
「柳橋物語」
庄吉が上方へ発つ前におせんに言った「待っていてくれるか」という言葉は呪いのようにおせんを縛り付けて、本当におせんを愛してくれていた幸太を遠ざけてしまった。それでもつらい思いをしながらもおせんが生きてこられたのは、庄吉を想う気持ちあってのことで、庄吉も決して悪人というわけではなく、人生ってタイミングとめぐりあわせだなぁ…っとしみじみしてしまった。最後はおせんが幸太の真の愛情に気付いてくれてよ