山本周五郎のレビュー一覧
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ネタバレ徒士組頭の父を持つ小三郎(後の三浦主水正)は、
自分たち親子の普段使う橋が取毀された様子、
そしてそれに対する父の対応を目の当たりにし、
その時から年相応の子供ではいられなくなった。
所謂成り上がりものの話だけれども、
主人公の成り上がりのための動機が
なんとも直感的で衝撃的。
大人になってからは
妻との確執や藩内の権力者達の陰謀、
過去の事件の謎が複雑に絡み合い、
更には得体の知れぬ刺客との戦いもあって
様々なエンターテイメント性を持っている。
仲間も増えていくのだが、
一方で裏切り者の存在も発覚する。
そんな中で主人公の三浦主水正は
果たして人格者であり続けることができるのか。
対比して描写される滝沢兵部の行末も
気になるところ。 -
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周五郎さんの新潮文庫のコンプリートを目指し、折に触れては買い足しています。この本を買ったので、残り一冊になりました。
ここのところ買い足していた本は初期の作品が多く、久しぶりに読む周五郎さん晩年の短編集です。修身的な匂いはすっかり影を潜め、どこか沈んだ雰囲気の中でも、人間肯定の暖かさがあり、読み応えがあります。
収録作品は「壺」「暴風雨の中」「雪と泥」「鵜」「女は同じ物語」「しゅるしゅる」「裏の木戸はあいている」「地蔵」「改訂御定法」「ひとごろし」。
やはり印象に残るのは「裏の木戸はあいている」。徹底して人を信じるという事が見事に描かれます。「女は同じ物語」「しゅるしゅる」「ひとごろし」などのこっけい物も味があります。 -
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周五郎。長編は久しぶり。
平日はなかなか時間なくて長編に手を伸ばしにくかったのだけど、
ゴールデンウィークを利用して読みました。
ストーリーの主軸はお家騒動。
武家物としてはよくある題材なんだけど、
さすがに周五郎を代表する長編の一つ。濃厚。
人生にどう向き合うのか、
何を考え、どう生きるのか
というようなことが周五郎小説の大きなテーマだと思うんだけど、
三浦主水正の半生、「ながい坂」を丁寧に描いているこの作品は本当に傑作。
就職直前には「天地静大」を読んだ。
社会に出て、挑戦していく若者たちの群像劇。
いま就職して4年目。このタイミングでこの本を手にとって良かった。
このながい坂は主人公の子ども時代から始まるけど、
特に下巻の中心は30代。いろいろ考えながら読みました。
人間的な成長とか、苦悩とか、人間関係の難しさとか素晴らしさとか、
あぁこれから俺もまだまだ坂を登って行くんだろうなぁ、と。
樅ノ木は残った、虚空遍歴あたりの長編も暇を見つけて読みたいな。 -
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山本周五郎はいつか読まねばと思いつつ手を出せていなかったのだが、
読書会の課題図書になったので読む機会を得た。
推薦してくれたかっきーさんが言うように、
「どのページを開いても泣ける」というところまではいかなかったが
(僕の人生経験がまだ浅いのかもしれない)、
いつくかの短編はとてもよかった。
表題作の『人情裏長屋』は、読書会でいろんな感想を聞けて面白かったが、
僕の感想は、
●その場所のいい・悪いではなく、その人の居るべき場所、居るべき世界というのがあるのかもしれない。本来、下にいるべき人間が上に行っても不幸だし、松村信兵衛のような人間が下にいるのも、いいようでやっぱり不自然なのかもしれない。
●「おぶん」は若いのに、賢くて情のあるいい女。惚れる。
の2点。
他には『風流化物屋敷』に出てくる「おとみ」がとてもかわいくて惚れる。
『泥棒と若殿』は号泣。
『豹』の正三はなんて意気地なしなんだ!と思い、『麦藁帽子』は美しいいい話だなぁと思った。 -
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読んだきっかけ:古本屋で安かった(3冊280円)。
かかった時間:2/25-2/27(3日くらい)
内容:中巻は、宿老茂庭周防の辞任から、若殿の袴着の祝いまで。
またしてもあらすじを、wikiより転載しましょう。
(wiki「伊達騒動」よりあらすじ抜粋・ネタバレあり)
(ここから中巻)
宗勝は家老の原田甲斐宗輔らと藩権力の集権化を行い、地方知行制を維持しようとする伊達氏一門と対立する。一門の伊達安芸宗重と宗勝の甥にあたる伊達式部宗倫の所領紛争が起こると→
(ここから下巻)
→伊達安芸は幕府に一件を上訴する。
1671年(寛文11年)3月27日、騒動の裁判を行うため大老の酒井忠清邸に原田甲斐や伊達安芸ら関係者が召喚される。
原田甲斐はその場で伊達安芸に斬りかかって殺害する。
だが、原田甲斐も安芸派の柴田外記朝意と斬りあいになった。
原田甲斐は柴田外記によって斬られ、柴田外記もその日のうちに原田甲斐からの傷が元で死亡した。関係者が死亡した事件の事後処理では原田家や兵部派が処罰されるが、伊達家は守られる事となった。
ということで、中巻はあらすじ的には、物語はすすんでおりません。
しかし、不信・疑惑といったドロドロした人間関係は相変わらず地味に大きく動きます。
よく大河ドラマとしてもったなぁ…。 -
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読んだきっかけ:古本屋で安かった(3冊280円)。
かかった時間:2/21-2/25(5日くらい)
内容:上巻は、伊達綱宗の逼塞の沙汰から、宿老茂庭周防の辞任まで。
全く知識のないまま読み始めて、いきなり冒頭から数多くの登場人物が現れ、困惑する(@_@;)
名前が、通称であったり、住んでいる土地名で呼ばれたり、覚えにくいったらない。
大変重厚な小説です。なんたって山本周五郎です。読むだけで賢くなった気がします。面白くないはずはないはず。
たぶん、本当に面白いです。
さて、上巻で、主人公原田甲斐は、味方をすべて捨て、すべてから恨まれながら、敵の懐に飛び込んで行くわけだが!?
あらすじを書きたいけど、複雑すぎるので、ズルして、wikiより転載しましょう。
(wiki「伊達騒動」よりあらすじ抜粋・ネタバレあり)
仙台藩3代藩主の伊達綱宗は遊興放蕩三昧であったため、叔父にあたる一関藩主の伊達宗勝がこれを諌言したが聞き入れられなかった。
綱宗の放蕩は止まず、ついに1660年(万治3年)7月9日に家臣と親族大名(池田光政・立花忠茂・京極高国)の連名で幕府に綱宗の隠居と、嫡子の亀千代(後の伊達綱村)の家督相続を願い出た。7月18日に幕府より綱宗は21歳で強制隠居させられ、4代藩主にわずか2歳の伊達綱村が就任した。
綱村が藩主になると、大叔父にあたる宗勝が後見として実権を掌握した。
(上巻ここまで)
(ここから中、下巻)
宗勝は家老の原田甲斐宗輔らと藩権力の集権化を行い、地方知行制を維持しようとする伊達氏一門と対立する。一門の伊達安芸宗重と宗勝の甥にあたる伊達式部宗倫の所領紛争が起こると伊達安芸は幕府に一件を上訴する。
1671年(寛文11年)3月27日、騒動の裁判を行うため大老の酒井忠清邸に原田甲斐や伊達安芸ら関係者が召喚される。
原田甲斐はその場で伊達安芸に斬りかかって殺害する。
だが、原田甲斐も安芸派の柴田外記朝意と斬りあいになった。
原田甲斐は柴田外記によって斬られ、柴田外記もその日のうちに原田甲斐からの傷が元で死亡した。関係者が死亡した事件の事後処理では原田家や兵部派が処罰されるが、伊達家は守られる事となった。
……(@_@;)え!?
なんじゃこりゃあ!
どえらい騒動ですね。
しかも、山本周五郎はこの「原田甲斐」を”良い奴”側として描くはずですが……いったいどうなるんだろう。
中巻が楽しみです。
さて、人の描写で感じたことを。
原田甲斐と妻、律の関係や、おみやと宮本新八の「男と女の関係」が、非情に面白い。日本のドラマや映画などでなかなか描写されない、なさそうでありそうな粘っこいやりとりが、おかしみを誘います。ええ、中巻が、楽しみです。