山本周五郎のレビュー一覧
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上中下巻を読み終えたのでまとめて感想を書くとする。
江戸歴史物は似た名前が多く、言葉遣いが独特で、その時代の町の様子を思い描かなければならないことから敬遠していた。現代小説よりはやはり読み進めるのがゆっくりであったが、どんどんと町や屋敷の様子が想像され、なによりも現代とは違う心持ちや人々の動きが目の前に広がって来るようだった。
伊達藩の家臣船岡館主・原田甲斐は「伊達騒動」の中心人物として史実上に存在する。極悪人の烙印を押され、息子孫も死罪、お家断罪になっている。しかし、山本周五郎は"歴史の反証"から甲斐がなぜそのような事を起こしたのかを構想した。
作中の甲斐は、家中の -
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今回はなかなか良かったんじゃないでしょうか!! ヒロインのあの子(名前忘れた)と主人公のやりとりに正直なところ感動いたしました…。
ヽ(・ω・)/ズコー
どんなやりとりだったかは残念ながら忘れてしまったのですけれども(!)、ともかくなかなか記憶に残るシーンだったかと…忘れてしまいましたけれども(笑)
ヽ(・ω・)/ズコー
確か血の繋がっていない、けれども一緒に暮らしている子供たちとのやりとりだったかと存じますが…うーん、ま、どんな子供に対しても「躾」というのは大事、ということなのでしょう…きっと。
子供たちをうまく叱れない大人(僕を含む)が増えているような気がしてならない現代です -
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さまざまな趣向の作品を集めた短編集。全10編のうち、以下印象に残ったものをピックアップ。
「よじょう」・・・どうしようもないヘタレ男・岩太が、乞食の真似事をしているだけなのに父親の仇を討とうとしていると周りから誤解されてしまう。それだけでも面白いのだが、仇を討つ相手はあの宮本武蔵。力の象徴である武蔵や仇討ちそれ自体へのシニカルな視点が素晴らしい。
「大炊介始末」・・・武家モノ。将来を嘱望されていた大炊介が、18歳の秋に自身に関するある秘密を知ったことから自暴自棄に陥ってしまう。この時代にこんな秘密を知ったらと思うと大炊介に同情してしまう。まったくもって悲劇としか言いようがない。
「こんち午の -
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これは辛い小説だなぁ。
主人公の中藤冲也は武士の身分を捨て、浄瑠璃という芸の世界に生きることを選ぶ。
彼の作る端唄は独特の節まわしを持ち江戸のみならず、遠国でも持て囃されるような才能の持ち主であったが、それに奢ることなく冲也節という新たな芸術の完成だけに専念する。
これと決めた道に突き進む人生。成し遂げるべき仕事を見定めた覚悟。すさまじい気迫で生きる男の生きざまを描いたお話。です。
非常に辛く、あまりに辛いんだけど引き込まれる話だった。
この強烈な読後感はどこから来るんだろう。
結論から言ってしまえば、このお話はハッピーエンドの物語ではない。苦労の末に念願の冲也節を打ちたて、努力は -
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「昔の日本は牧歌的で良い時代だった」「最近の世の中はイヤな事件が増えている」という考えの対極にある事実・歴史を口承で記述している。
初版は1959年に刊行された。宮本常一、山本周五郎などの複数の執筆者が、日本全国の市井の辛苦に満ちた人生をヒアリングした記述。
各地方の方言で語られる、窮民、殺戮、略奪、乞食、堕胎、鉱山で働く女性、遊女、女衒、飢饉などに関するストーリーは迫力がある。
とりわけ、盲目の馬喰の一代記「土佐檮原の乞食」、山梨の上野原の「おせいばあさんの話」、明治時代のシンガポールを本拠地に活動していた「女衒 村岡伊平治伝」は面白い。