山本周五郎のレビュー一覧

  • 柳橋物語・むかしも今も

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    初めての山本周五郎。「柳橋物語」「むかしも今も」の2篇。
    「柳橋物語」が宝塚の「川霧の橋」という演目の原作ということで手に取りました。丁度月組新トップコンビお披露目が博多座で公演してるところ。
    「柳橋物語」
    庄吉が上方へ発つ前におせんに言った「待っていてくれるか」という言葉は呪いのようにおせんを縛り付けて、本当におせんを愛してくれていた幸太を遠ざけてしまった。それでもつらい思いをしながらもおせんが生きてこられたのは、庄吉を想う気持ちあってのことで、庄吉も決して悪人というわけではなく、人生ってタイミングとめぐりあわせだなぁ…っとしみじみしてしまった。最後はおせんが幸太の真の愛情に気付いてくれてよ

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    2021年10月31日
  • 深川安楽亭

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    表題作だけでも読んでみる価値ありまする。
    最近幾つか読んでみて(読まされて見て?)鑑みるに、この作家は後半の方が良い作品を生み出しているように思われます。円熟味とはまさにこのこと。

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    2021年10月24日
  • さぶ

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    ネタバレ

    さぶ、登場人物の一人。主人公ではなかった。
    栄二は自分を理不尽に陥れた相手を憎んでいたが、周りの環境や事件によって憎しみが薄れていく。
    が、実際問題そんなことはないのでないかと思う。理不尽な目にあい、さらに事件に巻き込まれる。私なら運が悪いと思うだろう。多分そこから抜け出せない。
    時がたてば、環境を変えれば、付き合う人を変えれば抜けられるのだろうか?

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    2021年10月23日
  • 戦国武士道物語 死處

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    周五郎の短編集。

    主人公の生き方考え方が、なんとも言えず身に染みる話が多い。今の世の中こんな人間が果たしてどれだけいるだろうか。自らのの保身と栄達のみを考える浅はかな輩が多いのではないだろうか。

    元来日本人の原型は、この周五郎の描いた人間の中にあるのではないだろうか。私は周五郎描くところの人間になりたい。

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    2021年09月21日
  • あんちゃん

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    少し変わり種の設定が多い短編集、でも最後のオチはなかなか。もう少し良い環境、時間の時に再読したかったですな。
    許すまじき輩どもの多いことよ。。。

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    2021年09月16日
  • 正雪記(上)

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    自分の勘に頼ってはならない、理論や他人の説に頼ってもならない、自分の経験にも頼るな、大切なのは現実を見ることだ。自分の目で、感覚でそこにあるものを観、そこにあるものを掴むのだ、正雪はある老人から学んだ。
    本書は徳川幕府開府後の間もない頃、まだ巷には西軍の残党や、幕府の基盤を強固にするため大大名の改易などにより浪人となった者が溢れていた頃である。
    浪人者は今日食べるものにも事欠く暮らしで困窮していた。そんなもの達の暮らしを立てようと由井正雪は立ち上がった。といっても、謀反を企てるのではなく、幕府の内側から変わってもらおうと、浪人者を変な騒動に巻き込ませないように、苦辛しながら言葉で世の中を変えて

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    2021年07月03日
  • 風雲海南記

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    『風流太平記』が面白かったので、似たようなタイトルだから似たような内容かと思ったら、難読漢字の海外都市が出てくるあたりから気持ちが乗らなくなった。ダイナミックだけどあまり面白くなかった(あくまでも個人の感想です:笑)。

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    2021年05月29日
  • 彦左衛門外記

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    山本周五郎ってこんな砕けた作品を書くんだと、ちょっと驚いてしまった。
    でも、時々声を出して笑ったりしたから、結構好きかも。
    大久保彦左衛門が好きになった作品だ...が、これでいいのか??

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    2021年05月28日
  • 夜明けの辻

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    どれも後ろにある戦局をどうしても想像してしまう、致し方ないんだろうけれども。
    その中で、冒頭の『嫁取り二代記』は目の前で展開されるようで、かつくすっと笑わせてくれて、そしてオチもgood。流石にこの作品レベルがズラリとはいかないんですが、冒頭作だけでも満足満足。

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    2021年05月28日
  • 大炊介始末

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    飲み屋の描写が上手いなぁ、どの酒も苦々しい。
    でもどんなに苦々しくても、たまには外でビールでも飲みたいもんです。ヨーロッパの夏のような日本で一番良い季節の夜風に当たりつつ。

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    2021年05月25日
  • 月の松山

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    あんまりピンと来なかったです、正直申し上げまして。
    一番気になったのは「荒法師」。意識高く時代を生き抜くってことはこれだけの作家をもってしても至難だと痛切に感じます。解説でそうではないと主張していた旨の記載がありますが、無理筋ですもん、素直に考えると。それだけに凡民は慎重に過ぎることはなんだろうと思います。

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    2021年05月08日
  • 雨のみちのく・独居のたのしみ

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     ①たいせつなのは「生きている」ことであり、「どう生きるか」なのである。こんにちを充分に生きる、こと以外に人間の人間らしいよろこびはないのだ。②人間は五十歳を越すころから、ようやく世間の裏表や社会構成のからくりや人間感情の虚実を理解できるようになる。③健康法とは「しかじかかくかくのことをする」というのでなく、毎日どのようにくらすか、ということではないかと思う。④男というものは、ときどき「おれはこんなばかな人間だったのか」と思って冷や汗をかくものだ。山本周五郎「雨のみちのく 独居のたのしみ」1984.12発行

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    2021年04月19日
  • ならぬ堪忍

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    ★3.5かなぁ、どの作品にも起伏がしっかりついていて読みやすい。
    戦前の短編集ということですが、表題作の発表時期を考え合わせるとこの作家の心根はどこにあるか?は想像するに難くなく。

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    2021年04月02日
  • 四日のあやめ

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    昔人の日常や非日常。
    退屈と思えば退屈。だけど、今も昔も人情は変わらず。
    書かれたのが昭和20年代というのも感慨深い。

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    2021年02月11日
  • 正雪記(下)

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    由井正雪。時代は関ヶ原合戦後、大阪の陣、島原の乱を経て、大名の取り潰しもあり、世の中には、浪人が溢れていた。由井正雪の乱とは何だったのか。幕府はなんとでも言う事が出来たのであろう。
    この世の中に対し、由井正雪は、何を訴え、成し遂げようとしたのか。
    大作であり、読み応えある一冊でした。

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    2021年01月22日
  • 正雪記(上)

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    由井正雪。一介の染屋職人の倅から始まる。書物、勉強が好きで、広く修行して、なにごとにも怖れないちからをやしない、一人諸国をさすらう。
    志をもち、堂々と歩みを進めていく姿に驚きました。引き込まれますね。

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    2021年01月19日
  • 戦国物語 信長と家康

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    初山本周五郎作品。 手始めに読み易い題材の短編集を手に取った。 やはり読み易くこの時代の価値観に好感が持てるのが時代物の良い所か。 周りから見た信長、家康の人間性が描かれていて又一話一話の物語がとても読後感が良い。 少し時間が空いた時にさらっと読むにはもってこいの作品。 他の有名どころの作品は難解そうなイメージがあるがいつかチャレンジしようと思う。

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    2020年10月21日
  • 五辯の椿

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    時代背景や設定を変えていろんなドラマなどで見る話だと思った。親子の情愛や男女の肉欲、当時の時代背景による女性の取り扱いの不当さ、復讐が描かれていて、あらすじをあまり知らずに読み始めたらなかなか苦しい気持ちになった。
    しのさんには手を汚さず幸せになって欲しかった…

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    2020年06月28日
  • 寝ぼけ署長

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    地方都市の警察署に赴任してきた署長が数々の事件を解決していく様子を、近くで見ていた主人公が回想している。いつもぐうぐう居眠りしている署長は「寝ぼけ署長」と呼ばれ無能だと評判も立つほどだったが、赴任中の犯罪事件の数も少なく貧民をはじめ住民たちからの信任も厚い。
    署長は常に貧しい人たちの味方側に立ち、権力者やお金持ちに対する視線は厳しい。

    「犯罪は懶惰な環境から生れる、安逸から、狡猾から、無為徒食から、贅沢、虚栄から生まれるんだ、決して貧乏から生れるんじゃないんだ、決して」

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    2020年05月24日
  • 柳橋物語

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    若い頃山本周五郎の世界が大好きだったことを思い出し、20年振りにもう一度読み始めた。
    幸薄い人達が下町の人情に支えられて生きる張合いを見つけながら懸命に生きる姿を描く小説は、歳をとってから読むととても重い。
    私はもうすっかり価値観の違う世の中に生きていて、読んでいると歯がゆく、もどかしく、心が重くなるけれど、日本人としての美徳の根拠はここにあるような気がする。
    最後のオチに心救われた気がした。

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    2020年05月08日