山本周五郎のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
09/08/16★★★☆
短編集。最後の現代小説2作は読まず。
どーも時代小説以外の先生はいけねえや
・暗がりの乙松
珍しい盗人もの。
三次に泥棒に入る前に金の有る無しと事情位調べておけよ、と突っ込みたくなる。
しかし梅田屋の「世の中に「義」のつく泥棒はいねぇ」の啖呵は山本周五郎の人生観が溢れていて良い。
落ちも見事でやっぱ良い話になるんだなー
・山茶花帖
八重が新一郎にもう会わないように桑島に説得される際の
「人間には誰しも自分の好みの生き方がある。〜だが大多数の者は〜出来ずに終わってしまう、それが自然なんだ。〜
人間は独りで生きているのではない。〜支い合い援け合っているのだ。〜」
のセ -
Posted by ブクログ
・生き別れの父親との再会(いさましい話)
・男装の麗人と、影となってお仕えする寡黙な男(菊千代抄)
・想いに戸惑う、血の繋がらない兄妹(あんちゃん)
山本周五郎作品の中でも、「お好きな方にはたまらない」系設定の短編ばかりを集めた本です。が、人間の本質に対してモラリッシュな山本周五郎作品ですから、萌え展開にはなりません。
男として生きることを強いられ、途中からは自分でそれを選んだつもりの菊千代は、トリックスター的に周りを戸惑わせる存在ではありません。専ら振り回され痛めつけられるのは彼女のほうです。社会が社会を機能させるために決めたルールが自分を阻むときは、どこかで打ち破っていくべきだ。けれど、人 -
Posted by ブクログ
熊谷十郎左 「獺眠りの十郎左」普段は昼寝してばかりの主人公やるときはやるという渋いキャラ(福島正則城下)
西品寺しび介 剣で針を割ることを生涯の目標とした農民の話(池田光政城下)
足軽槍一筋 家の再興のため諸国を旅する兄妹
藤次郎の恋 剣術道場での三角関係
聞き違い ということにして憎い敵を討った話(水戸光圀城下)
新女峡祝言 本家の伯父とケンカしながら治水工事をやろうとする主人公、旅行にきた友と三角関係に
立春なみだ橋 ヤクザな主人公、親子ごっこ
豪傑ばやり 戦国の余風で豪傑を召し抱えるのが流行った大名家、への風刺
生きている源八 どんなに激しい戦でも必ず生きて帰った主人公(酒井忠次の旗下) -
Posted by ブクログ
面白かった。さすが山本周五郎、一息で読んでしまった。シドニー・シェルダンを思い出す。父親の無念を晴らすため父の残した財産とその美貌を武器に次々と復讐を遂げる娘、おしの。かなりなエディプスコンプレックスだとは思うのだが、父が最期にどうしても言いたかったこととは何だったのだろう。おしのの考えるように母への恨み言だったのだろうか。そんなに男と女、単純なものではないようにも思うのだが・・・。相手の男たちもまたおしのの色香とその財力に目が眩み簡単に罠にかかるのだが・・・。又最後まで生娘であることにこだわったおしの、それは単に相手の男に身体を許すことがイヤだったからと言うだけでなく、自分の中にある母親の血
-
Posted by ブクログ
"以前BSで「ちいさこべ」の映画をやっていたのを録画していたのをやっと見た。そこで急いで本も読んだ。映画は中村金之助と江利チエミ、なるほど、この小説のイメージどおりじゃないか。小説にはない遊び人も出ていたが、原作のよさを壊すことなくいっそう面白くしていた。いい。このほか、「法師川八景」、「末っ子」、屏風はたたまれた」、「橋の下」、「ひとでなし」、「あだ子」、「チャン」、「若き日の摂津守」、「古今集巻之5」と収録されているが、どれも凛と生きる姿が読んでいてすっきりとする。さすがだ。山本周五郎が活躍していた昭和30年代頃はまだ東京の下町には江戸を感じさせるものがたくさん残っていたのだろう