あらすじ
江戸中期の尊皇論者、山県大弐と出会ったことから藩の内紛にまきこまれた二人の青年武士の、友情の破綻と和解までを描いた初期の中編『夜明けの辻』。元芸妓との結婚を望んだ若侍が、頑固一徹の国家老の伯父を説得するために機略に富んだやり取りをくりひろげる“こっけい物”の佳品『嫁取り二代記』。ほかに『平八郎聞書』『葦』など、山本周五郎の文学的精進のあとを伝える全11編。
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Posted by ブクログ
山本周五郎の短編集。時代が時代、戦前から戦中に至る時期の作品、掲載誌も講談系のものが多いからなのか、主君への奉公とは、真の武士とは、とかなんとなく時代の空気を読んだ内容っぽい。
ただ、短編にもかかわらず、話の流れはどれも一品で、単純ながらも引き込まれる。こういった作品でよく出てくる主人公像の寡黙で実直で誠心仁義溢れる男像ってのがいまじゃ御伽噺っぽくなってるんで、随分新鮮でもあるし。