山本周五郎のレビュー一覧
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熊谷十郎左 「獺眠りの十郎左」普段は昼寝してばかりの主人公やるときはやるという渋いキャラ(福島正則城下)
西品寺しび介 剣で針を割ることを生涯の目標とした農民の話(池田光政城下)
足軽槍一筋 家の再興のため諸国を旅する兄妹
藤次郎の恋 剣術道場での三角関係
聞き違い ということにして憎い敵を討った話(水戸光圀城下)
新女峡祝言 本家の伯父とケンカしながら治水工事をやろうとする主人公、旅行にきた友と三角関係に
立春なみだ橋 ヤクザな主人公、親子ごっこ
豪傑ばやり 戦国の余風で豪傑を召し抱えるのが流行った大名家、への風刺
生きている源八 どんなに激しい戦でも必ず生きて帰った主人公(酒井忠次の旗下)
虎を恐るる武士 伊達政宗と名笛をめぐって知恵くらべ
驢馬ならし 小舟の「ボヴァリイ夫人」をうまく漕ぐ話
戯曲破られた画像 仮面夫婦の話
すべて戦前に書かれた物。力強くほろりとさせられる話ばかり。
「軍国主義に踊らされ、出世栄達、手柄功名をよしとする当時の世潮への、否定的見解がこめられている」
「あのころの小説家はたいてい一冊や二冊の戯曲集を出版したもんです。ところが山本だけは頑として出さなかった」戯曲表現には多くの製薬が伴う(解説より) -
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面白かった。さすが山本周五郎、一息で読んでしまった。シドニー・シェルダンを思い出す。父親の無念を晴らすため父の残した財産とその美貌を武器に次々と復讐を遂げる娘、おしの。かなりなエディプスコンプレックスだとは思うのだが、父が最期にどうしても言いたかったこととは何だったのだろう。おしのの考えるように母への恨み言だったのだろうか。そんなに男と女、単純なものではないようにも思うのだが・・・。相手の男たちもまたおしのの色香とその財力に目が眩み簡単に罠にかかるのだが・・・。又最後まで生娘であることにこだわったおしの、それは単に相手の男に身体を許すことがイヤだったからと言うだけでなく、自分の中にある母親の血、淫蕩な女の血に怯えていたからではないかと思うのは考えすぎだろうか。おしのの復習が完結するように応援してしまいながら読んでしまった。以前テレビドラマか何かになってみたような気もするのだが、今このおしのさんを演じれる女優さんいないよね。復讐されるほうの役ならいっぱいいそうだけど。2006・6・28
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"以前BSで「ちいさこべ」の映画をやっていたのを録画していたのをやっと見た。そこで急いで本も読んだ。映画は中村金之助と江利チエミ、なるほど、この小説のイメージどおりじゃないか。小説にはない遊び人も出ていたが、原作のよさを壊すことなくいっそう面白くしていた。いい。このほか、「法師川八景」、「末っ子」、屏風はたたまれた」、「橋の下」、「ひとでなし」、「あだ子」、「チャン」、「若き日の摂津守」、「古今集巻之5」と収録されているが、どれも凛と生きる姿が読んでいてすっきりとする。さすがだ。山本周五郎が活躍していた昭和30年代頃はまだ東京の下町には江戸を感じさせるものがたくさん残っていたのだろう。今時代小説の書き手たちはどうやって江戸をイメージしているのだろう。先人の書いた小説のなかからだろうか。山本周五郎、司馬遼太郎、池波正太郎、山田風太郎、海音寺潮五郎。なぜみんな「郎」のつく名前を選んだのだろう。その頃の流行なのだろうか。2005・11・25
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●山本周五郎を初めて読んだのは武家や市井のさまざまな女性を描いた短編集『日本婦道記』。
「なーんだこの作者! いまどきこんな大和撫子がおるかいなッ! 平塚らいてう先生が怒りまっせー!!?」
と思わずカチンと来たらフェミニスト(?)。
いやあ、よく考えたら周五郎先生は戦前から書いてる人なので、そんな作風で当たり前なのでした。
●『花杖記』もまた短編集。話が整っていて面白いのは当然として、やはり良いのは文章。
端整で読みやすいため、読み手を選ばずすっと入って行けるのです。(←山田風太郎や池波正太郎は、ついてこれない読者を容赦なく切り捨てる印象なんだよねえ。好きなんですが。)
お話の持って行き方も無駄がなくてとにかく上手ですが、さらにキャラの立てかたがうまい。
短編なんだけど、どの主人公も魅力的に描かれているのです。
私は「備前名弓伝」の主人公がごひいき。
弓の達人だけど、普段はぼーっとしてて反応が鈍いんだよな。
でも、いざとなったら、たった一本の矢で何とかしてしまうんだよな。ああかっちょいいー!!
●・・・とまあ、どれもこれも素人が今更言うことじゃありませんが。苦笑。
並行して藤沢周平の初期(?)短編集も読みましたが、周五郎のこの短編集に比べるとちょっと暗いです。
藤沢周平も端整なんだけど、長編ないしシリーズ物の方が面白いかも・・・うーん・・・。
このクラスの巨匠に比べると、やっぱり宮部さんはもう一息かなあ、と思う私なのでした。(←くらべるのが間違いなのかもしれないが、でもやっぱり、宮部さんには普通の社会派作品を書いてほしいのです・・・。)