山本周五郎のレビュー一覧

  • 小説 日本婦道記

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    昔から女性は(妻は)「こうであればいいな~。」と思われてきたような登場人物が次々と出てくる話。
    現代においては(ここに出てきたような)こんな女性達は少ないかもしれない。

    実際にはあんなに耐える尽くす女性にはなれないけれど、
    でも昔から日本において美徳とされてきた女性達の気持ちは、全く他人事という訳でもなかった。

    私も(一応)日本の女性だからだろうか。。(笑)

    短編の割に読みやすかった。(^^)

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    2012年01月13日
  • 青べか物語

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    余所者である私が「蒸気河岸の先生」として浦安の町を訪れ、住人たちの物語や3年間にわたる彼らとの触れ合いを描く。狡猾だがしかし質朴な個性あふれる町の住人たちの克明な描写が秀逸。徹底して部外者としての視点を貫き、冷静に回顧している点が特徴的である。

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    2012年01月08日
  • 柳橋物語・むかしも今も

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    全1巻。
    短編集。
    柳橋物語、むかしも今もの
    2本入り。

    ・柳橋物語
    とにかく不幸続きの女が
    最後に見つけた愛。

    ・むかしも今も
    ぐずでのろまで愚直な男が
    最後に手に入れた愛。


    柳橋物語はとにかく不幸。
    読んでて気がめいってくる。

    むかしも今ももずっと不幸。
    だけど最後少しだけほっこりする。

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    2011年12月05日
  • おさん

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    全1巻。
    短編集。
    全部で10本いり。

    ・青竹
    珍しい歴史小説。潔い武士の心持ち。
    泣ける。

    ・夕霞の中
    復讐しようとする男の人情劇。

    ・みずぐるま
    シンデレラストーリー。

    ・葦は見ていた
    青春時代の全てを投げ打つ程の愛と、
    その愛から立ち直った後、壮年になってからとの対比。

    ・夜の辛夷
    岡場所で必死に生きる女と、
    たまたま客になった訳あり男の人情劇。

    ・並木河岸
    ダメになりそうな夫婦が立ち直るきっかけは。

    ・その木戸を通って
    記憶喪失の女と、その夫になった男。

    ・おさん
    悲しい女の性に振り回される女と男達。

    ・偸盗
    平安時代の大泥棒の物語が演劇調に展開する
    コミカルで不思議

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    2011年12月05日
  • 五瓣の椿

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    全1巻。
    時代小説。

    著者には珍しいかんじの、
    ちょっと緊張感のあるサスペンス。

    現代ものっぽい、
    トリッキーな手法がいろいろ使われてて、
    緊張感もったまま最後まで続く。

    が、
    解説にも書いてあったけど、
    終章の結び方がちょっとキレイごとっぽかった。
    個人的に、最後もちょいいけたんじゃねえのって感じ。

    若さ故の潔癖さというか、
    哀しい純粋さというか、
    物語の底にずっと漂ってる
    著者らしい哀しさの空気は悪くないし、
    スリリングで読ませる物語だっただけに
    あんまり心に残らないのが残念。

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    2011年11月30日
  • 髪かざり

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    本当に大切なものは、自我でもスキルでも財産でもない。自己を確立して居る人は、そういうものを捨ててしまえる。自我意識なんて、ないほうがいいのかもしれない。

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    2011年11月01日
  • 風流太平記

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    全1巻。

    目標の為に犠牲を払うのが当然の侍の世界で
    目標よりも情に走る、
    危なっかしくて女に弱い主人公が、
    事件を解決するために奔走する話。

    珍しく主人公が陽性。
    哀しい、暗い印象じゃなくて、
    しかられてばかりでのんきな跳ねっ返りの三男坊。
    村上元三先生が描くような主人公と思った。
    しっとりした雰囲気が山本作品らしいと思ってたので
    以外。

    で、
    こういう主人公の物語って
    勢いあって爽やかな印象が似合うと思うのだけど、
    なんだか勢いはいまいちな感じだった。
    個人的には中途半端な印象。

    あと、
    やっぱり太平記?と思った。
    表題。

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    2011年09月05日
  • 栄花物語

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    田沼意次の政治を中心とした人間ドラマ。先鋭的な政策を打ち出すも、ことごとく排除されてついには諦めの境地へと陥ってしまう老政治家。転がるように人生を反転させて、しぐれの中ひっそりと息をひきとった二人。
    当事者が複雑に絡み合い、それぞれの生きる目的・価値観を考えながら行動している。人間の心の内面を映し出している。

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    2011年09月04日
  • 栄花物語

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    全1巻。
    田沼意次を背景に置いた、
    時代ものな感じ。

    表題やあらすじだと
    田沼意次が主役っぽいけど、
    その周りの身分のそんな高くない人達が主役ぽい。
    田沼意次もメインだけど。
    群像劇な感じ。

    全編通して、
    退廃的でニヒルな感じで、
    しっとりした哀しさがただよってる。
    山本作品らしい感じ。

    最後に「人間て」みたいに目が開けるのに、
    そいつの後ろに怪しい影な終わり方で、
    とても暗示的だった。

    賄賂の象徴とされてきた田沼が、
    孤独にがんばる政治家な感じで新鮮。

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    2011年08月22日
  • 花匂う

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    再読

    ・宗太兄弟の悲劇
    ・秋風不帰
    ・矢押の樋
    ・愚鈍物語
    ・明暗嫁問答
    ・椿説女嫌い
    ・花匂う
    ・蘭
    ・渡の求婚
    ・出来ていた青
    ・酒・盃・徳利

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    2011年06月27日
  • 人情武士道

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    現代物2篇を含む短編集。時代物の方が良い。明快な筋書きで道徳の教科書に載ってもよさそうな作品。表題作の他、「大将首」「竜と虎」「やぶれ傘」が面白かった。11.6.18

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    2011年06月18日
  • 与之助の花

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    周五郎、昭和10年から20年の短編集。「友のためではない」など戦時に迎合した作品もあるが、爽やかな読みものがある。「噴上げる花」が良かった。11.6.3

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    2011年06月03日
  • 五瓣の椿

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    山本周五郎を久しぶりに読んだ.粗筋だけをとりだすと殺伐とした感じだが、凛とした女性の懸命な生き方の残す印象が強い.おしのの生き方は是とまでは言えないが、人間の浄らかさについての深い感情を思い起こさせる.ところで、山本周五郎の小説はこの時代に受け入れられているのだろうか.この即物的な世の中と小説の世界の遠い距離を感じて,そんなことを思った.

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    2011年05月31日
  • つゆのひぬま

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    なるほど「大衆文学」というにふさわしい、受け入れやすい・解りやすい・面白い文学である。山本周五郎デビューであったが、なんとも面白く、一気読みしてしまう。テレビドラマのような、受け入れやすいストーリーと人物描写のなかに、深い人間愛が感じられて、なるほど世間の評価の通り、山本周五郎の中毒性のすっかりハマってしまう作品群である。特に「武家草鞋」は最高にカッコイイ。

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    2011年03月23日
  • 菊月夜

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    「花宵」「おもかげ」は良かった。「一領一筋」も良かったかな。
    山本周五郎の作品いろいろ読んでみてる(とはいえまだ3冊目だが)けど、やっぱり一番初めに読んだ『日日平安』が一番だなぁ…。

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    2011年02月17日
  • 一人ならじ

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    短編集。戦時中の作品が多く、戦時社会に迎合的な固さを感じる。その中で、「青嵐」「茶摘は八十八夜から始まる」が良かった。11.2.5

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    2011年02月05日
  • 虚空遍歴(上)

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    最後の最後まで苦しみぬきながらも自分の夢、理想を目指して生き抜く主人公。

    山本周五郎さんの「人は何をしたかでなく、何のためにしていたかが大事なんだ」をまさに表現した作品だと思う。

    自分は動機はどうであれ「何かを成し遂げる」ことは評価しても良いと今は思っているが、やっぱり純粋な動機で、純粋にその目的にだけ向かってがむしゃらに生きることは理想の生き方だとも思う。

    今現在の自分は日々を何のために生きているのか?自分自身の目的を持って生きているのだろうか?そんなことを考えさせて、励ましてくれる本。

    上・下巻あり

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    2011年01月27日
  • 柳橋物語・むかしも今も

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    江戸時代の下町に住む人々を描いたものであり、二つの作品が収められられています。

    最初の『柳町物語』を読み終えた時点での感想ですが、あまりにも悲運な定めをもつ主人公おせんのリアルな描写に、思わず顔をしかめる思いで読みすすめていきました。

    苦労に苦労を重ねたその中から見出だすことのできる確固たる信念のようなものを感じつつ、女性の真の強さというものを感じました。

    二つ目の作品『むかしも今も』は、少し間を空けて読むつもりでおります。

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    2012年05月08日
  • ながい坂(下)

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    『正雪紀』のつぎに読んだ、山本周五郎の長編作品です。面白い、と言われて読んだけど、私にはちょっとあいませんでした。主人公に感情移入できません。短編とはまた違った感じでした。

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    2010年12月27日
  • 菊月夜

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    子どもへの道徳的なお話数篇含め、10篇納める。すがすがしい結末が多いが、特に「一領一筋」が良かった。10.10.21

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    2010年10月21日