山本周五郎のレビュー一覧

  • 人情裏長屋

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    ネタバレ

    11篇からなる短編集。

    「おもかげ抄」
    周囲から甘次郎と呼ばれるほどに女房に甘い鎌田孫次郎は、腕も確かで武士を助けたことで仕官の道が開ける。しかし孫次郎の妻は、本当は既に亡くなっていて…。

    「三年目」
    大工の友吉は博打から足を洗うために、許婚のお菊を信頼できる友、角太郎に預けて上方に旅立った。しかし戻ってみるとふたりは夫婦となっており、怒りに駆られた友吉はふたりの住処を捜し当て…。誤解が解けてよかった!

    「風流化物屋敷」
    おおらかな性格の武士、御座平之助が化物屋敷と名高い屋敷に越してくる。日々、物音がしたり化物が脅かしてくるが平之助は平気の平左、ちっとも動じない。賭場として使いたいがため

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    2012年09月06日
  • ならぬ堪忍

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    「私の書いた戦前のものは「日本婦道記」以外はすべて焼き捨ててくれ」と語っていたらしいが、戦前の13の短編。
    「千本仕合」「宗近新八郎」「米の武士道」など気持ちのいい短編もあるが、「あれ、これが周五郎?」という拙い感じのものもあって面白い。

    「武道は寧ろ武家の外にある。」「忠、不忠は世の批判のほかにあり。」「つまり、それは「なる堪忍」。さむらいにはご奉公の他にならぬ堪忍などない。」行動にすべて絶対基準を設け、生死も利害も小さなもので正義と面子にすべてをかける生き方はすがすがしい。

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    2012年07月27日
  • 雨のみちのく・独居のたのしみ

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    周五郎の随筆集。貧困、忍耐、頑固のイメージのある作者にユーモアがある面も見せてくれる。12.6.16

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    2012年06月16日
  • ひとごろし

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    昭和の初期の作品から30年代までの作品を集めた短編集 。筆者晩年の追求テーマは "無償の奉仕"。 短い物語の中に人々がもつ悲しさと意思のある行動をしっくりはめる。流石です。最初の作品壺は特にオススメ。生きる "極意"を学ぶ事ができます。

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    2012年07月29日
  • 山彦乙女

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    柳沢吉保が権勢を誇った時代、半之介は幼い頃に「かんば沢」という奇怪な土地の話を叔父から聞いていた。武田家再興を願う一族に縁のある地、「かんば沢」を調査していた叔父はその後、狂人となり失踪してしまう。成長した半之介は叔父が残した書付を見付け、どうしようもなく魅了され…。

    通勤途中に読み終えたのですが、半之介のように全てを捨てられたら幸せだろうなぁとぼんやりと駅の雑踏を眺めてしまった。気持ちが落ち込んでいるときには読まないほうがいいようです。

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    2012年05月08日
  • あんちゃん

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    後半の数編、ノウゼンカズラやあんちゃんはあまり面白くなかった。長編に見る細部の緻密さがない。
    これだけの文豪にも駄作があるのか、とちょっと安心。

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    2012年04月18日
  • 小説 日本婦道記

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    頭の天辺から指の先まで神経が通っているような、完璧な世界感。武家女性たちが生み出す張り詰めた空気と凛然さが、行間からひしひしと。古代日本女性は美しいです。が、今の私には眩しすぎて。。こんなに強くなれないよ。。緩みきって、漫然と日々を過ごしていると、緊張感でバリアされた作品世界に、入りこむこともできないのです。遠くから傍観、眺めるばかり。完全に読み手側の問題。我が身の未熟さを痛感し、縮こまった一冊。肩身が狭くなったけど、背筋は伸びた。文壇の重鎮の作品はやっぱり奥が深いです。婦道っていうからお説教されるかと思いきや、山本周五郎の女性への深い敬愛を感じたよ。もう少し共感できるような強さをもてたら再読

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    2012年03月03日
  • 季節のない街

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    貧民街に住む個性的な人達の日常生活を描いた作品。

    貧しさゆえ常にありのままをさらけ出して生きる人達の姿は悪く言えば下品かもしれないですが、虚飾だらけの現代人には羨望を覚えるところもあります。

    人物は個性的で面白いのですが、可笑しさの中にもどこかに哀しみがあり、その妙な現実味がこの作品の不思議な魅力の一部になっていると感じました。

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    2012年02月11日
  • 雨の山吹

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    江戸時代の恋愛を描いた小説。
    現代の小説でいうと、2人をさえぎるのは病気であったり、死であったりするけれど、
    江戸時代は身分違いや格式だったりする。

    時代で恋愛も変わるもんだね。

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    2012年02月08日
  • 花も刀も

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    花も刀も

    山本周五郎の初期から後期までの幅広いジャンルの短編集。ちょっとおかしいのからシリアスなのものまで、時代劇も現代物も合わせて。

    三部大作を読み終えたあとでは短編ではやはり物足りない感があるのは事実だがそれでも読み応えはある。

    タイトルにもなっている花も刀もは剣術に生きる主人公が剣の道、人との付き合い、食べていく方法で大いに葛藤する姿を書いている。誰も間違ってはいないが信念が受け入れられない主人公の歯痒さをつい自分の経験に当てはめて読んでしまう作品だ。

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    2015年05月12日
  • ちいさこべ

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    「ちいさこべ」は舞台を見ていたので読みやすかった。「花筵」と「ちくしょう谷」はどちらも興味深い。「へちまの木」は面白くなかったなー。

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    2012年02月01日
  • 小説 日本婦道記

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    昔から女性は(妻は)「こうであればいいな~。」と思われてきたような登場人物が次々と出てくる話。
    現代においては(ここに出てきたような)こんな女性達は少ないかもしれない。

    実際にはあんなに耐える尽くす女性にはなれないけれど、
    でも昔から日本において美徳とされてきた女性達の気持ちは、全く他人事という訳でもなかった。

    私も(一応)日本の女性だからだろうか。。(笑)

    短編の割に読みやすかった。(^^)

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    2012年01月13日
  • 青べか物語

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    余所者である私が「蒸気河岸の先生」として浦安の町を訪れ、住人たちの物語や3年間にわたる彼らとの触れ合いを描く。狡猾だがしかし質朴な個性あふれる町の住人たちの克明な描写が秀逸。徹底して部外者としての視点を貫き、冷静に回顧している点が特徴的である。

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    2012年01月08日
  • 柳橋物語・むかしも今も

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    全1巻。
    短編集。
    柳橋物語、むかしも今もの
    2本入り。

    ・柳橋物語
    とにかく不幸続きの女が
    最後に見つけた愛。

    ・むかしも今も
    ぐずでのろまで愚直な男が
    最後に手に入れた愛。


    柳橋物語はとにかく不幸。
    読んでて気がめいってくる。

    むかしも今ももずっと不幸。
    だけど最後少しだけほっこりする。

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    2011年12月05日
  • おさん

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    全1巻。
    短編集。
    全部で10本いり。

    ・青竹
    珍しい歴史小説。潔い武士の心持ち。
    泣ける。

    ・夕霞の中
    復讐しようとする男の人情劇。

    ・みずぐるま
    シンデレラストーリー。

    ・葦は見ていた
    青春時代の全てを投げ打つ程の愛と、
    その愛から立ち直った後、壮年になってからとの対比。

    ・夜の辛夷
    岡場所で必死に生きる女と、
    たまたま客になった訳あり男の人情劇。

    ・並木河岸
    ダメになりそうな夫婦が立ち直るきっかけは。

    ・その木戸を通って
    記憶喪失の女と、その夫になった男。

    ・おさん
    悲しい女の性に振り回される女と男達。

    ・偸盗
    平安時代の大泥棒の物語が演劇調に展開する
    コミカルで不思議

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    2011年12月05日
  • 五瓣の椿

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    全1巻。
    時代小説。

    著者には珍しいかんじの、
    ちょっと緊張感のあるサスペンス。

    現代ものっぽい、
    トリッキーな手法がいろいろ使われてて、
    緊張感もったまま最後まで続く。

    が、
    解説にも書いてあったけど、
    終章の結び方がちょっとキレイごとっぽかった。
    個人的に、最後もちょいいけたんじゃねえのって感じ。

    若さ故の潔癖さというか、
    哀しい純粋さというか、
    物語の底にずっと漂ってる
    著者らしい哀しさの空気は悪くないし、
    スリリングで読ませる物語だっただけに
    あんまり心に残らないのが残念。

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    2011年11月30日
  • 髪かざり

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    本当に大切なものは、自我でもスキルでも財産でもない。自己を確立して居る人は、そういうものを捨ててしまえる。自我意識なんて、ないほうがいいのかもしれない。

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    2011年11月01日
  • 風流太平記

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    全1巻。

    目標の為に犠牲を払うのが当然の侍の世界で
    目標よりも情に走る、
    危なっかしくて女に弱い主人公が、
    事件を解決するために奔走する話。

    珍しく主人公が陽性。
    哀しい、暗い印象じゃなくて、
    しかられてばかりでのんきな跳ねっ返りの三男坊。
    村上元三先生が描くような主人公と思った。
    しっとりした雰囲気が山本作品らしいと思ってたので
    以外。

    で、
    こういう主人公の物語って
    勢いあって爽やかな印象が似合うと思うのだけど、
    なんだか勢いはいまいちな感じだった。
    個人的には中途半端な印象。

    あと、
    やっぱり太平記?と思った。
    表題。

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    2011年09月05日
  • 栄花物語

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    田沼意次の政治を中心とした人間ドラマ。先鋭的な政策を打ち出すも、ことごとく排除されてついには諦めの境地へと陥ってしまう老政治家。転がるように人生を反転させて、しぐれの中ひっそりと息をひきとった二人。
    当事者が複雑に絡み合い、それぞれの生きる目的・価値観を考えながら行動している。人間の心の内面を映し出している。

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    2011年09月04日
  • 栄花物語

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    全1巻。
    田沼意次を背景に置いた、
    時代ものな感じ。

    表題やあらすじだと
    田沼意次が主役っぽいけど、
    その周りの身分のそんな高くない人達が主役ぽい。
    田沼意次もメインだけど。
    群像劇な感じ。

    全編通して、
    退廃的でニヒルな感じで、
    しっとりした哀しさがただよってる。
    山本作品らしい感じ。

    最後に「人間て」みたいに目が開けるのに、
    そいつの後ろに怪しい影な終わり方で、
    とても暗示的だった。

    賄賂の象徴とされてきた田沼が、
    孤独にがんばる政治家な感じで新鮮。

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    2011年08月22日