山本周五郎のレビュー一覧

  • ひとごろし

    Posted by ブクログ

    はじめての山本周五郎作品。
    胸にジワっとくるものや、クスッと笑ってしまうもの、シリアスに胸に迫るものまでバラエティに富んでいて楽しめた。
    特に【裏の木戸はあいている】が好みだった。

    0
    2025年02月02日
  • 青べか物語

    Posted by ブクログ

    「青べか物語」名前と舞台が浦安だということは知っていた。青く塗ったのり採り用の船、べか船。「べか」は床を押すと「ペコペコ」いうくらいの薄い板で作ってあることから、「ぺこ」がなまって「べか」のなったのだという。そんな船の廃船を高く(修理費含め)売りつけられ、浦安の海に浮かべての漁師との関わり合いが昭和の匂いを奏でる。男女関係は元禄時代(いや平安時代か)を彷彿とさせる。そんな頃から在日コリアンはエネルギッシュだったのであるよ。東京ディズニーランドのカヌー漕ぎなんかも青べかでやれば、浦安の伝統が残せたのになぁ~

    0
    2024年12月25日
  • 人情裏長屋

    Posted by ブクログ

    市井の人々の日常や人情の機微を
    表して面白い
    泥棒と若殿は 権力闘争に敗れ
    ボロ屋敷に置かれ 世話してくれる
    付き人も無く 食料も途絶え
    餓死寸前の若殿の寝所に泥棒に
    入った男
    あまりの窮乏ぶりに同情し
    世話をやくようになる
    厳しく辛い人生だったが
    殿を見ると何だか世話したくなり
    それが生き甲斐か 自らの張りに
    繋がり
    殿も争いの世界に虚しさを感じ
    こんな生きように満足していたところ

    争いに決着がつき殿として
    迎えがやってくる
    最後の夕食を殿が作り
    多くの民を幸せにすべく
    早朝に発つと そこに忠臣の家来が
    頭を垂れていた

    痺れる
    人間同士の思い 忠義 
    こんな世界
    昔はあったよね きっと

    0
    2024年11月15日
  • かあちゃん

    Posted by ブクログ

    実生活で辛いことがあっても、こういう作品とそこに生きる人のことを思うと楽になるということはあって、それは救いとなるなとありがたく思う。
    読めてよかった。

    0
    2024年11月13日
  • 小説 日本婦道記

    Posted by ブクログ

    優しさを売り物にしない、健気な女の物語。「不断草」は秀逸
    こんな女が居たら良いなぁという男の願望物語集

    0
    2024年09月30日
  • ちいさこべ

    Posted by ブクログ

    どんな時代にも火災や自然災害は
    あるけど
    遭遇した時にどんな風に向き合い
    生きていくか
    その人が出てくる
    凄い絶望と無常観の中で
    人として如何に考え
    責任を果たしていくのか
    いろんな考え方があるが
    その人の生きる力によるのかな
    花筵の女性は力強い
    今の女性は持ち得ない力かな

    0
    2024年09月28日
  • 樅ノ木は残った(下)

    Posted by ブクログ

    山本周五郎の大作を読み終えた
    伊達班を守るための様々な事が描かれており、心静かには読めなかった
    流石山本周五郎

    0
    2024年09月13日
  • さぶ

    Posted by ブクログ

    感想
    自分が真ん中にいる。みんなそう。だがそれに気づいているかいないかが大人と子供の違い。本当の友情とはなんだろう。それは大人もわからない。

    0
    2024年08月25日
  • 樅ノ木は残った(下)

    Posted by ブクログ

    すべて仙台藩のために
    原田甲斐の人物の描き方がすごい
    淡々とした表現なのに
    引き込まれてしまう。
    最後は生きて欲しかった

    山本周五郎の作品は
    初めての体験だったが
    人の描き方がすごい
    歴史小説だから読めないと
    勝手に決め込んでいたが
    勿体無いと思っている

    直木賞に始まり幾多の賞を
    辞退した作家
    これもすごい
    こんな作家今いない
    骨がありすぎる
    それも一番目の妻の
    「私は大衆作家の所へ嫁に来たのでは無い」という言葉に
    発奮したとも言われている

    0
    2024年07月08日
  • さぶ

    Posted by ブクログ

    最後の最後に判明する事の真相(事実かどうかは不明)が、単なる栄二とさぶの友情物語や成長物語とはまったく違う深淵な人間模様にしている。山本周五郎氏の人間に対する観方、性善説でも性悪説でもない、清濁併吞した存在として捉える視点が生きている。絶望のなかで見つけた絆、拭うことの出来ない人間の私欲、人を信じることの難しさ、それらを乗り越えた先にあるもの。物語の主体は栄二だが、全てを総括して示すラストの「おらだよ、ここをあけてくんな、さぶだよ」の姿と表情を思い浮かべれば、やはり作品名は「さぶ」だろう。

    0
    2024年06月18日
  • 樅ノ木は残った(上)

    Posted by ブクログ

    歴史物はあまり読まないが
    山本周五郎のこの作品は読むべきと
    ある作家が言っていたので
    手にとった
    幕府から逼塞を命じられた仙台藩主
    そして起こる上意討ち
    混乱する藩政
    それに乗じて力を得る一族
    それを見抜き
    じっと人と時の流れを観る原田甲斐
    陰謀渦巻く中で
    いかに対応していくか
    いかに考えるか
    面白い

    0
    2024年05月14日
  • さぶ

    Posted by ブクログ

     時代小説にちょっとばかり免疫がついたと思い、この作品を読んでみることにしました。

     主人公はさぶ、じゃなく英二…。ふたりは同じ年で江戸の下町で表具屋の職人、栄二は男前で仕事も器用にこなすが、さぶは要領が悪く愚図だが誠実ではあるが、ともに友情を育んでいた。ある日、栄二は信用していたお得意様から盗人の濡れ衣を着せられることに…自暴自棄になった栄二は暴力沙汰を起こし、人足寄場で罪人として収容されてしまう…。さぶは栄二を探し出し、わが身より栄二を思い足しげく人足寄場を訪れるさぶ…そして栄二と同時期に収監されていた罪人の仲間たち…栄二は徐々に頑なだった心を開いていく…。

     栄二が濡れ衣を着せられた

    0
    2024年03月16日
  • 白石城死守

    Posted by ブクログ

    山本周五郎の短編集。発表された多くが昭和15年~18年にかけてなので、当時の世相を反映してか、武士を通しての「忍」が描かれている。
    そして、戦後まもなく発表された短編の名作「菊屋敷」は運命にもてあそばれた武家の娘のひそかな喜び、それは自分自身に絶えず言い聞かせないと失くなってしまいそうな不安定な喜びなのだが、凛としていて清々しい。戦争で日本人が亡くしたものへの慈しみと諦念、前を向いて歩こうとする主人公の姿に、当時の読者は自身に重ね合わせ勇気づけられたことでしょう。必読の書。

    0
    2024年03月02日
  • 人情裏長屋

    Posted by ブクログ

    2月14日は山本周五郎の命日である(昭和42年没)。かつて少年は、時代小説に目覚めたあと、司馬遼太郎派に行くか、山本周五郎派に行くか別れた。わたしは、山本周五郎派に行った。その時既に吉川英治の八割がたを読んで、歴史物は極めたという慢心があり、それとは全くジャンルの違う世界を読んでみたく思ったと思う。本屋の山本周五郎棚を1/3くらい制覇した頃に、わたしはSFとか、純文学とかに移っていった。けれども、本屋の本棚はそれから数十年「いつでも戻っておいで」とほほえんでいた。

    表題作「人情裏長屋」
    今読むと極めて「定型的な人情話」である。超絶的な剣技を持つ浪人・信兵衛は、長屋の住人を陰ひなたに支えながら

    0
    2024年02月14日
  • 人情裏長屋

    Posted by ブクログ

    表題作をはじめとする「長屋」を舞台にした作品が多く描かれています。
    どれもおもしろかったですが、特に印象に残ったのは『泥棒と若殿』『秋の駕籠』の二篇で、どちらも男同士の友情が爽快に綴られていました。
    最後の『麦藁帽子』も不思議な読み応えで、尾を引くおもしろさです。

    0
    2024年01月14日
  • 柳橋物語・むかしも今も

    Posted by ブクログ

    「山本周五郎」の中篇時代小説を2篇収録した『柳橋物語・むかしも今も』を読みました。
    ここのところ「山本周五郎」の作品が続いています。

    -----story-------------
    過酷な運命と愛の悲劇に耐えて、人間の真実を貫き、愛をまっとうする――。
    一途な愛を描き、永遠の人間像を捉えた感動の二編。

    幼い恋心で男との約束を交わした「おせん」は、過酷な運命に翻弄される。
    「おせん」を愛する「幸太」は、命をかけて彼女を守り抜く(『柳橋物語』)。
    周囲の愛情に包まれ何不足なく育ったまきに降りかかった夫の裏切り。
    密かに慕う直吉は愚直なまでにまきに尽くすが(『むかしも今も』)。
    一途な愛の行方を

    0
    2024年01月04日
  • さぶ

    Posted by ブクログ

    「山本周五郎」の長篇時代小説『さぶ』を読みました。
    『山本周五郎名品館Ⅰ おたふく』、『山本周五郎名品館Ⅲ 寒橋』、『若殿女難記』に続き、「山本周五郎」の作品です。

    -----story-------------
    小舟町の芳古堂に奉公する「栄二」と「さぶ」。
    才気煥発な「栄二」と少し鈍いがまっすぐに生きる「さぶ」。
    ある日、「栄二」は身の覚えのない盗みを咎められ、芳古堂から放逐されてしまう。
    自棄になった「栄二」は身を持ち崩し人足寄場へ送られるが――。
    生きることは苦しみか、希望か。
    市井にあり、人間の本質を見つめ続けた作家の代表作。
    -----------------------

    「朝日

    0
    2024年01月04日
  • さぶ

    Posted by ブクログ

    江戸時代を舞台に、男前で器用な栄二と愚鈍だが誠実なさぶ。ままならない人生をふたりで乗り越えていくふたりの信頼関係が尊い!落ち込みもするけれど、決して折れず成長していく姿に感動です。出てくる台詞も今を生きる我々に刺さる、時代を問わない名作!

    0
    2023年09月26日
  • ひとごろし

    Posted by ブクログ

    昔、NHKのラジオで日曜名作座という番組があり森繁久弥と加藤道子がひとごろしの朗読を聴いたのが初めでした。山本周五郎の作品は読後感がとてもよく、以後短編を中心に読んでました。味わい深いと思います。

    0
    2023年09月17日
  • 花杖記

    Posted by ブクログ

    山本周五郎の短篇小説集『花杖記』を読みました。
    『編傑作選4 しづやしづ』に続き、山本周五郎の作品です。

    -----story-------------
    何者かによって父を殿中で殺され、家禄削減を申し渡された加乗与四郎が、事件の真相をあばくまでの記録『花杖記』。
    どんな場合も二の矢を用意せず、また果し合いにもあえて弱い弓を持ってのぞむ弓の達人の物語『備前名弓伝』。
    ほかに『武道無門』『御馬印拝借』『小指』『似而非物語』など、武家社会の掟の中で生きる武士たちの姿に、永遠に変わらぬ人間の真実をさぐった作品10編を収録。
    -----------------------

    大正15年(1926年)の

    0
    2023年05月28日