初野晴のレビュー一覧

  • シークレット~綾辻行人ミステリ対談集in京都~
    ホスト役・綾辻行人さんの人望の厚さが窺い知れる、まさに十人十色の対談集。過去の雑誌連載をまとめたものだが、最後のボーナストラックは最新の“語り下ろし”。その相手、熱烈綾辻ファンを公言する辻村深月さんとのやり取りがとても和んだ。
  • トワイライト博物館
    脳死状態になった少女の魂は過去の別人物へ飛ばされ、その人物が死ぬと少女が目を覚ます可能性も潰えてしまう。
    少女の魂を救うためタイムトリップする枇杷と、命綱となることを決意した勇介。

    ファンタジーだけどダーク気味。楽しい時間旅行じゃなく、物凄い痛みを伴う命を賭けた救出劇。
    自分を慕っていた6歳の子が...続きを読む
  • ひとり吹奏楽部 ハルチカ番外篇
    ハルチカシリーズの番外編
    要はチカちゃん以外の吹奏楽メンバ視点でのあれやこれや
    カイユ、芹澤さん、マレン、成島さんの4人

    カイユは苦労人だなぁ……

    芹澤さんの毒舌は傍から見てる分には面白いんだけどね
    もし自分に言われたとしたらヘコむかもしれない

    マレンはどこに行っても優等生的ですなぁ
    そして名...続きを読む
  • 退出ゲーム
    ハルチカシリーズの1作目。連作短編集です。
    日常ミステリで有名な本作ですが、表題作に関しては特殊設定から繰り出される想いがあまりにも強烈。ゲームの中がリアルにつながり、淡く描かれていきます。
    学園ものとして、部活ものとして、楽しい作品です。
  • 千年ジュリエット
    ハルチカシリーズ4作目でページ数が増量
    今回は文化祭

    日野原会長の手腕は校外まで及ぶのねぇ……

    障害を抱えた音楽家というのは、一般大衆に対してはまぁキャッチーな属性だよね
    辻井伸行も素晴らしい能力がある事は前提として、「盲目のピアニスト」という枕詞があるからこそここまで取り上げられたのではなかろ...続きを読む
  • 空想オルガン
    ハルチカシリーズ3作目
    今回は地区大会から東海大会までのお話

    今までは学内や部員になりうる人が謎の対象だったけど、今回は外部の人間が描かれている
    会場近くで見つけた犬、アパートを相続した人、他の学校の吹奏楽部(ギャル)、野外オルガンイベント等々

    対象が学外になっても抱えているものは重いのねぇ……...続きを読む
  • 初恋ソムリエ
    ハルチカシリーズの2作目

    今回も皆の抱えているものが重いなぁ

    77.4MHzはそんなでもないけど、ネーミングセンスがむかしの2ちゃんっぽい

    スプリングラフィはなー
    病気というか事情があって音楽で食っていく道から転向した人が身近なところにいるから結構くるものがある
    自分が音楽的センスが皆無なだけ...続きを読む
  • 退出ゲーム
    吹奏楽部の二人が探偵とワトソン役の日常の謎もの
    美少年な外見に加えて謎を解く能力があるハルタと、その幼馴染で「こんな三角関係は絶対に認めない」というチカ
    設定からすると結構おちゃらけた青春日常系ミステリに思えるのに、1冊読み終えた気分は結構重い
    なぜだ。解せぬ……

    「結晶泥棒」はそんなでもないけど...続きを読む
  • エール!(2)
    1に引き続き、読みやすいアンソロジーだった。別々の作家さんなのにちょっとつながっているところがにんまりする。社労士のヒヨコは偉いなぁ。自分で資格をとってがんばってるんだもんな。でも、それが引っかかる人もいるんだな。遺品整理の現場のすさまじさを垣間見た。
  • エール!(1)
    自分はお仕事小説を結構気に入っているらしい。読みやすいお話ばかりだった。ディスプレイデザイナーの彼女の気持ち、納得がいくまで葛藤があったんだろうなと思った。
  • エール!(3)
    様々な職業をテーマに、様々な作家さんが競演したアンソロジーの第3弾。
    たまたま好きな作家さんが多かったので、第3弾からいきなり読み出したが、美術作品の運搬の方の話や、ベビーシッター、新幹線の清掃員の話が特に面白かった。
    それぞれの作家さんの得意分野の作品が読めたのも、とてもお得な作品集だったと思う。...続きを読む
  • 惑星カロン
    祈りのフルートからはじまる連作、今までよりロマンチックというか、センチメンタルというか…なんか雰囲気変わったんだけど、このかんじ好きだな。
    シリーズ通して成長したチカの回想、という体をとってる意味がよくわからなくて(「楽しかったことしか話さない」とか言ってるし)、不穏な想像しかできずにいたんだけど、...続きを読む
  • ひとり吹奏楽部 ハルチカ番外篇
    片桐部長推しなので、メインのはなしが読めて満足!
    あとベルマークがすごい。奥が深い。
    最後のはなしは、吹奏楽強豪校も弱小校も経験したので色々懐かしく読みました。
  • ひとり吹奏楽部 ハルチカ番外篇
    番外編だけあって、普段は一人称で語ることが少なくレギュラーメンバーたちの本心が語られていて面白い。
    みんな良い子で、青春だ。
  • ひとり吹奏楽部 ハルチカ番外篇
    ハルチカ・シリーズの書下ろし短編集。本作ではハルタとチカは合間の掌編を除いてほとんど出てこず、吹奏楽部メンバーのサブキャラが語り部となったスピンオフの番外編である。基本的には二人一組のサブキャラがそれぞれの身に起こった小さな事件を解決するという体裁なのだが、本来のシリーズの探偵役でないことを意識して...続きを読む
  • 初恋ソムリエ
    前作よりさらに文章のテンポが良く、キャラクター同士の掛け合いもリズミカルなため非常に読みやすい。前作は全体的にユーモア色のベールに覆われていたが、今作はその味を殺さずに掛け合いのパートに凝縮させ、シリアス面とのメリハリをよく効かせている。不登校や謎の席替えといった学校の身近な問題が謎として投げかけら...続きを読む
  • 空想オルガン
    1・2巻は仲間集めの色が強かったが、本作は集めた仲間で初めて挑む大会がメインとなっている。文章のリズムやテンポの良さは相変わらずで、短編一つ一つの余韻や無駄を省いてすっきりとした結末などには好感が持てる。中でも「ヴァナキュラー・モダニズム」は謎解きの手掛かりが冒頭からしっかりと提示されていてミステリ...続きを読む
  • 空想オルガン
    今回のテーマは、家族と同じくらい大切な人への愛、といったところでしょうか。

    ジャバウォックの鑑札
    どうしても会えない理由のある母親から愛娘への愛。
    鏡の国のアリスがキー。


    ヴァナキュラー・モダニズム
    ハルタのお姉さま強すぎる。
    そしてイントロの、白銅色に輝く桐の花ってそういうことね。
    ちりつも...続きを読む
  • 初恋ソムリエ
    初恋ソムリエがよかった。
    エスペラント語の謎解きと、ほろ苦い過去と、でもバッドエンドにならない。
    ハルタはこれ、と思ったらずんずん行っちゃうんだな。でも全てを明らかにすることが答えじゃないっていうのも分かってきて。
    ローカルラジオもよかった。うさぎとかめが気になる。
    チカと芹澤さんがかわいい。
    あと...続きを読む
  • 千年ジュリエット
    「エデンの谷」で草壁先生の過去編?と思ったら、あとは文化祭メインのスピンオフっぽかった。
    「千年ジュリエット」はハルチカぽくない気がしたけど、こういう方が初野さんぽいような…?