初野晴のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
過去の世界を彷徨う少女の魂を救うため、タイムトラベルに挑む勇介とそのパートナー枇杷の活躍を描くSFミステリー。
初野さんの作品、特にファンタジー要素のあるミステリを読んでいて強く感じるのは登場人物たちの優しさと彼らが抱える痛さです。ただ優しいだけじゃ何も救うことも、変えることもできず、そのための代償として必ず痛さが伴う、ということを読むたびに意識させられます。
今作の登場人物たち、特に主人公コンビは本当に優しい。児童養護施設出身で、施設を出ることになった後も施設の子どもたちを案じる勇介。そして施設で特別に境遇が似ていた少女を救うため勇介は過去に行く選択をします。
そして過去に戻る -
Posted by ブクログ
少年時代の締め付けられるような思い出で始まる序章。。。
貯水槽に消えた同級生と、消えない心と身体の傷。
27年後、暴力団の組長代行としての世界。
次々に組員が眠ったまま死んでしまうという謎のテロをしかけられる。
ガネーシャから届く殺人予告には、奇妙なメッセージが。。。
寂れた街を舞台にすすむ『上側の世界』
それと交互に語られる『下側の世界』
下水道に住む6人のホームレスと王子と呼ばれる少年。
記憶を無くした女が迷い込み、街の下に存在していた暗渠に変化が起こる。
この女は何者なのか。
上側と下側の世界はどこで交わるのか、最後まで予測できなかった。。