初野晴のレビュー一覧

  • エール!(2)
    お仕事アンソロジーの2冊目。

    働く女子はカッコイイ。
    それはとっても。

    どれも面白かったけど、
    1よりもちょっといろんな環境の女子がえがかれてたかな。
    子どもを持つ人が働く時のあのジレンマ、
    それはとっても、あの頃の心を
    ギューッと掴まれたようだった。
    なので
    垣谷美雨の「心の...続きを読む
  • 1/2の騎士
    表紙が大変に美しい。
    それで手にとった。

    始めの設定のあまりのライトな感じに、最後まで読めるか不安だったが。
  • 水の時計
    初野晴さんの初めての作品。
    不思議な設定に惹き込まれました。
    深い繋がりの愛に感動しました。
    この作風結構好きかも。他の作品も読んでみよう。
  • 1/2の騎士
    レズビアンの女子高生と女装趣味の幽霊というこれでもか、と狙ったようなコンビが街で起こる奇妙で、恐ろしい事件を解決する話
    とにかく厚い、おかげで高い。
    作風も漆黒の王子とだいぶ様変わりしておりこの作品を境にだいぶライトな感じになったと言って良さそうである。
    章仕立てで中編程度の事件が並んでいるので厚さ...続きを読む
  • 水の時計
    初野晴デビュー作。これで横溝正史ミステリ大賞を受賞したそうだ。面白かった。ちょっとメルヘンチックな感じで書かれているけど、よく考えれば気持ち悪いとも思える。角膜から皮膚から内臓から、葉月の体からはひとつひとつなくなっていくのだ。そして昴はそれを見ていくのだ。自分と同じような境遇。好きになった男にそん...続きを読む
  • 漆黒の王子
    こ・・・こえぇ。

    「怖さ」の定義づけをするとしたら、高遠曰くの「衣食住を奪われた時」なんだと。交差する上側と下側。ガネーシャが何者なのか。

    そして、時間軸が交差しているのか、どうなのか。

    ミステリっぽくもあり、バイオレンスモノっぽくもあり。

    理不尽なチカラ関係が垣間見えたり。踏まれたほうは覚...続きを読む
  • 1/2の騎士
    初めての作家だったので、少しの緊張と人見知り感を感じつつ読んだ。
    ミステリ要素は章を追うごとに凄さが感じられ、最初に思っていたより面白かった。
    ただ、それに反転してラノベ口調なのが何だか残念。主人公も女の子にしては固い印象がする。
    どこか現実味の薄さを思わせる雰囲気も。
    ★4つの面白さだけど、なんと...続きを読む
  • 漆黒の王子
    暗い。
    社会的マイノリティに焦点を当てた話なのは1/2の騎士と同じだけれど、これはさらに暗部、救いが見当たらないような、人間の醜さとか愚かさとかが溢れた悲しい話だった。。。
    地下と地上の話が交互に来て、時間軸に混乱するかも。
    でも、こういう話をズドンと底まで落とさず、ファンタジーな雰囲気を保ったまま...続きを読む
  • 水の時計
    童話『幸福の王子』をモチーフにしたファンタジックミステリー…面白そう!と思い、手に取ってみた。
    臓器移植・生と死―内容は重たい筈なのに、透明感のある描写で重た過ぎず、ただすごく切なく感じた。
    オムニバス形式には多少戸惑うかもしれないけれど、一本の筋が入っていて、読んでいく内に引き込まれていく。面白か...続きを読む
  • 水の時計
    オスカー・ワイルド作
    「幸福の王子」の現代版。

    満月の夜だけ会話ができる脳死患者が
    主人公、昴に臓器を託した、その理由とは…
  • 1/2の騎士
    「ファンタジック・ミステリー」という大層なお題がついていたので期待して読んでみると・・・

    真性レズビアンの主人公が女装趣味の幽霊と出会って街にはびこる悪を・・・

    という、びっくりするほどの「陳腐」な設定。

    ・・・くらいに思ってたんですけどね。読み進めてみるとなかなかに悪くない。街にはびこる犯罪...続きを読む
  • 1/2の騎士
    ノベルズで出たとき、凄く迷って、文庫になったときも凄く迷ったです。ようやく決心して、購入。結果、面白かったです。この後が気になるけど、ここで終わるからいいんですよね。
  • 漆黒の王子

    砂の城の哀れな王に告ぐ。
    私の名はガネーシャ。王の側近と騎士たちの命を握る者。
    要求はひとつ。
    彼ら全員の睡眠を私に差し出すこと。


    プロローグは陰惨きわまりなく、さあこれから読もう!という気をねこそぎ持っていってしまうほど、陰鬱な虐めから始まります。
    私は一度プロローグで気力を失いました。...続きを読む
  • 1/2の騎士
    マドカの健気な強さがかわいい。サファイアのしたたかさもかわいい。事件は後味の悪いものばかりだけど、希望も残してくれているからまた読みたくなる。
  • 漆黒の王子
    上の世界も下の世界にも弱者が一杯で、のっけから心が辛い。帯を見てファンタジーかと思って読み始めたのがいけなかったのか。
    読み終わってから時系列に気を配ってもう一度読まないといけない本かもしれない。
  • 漆黒の王子
    ミステリーというか、半ファンタジー?
    私が脳内で謎解きを頑張らないタイプなのでファンタジーっぽく感じるのかな?

    最初は全く別世界のように思えた上の世界と下の世界の話が、ドンドン絡み合って最後に出会うのが良かったなー。
    続きを期待するが故に読むのを止められない面白さ。

    最後がいまいちしっくりこなか...続きを読む
  • 1/2の騎士
    登場人物全員が一筋縄でいかない人ばかり。

    主人公二人組からして、びっくり。

    オチは読めてしまうとはいえ、
    ”少数派”を題材としていて読み難いって思う人も
    いるかもしれないけど、
    ちょっと切なさが、良い感じで残ります。
  • 漆黒の王子
    社会的弱者と強者ってのは、もしかすると紙一重で、ある日突然に入れ替わってしまうものなのかもしれないな。地上と地下。二つの物語が交互に語られる。地上では地方都市で勢力を伸ばしている暴力団の代行紺野の周辺で組員が眠ったまま死ぬという不可思議な「事故死」が次々と起こる。そして謎の人物ガネーシャから届く暗号...続きを読む
  • 水の時計
    「脳死はヒトの死」葉月は死んだまま生き続ける少女。そう、脳は完全に死んでいるのに心臓は動き続けている、つまり脳死状態である。そして月の夜にだけ機械を通して言葉を発することができる…死ぬことか生きることか、自分で選ぶことさえできない彼女が選んだ道は自分の臓器を誰かに分け与えること。その臓器を秘密裏に運...続きを読む
  • 向こう側の遊園
    再読。

    寓話、ミステリ、動物の問題とを静かな舞台で描いた、初野さんらしい作品。

    「カマラとアマラの丘」がやっぱりいちばん好きです。
    セラピー犬が一生懸命に墓守に言葉を伝えようとしているのがいい。