初野晴のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
眠ったまま死に至る原因不明の死…。勢力絶頂の地方暴力団の団員たちの間に広がっていくこの現象は、病気か連続殺人なのか?組長代行らに送られた脅迫文とも読める謎のメールとの関連は?一方、下側の世界…。身体中に怪我を負ったわたしを助けてくれた浮浪者たち。彼らは「王子」「時計師」「ブラシ職人」「画家」などの呼び名で真っ暗闇の巨大な暗渠のなかで暮らしていた。上側の暴力の世界では、高遠が仕掛ける人間同士の殺し合いの様子など残酷な場面がまず目につく。ひぃー。だが、彼らがふと漏らす話から、プロローグ以降の二人の過去---人々のどす黒い悪意に満ちた行為の犠牲となっていた子供時代---が垣間見られ、彼らの冷酷すぎる
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Posted by ブクログ
第22回横溝正史ミステリ大賞受賞作。
暴走族「ルート・ゼロ」のトップ3の一人だった高村昴は、あやうく警察につかまりそうになるところを、芥と呼ばれる謎の老人によって事前にその危険を回避した。その代償として、妙な仕事を依頼される。脳死状態でありながら、月明かりの夜にだけ会話を交わすことができる葉月という少女。その彼女の願いに従い、彼女の臓器を移植を必要とする人々の元に極秘に運んでほしいというのだ。
脳死、そして臓器移植という重いテーマでありながら、「幸福の王子」をモチーフに、この綺麗な装丁のようなノスタルジックな世界で描いた作品。目、腎臓、心臓、それぞれを必要とする人々のそれぞれのショート