初野晴のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
第22回横溝正史ミステリ大賞受賞作。
暴走族「ルート・ゼロ」のトップ3の一人だった高村昴は、あやうく警察につかまりそうになるところを、芥と呼ばれる謎の老人によって事前にその危険を回避した。その代償として、妙な仕事を依頼される。脳死状態でありながら、月明かりの夜にだけ会話を交わすことができる葉月という少女。その彼女の願いに従い、彼女の臓器を移植を必要とする人々の元に極秘に運んでほしいというのだ。
脳死、そして臓器移植という重いテーマでありながら、「幸福の王子」をモチーフに、この綺麗な装丁のようなノスタルジックな世界で描いた作品。目、腎臓、心臓、それぞれを必要とする人々のそれぞれのショート