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文化祭の季節がやってきた! 吹奏楽部の元気少女チカと、残念系美少年のハルタも準備に忙しい毎日。そんな中、変わった風貌の美女が高校に現れる。しかも、ハルタとチカの憧れの先生と何やら親しげで……。
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Posted by ブクログ
ハルチカシリーズ4作目。 【エデンの谷】スナフキンのような格好をした女性は、草壁先生と親しそうに話をしている。先生との会話を盗み聞きしたチカたちは、女性のある探し物を手伝うことになる。 【失踪ヘビーロッカー】 「そのまま法定速度を守って、この街をぐるぐるまわるんだっ」 文化祭本番直前、学校に着いた...続きを読むにもかかわらず、乗っていたタクシーをUターンさせたアメリカ民謡クラブの甲田。肌寒い秋に冷房を最大にしろなどの命令を下す甲田は、一体何を隠しているのかー? 【決闘戯曲】演劇部で脚本担当の1年生が、本番当日の朝に姿を消してしまう。戯曲の内容は、右目が見えず左手が使えない「大塚一族」の世代を超えた3人が、絶望的なはずの決闘で勝利をするというものだった。勝利法がわからない状態で残された未完の戯曲。大塚一族は絶望的状況から、どのようにして勝利を掴んだのか。 【千年ジュリエット】 「ジュリエットの秘書 はごろも支部」年齢がバラバラな5人の女性は、病院から出られない日々のなか、ブログで恋愛相談を始める。秘書の1人"トモ"は、清水南高文化祭へ足を運び、かつて病院へ慰問してくれていた少年を探すのだった。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 清水南高校、文化祭間近、晴れの舞台を前に、吹奏楽部の元気少女・穂村チカと、残念系美少年の上条ハルタも、練習に力が入る。そんな中、チカとハルタの憧れのひと、草壁先生に女性の来客が。奇抜な恰好だが音楽センスは抜群な彼女と、先生が共有する謎とは?(「エデンの谷」)ほか、文化祭で巻き起こる、笑って泣ける事件の数々。頭脳派ハルタと行動派チカは謎を解けるのか?青春ミステリの必読書、“ハルチカ”シリーズ第4弾!
ハルチカの前にハルチカは無く、ハルチカの後にハルチカは無い。 まあ、究極的に言えばどんな作品だってそうなんですが、でも初野晴さんの作品、特にハルチカシリーズに関しては、さらに強くそう思ってしまいます。 文化祭を舞台にした短編が4編収録されたシリーズの4巻目。ハルチカシリーズを読むのは久々で、すっ...続きを読むとキャラたちに入り込めるかな、と思ったのですが、その心配は完全に無用でした(笑) 元気少女チカのユーモア溢れる語り口に、ハルをはじめとした個性的なキャラの数々。ああ、この感じだったなあ、とあっという間にハルチカの世界に手を引かれたように思います。 文化祭で起こる事件もバラエティー豊か。突然体育館に現われたピアニカを吹く女性の謎と、彼女の祖父の遺産の謎を解く「エデンの谷」 文化祭での演奏時間が迫る中、タクシーで高校まで乗り付けたのに、その場でUターンしてしまった高校生の目的を推理する「失踪ヘビーロッカー」 行方をくらました演劇部の脚本家に変わり、劇の結末を推理する「決闘戯曲」 そして、ある決意を持ってハルチカの高校の文化祭にやって来た人物を描く表題作「千年ジュリエット」 短編集で全ての短編が面白いと思うことはあっても、全てが後になっても思い出せるというのは決して多くはありません。でも今のところは、全て思い出せます(笑)改めてこの短編集の質の高さ、そしてインパクトの強さを感じます。 ハルチカ、および初野さんの作品の特徴は、ファンタジー要素が強かったり、あるいはマンガのようなキャラたちの掛け合い、あるいはギャグ的な要素がある一方で、突飛で奇抜な謎を持ってきたり、あるいはシリアスな要素を違和感なく、物語に溶け込ませるところだと思います。 「エデンの谷」はそんなキャラのかけあいや行動に笑わせられる反面で、その内容の厳しさに考えさせられます。シリーズとしても、あるキャラクターの転換点にもなりそうな話で、そうした面白さもあり、またオチで二度笑わせられる。なんだか、感情の起伏が激しくなる短編でした。 「失踪ヘビーロッカー」は展開が楽しかった! タクシー運転手の視点、到着を待つチカたちの視点、それが交差し、そして徐々に演奏時間が迫ってくるというタイムリミットサスペンスの側面もあって、緊迫感があります。そして一方でドタバタコメディを見ているような面白さも併せ持ちます。 さらに青春らしい熱い展開も挟まれたりと、これもハルチカでしか書けなさそうな短編。 「決闘戯曲」では「退出ゲーム」でも登場した濃い演劇部の面々とハルチカのやり取りももちろん面白いのだけど、謎の設定もそれに負けずに魅力的。右目が見えず、左手を使えない状況の登場人物がなぜ、拳銃を撃ち合う決闘で勝利できたのか? 結末のない脚本から、書き手の伏線や目的を読み取りたどり着いた結末。この推理の過程も面白いし、劇の種明かしはまさに知恵の勝利という感じがします。 そして表題作の「千年ジュリエット」 文化祭最終日の様子が描かれる一方で、合間に挟まれる回想は、あまりにも切なく儚い……。どこかの病院で5人が始めたネットでの恋愛相談の顛末は、読者である自分にも生きることや、命の意味を考えさせられます。 そして明らかになる真実とともに、押し寄せる感動。喪われたものと、確かに繋がれたもの。それを彩る最後の光景とチカのセリフ。そして勇気をもって文化祭に訪れた人物の決意。 マンガのようなキャラクターたちのユーモア・ライトミステリかと思いきや、予測のつかない謎や、思いがけない真実があり、そしてそんなユーモアとシリアス、そして感動を違和感なく両立させられる。ハルチカのハルチカたるゆえんは、そこだと思うのです。 久々に読んだこともあってか、ハルチカここまで面白い作品だったか、とビックリしてしまいました。シリーズの中で時間の経過は描かれているので、ハルチカたちもいつかは卒業するのだろうけど、できるだけ長く高校生でいてほしいなあ、とも思ってしまいます。
文化祭パートということもあって、いつもの目的意識のある吹奏楽部とは違った、高校生の日常面が強調されている。短編の一つ一つに謂わゆる「捨て回」がなく、どの短編も濃密で切れ味鋭く、余韻も申し分ない。以前は、謎解きの手がかりが専門知識の有無が必要条件であったため、読み物としては面白くともそこが不満ではあっ...続きを読むたわけだが、今作の短編は手掛かりはちゃんと作中で提示されている。個人的に気に入ったのはやはり「千年ジュリエット」で、明かされた真相、重いテーマもさることながら、非常に細かな技法が作中に散りばめられていて、読み物として一番面白かった。前作から通じて会話のリズムやテンポがよく、キャラの性格に屈託がないのも魅力の一つ。高校生のプリミティブでイノセントな部分や、極端から極端に振れやすい性質がよく現れていて非常に面白かったです。
ハルチカシリーズ第四弾。 ▼収録作品 「イントロダクション」 「エデンの谷」 「失踪ヘビーロッカー」 「決闘戯曲」 「千年ジュリエット」
読まなきゃもったいないという本を久しぶりに読んだ。愛と涙の青春ミステリーっていいなあ。それにしてもヘビーな話ばかりだ。
ハルチカシリーズ第4弾。 清水南高校吹奏楽部の夏の大会が終わってから文化祭までの青春ミステリー。 各短編の絶妙な絡み具合がいい。『失踪ヘビーロッカー』でのタクシー運転手が抱えてる問題の息子が ラストの『千年ジュリエット』で 驚きの形で登場。泣かされ、見事なトリックにやられました。『決闘戯曲』も舞台...続きを読むストーリーも引き込まれる面白さで、読みごたえ抜群でした。
初野晴さんのサイン会に行くのに、これを読んでいなかったので急いで読んだ。 このシリーズは《ハルチカ》シリーズと呼ばれているが、ハルタとチカが中心に据えられている話が多いだけで、実際のところ彼らがすべて主人公だというわけではない。 この『千年ジュリエット』の表題作も、どちらかといえばその流れだ。ハルタ...続きを読むとチカは「千年ジュリエット」ではモブに近い。様々な想いを抱え青春を過ごす高校生。《ハルチカ》シリーズの主役はきっと、いつかのあなたであり私だ。 それと、最後になりましたが、アニメ化おめでとうございます。
吹奏楽部の普門館を目指す活動は休止して、 清水南高校の学園祭をステージに吹奏楽部以外の脇役のストーリー。 特に最後の「千年ジュリエット」は語り手がチカちゃんでなくなっており、読んでいて少し戸惑いました。 その表題でもある「千年ジュリエット」が特に印象深く、もう少し幸せな結末を予想していただけに、...続きを読む最後が感慨深いものになりました。
シリーズ4作目。シリーズ全体からすると、少し骨休めという感じで、ハルチカたちが高2の文化祭あたりを描いている。 しかし今までよりミステリー要素がかなり強い。楽しく読めたけど、盛り沢山すぎて、私には少し消化不良になってしまった。可能であれば読み返したい。
ハルチカシリーズ4作目。これで既刊分は終わり。 初期に感じた読みにくさもなくなって、個性的なキャラクターも馴染んできて、続きが楽しみなシリーズ。 特に表題作の千年ジュリエットが良かった。ヘビーロッカーも好きだったけど。 逆に、決闘の話はストーリー上やむを得ないけど、シナリオ部分が少し退屈だった。 エ...続きを読むデンの谷でスナフキンが話した音楽のプロに関する話が印象的。
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