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Posted by ブクログ
女子高生と幽霊のコンビが、町に巣くう異常連続犯罪者たちに挑む姿を描いたファンタジー要素もあるミステリー。
初野作品は今回で三作目。コミカルなキャラクターたちの掛け合いは毎回楽しみだったのですが、今作もよかったです。主人公マドカと幽霊のサファイアのコンビはもちろんのこと、友人の加奈子や後輩たちなど同年代の人々との掛け合いだけにとどまらず、事件を通じてマドカと知り合いになる大人たちも魅力的なキャラばかり。
しかしキャラの掛け合いはコミカルながらも事件そのものはかなり悪質なものが並んでいます。盲導犬を殺しその様子を撮影する犯罪者、女性の家に不可解な不法侵入を繰り返す犯罪者、無差別的な毒ガス事件を起こす犯罪者、自分が殺した被害者の遺族にガラス工芸品を灰と一緒に送る犯罪者……。ミステリーやサスペンス小説を読んでいく以上、人の悪意についてもある程度読みなれているつもりでしたが、この作品に出てくる犯人たちは悪意というよりも狂気に近いものを感じました。だからか、それぞれの犯罪が普通のミステリーで描かれるものより、さらに黒いものを感じてしまいます。またそれと対峙するのが自らも悩みを抱えつつも、優しさを決して失わないマドカだから余計にその黒さを感じてしまうのかもしれません。
そうしたものに傷つき悩みながらも周りの人たち、そしてサファイアの助けもあってマドカが再生、成長し、また戦いに臨んでいく姿は、この世には悪意にも狂気にも負けないものがある、ということを教えてくれている気がします。
章仕立てで話が進んでいき、各章で一人の犯罪者にマドカとサファイヤのコンビが挑むという話になっているのですが、中盤戦の章の『インベイジョン』との対決が特に印象的。動機の異常さとその周到な計画に、驚きとともに寒気を感じました。
この話のもう一つのテーマとなっているのは社会的弱者やマイノリティのこと。こうしたテーマを小説で扱うのは非常に難しいと思うのですが、それに臆さず話を書いてくれた初野さんの勇気と技量もすごいなあ、と思いました。
Posted by ブクログ
なんと。
最初はかなり、なめ気味だった。
ずいぶんとかわいい物語じゃない?レズの女子高生だけに見える憧れの年下の正体は実は?
‥なはは。
しかし。
ファンタジーをまといつつも、設定されたトリックも背景も、かなり作り込まれている。
一見荒唐無稽な犯罪に見えてしっかりと裏付けがあり、「もしかしたら」と思わせる。
柔らかな地の物語と、縦線に入る亀裂のような悪意の犯罪が、妙に調和して美しい。
この作者の中にはいったい、悪意と夢のどちらがたくさん、詰まっているんだろう?
水の時計、漆黒の王子と読んできて、その作風の透き通った爽快感と、
救いある悪意のミックスに、今すごくはまりそうな予感。
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