初野晴のレビュー一覧
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実写映画化もしたジャンプの漫画「バクマン。」の作中作である「PCP」のノベライズ。ヒロイン・安之城舞の視点で描き、主人公のマコトやその親友のミノルのイメージを崩さないよう配慮しているところは丸。但し、表紙イラストに比べ本作の年齢が幼くイメージに合わない。主人公3人の性格に関してもマコトはともかく、ミノルが無口だったり、マイが妙に敬語を使ったりと気になるところはある。多少のクセはあるものの、悪い子はおらず、大人も悪役がいないので気持ち良く読める。後半の孤島での挑戦編は面白かった。
流石は初野晴だが、これから面白くなりそうなところで物語が終わるので、物足りない。 -
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ネタバレ『水の時計』における人の死(ここでは脳死)、『漆黒の王子』における「上の世界」と「下の世界」(本作では現代と過去)、『1/2の騎士』にあるSF的(ファンタージ的とも)設定を活かし、主人公が魔女狩りの吹き荒れる中世イギリスの魔女探索人に挑む。SF的、ファンタジー的なようでいて、いちおう謎解きミステリの構成をきちんととっているのは流石。最後のひねりも秀逸で満足。惜しむらくは、主人公を支える、一人一人が実に個性的な学芸員たちの掘り下げが、主人公とナナ、時間旅行先の老婦人と少年との間に焦点が当てられているためか、やや足りなく感じられたことか。ただ、この作品は、枇杷の姉の設定もあることから、続編が予想できる点、今後に期待したい。
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暴走族のリーダーを務める高村昴は1000万円と傷害事件のもみ消しと引き換えにある依頼を持ちかけられる。それは脳死と診断された少女の臓器を運ぶバイク便だった。
一章で昴がバイク便の仕事を受けるまで、二章以降は臓器を受け取る側の話が連作調で、最終章で再び昴の話に戻る、という構成です。
臓器を受け取る側の話、それは生と死、それぞれの幸せをめぐる物語になっています。
ずっと入院する妹とそれに付き添いっきりの母を複雑な気持ちで見守る姉、
人工透析という束縛から逃れるため、海外での移植に希望をつなぐ女性、
心臓の病気で余命わずかと宣告され、最後を海外ボランティアで過ごそうとする男性
それぞれの話にミステリ的な謎の解決というのもあるのですが、それ以上にそうした幸せや生と死をめぐるドラマが静謐とした印象の筆勢で描かれていることが印象的でした。
それだけに話の中心となるはずの運び屋昴と脳死した少女葉月の心情が今一つ描かれていなかった点や、昴が所属していた暴走族の問題とストーリーの組み込み方が急に感じた点が、惜しく感じました。
作品の雰囲気や世界観はファンタジックで幻想的なものもありながら、それでも生と死や幸せといった問題に踏み込もうとしていて、印象深いものでした。
第22回横溝正史ミステリ大賞 -
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6作品の短編。
ちらほらと見知った店名が出てきたりで
微妙なリンクが楽しかったです。
最初のインストラクターには驚きです。
体育大を出て…みたいな事は思ってましたが
まさか試験があるとは。
よくよく考えれば、語らないと分からない経歴より
そういうものがあった方がいいのかも?
逆もまた言える、という説もありますが。
言う事でストレス発散。
確かに男性や体験してない人には
分からない事かも知れません。
ラストに、ツンデレ? とか思ってしまった…。
社労士、というのは身近な職業。
しかしここに出てきた会社の人…すごいです。
まさかクレーマーもどきだけかと思ったら
すごい落ちが。
とりあえず、わけがわからないけど判子を押すのは
止めておいて方がいいよ、という教訓はできました。
だまして失業保険もらっても、ばれてしまうと
しっぺ返しがすごいですよ、というのは知ってましたけど。
3つ目に出てくるバイト君は…駄目駄目かと。
見る目がない、とかいう問題ではなく
確かにあの能力は重宝しますけど
食品系が不潔に見えるのは駄目だというのは
当然なのではないか、というぐらい気づきましょう。
いや、見た目を気にするなら、それ系に
変わった方がよいのでは??
整理遺品の職場は、1回行ったらもう無理、と
聞いた事があります。
中途半端なやる気では無理な職業。
生活のためとはいえ、それでもやっているのは
尊敬に値する事です。
とはいえ、これうまくいったで終わってますが
世の中には逆鱗に触れたまま、という事もあります。
上司に言われているならなおの事。
言葉にする前にこそっと取っておく、程度でよいかと。
FM放送をする女性。
曲目がなかった事に、自力で歌ってしまったのに
ちょっと笑ってしまいました。
自分の声が電波に乗って…無理無理w
というか、落ちはそこですか、でした。
ある意味分かりにくく、ある意味予想通り。
最後の話は、不思議状態でした。
社の屋上に住んでいると思っていたホームレスは
実は…という。
まったくそこには思い至りませんでしたし。
驚きの、男の存在。
それをいうなら主人公も、ですが。
自己陶酔型?
そりゃ補充も来ませんよ、という話です。
2つ目の話の女性ではないですが、もう少し
こそっと動かすように生きていく、べきでしょうか?
人と人との繋がりってもろい、です。 -
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ネタバレ1が思いの外良かったので読んでみた。
特に大きなことがなくても、問題が解決しなくても
ちょっとしたことで頑張ろうと思えるような平凡な中でも
自分にとっては大事だったり重大事だったりする日々。
それぞれの短編の世界が微妙に繋がって同じ世界になっていて
この世界で色んな人がいて、いろんな仕事をしながら
色んなことを経験しているのだなと思える。
そのリンク以外にも、たとえにジブリが出てきているのも
共通して出そうという試みだったのだろうか。
リアルで共感するし、読み終えてちょっとほっとできる。
多少オチがいまいちかな、などと思うものもなくなかったが
楽しんで読めた。 -
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気になっていた、初野晴。
廃園になった遊園地には不思議な噂があって、ワケありの動物を弔ってくれる青年がいるという。
相手の心を覚り、嘘が嫌いなその青年との問答で進む連作短編集。
「真実が語られる」というギミックが、ありえない世界であっても、現実に持ち込むことが出来る要素になっていて、面白い。
単なる動物愛情物語に終わらせず、動物にまつわる過酷な状況も描かれている。
陳腐な感想だが、人間のエゴを直視させられるしんどさがある。また、ミステリーとしても、とても巧みな作りをしている。
基本的には廃墟の遊園地という、変わった場所が舞台になるのだが、登場人物によって語られるシーンが鮮やかに想像できる。
シリーズ作品にも手を出したくなる、読み応えのある小説だった。 -
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インパクトがあったのは
500円玉貯金箱とギャルバンのみんな。
あと、フリーライターの渡邉さんが
草壁先生に言ったセリフ。
先生の過去に一体なにが…
こうやって小出しで明かされていくんでしょうか。
家族とのつながり、
仲間との友情と夢、青春…
テーマとしては申し分ないのですが
やっぱりミステリの精度と解説、
ストーリー全体の厚みがやや物足りない…。
読んでいて、「ここ惜しいな…」とか
「もうちょっと肉付けしてほしいなぁ」
と思う部分が毎回あるのですが、
そこは個人の好みなので置いといて。
この作品のいいところは何より
魅力的なキャラクターが多いこと。
第三者…ハルタの姉や渡邉さんの視点から見た
チカちゃんのことがいくつか描かれていて、
彼女をもっと応援したくなりました。
料理上手でかわいくて、変人磁石の熱血少女。笑
芹澤さんとのコンビもなかなかいい。
芹澤さん、ついに入部か…?
来年の夏に向けて
がんばれ、清水南高校吹奏楽部。 -
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変な生徒会長に絡まれたり
大好きな先生のために頑張ったり
音楽室でみんなでお弁当食べたり…
仲良くわいわいしているシーンが微笑ましいです。
『周波数は77.4MHz』を読んでやっと気がついたのですが、
これって静岡の高校が舞台だったんですね。
今回新たに登場したのは
ツンデレCl.奏者と、地学研究会のヘルメット美人と、
サバ入りミックスベジタブルおにぎりもぐもぐしてる留年男子と、
背中にチャックがあるかもしれないオールバックの初恋ソムリエ。
チカちゃんの周りほんとに変人しかいない。
本人も「磁石か?わたし。」と思ってしまうほど。
“ブラックリスト十傑”は残り5人。
どんなキャラが出てくるのか楽しみです。
というかそもそも生徒会長の日野原さんを
十傑に加えるべきだと思うのですが。
好きな言葉「天上天下唯我独尊」て。笑
今回は前に比べると
すこしストーリーに厚みを感じましたが
それでもまだ物足りないかな…。
やっぱりストーリーよりキャラ重視で…
次作『空想オルガン』へ。