初野晴のレビュー一覧

  • トワイライト博物館

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    ネタバレ

    『水の時計』における人の死(ここでは脳死)、『漆黒の王子』における「上の世界」と「下の世界」(本作では現代と過去)、『1/2の騎士』にあるSF的(ファンタージ的とも)設定を活かし、主人公が魔女狩りの吹き荒れる中世イギリスの魔女探索人に挑む。SF的、ファンタジー的なようでいて、いちおう謎解きミステリの構成をきちんととっているのは流石。最後のひねりも秀逸で満足。惜しむらくは、主人公を支える、一人一人が実に個性的な学芸員たちの掘り下げが、主人公とナナ、時間旅行先の老婦人と少年との間に焦点が当てられているためか、やや足りなく感じられたことか。ただ、この作品は、枇杷の姉の設定もあることから、続編が予想で

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    2015年02月18日
  • トワイライト博物館

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    どっと疲れたけど良かった。
    博物館・時間旅行・ミステリーと面白そうな題材揃いだったので読んでみたが、想像以上に過酷だった。

    天涯孤独だった勇介に突然遺された大伯父の博物館。彼は不思議な学芸員、枇杷と出会い大切な人を救うため過酷な旅に出る。

    時間旅行の目的。博物館である理由。癖者ばかりの学芸員たち。
    重い雰囲気で気軽に面白かったとは言えない読後感だけど読み応えありました。
    なにか裏がありそうな博物館と、残虐な魔女狩りが横行する中世のイングランドを舞台に展開されるスリルあるファンタジー+ミステリー。

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    2015年01月11日
  • 水の時計

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     暴走族のリーダーを務める高村昴は1000万円と傷害事件のもみ消しと引き換えにある依頼を持ちかけられる。それは脳死と診断された少女の臓器を運ぶバイク便だった。

     一章で昴がバイク便の仕事を受けるまで、二章以降は臓器を受け取る側の話が連作調で、最終章で再び昴の話に戻る、という構成です。

     臓器を受け取る側の話、それは生と死、それぞれの幸せをめぐる物語になっています。
    ずっと入院する妹とそれに付き添いっきりの母を複雑な気持ちで見守る姉、
    人工透析という束縛から逃れるため、海外での移植に希望をつなぐ女性、
    心臓の病気で余命わずかと宣告され、最後を海外ボランティアで過ごそうとする男性
    それぞれの話

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    2014年12月30日
  • 千年ジュリエット

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    ネタバレ

    ハルチカシリーズ第4弾。

    高校2年文化祭のお話。
    前作「空想オルガン」と時系列が被っている短編もあり、違う視点、登場人物を主観とした物語なので「空想オルガン」では語られていない背景もチラッと垣間見れます。

    吹奏楽部としてのお話は進まないのでワクワク感や盛り上がりには欠けるがハルチカファンには手に取って欲しい。

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    2014年12月02日
  • 漆黒の王子

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    都市の地下の暗渠には誰にも顧みられず暮らす人々。地上では異国の鳥が飛び交い脅迫メールを送りつけられたヤクザの組員が睡眠を奪われて次々と不審死をとげる。

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    2014年09月27日
  • 千年ジュリエット

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    誰もが懸命に生きている、大げさではなくて。

    シリーズ4作目から読んでしまった。短編集なので、ついていけないことはないが、前作までの人間関係がわかっていた方がよかったかも。文化祭の様子。最後に短編の登場人物の意外なつながりがわかって、少し驚く。

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    2014年09月10日
  • トワイライト博物館

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    帯の文句につられて。
    小、中学生くらいの年に読みたかった。
    枇杷の姉についての続編を期待しときます。

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    2014年07月19日
  • エール!(2)

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    6作品の短編。
    ちらほらと見知った店名が出てきたりで
    微妙なリンクが楽しかったです。

    最初のインストラクターには驚きです。
    体育大を出て…みたいな事は思ってましたが
    まさか試験があるとは。
    よくよく考えれば、語らないと分からない経歴より
    そういうものがあった方がいいのかも?
    逆もまた言える、という説もありますが。
    言う事でストレス発散。
    確かに男性や体験してない人には
    分からない事かも知れません。
    ラストに、ツンデレ? とか思ってしまった…。

    社労士、というのは身近な職業。
    しかしここに出てきた会社の人…すごいです。
    まさかクレーマーもどきだけかと思ったら
    すごい落ちが。
    とりあえず、わけ

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    2014年07月18日
  • 退出ゲーム

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    どの短編も、読み終わった後に少し切なくなるお話でした。
    謎を解くだけでなくその裏側の事情まで解き明かすハルタ・
    そしてそのハルタとチカの両方を虜にする先生は何者なんだ。興味深いです。

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    2018年04月27日
  • エール!(2)

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    ネタバレ

    1が思いの外良かったので読んでみた。
    特に大きなことがなくても、問題が解決しなくても
    ちょっとしたことで頑張ろうと思えるような平凡な中でも
    自分にとっては大事だったり重大事だったりする日々。

    それぞれの短編の世界が微妙に繋がって同じ世界になっていて
    この世界で色んな人がいて、いろんな仕事をしながら
    色んなことを経験しているのだなと思える。

    そのリンク以外にも、たとえにジブリが出てきているのも
    共通して出そうという試みだったのだろうか。
    リアルで共感するし、読み終えてちょっとほっとできる。
    多少オチがいまいちかな、などと思うものもなくなかったが
    楽しんで読めた。

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    2014年07月15日
  • エール!(2)

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    「エール!2」
    働く女性、職業もの小説。全6編。
    平日のピザ屋を少人数ソフトでこなすための工夫、裏事情が興味深かった。

    *坂木司「ジャグジー・トーク」 スイミングインストラクター
    *水生 大海「五度目の春のヒヨコ」 社会保険労務士
    *拓未 司「晴れのちバイトくん」 宅配ピザ店 店長
    *垣谷 美雨「心の隙間を灯で埋めて」 遺品整理会社 社員
    *光原百合「黄昏飛行」 コミュニティFMパーソナリティー
    *初野 晴「ヘブンリーシンフォニー」 OL

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    2014年06月06日
  • 空想オルガン

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    インパクトがあったのは
    500円玉貯金箱とギャルバンのみんな。

    あと、フリーライターの渡邉さんが
    草壁先生に言ったセリフ。

    先生の過去に一体なにが…
    こうやって小出しで明かされていくんでしょうか。

    家族とのつながり、
    仲間との友情と夢、青春…
    テーマとしては申し分ないのですが
    やっぱりミステリの精度と解説、
    ストーリー全体の厚みがやや物足りない…。

    読んでいて、「ここ惜しいな…」とか
    「もうちょっと肉付けしてほしいなぁ」
    と思う部分が毎回あるのですが、
    そこは個人の好みなので置いといて。

    この作品のいいところは何より
    魅力的なキャラクターが多いこと。

    第三者…ハルタの姉や渡邉さんの

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    2016年04月06日
  • 初恋ソムリエ

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    変な生徒会長に絡まれたり
    大好きな先生のために頑張ったり
    音楽室でみんなでお弁当食べたり…
    仲良くわいわいしているシーンが微笑ましいです。

    『周波数は77.4MHz』を読んでやっと気がついたのですが、
    これって静岡の高校が舞台だったんですね。

    今回新たに登場したのは
    ツンデレCl.奏者と、地学研究会のヘルメット美人と、
    サバ入りミックスベジタブルおにぎりもぐもぐしてる留年男子と、
    背中にチャックがあるかもしれないオールバックの初恋ソムリエ。

    チカちゃんの周りほんとに変人しかいない。
    本人も「磁石か?わたし。」と思ってしまうほど。

    “ブラックリスト十傑”は残り5人。
    どんなキャラが出てく

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    2016年04月06日
  • トワイライト博物館

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    書店で見かけたとき、題名と表紙に惹かれて即購入しました。初野さんの小説では「ハルチカ」シリーズを読んだことがあるのですが、個人的には本書の方が好みです。
    時間旅行、中世の魔女狩り、繋がれた離してはいけない手…。使われている要素は聞くだけでワクワクするもので、展開も予想がつかず頁を捲る手が止まりませんでした。
    途中、分からない説明や気になる点もあったけれど、爽やかなラストは◎です。

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    2014年01月08日
  • 漆黒の王子

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    これもまた著者らしい雰囲気の作品です。前作「水の時計」とは随分テイストが変わったようにも思いますが、おすすめです。

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    2014年01月01日
  • エール!(2)

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    お仕事小説アンソロジーの2。
    3を先に読んでいるのだけれど
    これシリーズは執筆陣も豪華だし
    内容もバラエティに富んでいて楽しく読めていいね。

    テーマは働く女性達への応援アンソロジーとのこと。
    このシリーズは日常にちょっと疲れちゃったときに
    ほっと一息つくのに調度いい。

    さてと。
    明日は月曜日。
    わたしもひとつがんばるとしますかね。

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    2013年11月24日
  • 1/2の騎士

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    複数の短編を一つに繋げた連作短編形式小説。とにかくキャラクターが個性的です。「喘息持ちの純粋レズビアン」マドカ、「女装趣味の幽霊」サファイア、「ゲイのやくざ」ゴリラ、「その手下の武道派組員」サイ、「紳士な探偵」キリン…それぞれが良い感じで引き立っていますし、各キャラの成長の様子もよく描かれています。
    おとぎ話のような雰囲気ですが、中身はかなりシリアスなミステリーでかなりしっかりと作り込まれています。
    色んな意味で良く出来た作品だと思いますが、独特な雰囲気や設定なので好みが分かれそうな気がしました。

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    2013年11月22日
  • エール!(2)

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    いろいろな仕事に就いて働く人たちのアンソロジー。2作目。

    どの人も初読だったのかな。

    現実で衝撃的なことがあったため集中できず。
    仕事は何事もなかったかのように行っているけど
    読書では現実逃避しきれなかった。。

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    2013年10月24日
  • エール!(2)

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    女性のお仕事小説アンソロジー第2弾。
    1作目よりヒロインの仕事や環境がバラエティに富んでいて面白かった。世の中には本当に様々な仕事がある。
    坂木司と光原百合以外は初読だったが、どれも読後感さわやか。

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    2013年09月28日
  • 1/2の騎士

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    ネタバレ

    4人の殺人鬼に幽霊の女装少年と女子高生が立ち向かう連作集。

    キャラクターは分かりやすくコミカルなのに対し殺人鬼の犯行や展開は重くそのギャップが面白かった。

    各話にでてくるトリビア的小ネタが楽しい。特に天気俚諺の話。
    話のなかではドッグキラーが勢いもあり最後までハラハラできて一気に読むことができた。

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    2013年04月29日