あらすじ
廃園になった今も、無数の花が咲き乱れる街はずれの遊園地。そこには、謎めいた青年が守る秘密の動物霊園があるという。「自分が一番大切にしているものを差し出せば、ペットを葬ってくれる」との噂を聞いて訪れる人々。せめて最期の言葉を交わせたら……。ひとと動物との、切ない愛を紡いだミステリー。
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動物達の心。
廃墟の霊園なんて、なんてロマンチック!と思いました。現実では怖すぎて行けませんが。まさに物語の醍醐味ですね(^^)
悲しいお話ばかりで、人間のエゴを思い知るような内容です。特に、クマネズミの話が壮絶で、心臓に悪かったです。でも、とても初野先生らしいお話な気もしました。
ささやかな救いだとしても、この霊園のような場所が本当にあったら良いのにと思わずにはいられませんでした。
Posted by ブクログ
廃墟になった遊園地にある、花が咲き乱れる庭園。そこにあるのは秘密の動物霊園。
相変わらずはなしの内容は重めだけど読みやすい。
墓守の青年は、月の光の下でだけ人間と意思疏通ができる。
森野くんが謎を解く、というか、呪いを解くというか暴かれたくないものを暴くというか。
どれも切ないはなし。
似鳥さんの本と平行して読んだので、動物との関係を考えてぐぬぬとなる。
デカルトが唱えた「動物機械論」。動物行動学では、動物は感情がないよくできた機械だという態度を今も取っているのだとか。うーん、あんまり人と同じに考えるのもどうかと思うけど、これはこれで極端だなー
ビッグフットのはなし。最後に出した答えが辛い。知能を持ったインコのはなしも。
最後に森野くん本人のはなしが知りたかったなあ。
Posted by ブクログ
現代作家の骨太の作品の久しぶりに読んだと思った。
初野晴はどうしてもハルチカシリーズのイメージが強いが、『水の王子』のような作品も書いていたのだと、改めて思いだした。
それぞれに抱える思いが悲しく、愛おしい。
読んで良かったと心から思う。
Posted by ブクログ
わけありの動物たちを埋葬してくれる動物霊園の話。
夜寝る前に1話づつ読んでいました。
冷静に読み返せば首を傾げたくなる場面もあるし疑問も残るのだけれど、登場人物(動物)たちの痛みも舞台である廃墟の遊園地の描写も綺麗で、切ないながらに気分が落ち着く一冊でした。
Posted by ブクログ
"真実は目に見えない"
そんなところかな。
クマネズミの章では、なんとなく『新世界より』のバケネズミを思い出してしまった。
"戦士"という表現がひっかかったのかな?
アマラとカマラの丘 -ゴールデンレトリーバー-
ブクウスとツォノクワの丘 -ビッグフットー
シレネッたの丘 ー天才インコー
ヴァルキューリの丘 ー黒い未亡人とクマネズミー
Posted by ブクログ
再読。
寓話、ミステリ、動物の問題とを静かな舞台で描いた、初野さんらしい作品。
「カマラとアマラの丘」がやっぱりいちばん好きです。
セラピー犬が一生懸命に墓守に言葉を伝えようとしているのがいい。
Posted by ブクログ
ハルチカよりは『トワイライト博物館』寄りなお話。書きたいんだって芯がしっかり通っているところと、ちゃんと意外性を狙ったストーリー展開の工夫が、良い。ただ少し、全体としてどこを目指してるのかがわからず、ボヤけてしまった感はあったかもしれない。一話完結の短編にされた方がスッキリはしたかも。