宮台真司のレビュー一覧
-
いやはやーめちゃくちゃ面白かった...!
豊かになっているはずなのに生きづらいのはなぜか。構造的問題は何か。そもそも、私たちはどんな社会システムに依存しているか。短期的な選択が中長期的にどのような症状を引き起こしているか。なにがセンターピンか。
いつもと違う角度からの刺激がビシビシでした。対話形式...続きを読むPosted by ブクログ -
リーダーシップの旅を読んでファンになっていた野田さんと宮台さんの対談本。好きなお二人の本だけにとても楽しみに読んだら、まさに自分が今悩んでいる部分に対しての処方箋となるようなコメントが数多く散りばめられていた。
とはいえ、簡単に世の中を変えられるわけでもないけれど、少し方向性が見えたような気がした。...続きを読むPosted by ブクログ -
損得野郎の自分にとっては胸に突き刺さる本だった。失って行く人間らしさに絶望しながら、人間らしさを取り戻す模索をしていこうと思う。Posted by ブクログ
-
感情が劣化した当方に、この本はグサリと刺さった。
心の穴を埋めるように恋人、パートナーを扱ってはいないか?自分の気持ちはオートマタ的な損得に基づいて発露されていないだろうか?
一度通読しただけでは咀嚼し切ることはできない、性愛と社会の諸問題。
自分自身がそんな「クソ社会」の一員であることを自認...続きを読むPosted by ブクログ -
冒頭で語られる「日本は社会の底が抜けた状態」というのが、本書を読むことでよく理解できる。また講義形式のせいか、難解な社会システム論が理解しやすく語られているのと、受講生による質問で議論が更に深まっている。
本書では、市場・行政を”システム世界”と呼び、その拡大により、人々の感情劣化(利他性が損なわ...続きを読むPosted by ブクログ -
進む社会の分断、台頭する排外主義、ポピュリズム。我々が依拠する基本的人権や民主主義の価値が足元から揺らいでいる今、社会を構築する一歩を踏み出さなくてはならない。Posted by ブクログ
-
社会の変化が極めて論理的に語られていて、なるほどと膝を打つと同時に、この感情の劣化を止める方法は本当にあるのかと、絶望感の方が大きかった。
今後は宮台氏の他の著書も手を付けるとともに、ピーターティールをはじめとした新反動主義者、加速主義者、リバリタリアンの主張も学んで行きたい。Posted by ブクログ -
漠然と抱いていた違和感が明確に言語化されている。自分を取り巻く社会がどうなっているのか、どこに向かっているのか、そこから自分自身がどう影響をうけているのか、どう生きていけばいいのか、考えるきっかけになった。
耳の痛い話も多かった。
自分はフリーライドしがち。
講義形式なのと、文字数少なめでかなり...続きを読むPosted by ブクログ -
システム世界の全域化と共同体の空洞化、その結果として孤独死や人間関係の希薄化といった問題が出てきた
合理的な判断と行動の積み重ねが、人間同士の関係性を根本的に変化させ、僕らの精神的安定性を失わせている
短期的な便益を享受するために意図的にシステムに依存する行為(自律的依存)が気がつけばシステムな...続きを読むPosted by ブクログ -
社会の構造的な課題を分析し、その処方箋を提示する。実にまっとうな、そして、現時点で最高水準の本だ。
キーワードはシステム化。行政や市場といった便利で快適なシステムに依存すると、社会は空洞化し、かえって統治は難しくなっていく。秋葉原事件のような無差別事件は多発するようになる。ではどうすれば?
本書...続きを読むPosted by ブクログ -
社会システムの変化に伴う、非人間性の浸透に対して、なぜそうなるか、何を意図してそうなってきたかを整理して、その上で懐古主義ではなく、これからどうするかについて、良質な問いかけを元に対話形式で進む本書は、学生、ビジネスパーソンだけでなく、すべての成人に読んでほしい書籍。事例は分かりやすく、マッチングア...続きを読むPosted by ブクログ
-
久しぶりに集中して、本の後半は朝の3時から6時半で、一気に読み終えた。大学生までは、小説や哲学や社会学が好きだったこともあり、宮台さんの本は、当時のサブカル、援交などを全てまるっと大きく、社会学として、批評しているイメージがあったけど、難解な本は難解であった。
いつからか、私も、大学生までは最も嫌...続きを読むPosted by ブクログ -
リベラルアーツに重きを置くなど特徴あるカリキュラムで知られる経営大学院の至善館で、社会学者の宮台真司と経営学者の野田智義が行った講義を元にした論考。もともと開学時から社会学者の橋爪大三郎などが教鞭を取っているのは認識していたのだが、まさか宮台真司まで登壇していたとは知らなかった。そしてここでの議論は...続きを読むPosted by ブクログ
-
自分の拙い理解で、資本主義とは何か?と問われたら、全てをお金で換算する社会と答える。故に効率化を追求し、分業に分業を重ね、餅は餅屋とばかりに専門家に任せた。結果、自分の専門以外のことはとんと何もできない人ばかりになった。もちろん自分もその1人。それが本書で言われる「システム化」と理解している。
その...続きを読むPosted by ブクログ -
野田智義は、非営利の独特な教育機関であるISL(Institute for Strategic Leadership)の創設者である。ISLは、大企業の経営幹部候補を対象に、リーダーを育てる教育を行う機関である。私はこれまでに、金井壽宏先生との共著である「リーダーシップの旅」という野田智義の著書を読...続きを読むPosted by ブクログ
-
これはとても良かった。白井聡さんの本にも通じるが、資本主義、貨幣経済が大きくなっていくと信頼の喪失、相互幇助の喪失、あらゆる価値のパラメータ化、共感力の喪失、存在価値の希薄化が起こる。そしてそれは安心、効率などを求め続ける限り止められない。つまり自然運動であり今後も続いていく。とても納得感のある理論...続きを読むPosted by ブクログ