宮台真司のレビュー一覧

  • 経営リーダーのための社会システム論~構造的問題と僕らの未来~

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    ・人々に規範や価値観を共有しましょうとただ呼びかけただけでは、その通りになることはまずありませんが、ある体験を共有していただくことで「いいなあ」と感じてもらうことができれば、そこから先、人々の規範や価値観に変化が生じる可能性があります。
    ・社会の変化が急激に起きる際、人々は自分たちにとって大切なものはなにか、自分たちがどんな社会を望むのか、といったことを考えるよりも、新たな仕組みや枠組みに対応するのに精一杯です。具体的には、自分だけ取り残されるのではないかという不安や恐怖が広がり、市場や行政がそうした感情を利用して近代化を推進していったのです
    ・共同体には必ず維持コストがかかります。人々がその

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    2025年04月19日
  • 子どもを森へ帰せ 「森のようちえん」だけが、AIに置き換えられない人間を育てる

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    宮台ワールドが迸っていて、諸々自分も勉強してキャッチアップ・アップデートしていかなくてはいけない部分も多かったが、
    繰り返し述べられている『「社会の外=言外、法外、損得外の時空」を開示して力を回復させる体験デザイン』によって、「失われた身体性・感受性を取り戻す」ことが急務であることには深く共感した。

    たまたま併読していた本にも、日本の政策立案がいったいどういう戦略や意図があってなされているのかが見えなくなっている、という話が出ていたが、本書で日本社会の課題と指摘されていた

    ・「ヒラメ(上へへつらう)」「キョロメ(周囲に合わせる」で空気感に縛られる
    ・「価値的貫徹より学習的適応が優位(やりた

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    2025年03月16日
  • 終わりなき日常を生きろ ──オウム完全克服マニュアル

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    宮台はこれで十分
    青い鳥になろうという本ではあるがこれに救われた人は少なくはなかったはず
    著者の不倫はらしくなく悲しいニュースだった
    やはりXをするのはよくないと思い自分はXを辞めた
    Xを辞めたら宮台の説く幸福を手に入れたのはなんとも皮肉な話だが

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    2025年01月21日
  • 子どもを森へ帰せ 「森のようちえん」だけが、AIに置き換えられない人間を育てる

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    稀代の社会学者 宮台真司氏とフリーの教育ジャーナリスト おおたとしまさ氏の対談を中心に、実践者たる教育者の方々も交えた貴重な記録。

    大学生の頃からずっと知る大家 宮台氏の、20年30年におよぶ学者としての研究・実践に基づく、ときについていけないハイペースでの学問的・体得的見解の出力の嵐を、おおた氏が噛み砕いて紹介・補足するといった展開。

    当時宮台氏については色眼鏡で見ていたのもあったが、この本ではご自身の両親との経緯と共に、如何に考え行動してきたのかも触れられていて、あれはそのような狙いや背景があったのか、と気付くことも多数あり、勝手に伏線回収ができた印象もあった。

    先ずは私自身の家族・

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    2025年01月05日
  • ルポ 日本異界地図

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    タイトルからちょっと勘違いしてた。
    スピリッチュアルとか霊界とか、そんな世界を教えてくれる本かと思ってた。
    しかし考えてみたら宮台真司氏が執筆。そんなわけはなかった。

    松代大本営、アブチラガマ、新宿ゴールデン街、飛田新地、福島第一原発、
    香川・豊島、軍艦島、成田空港、東京・山谷、釜ヶ崎、長島愛生園

    日常ではない土地、場所のことだった。
    ワクワクする場所だったり、子供が足を踏み込んではいけない遊郭だったり、、
    ハンセン病の隔離病棟のような、時の政府の負の遺産の場所もある。

    楽しい。

    いまそういう場所がどんどん減っている。
    下北沢の駅前の市場も消滅しつつある。自由が丘もしかり。
    吉祥寺には

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    2024年07月10日
  • 民主主義が一度もなかった国・日本

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    (2010/2/3)
    このミヤダイって人はどうしてこうまぁ知的好奇心をくすぐることが言えるんだろ。
    TBSラジオで聞いてても、文章を読んでも(といってもこの本は対談集なので、ある意味話し言葉ではあるが)痛快なんだろうか。
    難解なんだけど、全くお手上げというわけではないんで、読み進められる。

    この福山という方、民主党代議士で外務副大臣。
    偉くなっても腰の低い方で、宮台さんとは数年来の仲のようです。

    そんな二人が日本を語る。自民政権を切る。斬る。
    宮台論理は
    ・政策を官僚任せにし、結果官僚が官僚をコントロールする形にしたのが自民の最大の問題
     官僚は政策を通じて政治家がコントロールしなくてはい

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    2024年06月18日
  • 増税は誰のためか

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    (2012/7/10)
    神保 哲生, 宮台 真司, 神野 直彦, 高橋 洋一, 野口 悠紀雄, 波頭 亮, 大野 更紗, 武田 徹

    「日本の財政再建のためには消費税増税はやむを得ない」という輩が増えている。
    お叱りを受けるかもしれないが、私はこれは官報複合体のなせる業だと思っている。
    記者クラブメディアはいつの間にか増税やむなしを連発しており、
    その記事の、放送時間の量に従って、増税やむなしが増えている。
    物わかりがいいというかなんというか。
    本当に国を憂いているのか、生活にゆとりがあるのか、増税デメリットがある立場にいるのか、、、
    その真意はわからないが、そういう方々にはまずこの本を読んで

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    2024年06月18日
  • 経営リーダーのための社会システム論~構造的問題と僕らの未来~

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    いやはやーめちゃくちゃ面白かった...!

    豊かになっているはずなのに生きづらいのはなぜか。構造的問題は何か。そもそも、私たちはどんな社会システムに依存しているか。短期的な選択が中長期的にどのような症状を引き起こしているか。なにがセンターピンか。
    いつもと違う角度からの刺激がビシビシでした。対話形式で読みやすいです。

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    2024年03月24日
  • 経営リーダーのための社会システム論~構造的問題と僕らの未来~

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    リーダーシップの旅を読んでファンになっていた野田さんと宮台さんの対談本。好きなお二人の本だけにとても楽しみに読んだら、まさに自分が今悩んでいる部分に対しての処方箋となるようなコメントが数多く散りばめられていた。
    とはいえ、簡単に世の中を変えられるわけでもないけれど、少し方向性が見えたような気がした。

    分断を生まないようにしながら、一人一人が傍観者にならず当事者意識を持って参加する共同体を作ることが大事。それをできるファシリテーターが必要なのだと。
    ファシリテーターと表現されているが、個人的にはリーダー的な人なのかなと理解している。それも偉そうなニュアンスではなく、コミュニティ意識をもってその

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    2024年02月04日
  • 経営リーダーのための社会システム論~構造的問題と僕らの未来~

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    損得野郎の自分にとっては胸に突き刺さる本だった。失って行く人間らしさに絶望しながら、人間らしさを取り戻す模索をしていこうと思う。

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    2023年08月26日
  • どうすれば愛しあえるの 幸せな性愛のヒント

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    感情が劣化した当方に、この本はグサリと刺さった。

    心の穴を埋めるように恋人、パートナーを扱ってはいないか?自分の気持ちはオートマタ的な損得に基づいて発露されていないだろうか?

    一度通読しただけでは咀嚼し切ることはできない、性愛と社会の諸問題。

    自分自身がそんな「クソ社会」の一員であることを自認した上で読むと、より興味深い示唆を与えてくれる。

    本著は年齢や性別を跨いで、性愛で悩む多くの現代人のガイドブックになりうる。
    そしてこの一冊が個人、社会にとって要らなくなる。
    そうなれば著者のお二人、私にとって御の字だろう。

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    2023年08月07日
  • 経営リーダーのための社会システム論~構造的問題と僕らの未来~

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    ネタバレ

    冒頭で語られる「日本は社会の底が抜けた状態」というのが、本書を読むことでよく理解できる。また講義形式のせいか、難解な社会システム論が理解しやすく語られているのと、受講生による質問で議論が更に深まっている。

    本書では、市場・行政を”システム世界”と呼び、その拡大により、人々の感情劣化(利他性が損なわれ、損得勘定が主な価値判断となる)と孤立化が進んでいると言う。それが仲間意識の希薄化・分断となり、民主政の機能不全に繋がっている。
    民主政は、それを営む人間の”善意”や”倫理”が前提となっており、いかに維持が難しいかということと、自分自身も損得勘定の価値判断にすっかり染まっていることに気付かされた。

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    2023年03月13日
  • 日本の難点

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    社会の底が抜けた時代、相対主義の時代も終わり、境界線があやふやで恣意的な時代になっています。最先端の人文知の成果を総動員した日本という国の論点です。

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    2023年03月08日
  • 私たちはどこから来て、どこへ行くのか

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    進む社会の分断、台頭する排外主義、ポピュリズム。我々が依拠する基本的人権や民主主義の価値が足元から揺らいでいる今、社会を構築する一歩を踏み出さなくてはならない。

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    2023年03月08日
  • おどろきの中国

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    3人の社会学者による中国の長い歴史、そして日本との関係を社会学の理論なども参照しつつ、現実の観察をしっかりと踏まえて、議論を進めていく。

    「おどろきの中国」というタイトルで、なんとなく「やっぱ中国って変な国だよね」的な内容をイメージたのだが、純粋に本当に「おどろいた」。

    これ1冊で、よくわからなかった中国のすがたがモヤの中から立ち上がってくる感じがあった。

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    2023年03月08日
  • 経営リーダーのための社会システム論~構造的問題と僕らの未来~

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    社会の変化が極めて論理的に語られていて、なるほどと膝を打つと同時に、この感情の劣化を止める方法は本当にあるのかと、絶望感の方が大きかった。
    今後は宮台氏の他の著書も手を付けるとともに、ピーターティールをはじめとした新反動主義者、加速主義者、リバリタリアンの主張も学んで行きたい。

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    2023年02月15日
  • 経営リーダーのための社会システム論~構造的問題と僕らの未来~

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    漠然と抱いていた違和感が明確に言語化されている。自分を取り巻く社会がどうなっているのか、どこに向かっているのか、そこから自分自身がどう影響をうけているのか、どう生きていけばいいのか、考えるきっかけになった。

    耳の痛い話も多かった。
    自分はフリーライドしがち。

    講義形式なのと、文字数少なめでかなりわかりやすくしてあると思うので、関連書籍や著者の他の本も読みたい。

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    2023年01月19日
  • 日本の難点

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    若者論や教育、安全保障、政治など様々な分野を横断して論じていて面白かった。他者に承認して欲しいけど自分は承認できない問題や、周りを感染させるようなレベルの高い人はどの人も利己的で公共に関心があるというのは、自分に自信があって周りのために頑張りたいとか思える人なのかなと思った。
    そういう人になるには様々な経験値を積んだり、ガリ勉じゃなくて豊かな感情を学ぶことが大切というのも共感できた。
    環境問題についても、温暖化懐疑論を、本当に温暖化が起こっているかは問題ではもうなくて、世界の流れが変わらないなら、それにのって先行者利益を取るべきというのは新しい学びだった。
    また社会が変わるになる合理性を越える

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    2022年12月15日
  • 経営リーダーのための社会システム論~構造的問題と僕らの未来~

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    システム世界の全域化と共同体の空洞化、その結果として孤独死や人間関係の希薄化といった問題が出てきた

    合理的な判断と行動の積み重ねが、人間同士の関係性を根本的に変化させ、僕らの精神的安定性を失わせている

    短期的な便益を享受するために意図的にシステムに依存する行為(自律的依存)が気がつけばシステムなしには生きられない他律的依存に頽落(たいらく)する

    生活世界は維持にコストがかかる
    システム世界の全域化が始まると、社会の変容は基本的に不可逆となる
    生活世界の維持をみんなで図ろうとしても、必ず誰かが抜け駆けしてシステム世界の便益を享受しようとしてしまう
    その誰かは、他の人々と違って生活世界にタダ

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    2022年12月10日
  • 経営リーダーのための社会システム論~構造的問題と僕らの未来~

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    社会の構造的な課題を分析し、その処方箋を提示する。実にまっとうな、そして、現時点で最高水準の本だ。

    キーワードはシステム化。行政や市場といった便利で快適なシステムに依存すると、社会は空洞化し、かえって統治は難しくなっていく。秋葉原事件のような無差別事件は多発するようになる。ではどうすれば?

    本書のすごくまっとうな提言に耳を傾けよう。日本社会について、現代について、未来について、まずはこの本を読んでから語るべし。

    何より、宮台氏の利他ぶりに、涙が出た。

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    2022年12月03日