宮台真司のレビュー一覧

  • 経営リーダーのための社会システム論~構造的問題と僕らの未来~

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    ネタバレ

    うーん。難しい時代だ。
    処方箋は提供されているが、共同体の確立とかできるんだろうか。
    食を入口とする、というのはおもしろそう。

    P79 
    人々はもはや地域にも家族にも属さない浮遊した存在となり、それぞれが匿名者として戯れています。そして、グローバル化によって中間層が崩壊した格差社会において、地域と家族の空洞化を埋め合わせているのが、市場や行政といったシステムにほかなりません。システムに依存した社会は「社会の穴を、経済で埋め合わせる」ものです。だから「経済が回らなくなれば、社会の穴に人々が落ち込む」のです。その 事例は、孤独死以外にもさまざまなものがあります。

    P88
    さらに言えば、日本は災

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    2024年08月31日
  • おどろきの中国

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    中国社会の構造と毛沢東のカリスマ性の秘密が面白い。
    「三国志演義」の思想から毛沢東のリーダーシップを読み解いていく。
    「三国志演義」では、皇帝は武力の強い者ではない。
    漢の皇祖劉邦は、武の天才項羽を、破るほどの武の達人だが、皇帝になると文民に徹し、文民皇帝として漢帝国400年の礎を作る。
    それは武の皇帝となった秦の始皇帝の帝国が15年で滅びたことを反面教師としているのだ。
    武で中華を征服したにも関わらず、武の痕跡を消し去って文を表に出すこと。
    それこそが「三国志演義」思想の指し示す皇帝の奥義なのだ。

    毛沢東が大躍進政策で失敗し、4000万人の餓死者を出した時、人民解放軍のトップで軍のエリート

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    2024年04月20日
  • 社会という荒野を生きる。

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    自説を述べる時に「誰々が言った事だが」と補強をするのは宮台真司だけに限らないが、こうした援用には、説明のショートカットと自らの責任回避が目的としてある。従い、認知の低い層を切って捨てる彼の態度と実は同根であり、自分の気づきとして理屈立てて説明するのが煩わしいのか不得手なのか、皆が忘れていた史実を錦の御旗に、とにかく定言命法のように「絶対的な情報」により攻守を固めながらマウントを取るという論法だ。

    宮台真司は天皇主義者であり、それは師匠の小室直樹から受け継いだもの、オウム真理教に基本的な洗脳手法を提供した自己啓発セミナーにも関わっていた、と権威に権威を重ね、完璧な鎧を纏った上に、性的にも強者で

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    2024年01月26日
  • 社会という荒野を生きる。

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    時事ネタを社会学で解説するラジオのコーナーが文字起こしされたという。「おわりに」によると、ラジオ番組前に下調べを数時間かけるが基本的には即興とのこと。それでこのクオリティに仕上がるところに宮台さんの教養の広さと深さを感じるが、それでも彼が慣れしたんだ型を繰り返しているのがわかる。
    社会学と哲学の先人が切り開いたコンセプトを持ち出すか、日本社会の過去の事象を紹介して課題の共通点を列挙して他の論者の浅はかさをディスりつつ先頭に立って主導権を取る。この宮台さんの立ち回り方を観ながらいつも”もったいないなぁ”と思うのは、その教養と頭の良さを「マウントを取るための武器」にしてばかりいることだ。いったい誰

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    2024年01月11日
  • どうすれば愛しあえるの 幸せな性愛のヒント

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    テーマからもう少し軽い感じかなと思いきや、想像以上に社会学の講義になっている。
    男は経済的な豊かさがないと結婚の決断が出来ず、女性は経済的に豊かになると結婚を望まなくなると、色々な意味で結婚は金なんだと、改めて感じる。

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    2023年10月20日
  • 社会という荒野を生きる。

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    ネタバレ

    本書における著者宮台さんの言論については必ずしも意見が一致するわけではありません。

    ただ、2015年発刊で少し時代背景もコロナ前ということを差し引いても、自分にない視点や社会学の見識は参考になりました。

    オウムー奪われた「共同体にとっての価値」の代替的回復

    オウム真理教の事件が起こったとき、前代未聞の国家転覆計画に驚いた記憶と、一般的にエリートとされる人々が多く加わっていたことに驚きました。

    著者は、そこに見られたのは「目標に到達できなかった」という挫折感ではなく、専ら「目標に到達したのに自分は輝いていない」という〈こんなはずじゃなかった感〉だと言います。

    社会思想家アクセル・ホネッ

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    2023年08月03日
  • 日本の難点

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    私たちが抱えているものについてを時代ごとの事象と意味づけながら記述している。
    表題にもある通り「日本の難点」はそれが課題なのか問題点なのかを明示できない側面がある。複雑に絡み合うものを一つずつ解くことで私たちの社会がより透明になりうるだろう。これからどうあるべきかの思考ができる準備段階に入ることが重要なのかもしれない。その手段としては歴史の理解(把握)が必要だ。

    本章は
    人間関係、教育、幸福、アメリカのこと、日本のこと、の順で進んでいく。
    最終的には私たちの住む国がどうなっていくことで個々の幸福度が高まるのか
    にもっていく。

    教育のシステムと場所の喪失について私は面白く感じた。
    ゆとり教育

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    2023年07月31日
  • 日本の難点

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    アングラな部分を含めて様々なフィールドワークを通して積み上げられてきた著者の視点は、社会学のアカデミックなラインとは一線を画した揺るぎなさがある。
    現代の社会学は何かと悲観的な論調になりがちだが、著者は「本当にスゴい奴は利他的だ」と述べ、最後のところで希望を持っている。

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    2023年04月06日
  • 終わりなき日常を生きろ ──オウム完全克服マニュアル

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    ■ 生き生きとした生命の実感をもたらす決戦のときもない世界。
    過ちは永遠に記憶され、絶望は希望に変わらず、未来は単なる今日の延長。

    ■ 全面的包括要求そのものを放棄

    ■絶対的な善悪がわかりづらい(存在しない)昨今、相対的に善く、まったりと生きる。

    ■私たちの課題は、社会の内側で見捨てられる人たちに対して、どうやって承認していくか。
    そして、論理なき自由な社会で、共同体的コミュニティを復活させていくか。

     

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    2023年03月30日
  • 民主主義が一度もなかった国・日本

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    今エネルギー問題で日本でもEVシフトが進んでいる状況であるが、2009年のこの対談の時から、環境問題は政治問題でいち早くそのゲームに参加することが重要だと訴えられていたことに驚いた。
    14年遅れでなぜ日本がCO2削減やEVへ舵を切る必要性が高いのかを理解できた。

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    2023年02月03日
  • 経営リーダーのための社会システム論~構造的問題と僕らの未来~

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    日頃疑問に思っていた・違和感を感じていたことを、構造的に明確に説明してくれて、
    なおかつ解決策まで提示してくれた至高の1冊。

    ただその解決策を、実際に社会に浸透させて、人々の価値観や幸福感にまで落とし込んでいくとなると、ややリアリティが弱いなとは感じた。
    かと言って自分もそれ以上の解決策は思いつかないので、難しいところ。

    優秀で暖かい気持ちを持った筆者の言う「まとも」な経営リーダーも、リソースは限られているわけで、
    そこらへんも考えていくとかなり難易度は高いなとは思う。
    とは言え、まずは出来ることを行動に移していくしかないのだが。

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    2022年07月27日
  • 私たちはどこから来て、どこへ行くのか

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    宮台社会学35年分のエッセンスが講演記録などでわかりやすくまとめてある。

    袋小路に入り込んだな〜と感じる日本社会について、社会学という視点でするどく分析した論考のかずかず。

    わたしが思っていたより、状況は絶望的だったのだ。。。。と暗い気持ちになる。

    さて、ここからどう進むのか、が問題だ。

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    2022年06月27日
  • 経営リーダーのための社会システム論~構造的問題と僕らの未来~

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    「経営リーダーのための」という立て付けになっているが、別にそういうことを志す人でなくても、今、この時代を生きている私たち全員に必要なことが議論されている。

    社会システム論(ハーバーマスとか、ルーマンなど)は、理論的には、かなりめんどくさいのだが、ここでの議論は難しくない。今、私たちの生きている時代、世界がどんな状況なのかを大きなシステムとして捉え、そして私たちの日常で身近に起こっていることを分析している。

    システムという考え方は、個々の要素だけでなく、要素間の関係もみていくということ。つまり、全体は、一つ一つの要素の単なる積み上げではないということ。

    ということは、うまくいけば、システム

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    2022年05月13日
  • 音楽が聴けなくなる日

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    ピエール瀧の薬物による逮捕からの一連の音楽業界の対応について、本来あるべき姿を問う論評。
    最近の日本の過剰なコンプライアンスには違和感があったのだが、宮台先生の「法の奴隷」「言葉の自動機械」という言葉はとてもしっくり来た。

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    2022年02月16日
  • 民主主義が一度もなかった国・日本

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    ネタバレ

    もうずいぶん前のことのように思えるけれど、民主党政権ができて鳩山首相が誕生して割と直後に行われた福山×宮台対談。
    福山氏は至極まともなことを言っていると思うし、新しい時代の幕開けを想像させる語り口に満ちている。ただそれは当時のことで、今は民主党は下野し、党自体がなくなった。これだけの内容が語られていながら、なぜ民主党はあっという間に下野したのか。それを考えながら読むと面白い気がした。
    民主主義がどうのこうのと対談しているというよりは、民主党が政権をとったというのは、日本に何が起こったからなのか、何を期待されて民主党が政権を取れたのかという論点であるように思う。
    中身はとても面白い。一方で、繰り

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    2022年01月10日
  • 私たちはどこから来て、どこへ行くのか

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    ネタバレ

    端的に言えば、本書は宮台氏による日本論であると思います。
    あとがきに「衒学的」とある通り、確かに時に言葉遣いは思想業界用語のクロスオーバーとなり思想・哲学・社会学に馴染みのない方には到底すんなり理解できるものではないと思います。しかしながら、良くも悪くも短編集の寄せ集めの体を成すことから、筆者の主張したいこと・思いは、繰り返し語られることでおおよその理解ができる形になっていると思います。

    ・・・
    宮台氏の若者論はブルセラや売春などの事象を取り上げることで「いろもの」の感がありました。しかし論の根っこは日本社会論があると思います。

    とどのつまりは日本社会が若年層を滋養する<生活世界><中間世

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    2021年10月02日
  • 日本の難点

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    久しぶりに宮台節を味わいたくて再読しました。
    高校の時に出会って以来、著者からは良くも悪くも影響を受けましたが大学進学し以後自分の専門分野を研鑽していく中であらためて氏の著作に対して感じるのはこれらは宮台思想でありアカデミアの中で一般に受け入れられている訳ではないということと、意外?と適当な根拠で主張を構成している(そして賢い?のはそれを指摘されても言い逃れ出来るような論理を準備している。真の論点はそこではないみたいな)ことです。
    氏の主張をあまり真に受けると現実世界で痛い目を見ることがあるので特に若い方には気をつけて頂きたいなと実際に痛い目を見た自分は思いました。
    氏から学んだ大事なことの1

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    2021年04月30日
  • 日本の難点

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    初版から干支が一回りしているのに論旨が全くぶれていないことと難点が相も変わらず難点であり続けている事実を突き付けられて驚き、おののく。

    この十二年でこれらイシューへの氏の対処はより過激で直截的な言動に変わった。もどかしかったのだろう。
    「クズ」「ケツナメ」「ウヨ豚」「ヒラメ・キョロメ厨」「言葉の自動機械」「法の奴隷」・・・。
    これらのキャッチが生まれる前夜、起源が余すところなく記されていて興味深い。
    「これがのちのケツナメである・・・」というナレーションが聞こえてきそうだ。

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    2021年03月10日
  • 日本の難点

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    本著から10年過ぎて日本情勢はどう変わったのだろうか。肌感覚ではあまり進展を感じない事の方が多い。むしろ諸外国との付き合い方、日本の立ち位置では難度が増しているのかもしれない。感染症による世界レベルの危機、オリンピック延期など日本にとっては改めて自国を見つめ直すチャンスなのかもしれない。難しい話も多々あったが、今だからこそ考えさせられる一冊だった。

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    2021年02月17日
  • 音楽が聴けなくなる日

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    本なのにフジロック好きでも盛り上がる読書でした。そして、悪い人は叩くメディアの歴史もわかりやすかったです。それから宮台さんのクズ3つの定義(言葉の自動機械、法の奴隷、損得マシーン)の毒舌が相変わらずで、「レミゼ」や「あいトレ」問題を取り入れながら「アートこそ〜」を教えてくれました。本当にいつもわかりやすく勉強になります。もっとたくさんの人たちが宮台さんの本を読んでほしいです。もちろん電気グルーブファンです。

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    2020年12月01日