宮台真司のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
一冊の本に、こんなに傍線を引いたのは何年ぶりだろう、ほとんど緑線なのも。
主張は要するに「野良男と賢し女構造の」野良男、つまりバイオレーターになるしか、人生を、仲間を、社会豊かにする方法はないぞ。という、何千年も続く神話の繰り返しだったが、耳通りの良い言葉で、なんというかリフレッシュされる。
ぼくは、丙午のへそ世代だけど、工学部大学時代マン研の先輩の何割かは性経験があり、僕らは片思いの経験があり、後輩はそれすらゼロだったのを思い出す。そこに断層があった。恋愛至上主義世代の最後の尻尾だ。
よく考えると、恋愛至上主義の解体はバブルの終焉よりも速かったように思う。
今より昔の方が、昔 -
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中国はすぐ隣にあり、歴史的にも深いつながりがあるのに、実の姿をほとんど知らないし、謎に思う側面が多い。でもこの本を読んで、おぼろげながらも全体が見えた気になった。
そもそも中国とは国家なのか。二千年以上前に統一され、トップが変わってもあれだけ広い土地と国民が、漢字の表記は一緒でも発音は様々というのに、長く国家という認識をもっているのは外からは不思議なことに見える。だがこれが中国の人々には不思議ではないことを理解しないと、中国がわからない。政治的統一を第一に考えること、中華思想や幇、儒教の考え方を知らなければいけない。
そうして少しずつ歴史と考え方を紐解くと、なぜ歴史問題でこれだけすれ違いが生じ -
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自分用キーワード
タブラ・ラサ タルコット・パーソンズ ハーバート・サイモン ニクラス・ルーマン 進化の袋小路 就活における「適応力」 フォード主義 ジョン・デューイ ポストフォード主義 スローフード運動 仕事以外の場で承認を(帰還場所:
ホームベースを見つける) 宗教的不安の回避 葬式を出さなくなった日本 プライミング ミメーシス フィードインタリフ 小林秀雄「様々なる意匠」 ハイパーメリトクラシー主義 「誰か何とか言ってやれよ問題」 サプライヤー目線 カセクシス 「言葉を言わせている文脈」に注目 「テクストから身を外す(コンテクストに注目する)」 世直し宗教・癒し宗教 -
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90年代の氏の著作に感銘を受けつつ、その後15年以上放置状態にあったが、本作でひさびさに宮台節を聴く。
難点が故か、結構難しい・・・。これ以上平易に記述不能と氏は言うので、もっとほりこんだ読みが必要かもしれない。が、そうさせようと思うほどのパワーを感じる次第。結局どうなのよという点についても、ある程度明快な結論を提示している点がすっきりしていて良い。しばしばそうでない論客がTVではお目にかかれるもので。
無論色んな視点から書にある各種問題は論じることができる。が自ら言うように、一通りの課題群を一気通貫で論じるという意義は非常に深いと思う。明日への思考の一助となるということで、勝手に気をは -
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父として考える
P.17 循環する時間と成長する時間
あるステイタスのときに特定のコミュニケーションをし忘れると、そのときに意味があった刺激がそうでなくなるので、「だったら時間を有効に使わなくてはいけない」と思うようになりました。(宮台)
おっしゃる通りです。5,6歳までが決定的に重要な時期だと思いますが、結局そのときは一回しかない。取り返しがつかないわけです。この期間を親としてどう過ごすか。
これはじつは、大人と対する時にはない感覚なんですよね。むろん来年の宮台さんはいまの宮台さんとちがう存在ですが、しかしたいていは意識しないでコミュニケートしている。大人にとっては、今年も来年も同じ。仕 -
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とても面白くて読みやすかったです。
永久に輝きを失った世界のなかで、将来にわたって輝くことのありえない自分を抱えながら、そこそこ腐らずにまったりと生きていく知恵を身につける……酷だなぁ。私たちニート世代はどうなんでしょね。でもFBやTwitterで承認欲求を満たしてるひとは多いんじゃないかな。。
宮台さんが、後半の対談の中で「ひとは大人になっていく過程でそこそこの自分とそこそこの世界に耐えていくことができる。それを阻む装置を、観念であれモノであれ制度であれ、徹底的に破壊しつくすことが、僕の目的なの。」って言ってるのがカッコいい。
3.11は、ハルマゲドンだった?
あと、「コクリコ坂から」