宮台真司のレビュー一覧

  • 愚民社会

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    書名が「愚民社会」と挑発的ですが、内容は「土人社会」ともっと挑発しています。BREXITやトランプなどのポピュリズムが吹き荒れる世界の流れに刺激を受けて、二人の論者と書名に惹かれて開いた本ですが、3・11きっかけでまとめられた日本論でした。西郷隆盛や福沢諭吉まで遡り、日本の近代化が可能なのかどうか、という、かなり日本ローカルの特殊な事情を語り合っています。なのですが、経済と国土だけじゃないもの、とか論理だけでは溢れ落ちちゃうもの、としての文化への向き合い、という意味では普遍性も感じました。タイミング的には最終章の憲法改正を巡る議論が大迫力。土人憲法の行方は、どうなるのでしょう。脚注満載なので、それだけでも知らなかったことが知れます。でも、正直、ちゃんと理解出来てないと思う土人でありました…大塚英志のあとがきの「教育」に未来を託すスタンスに、宮台真司のトリッキーなロジックよりも共感を覚えたことも、備忘しておきます。

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    2018年11月24日
  • 民主主義が一度もなかった国・日本

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    今の民主党がベストとは思わないが硬直化していた自民党政治にノーを突きつける意味で民主党が政権を担った意義が大変大きかったことがよくわかる。福山氏のような政治家が増えてくればよいと思った。
    また同感したのはマスコミの政治報道のレベルが低いことへの批判について。八ツ場ダムにせよ温暖化問題にせよ思っていたことを代弁していた。世の中の主流がこちらだと信じたい。

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    2021年08月08日
  • どうすれば愛しあえるの 幸せな性愛のヒント

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    さすがは社会学者の著書でした。表紙の愛らしいイラストからは想像できないくらいにちょっとヘビー。笑
    難しい言葉が沢山並んでいて、とてもすべてを理解するには及びませんでしたが、非常におもしろく読ませていただきました。

    小生、普段はこういった本を手に取ることが少ないため、性産業に従事されている方々が、こんなにも真剣に人間の性に向き合い思索していることに率直に感動を覚えました。


    自分の無知と無教養を晒す覚悟で申しますと、「セックスは、欲を抑えきれない動物がそれぞれの性欲を処理すべくとる刹那的な手段」だと思っていました。とんでもなかった。もっと奥が深かった。(謝罪)


    最後の方の章で書かれていた言葉が特に印象的でした。

    「セックスの醍醐味とは、眩暈である。つまり、忘我。
    ハイデガーの言葉で言えばエク・スタシス(脱自)。(以下略)(人は)リアルというクソから逃避すべく性交する。」


    なるほど。わたしはセックスをしたことがなかったのか…。

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    2018年09月19日
  • どうすれば愛しあえるの 幸せな性愛のヒント

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    <メモ>
    女性の中にも結婚して幸せになれるであろう相手と、恋をしてしまう相手(発情できる相手)は違う、という人がいる。多くの男性は侮辱・支配できないような、尊敬できるような女性に対して、女性は自分を尊敬してくれる男性には発情しない(逆もたまにあり)。まったく立場が同等・公平になって友愛的な男女関係になってしまうと、そこには興奮が入り込まなくなる。しかし、それも社会によって信じ込まされている物語では?79

    現代の若者の大半は、自分の心の穴を埋めるために相手の存在を使ってそれを恋愛と呼んでいるに過ぎない。相手の感情を自分の心に映して同じ感情に感染する能力が落ちた。109

    東洋的な武道や格闘技、ヨガなど体を動かす習慣があり自分のカラダの癖を知っている人の方がいいセックスができる可能性が高い。女性は体が柔らかい方がオーガズムに達しやすい。ストレッチや骨盤矯正などで体のゆがみを開放する。腹筋や腹式呼吸 152

    損得よりも正しさと愛を重視する相手を選ぶ

    ラカンが提示した「倒錯者」として社会に適応した「ふり」をして生きる道274

    結婚しないで妊娠するとヤバいぞ、セックスするな、しかし適齢期になったらさっさと結婚して子を産め、それ以降は貞淑であれというメッセージが、社会や親から女性に対して押し付けられていますよね294

    射精の快感よりシンクロの快感の方がずっと大きい。散歩や料理やスーパーでの買い物でもシンクロ率が高まる300

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    2018年06月04日
  • 世紀末の作法 終ワリナキ日常ヲ生キル知恵

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    ブルセラとかテレクラとかデートクラブとか・・・当時の風俗全般を肯定的な目線で著者がかたる。公共の場で化粧する、飯を食う、地べたに座る子たちの理由として、周りを行きかう人たちが風景になっているという、風景ならば気にならないという理屈が成り立つ。この頃からすでに、日本の「世間」は消失してしまった様子がわかる。

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    2018年02月11日
  • 私たちはどこから来て、どこへ行くのか

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    ネタバレ

    近代化が進み村社会・地方、家庭も学校もシステムに取って代わった現代。システムへの過剰依存が進み、人そのものがシステムの一部に組み込まれてたポストモダンの時代。自己さえもシステムにより生み出された物だと宮台は言う。スマートテクノロジーは人に選択を意識させず、システムの存在を不可視化し、人は気づかないうちにシステムに組み込まれていく。システムの設計意図を自分の意思による決断だと人は思い込むのだ。共同体と顔を失った人々はモンスターペアレントやクレーマー、ネトウヨ、承認厨となってシステムに直接自己の欲望をぶつけるようになっていく。メディアは感情の居場所を失った人たちの最後の拠り所となりもはや民主主義の道具として市民の監視下におかれたものではなくなっている。

    こうした中で若者はテレクラやクラブ、ストリートからネットへ居場所を移していった。
    サブカルチャーで流行したセカイ系は共同体が失われたため個人の謎=世界の謎という個人と世界が直結した構造をとる。この考えが新興宗教を、テロを引き起こした。ハルマゲドンは社会構造を建設的に変える運動というよりは、理想の自己像と世界像に合わせて不都合な現実を作り変えるための運動だった。
    宗教にも失敗した日本の若者は仮想現実へ走った。現実を変えることは不可能なので、ゲームを現実のように生きたり、現実をゲームとして捉えるバトルロイヤル系となって今に至る。

    多様な人々の対峙を余儀なくされるグローバル社会は、共通前提が動物的な快・不快まで切り下げられる社会でありシステム化が加速する。アメリカはキリスト教的価値観が土壌にありNGOやボランティア活動があるのでリバタリアニズムであってもセーフティーネットはあり、欧州はスローフード運動など地産地消を進め共同体を保全している。対立は共通の意識、前提がある共同体だからこそ起こる。対立すら失われた日本は安定しているのでなく地方は地域性を失い、宗教的共同体も血縁主義もない不安定な社会だ。このような土台でグローバルな自由競争では人がもたない。日本は外需と内需を切り分けて対応する必要がある。社会の共通前提を取り戻すために、システムが同性婚でありシェアハウスなど擬似共同体を設定していく必要がある。

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    2017年05月02日
  • おどろきの中国

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    ネタバレ

    ■読んだきっかけ
    ・中国出張するにあたり、行く土地の歴史・地理・文化・国民性を知っておきたかったから。
    ・ニュースや人の話で聞く、中国の悪いイメージ(自己中心的・反日)は、あくまで日本側の視点なので、中国側の視点も知りたかった。
    ■本の内容
    ・社会学者3人による、「中国」についての鼎談であり、どちらかと言うと親中で中国に詳しい橋爪氏が、他二人の疑問点(以下のようなこと)に答えていくかたち。
    ・中国のような大きな帝国が、二千二百年も前(秦の時代)にできたのは、どうしてなのか。いかにして、帝国としての統一性を実現し、維持することができたのか。
    ・中国人=アグレッシブで自己中心的なため、統一国家に不向きでは?
    ■印象に残った主張
    中国の車の運転の激しさについての以下の意見は、中国に行って深く納得できた。
    「中国には交通ルールはない。強いて言うと、事故を起こさないというのが交通ルール」
    ルールがないと見える一方で、彼ら相互の、行動の予測可能性はきわめて高い(究極の帰結主義による秩序)。
    ■感じたこと
    (1)疑問設定の重要性
    ・中国に関する、社会学者たちの鋭い疑問の数々を読み、何となく納得してしまいそうなことでも、良く考えたら不思議なことは深く追求する、ということが大事なんだと感じた。
    (2)知識の不足を知る
    ・近代中国についての章を読み、自分が毛沢東の時代についてあまり知らないことに気付かされた。今の中国を知るためにも、他の本を読んで知識を補強したい。

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    2016年10月01日
  • おどろきの中国

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    著名な社会学者達の対談だけあって視点が多岐に渡っていて面白い。

    人類史の中で、他の文明とか他の文化の真似や影響なしで独自に文字をつくったところは4つしかない。メソポタミア、エジプト、マヤ、中国。
    頭の中が漢字でフォーマットされた中国人が日本を理解することは難しいという指摘は興味深い。
    また一方で、日本には行動規範となるテキストが存在しない。イスラムのコーラン、インドのヴェーダ聖典、中国の経典。特に戦後の日本は何をよりどころにしてきたかといえば米国であろう。パックス・アメリカーナの中で平和を享受してきたわけだ。

    経済の視点では、西側陣営で起きている資本主義の社会主義化と中国に代表される社会主義という名のもとでの資本主義化が議論されている。
    中国の社会主義市場経済は、長期ビジョンに基づく発明であるとも言えるが、中国への富の集中を米英が簡単に許すとも思えないため、政治問題へ発展していくことは十分に考えられる。

    何れにしても、小国日本が主導権を握ることはできない状況にある。米中関係のなかで日本がどの様な役割を演じるかに過ぎない。

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    2015年07月29日
  • おどろきの中国

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     3人の社会学者が、中国について話し合うという本。前半は中国、中国人に関する基本的な謎について。なぜ中国人は、日本人から見ると自己主張の強い人たちに見えるのか、中国人にとっての宗教とは何か、そもそもなぜ広大な地域が国としてまとまっているのか、といった問題や、共産党と毛沢東についての話。後半は中国の歴史問題に関する認識の捉え方と日中関係のあり方を論じている。
     今回の3人のうちの2人が参加している『ふしぎなキリスト教』がとても面白かったという記憶があって、中国についてはまともに知らないけど、読んでみた。とても面白いけど、難しかった。まず中国の歴史、特に戦時の日中関係や日本の行動について、おれはあんまり分かっていないというのが大きな問題だった。というか、こういう無知については、著者らも問題にしているところだ。さらに、著者らはやっぱり学者なので、「AにおいてはBということがあるけれども、中国の場合はどうなのか」といった話の展開をすることが多いが、おれとしては「AにおけるB」の部分がよく分からないので、余計に難しい。
     それでも特に前半は、面白いと思ったことがたくさんあった。まずヨーロッパのように、宗教があって政治があるということではなく、政治的統合があって、諸子百家のような「政策的オプション」がある(pp.36-7)という点。そして「文官優位の根本」(p.80)について。軍事力を排除するために、科挙のような物差しを使ってとにかく序列をつけて、その序列にはみんな従うということで合意しているということ。トップが間違っていても、みんなで従っておけば争い合わずに済むという知恵のようなものがある、というのは、おおよそ日本人には発想できないところではないだろうか。また、「漢字によって言語がつくられた」(p.88)というパラダイム転換は、もう少し考えてみたい。漢字があって、その読み方を色々な集団がそれぞれに付けていった、ということらしい。次に、「ネタがベタになる」(p.124)という表現。手段がいつの間にか目的になるという、日本の近代史でよく見られる現象、ということらしいが、歴史の勉強をするときには何がネタで何がベタなのかということを押さえていないといけないと言うことが分かった。最後に、中国の「社会組織の原則」(p.162)について。「1自分は正しくて立派」、「2他者も自己主張している」、「3自己と他者が共存するために枠組みが必要」ということで、「順番システム」を作り上げるというのが、面白かった。(15/05/24)

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    2015年05月24日
  • 民主主義が一度もなかった国・日本

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    民主党政権が誕生して1ヶ月を経た頃におこなわれた、社会学者の宮台真司と、外務副大臣(当時)の福山哲郎の対談です。新しい政治がはじまるという期待に満ちた二人の言葉が随所に見られるのですが、安倍政権が高い支持率を維持している現在読むには、ややつらいものがあります。

    本書の冒頭で宮台が、市場主義対談合主義、権威主義対参加主義の二つの座標軸で構成される大枠を示して、民主化とは権威主義から参加主義へと移行することを意味するのであり、そのさい、個人を社会的に包摂することがめざされなければならないという見解が示されています。それにつづいて、二大政党制そのものよりも、民主化への移行が重要だと主張しています。ただ、自民党の一人勝ちとなった現在から見ると、政治参加を含む個々人の社会的包摂を実現するフォーマットとして、二大政党制を確立させるというのも、重要だったのではないかという気がします。

    もうひとつ気になったのは、民主党政権が打ち出した「東アジア共同体構想」です。宮台もこのころしきりに「亜細亜主義」を語っていましたが、本書ではその境界設定問題が取り上げられ、境界設定は恣意的だが任意ではないという主張が提示されます。ただこれも、現在の安倍政権が中国封じ込めという、まったく政治的に反対の立場に沿った境界を設定して、アジア・太平洋地域における実のある外交を展開しているのは、皮肉な事実だという気がします。

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    2014年09月19日
  • おどろきの中国

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    橋爪大三郎、大澤真幸、宮台真司の3人が、中国をテーマに語り合った本。

    中国という国のあり方は、ヨーロッパの近代国家を基準にして作られた西洋の社会学の枠組みでは説明しきれないところがあるにも関わらず、文化左翼的な立場からの中国論者たちはポストコロニアル批評などの西洋の現代思想を当てはめることで中国を理解しようとしてきました。本書はそうした一方的な中国への共感を戒め、理論社会学についても独自の思想を展開し、中国の実情にも詳しい橋爪を中心にして、理論と現状分析の双面にわたって中国を分析しています。

    日中の歴史問題や、今後の日中関係についての議論も、たいへん興味深く読みました。ただ、座談会形式ということもあって、それぞれの論点の背後にある問題領域が見通しがたく、社会学についても中国についても詳しい知識を持たない読者としては、少し読みづらく感じてしまいました。

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    2014年09月13日
  • 民主主義が一度もなかった国・日本

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    運転手も運転経験が乏しいなら、乗客たちも命令して監視する経験が乏しい。運転手のミスや乗客たちの頓珍漢でバスはあちこちにゴッツンコ。

    その都度の目的やルートを適切に指示できない「自分自身」に、嫌気がさした乗客たちが、全てを運転手のせいにして、頬被りをしかねない。4

    それどころか「考えないで、俺に任せろ」という馬鹿な運転手に、再び「丸投げ」しかねない。5
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    官僚が、大臣、副大臣、政務官の間にお互いのコミュニケーションがないことを前提に、徹底的に情報を分断するんですよね。

    ダイレクトに電話しちゃうと、頭越しで誰かの顔潰したという話になっちゃうわけね。109

    役人が手練手管に長けているので政治家が手玉に取られているというのではなく、むしろ、自民党の派閥政治的な仕組みに官僚制が適応して、ある種の最適化を行った結果、役人のハンドリング能力が上がっている点にありますね。114
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    「慣れ親しみ」の中に埋没しがちなこうした傾向を、丸山眞男は「作為の契機の不在」と呼びます。「慣れ親しみ」を害するものに否定的に反応しがちなものの、環境が変わってしまえば、やがて新しい環境に何事もなかったかのように「慣れ親しんで」しまう。207

    でもね、結局のところ、ゲームはいつかは変わるんです。今までもそうだったでしょう。207
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    「緑を使った国土再建」こそは、遠い将来にわたって、最後の、そして最大の……。254

    ダムにもいろんなダムがある。護岸にもいろんな護岸がある。想像力を豊かにすることで、公共事業を、従来とは比較にならない「良きもの」にもできるのですね。255
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    潜在フレームを書き換える程度のことで人格は変わらないからです。人格を含めたリソースの使い方が変わるだけ。分かりやすく言えば、自信がつくことと人格が変わることとの間には、何の関係もないのです。

    非常時のパフォーマンスを上げるべく、平時のリソースをどう組み替えるか。だからこそアウェアネス(気づき)の訓練と呼ばれるのです。256

    意識的に選択できるものの領域を拡げる訓練です。それが日本では「人格改造」として受け入れられてしまった。

    改元観念に象徴されるような「空気の一新」「丸ごとの変化」という祝祭と結びついた原初的観念が支配しやすく、かわりに「リソースを組み換えてパフォーマンスを上げる」という戦略的観念がなじみにくいのです。

    日本社会が使えるリソースはこれから大して変わらない。でもリソースを組み換えられる。組み換えればパフォーマンスは一変する。257
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    崇高なるものへと統合されることによる尊厳。自由に物が言えて行動ができる中で自分自身の試行錯誤で培った自己信頼としての尊厳。どちらが強力かといえば、圧倒的に後者だというんですよ。259
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    2014年08月13日
  • 世紀末の作法 終ワリナキ日常ヲ生キル知恵

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    90年代に書かれた著者の時評やエッセイを収録している本。

    テレクラやブルセラといった女子高生たちの振舞いに対して、倫理的な言説を説くことを、著者は拒否します。現代の女子校生は、もはや親や学校の説教を受け入れて振舞いを改めることもなければ、反発して振舞いを続けることもなく、ただバレないようにうまくやればいいと考えるだけだと著者は言います。こうした状況で道徳を説くことは、ホンネとタテマエの乖離を招き、大人の世界は「ウソ社会」だという実感を強化することになって、かえって逆効果だと考えられることになります。

    こうした状況を踏まえて著者は、価値を伝達するのではなく、こうしたシステムの状況を分析した上で、問題が生じないようなメカニズムを整備することこそが必要だと論じています。

    価値についての議論を棚上げにすることで、初めてシステムについて議論する舞台が開けてくるということに、非常に興味を覚えました。ただ、著者のような極端な設計主義がどれほど有効なのかという批判が、保守派の側から提出されることになるのではないかという気もします。

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    2014年04月02日
  • 終わりなき日常を生きろ ──オウム完全克服マニュアル

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    著者は、もはやユートピアを思い描くことが不可能になった「終わらない日常」を生きるために自意識を持たない道を選んだ女子高生たちの実態を解明した社会学者です。本書では、「終わらない日常」の閉塞感から逃れるためにオウム真理教にのめり込んでいった信者たちの軌跡をたどることが試みられています。

    速水由紀子のコラムや、オウム真理教の村井邦夫と著者の架空の対談などもあって、興味深く読むことができました。ただ、著者が長く考察をおこなってきた女子高生の「終わらない日常」を生きる戦略とオウム信者たちの姿を対比させるという構成に、最初から結論が決まっているのではないかという印象もあります。

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    2015年09月21日
  • 経済政策の射程と限界

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    新聞やテレビを見てるだけではちっとも分かる気がしなかったので読みました。
    難しいけど、論点だけはある程度読めてきたかな、と。

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    2014年03月08日
  • おどろきの中国

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    隣国でもあり分かっているつもりでいるので、積極的に理解しようとしない。実際には知らないことばかり。我々にとって中国とはそんな国なのではないでしょうか。
    三国志は読んだことあるけど、文化大革命についてはよく知らない・・・私もそんな状態でした。

    中華という思想、儒教と文化大革命、国家というよりも共産党の支配、「帮」という集団意識、中台関係、日中関係の歴史などなど
    学者三名の討論を通して多くの事柄が紹介されていきます。

    少し難解なところもありますが、中国関連のニュースに触れた時にこの本の関係箇所を読み返してみたいと思います。

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    2014年03月01日
  • 原発社会からの離脱 自然エネルギーと共同体自治に向けて

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    福島直後の対談をもとにした脱原発の本。

    あれから3年経過して、状況が変わっている部分も多いので、改めてお二人の話を聞いてみたい。

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    2014年02月15日
  • 民主主義が一度もなかった国・日本

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    希望に満ちた書。
    地震の前に読んだが、地震の後はこれは無理だと実感。非常によいビジョンだが、地震なくてもズルズルいって達成しない気もする。

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    2013年12月29日
  • おどろきの中国

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    経済的にも文化的にも大きな関わりを避けられない隣の大国のことを、自分があまりにも知らないので、読みやすそうな本書を買いました。
    政治体制が変わっても中国社会の根底にある人間関係の規範のことが何となくわかったような気がします。

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    2013年10月19日
  • おどろきの中国

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    なかなか。
    三人の中国通対談集。
    中国は本当に国家なのか。毛沢東の間違い。鄧小平について。
    参考になった。
    少々、読み応えが有り過ぎる。

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    2013年09月28日