宮台真司のレビュー一覧

  • ルポ 日本異界地図

    Posted by ブクログ

    アンダーグラウンドな世界に興味があり、これまでに何冊か読んできたが、結構ガチ目な本で、ボリュームが多かった。知っている場所が多かったが、詳細な説明によって関心を持って読めた。自分にとっては気持ちが乗らない場所があったり、細かすぎて必要性を感じない記述があるところがマイナス点である。

    0
    2024年03月26日
  • ルポ 日本異界地図

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    <目次>
    第1章  戦争、闇市
    第2章  色街
    第3章  産業、交通
    第4章  ドヤ街
    第5章  隔離施設
    第6章  自然

    <内容>
    そんな怪談チックな本ではなく、巻頭・巻末インタビューの宮台真司氏のインタビューからわかるとおり、至極真面目なものだ。宮台氏の話がかなり堅く、大枠で、「禁断」の土地は、制度も残していかないと、人間社会はダメになる、と読めたが、後は難しかった。各章の話は、知っているものもあったが、そうではない話も(定義温泉とか)ちらほら…。大阪の飛田新地は、健全な色街なんだね…

    0
    2024年03月08日
  • 社会という荒野を生きる。

    Posted by ブクログ

     恥ずかしながら、著者の宮台氏のことは例の事件の際に知った。そのときに、私は彼を大学で学生に講義して、論文を書いている典型的な学者だと思っていたので、タイトルだけ見て買ったこの本の内容は予期していたものと違った。氏がラジオやYoutubeなどの媒体でご活躍されていたのは全然知らなかった。本書のように対談など会話形式が内容の中心になっている本は嫌いではなくむしろ好きなのだが、社会学の専門的なことを知りたかったというのが正直な感想。
     筆者は本書で現在の日本社会のどうしようもなさを明らかにし、痛烈に批判している。私は彼の言っていることの9割以上に同意する。

    0
    2023年06月21日
  • 父として考える

    Posted by ブクログ

    【314冊目】批評家の東浩紀さんと、社会学者の宮台真司さんが父親になられてからの考察を対話形式にしてしたためたもの。2010年出版。論壇では時の人であったこともあり、従来からお二人の議論を追っている人には目新しさはないのかもしれないが、私は興味深く拝読。

     「大きな政府」ではなく「大きな社会」という相互扶助のネットワークを構築していかないといけない。だけど、絆を構築・維持するには相応のコストが必要で、その覚悟が日本人には希薄。今後は個人のスキルを磨くことよりも、スキルのある誰かと繋がれるコミュニケーション能力が大切で、そうした能力を培うことが教育の目的…というのが大まかな議論の流れかな?

    0
    2023年06月18日
  • 社会という荒野を生きる。

    Posted by ブクログ

    当時の時事問題に合わせた小論が続く。トピックが多いので、広く浅くの印象。
    社会という荒野を信頼できるコミュニティと共に生きろという考えには共感。

    0
    2023年05月03日
  • 私たちはどこから来て、どこへ行くのか

    Posted by ブクログ

    注釈が充実。議論は正直難解だが、伝えたいことを繰り返し記述していて、切迫感が伝わる。中間項の消失という問題は、本が書かれて数年経った今も変わっていないと感じるが、また新しい議論も気になる。

    0
    2023年01月17日
  • 原発社会からの離脱 自然エネルギーと共同体自治に向けて

    Posted by ブクログ

    なぜ日本が原発推進から軌道修正できないのか。明らかに文化的、組織的問題、国民的問題。エネルギーや技術の問題ではない。ただ、この霞ヶ関が変わらない一旦が日本の政治の問題でもあり、国民の意識と
    行動の結果であることは目を背けられない。3/11の直後に流れを作りたくて発刊していることがすごい。にも関わらず、日本は変わらなかったことが悔しい…

    0
    2023年01月06日
  • 私たちはどこから来て、どこへ行くのか

    Posted by ブクログ

    出版されてからだいぶ経つが、2022年の現在迄に、この当時に想像できなかった事が起こっている。
    そして宮台氏自身の身にも。
    果たして宮台氏はこれからどんな論説を発表するのだろうか。

    0
    2022年12月23日
  • 経営リーダーのための社会システム論~構造的問題と僕らの未来~

    Posted by ブクログ

    宮台さんと野田さんが至善館で行った講義を書籍化したもの。コスパで捉える人間関係、自分は入れ替え可能な存在であると思いつめてしまうこの社会。システム世界が広がり人間関係の煩わしさが減った分、孤独や自己責任を受け入れざるを得なくなった社会。以前のような地域社会が戻ることは難しいだろう。読後、なるべく周りの人と話すようにした。そんな些細なことが生活世界を広げ、入れ替え可能ではない自分を作るような気がする。

    0
    2022年08月06日
  • おどろきの中国

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    中国は西洋より早くに国として成立したので、西洋的国家概念には当てはまらない。
    古代から一貫して支配層は文官。
    毛沢東は史上もっともラディカルで、利己主義を徹底した(伝統的な儒教すら破壊しようとした)。
    そんな毛沢東を中国人が否定しないのは、伝統的な皇帝システム(天と天子というシステム)の形式が無意識的に残っているから。

    日本人は日中戦争が「何であるのか」を意味づけられていないので、いくら誤っても中国側は納得できない。
    さらに、日本は戦争当事者世代と現在の世代のあいだの連続性を設定できていないので、過去について謝れない。

    日本は米中関係の付属物にすぎず、情勢を正しく分析して最善の選択をし続け

    0
    2022年04月19日
  • 経営リーダーのための社会システム論~構造的問題と僕らの未来~

    Posted by ブクログ

    ・日頃から宮台先生の本、ビデオニュースドットコムのコメント、他メディア上での発言に慣れ親しんできた人にとってはジャストサイズのサマリーになると思った。
    ・内容は難しいのではなく深くて正しい。深い事柄を可能な限り平易な言葉で伝えようとしてくれている。そのため事柄の本質を抽出・圧縮・簡略した宮台先生用語を知るには上記他メディアにも日頃から触れているとかなり点と点がつながっていく。
    ・システム世界の侵食に抵抗するためにこそ、生活世界ーシステム世界が統合されたものとして企業の組織マネジメントはあると改めて思った。企業における組織は重要な社会の足場なので。

    0
    2022年03月07日
  • 宮台教授の就活原論

    Posted by ブクログ

    就職課のサポートやリクルートのビジネスの中で学生側にはふんだんに選択肢が用意されるようになり、「これだけあれば、この中に自分に一番合った企業があるだろう」「自分はこういう人間だから、こういう仕事が向いている」という適職幻想が生まれた。いわゆる「最適マッチング幻想」で、これは就職だけでなく性愛にもある。最適マッチング幻想が蔓延した結果、「もっと良い選択肢があるはずだ」と永久に迷い続け、全選択に失敗する。

    「最適マッチング幻想」
    不自由の解消が必ずしも幸せに繋がる訳ではない事をこの単語が物語っているように思う。皮肉にもリクルートの社是は「『不』の解消」。

    0
    2022年03月04日
  • 社会という荒野を生きる。

    Posted by ブクログ

    社会の空洞化、感情の劣化。
    頑張ったのにこれじゃない感。

    社会心理学の観点から、安倍政権、脱原発、憲法、ISILなど、具体的テーマで、何が本質的問題なのか、それを踏まえてどうする、と言った内容が盛りだくさんで、正直、論理の理解はできるけど、情報過多でまだ飲み込めてない。
    私が貢献価値として認められて、帰って来れる場所としての共同体はとても共感で、こういう場所はとても大事だと思う。感情が劣化している私ですが、共同体作ってみようと思う。

    個人的に、口調が対立的なところがあまり好きじゃないので、評価低めですが、指摘は鋭いなと、いい視点もらいました。

    追加で、祭りの大事さも少し理解が進んでよかっ

    0
    2022年02月27日
  • 父として考える

    Posted by ブクログ

    2022.2.24
    ちょっと古い本だが古本屋で手にとった。
    今でも的を得ていると思うし、最大のリスクヘッジはコミュニティとそれを形成する為のコミュニケーションスキルというのは理解できる。

    お2人のお子さんもいまでは高校生くらいか?今時点のお2人の対談も聴いてみたいと思った。

    0
    2022年02月25日
  • 社会という荒野を生きる。

    Posted by ブクログ

    あらゆる事象を著者目線で切れ味良く、分解し解説してくれている。戦争、安保、沖縄問題など重たい話題もしっかり解説していた。
    一つ一つの事象を理解するというより、その背景や人間性などに照らし合わせて解説しているので普遍性もあり納得感があった。
    エビデンスに基づいている部分は少ないが、著者の社会学の洞察をもとに語られている。

    0
    2022年01月24日
  • 戦争する国の道徳 安保・沖縄・福島

    Posted by ブクログ

    かつて厳しく対立しあった過去をもちながら、その後急接近することになった小林よしのりと宮台真司の二人に、司会役の東浩紀を加えた三者が、現代の日本が直面する諸問題について論じあった鼎談です。

    小林は、『ゴーマニズム宣言』シリーズで「サヨク」を批判し「保守」の立場を標榜してきました。他方宮台は、右翼を主意主義、左翼を主知主義とみなしています。そのうえで、カール・ポパーのピースミール社会工学のような漸進主義を評価し、たうえで、「ネトウヨ」が「知性の劣化」ではなく「感情の劣化」として位置づけることで、小林の立場に歩み寄りを見せています。こうした漸進主義には同意をおぼえますが、日本のポパリアンである鶴見

    0
    2021年03月05日
  • 日本の難点

    Posted by ブクログ

    社会学者の宮台真司氏が、現在(2010年発行)の日本が抱える様々な問題について語った本。

    何やら小難しくて訳が分からない部分も多々あったが、こんな風に色んな角度から日本について語れるその知識に圧倒された。

    世界にも日本にも、どうにもならないような問題に満ち満ちている事があらためてわかった。

    0
    2020年12月25日
  • 社会という荒野を生きる。

    Posted by ブクログ

    著者は、社会の地域共同体や中間層の分解により、分断され感情が劣化した個人が、メディアやインターネット上での同質な者とのコミュニティ等に承認を求め、果てはイスラム国のようなものにまでそれが拡大される現代に警鐘を鳴らし、基盤としてのコアな場を持つことの重要性を説き、同時に国民の感情劣化による民主主義の危機と日本の政治の知性の劣化にも警鐘を鳴らし、国民や住民の直接投票を活用した健全な民主主義の確立を唱える。

    と、言ってることはわかるし、知識が豊富なこともわかるし、勉強にもなる。
    一方で、以下の点が少し気になった。
    ・そもそも他人からの承認を求めない真の自立した個人という理想像が見えず、承認欲求の奴

    0
    2020年11月21日
  • おどろきの中国

    Posted by ブクログ

    序盤は中国社会、中盤は日本との関係、終盤は将来についてが書かれている。
    序盤では、宗教観についてが印象に残った。

    儒教が伝統的に強いというのは知っていたが、それが権力者が統治するのに都合が良く、科挙を突破できるようなエリート向けなのに対して、イマイチどういったものか掴めなかった道教が、科挙を突破できなかったような敗者を救うもので、「裏儒教」といっていたのは今後、道教を理解するきっかけになるものと感じた。

    中盤の日本との関係では、第二次世界大戦付近の話が中心だった。
    例え話も含めて分かりやすかったが、耳が痛い話が多かったので、読むのが辛かった。
    納得する話ではあった。

    0
    2020年10月21日
  • 終わりなき日常を生きろ ──オウム完全克服マニュアル

    Posted by ブクログ

    面白かったが、20年以上も前になると忘れ去れたら古い理論やアイデアに感じた。アカデミズム、社会学的なものにもある時を機会に断絶があるように感じた。

    0
    2020年07月06日